コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!
不死の魔女2
不老不死の魔女、クララは人生の全てをかけてある薬を完成させた。
不老不死の薬……文字通り決して老いることのない、そして死ぬことがなくなる薬だ。魔法で姿は少女のように見えるが実年齢はゆうに人間の域を超えている。
「これで私はやり直せる」
彼女はずっと頑張ってきた、魔法、薬剤師の才能はあったがそれ以外はまるでダメで友人の一人もいなかった。来るのは彼女の力を利用しようとするものしかいなかった
「今度はちゃんと友達できるといいな」
そうは言っても長年一人で研究しかしていなかったから今更誰かと会話も出来ないし、また私を利用する人しか近づいて来ないんじゃ………
いや、そもそもこんな森の奥じゃ人はもはや会話できる相手すらも来ることはないだろう。
「信頼出来て、会話出来る相手………」
友達は目標だからまずはハードルを下げて会話ができる相手を探すようにした。
「お金は腐るほどあるし、奴隷を買う?」
近くのアドレントでは魔王が亡くなり国中混乱しているところだった。
エルフの里は排他的で、よそ者は歓迎されない。
そんなことはずっと一人で森に住んでるクララには知る由もなく、彼女は人を求めてアドレントに向かう。
「なに、これ」
街に着いたと思ったら、そこは悲惨な状態だった。争いのあとが残り、人々は恐怖の表情をしている。
とても交流出来ないと感じたクララは諦めて、帰ることにした。
それから何年も経って、結局森から出ることがなかったクララはある日、怪我をした少女に出会う。
彼女は元々奴隷のようで、アドレントの方から逃げてきた。
放ってはおけず、彼女を助ける。
「あ、あ、あの、えっと、あなたは?」
何十年ぶりの会話だった。
「わ、私はサリー、助けてくれてありがとう、でも私何も無くて、行くあても……」
「じゃ、じゃあうちに来ない!?ここじゃ危ないし、その、あの」
「願ってもないことだけど……いいの?」
話し相手が欲しいクララ、居場所が欲しいサリーは一緒に暮らすことになった。
最初はクララの研究を恐ろしく思ったサリーがよそよそしかったり、クララが上手く話せなかったりとギクシャクしてたが段々とお互いになれて仲良くなることが出来た。
「ねぇクララほんとにご主人様って言わなくていいの?」
「あなたはもう奴隷じゃないでしょ?もう友達、いや、家族だよ私サリー無しじゃ生きていけないもん」
「クララ………ねぇ!ちょっとアドレントの方に行ってみない?薬を売ったりしてさ」
「え!?なんで」
「だってクララの薬すごいんだもん、怪我、病気、なんだって効くし。最初はびっくりしたけど、全部薬の材料だったんだね」
「あはは、新しく出来た薬とかは副作用が怖いから動物で実験したりしてたの。いきなり人に使って変なことにならないようにね」
人と話すのが出来ないのに人のために薬を作るというのは矛盾してるが、クララにとって魔法と薬の研究は趣味みたいなもので作ったもののほとんどは役割を果たしたことがなかった。
「使わないともったいないから街で売ればいいと思うよ」
サリーにとってはそう考えるのが普通だと思っているが、クララにとってはそんなことはない。今となってはサリーと仲良くなったがそれ以外の人とはもう何年も話したこともないし、いきなり薬を売っても怪しすぎる。
「う〜ん」
「もちろん私も手伝うよ」
「そ、それなら………」
渋々だが、クララ達は街に出て薬を売ることにした。心の準備や薬の調合にも時間がかかるので売り出すのは数ヶ月ごとにした。
「あ、あれ?街が」
「賑わってるね」
魔王が世代交代をして勇者が攻めてきたこともあり荒れていたアドレントは新しい魔王と協力した勇者によってだいぶ落ち着いていた。
「はいはーいちゃんと並んでねー」
「ま、まさかこんなに売れるなんて」
評価は絶賛ですぐに売り切れてしまうほど人気になってしまった。噂も広がり領主、ついには魔王にまでもその噂が伝わった。
「う〜ん、あの素材が欲しいけどこの辺にはないしなぁ………」
「それじゃあ依頼してみたら?いつも売りに行ってる街の人とか、冒険者ギルドに行くのもいいし」
ずっと一人で何とかしてきたクララにとっては頼るということを知らなかった。不老不死の研究してる時に自力でエリクサーの素材を集めたりもした。今回も旅に出て素材を集めようとしていた。
「ううん素材集めの旅に出るよ」
「え!?旅!?」
「サリーはどうする?」
「私、クララと一緒にいたい」
売り出しはしばらく休みにして、各地を旅することになった。
色んな種族と出会い素材を採取していった。
途中助けた人やサリーのように行く宛てのない人を連れていったりしたりしていくうちに、帰って来る頃にはクララとサリーだけじゃなく沢山の家族が出来た。
種族は多彩で魔族にエルフ、人間もいた。
クララの人見知りは相変わらずだが、サリーや他のみんなと暮らすうちに人助けに積極的になった。
不老不死だけあって、別れもある。どうしてもサリーとは別れたくなくてもう一度不老不死の薬を作ろうとしたがそれはサリーに断られてしまう。
「あなたに出会えてよかった。みんなのことよろしくね。ありがとう」
何年も流したことのなかった涙があふれでした。
それからというもの、人見知りながらも困ってる人がいたら必ず手助けするようになった。
「ふむ、情が深い魔女なんじゃな」
「うぅ、ぐすん、いい話ですぅ………」
「…………うん」
「不老不死だからこその苦悩なのね。わかる気がするわ」
「素材を渡したの覚えてるよ私。前は花粉だけだったけど」
誰かが聞いたわけでもないけど、御屋敷の人が魔女、クララさんについて話してくれた。
