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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

山賊ならぬダンジョン賊

クロエ視点
相変わらず食料は心もとないがなんとかダンジョン内でたまに肉など、食べれるものがあるからなんとかなっている。

「最終手段は他の冒険者から奪い取るしか………」

「盗賊のまねごと?私はやらないわよ」

「せやせや!さすがにそれはまずいって」

「ま、本当にどうしようもなくなった時考えよ?」

焦りと空腹とイラつきでつい変なことを考えてしまった。ある程度食べなくても生きられるとはいえ空腹感は不快だ。

「いったいどこまで行っちゃったのよ〜、もうここ10階層よ?」

魔物はまだ余裕に対処出来ているけど、ルーナ達の手がかりは全くない。

「この辺まで来ると他の冒険者もおらへんなぁ」

であった冒険者にはルーナたちのとこを聞き回ってるけど、有益な情報は全く得られていない。

「ん!魔物以外の反応があるのだ!」

9階層目だと初めて見つけた。

「手がかりがないかもしれないけど一応聞きに行くわよ」

他に魔物の反応はないから休憩中なのかもしれない。その方が都合がいい。

「すんません!ちょっとええか?」

冒険者達を見ると少し疲れている様子だった。魔物と戦闘したばっかりだったのか?

無視されるかと思ったが意外にも反応があった。わたし達の顔を見るなり少し血走ったような目になる。

「ウチら仲間とはぐれたんやけど、その、信じられへんかもやけど、ちっちゃい女の子4人見てへん?探してるんや」

「あ、あぁそれなら見たぞ、こっちだ」

怪しい感じだが初めてルーナ達を見たという情報の方に気を取られてそれどころではない。

「ほんまか!?よかったぁ」

冒険者達についていく。

「その、見つけた女の子達なんか言ってへんかった?」

「あ、いや、、通りすがりだったから」

アネラがいくらか質問するがどれも歯切れの悪い答えばかりかえってくる。

(ちょっと怪しいわね)

サーティアが小声で言ってくる。

(一応警戒するのだ武器はいつでも取れるように、あと背後には常に気をつけるのだ)

力の差があったとしても不意打ちで何も出来なくなるのが一番まずい。後手になってもいいからとりあえず不意打ちを防ぐのが大事。ということを師匠から教えてもらった。

(私はアネラが危ない時にすぐ動けるようにしておくわ)

エマも警戒しているようだ。冒険者の数は5人、この階層にいるということは余程のことがない限りCランク以上の実力はあるだろう。Dランクが無理して来ている可能性はあるが、まぁとにかく油断は出来ない。

ついて行くと、突然冒険者達が止まる。

「この辺りで見たんか?にしてはここ行き止まりなんやけど………ってなんや!?」

薄々気づいてはいたけど、ほんとに襲ってくるなんて。
冒険者達は武器を構え始める

「クロエ!エマ、アネラも」

「わかっているのだ」

「なかなか食料が見つからなくてな、仕方ないんだ」

「出来れば殺さないで売りに出せれば……」

「あぁ、きっと高く売れるはずだ」

相当な事情があるのだろう。仕方ない、仕方ないと自分に言い聞かせている。だがこちらにも事情がある。襲ってきたということはそれ相応の覚悟が必要だ。

「貴様らのような下衆に聞いたのが間違いだったのだ」

こちら側に逃げ場はないがそれは相手もさほど変わらない状況。

「え!?なんや!どういうこと?」

アネラは何も警戒してなかったみたいだ、平和な頭をしているのか?まぁアネラが話しかけてたおかげでわたし達の小声の会話は聞かれなかったからいいか。

「アネラ、武器を取って戦うのよ!」

「パワードレイン!」

「はぁ!!」

「なっ!?」

人数的には不利だがそんなに差はない。相手の前衛を崩して一気にたたけばそのまま押し切れるはずだ。

サーティア相手を圧倒している。アネラは負けてはいない程度か、、弱体化させたとはいえ人数差はきついみたいだ。

「ファイヤボール!」

エマは相手の魔法に対して打ち消すような攻撃魔法をうつ。

ちっ、一人抜けてきてエマに迫ってきている。

「デビルズスピア!!」

相手の魔法使いが対したことないこともあるが今はわたしも前衛に加わった方がいいだろう。

「小娘風情が!!」

「しばらく寝ていろ、ナイトメア!」

対人戦用の魔法を練習しておいてよかった。魔病に苦しんだことで覚えた魔法でもあるからあまり嬉しい気持ちはしないが………

その後無事全員を制圧することが出来た。

「結局こいつらなんだったんや?」

「多分だけど冒険者の仕事が上手くいってなかったんじゃないかしら?力も全然ないし、お金にも困ってたみたいだし。無理して奥まで来て困り果てた時に私達と出会ってこういう行動をとった、って感じね」

「で、こいつらどうするの?」

エマの言う通り、こいつらの処理が面倒だ。わたしはこのまま見殺しでもいいとは思うが、、

「私はリィア達を探す方が優先だと思うわ、こいつらのために一旦地上に行くのも面倒」

「う〜ん、今のウチらじゃ面倒みきれないしなぁ」

「元々奴らはここで野垂れ死ぬ運命だったということなのだ。だがまぁ運がよければ助かるようにしてやるのだ」

わたしは賊を閉じ込めるように格子を作る。そこに、少ないが食料と水を入れてやる。

「ちょっとクロエ、何してるの?」

「こうすればしばらく生きられるだろう、もし生きてるうちに我らがリィア達と合流出来たら一緒に連れていくつもりなのだ。まぁ死んだらそのままダンジョンに食われるだけなのだが」

「このまま逃がして他の冒険者が被害にあってもダメ、かと言って見殺しにするのも後味悪い………確かにこの方法がよさそうね」

今は眠らせているが目覚めた時に暴れられないよう武器は没収している。

「ウチらのなけなしの食料なのに!生きてきちんと罪を償わせなあかんな!」

一応目印看板をたてておいてその場を後にする。


「はぁ………無駄な時間だったのだ」

「変に気を使うから余計疲れたわ」

「クロエちゃんの魔法ほんと助かったわ、あれがなかったらみねうちする余裕なかったしウチが危なかったかもしれへん」

「はぁ〜、早くイーナ達を見つけないとね」

一苦労したところだが、まだ捜索は続く。


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