もう涙が止まらなくてルーナちゃんも黙って私の手を握ってくれている。
きっと私も同じようなことが起きる日が来るんだろうか?考えたくないけど、考えちゃうよね………
不老不死の薬……文字通り決して老いることのない、そして死ぬことがなくなる薬だ。魔法で姿は少女のように見えるが実年齢はゆうに人間の域を超えている。
「これで私はやり直せる」
彼女はずっと頑張ってきた、魔法、薬剤師の才能はあったがそれ以外はまるでダメで友人の一人もいなかった。来るのは彼女の力を利用しようとするものしかいなかった
「今度はちゃんと友達できるといいな」
そうは言っても長年一人で研究しかしていなかったから今更誰かと会話も出来ないし、また私を利用する人しか近づいて来ないんじゃ………
いや、そもそもこんな森の奥じゃ人はもはや会話できる相手すらも来ることはないだろう。
「信頼出来て、会話出来る相手………」
友達は目標だからまずはハードルを下げて会話ができる相手を探すようにした。
「お金は腐るほどあるし、奴隷を買う?」
近くのアドレントでは魔王が亡くなり国中混乱しているところだった。
エルフの里は排他的で、よそ者は歓迎されない。
そんなことはずっと一人で森に住んでるクララには知る由もなく、彼女は人を求めてアドレントに向かう。
「なに、これ」
街に着いたと思ったら、そこは悲惨な状態だった。争いのあとが残り、人々は恐怖の表情をしている。
とても交流出来ないと感じたクララは諦めて、帰ることにした。
それから何年も経って、結局森から出ることがなかったクララはある日、怪我をした少女に出会う。
彼女は元々奴隷のようで、アドレントの方から逃げてきた。
放ってはおけず、彼女を助ける。
「あ、あ、あの、えっと、あなたは?」
何十年ぶりの会話だった。
「わ、私はサリー、助けてくれてありがとう、でも私何も無くて、行くあても……」
「じゃ、じゃあうちに来ない!?ここじゃ危ないし、その、あの」
「願ってもないことだけど……いいの?」
話し相手が欲しいクララ、居場所が欲しいサリーは一緒に暮らすことになった。
最初はクララの研究を恐ろしく思ったサリーがよそよそしかったり、クララが上手く話せなかったりとギクシャクしてたが段々とお互いになれて仲良くなることが出来た。
「ねぇクララほんとにご主人様って言わなくていいの?」
「あなたはもう奴隷じゃないでしょ?もう友達、いや、家族だよ私サリー無しじゃ生きていけないもん」
「クララ………ねぇ!ちょっとアドレントの方に行ってみない?薬を売ったりしてさ」
「え!?なんで」
「だってクララの薬すごいんだもん、怪我、病気、なんだって効くし。最初はびっくりしたけど、全部薬の材料だったんだね」
「あはは、新しく出来た薬とかは副作用が怖いから動物で実験したりしてたの。いきなり人に使って変なことにならないようにね」
人と話すのが出来ないのに人のために薬を作るというのは矛盾してるが、クララにとって魔法と薬の研究は趣味みたいなもので作ったもののほとんどは役割を果たしたことがなかった。
「使わないともったいないから街で売ればいいと思うよ」
サリーにとってはそう考えるのが普通だと思っているが、クララにとってはそんなことはない。今となってはサリーと仲良くなったがそれ以外の人とはもう何年も話したこともないし、いきなり薬を売っても怪しすぎる。
「う〜ん」
「もちろん私も手伝うよ」
「そ、それなら………」
渋々だが、クララ達は街に出て薬を売ることにした。心の準備や薬の調合にも時間がかかるので売り出すのは数ヶ月ごとにした。
「あ、あれ?街が」
「賑わってるね」
魔王が世代交代をして勇者が攻めてきたこともあり荒れていたアドレントは新しい魔王と協力した勇者によってだいぶ落ち着いていた。
「はいはーいちゃんと並んでねー」
「ま、まさかこんなに売れるなんて」
評価は絶賛ですぐに売り切れてしまうほど人気になってしまった。噂も広がり領主、ついには魔王にまでもその噂が伝わった。
「う〜ん、あの素材が欲しいけどこの辺にはないしなぁ………」
「それじゃあ依頼してみたら?いつも売りに行ってる街の人とか、冒険者ギルドに行くのもいいし」
ずっと一人で何とかしてきたクララにとっては頼るということを知らなかった。不老不死の研究してる時に自力でエリクサーの素材を集めたりもした。今回も旅に出て素材を集めようとしていた。
「ううん素材集めの旅に出るよ」
「え!?旅!?」
「サリーはどうする?」
「私、クララと一緒にいたい」
売り出しはしばらく休みにして、各地を旅することになった。
色んな種族と出会い素材を採取していった。
途中助けた人やサリーのように行く宛てのない人を連れていったりしたりしていくうちに、帰って来る頃にはクララとサリーだけじゃなく沢山の家族が出来た。
種族は多彩で魔族にエルフ、人間もいた。
クララの人見知りは相変わらずだが、サリーや他のみんなと暮らすうちに人助けに積極的になった。
不老不死だけあって、別れもある。どうしてもサリーとは別れたくなくてもう一度不老不死の薬を作ろうとしたがそれはサリーに断られてしまう。
「あなたに出会えてよかった。みんなのことよろしくね。ありがとう」
何年も流したことのなかった涙があふれでした。
それからというもの、人見知りながらも困ってる人がいたら必ず手助けするようになった。
「ふむ、情が深い魔女なんじゃな」
「うぅ、ぐすん、いい話ですぅ………」
「…………うん」
「不老不死だからこその苦悩なのね。わかる気がするわ」
「素材を渡したの覚えてるよ私。前は花粉だけだったけど」
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