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コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!

soltier

イラつくことと癒されること

依頼完了の報告のために冒険者ギルドの受付に並んでいると、ごつい冒険者が現れる。

「おうおうどけどけ、この俺、ガインツ様のおとおりだぞ」

うわ、なんか変なの現れた。

「そうだそうだこの町随一のCランク冒険者ガインツ様を列に並ばせるとはどういうことだ、どきやがれ」

「あの、困ります。順番は守ってください」

受付嬢が止めに入る。順番は守るって小さい頃に習わなかったのかな?

「あ?みんな俺より弱いんだから当然だろ」

はぁ〜、こういうのってほんっと無理なんだよね、うん、あぁもう、嫌なこと思い出したし、最悪。
対策としては関わらないのが一番なんだけど、、せっかく嬉しいことがあったのに、台無しじゃん。
イラつくからいいよね。

私はごつい冒険者の前に立つ。

「あ?なんだてめぇ、聞こえてなかったのか?どけ!」

 私はごつい冒険者の腕を避ける。

「聞いてたよ、私はあなたより強いからどかないだけ」

「そいつはおもしれぇ、小娘だろうと容赦しねぇぞ」

こんな安い挑発にものってくれる。本当にちょろい。
こういうのっていわゆる脳筋ってやつだよね。頭がないからそこらの魔物と変わらない。

「リィア!逃げて!危ないよ!」

集まる冒険者の中、私とごついのが対峙する。ごついのが殴りかかってくる。
図体でかいだけで動きはそこまで早くない。
私は跳び上がって空中で、体を反転させて剣の腹の部分で後頭部を殴る。
多分死なない程度だと思う。多分だけど。

「お、おいやばくないか?」

「た、たまたまだ、ガインツさんがあっさりやられるわけないだろ!おい!そこのおまえ!こっち来い!」

「きゃあ!」

ルーナさんがチンピラ冒険者に手を掴まれる。
ぷっつ〜ん、キレちまったよ、久しぶりに。
私が異世界に来てからできた大切な人に手を出すなんて、、ただじゃすまさない。

「ペインズパラライズ!」

これはパラライズの痛み強化版だ。
命をとることはないけどすごい痛みを感じるようになってる。
ビリビリペンの痺れが全身にくるはず。
普通のは金縛りみたいに動かなくなるだけなんだけど今回はムカついたから特別にしてあげる。

「いでででで」

「おい、ふざけるのもいい加減にしろ?私の大切な人に手出してんじゃねぇよ」

もう激おこである。激おこ。

「リ、リィア……」

ルーナさんの無事を確認する。
大丈夫みたいだ。よかったぁ。

「もう大丈夫ですよ、すみません。私がもっと早くルーナさんの危険に気づくべきでした」

「た、助けてもらったのはあたしの方だし、ありがとう。………でも、うぅ、怖かった〜」

ルーナさんが私に抱きついて泣いてしまう。
まじであいつら許さんからな。でもルーナさんのいい匂いとかわいさに免じて今回は許してあげる。

「リィアさん、ルーナさん、大丈夫ですか?」

受付のお姉さんが心配そうに呼びかける。

「何やってるんですか?ガインツさんは本当にCランク冒険者なんですよ。まぁ評判は全然良くないんですけどね。すごく心配しました。でもありがとうございます。私もスカッとしました」

「え、あ、はい、どういたしまして」

さっきまですごく変なテンションになってたけど、今冷静になるとすごい恥ずかしい。てか跳んだとき絶対スカートの中見えたよね?あーーー、恥ずか死ぬ。
気づけば周りの冒険者達にも拍手されていた。
わぁーーー穴があったら入りたい!
恥ずか死ぬ…………

「なんの騒ぎだ?」

「ギルマス!」

階段からさっきのよりごつい人が降りてくる。
受付嬢が今起きたことを説明してくれる。

「なるほど、本当に嬢ちゃん達がやったのか?」

「あ、えと、はい私がやりました」

なんか警察に尋問されているみたいだ。私なんかやっちゃった………ってやつだよね。うん。分かってる。

「信じられねぇけど、ありがとな俺もガインツのやつに苦労しててな、でも実力は確かなんだよなあいつ。ガインツ達にはきつく言っとくから今回は見逃してやってくれ」

「嬢ちゃんは冒険者か?」

「えっとはいそうです」

「ランクは?」

「Eランクです。2日前に冒険者登録しました」

ランクは低くとも神様からもらったチートと部屋に引きこもってゲーム三昧してた経験で強さ的には結構あると思う。

「驚いたな、その体でしかもEランクでガインツのやつを倒すなんて」

いや、結構弱かったよ、あ〜でも武器は使ってこなかったから武器を使ったら強いのかもしれない。

「あ、えっと、私達依頼完了の報告に来たんですけど、もういいですか?」

「おお、すまねぇな、おい、おまえら、仕事に戻れ!騒ぎは終わりだ。ガインツ達は端にでも寝かせとけ!じゃあまた仕事に戻る。頑張れよ!期待の新人」

そう言ってギルマスさんはまた上に戻っていく。

「では、依頼完了ですね。イヤシタケが、いち、に、、、8本なので、銀貨8枚ですね」

「ありがとうございます。はい、ルーナさん」

私は銀貨4枚をルーナさんに渡す。
ルーナさんはもう落ち着いてくれたみたいだ。

「ありがと、結構お金になったね」

続いて魔物の買い取り口へ行く。

「これ、お願いします」

「おお、すごいな、フィールドディアか、みたところ傷もないし、、銀貨3枚だな、フォレストウルフも状態がいいから1匹銀貨1枚で、三匹だから銀貨3枚、合計6枚だな」

「ありがとうございます。はい、ルーナさん」

「ありがと、リィア、この後どうする?教会いく?」

教会かぁ、自分の属性を知っとくのはいいかもしれない。

「それじゃあ行ってきますね」

「え、いや、一緒に行こうよ」

ずっと一人でいる弊害ががが、一緒に行くという発想がなかった。無念

「あ、すみません、一緒に来てくれるとは思わなくて」

「失礼ね、あたし達仲間なんだから、一緒にいて当たり前じゃない」

少し照れくさそうにそんなことを言う。
うぅルーナさん!

「ルーナさん………ぎゅっ」

「り、リィア暑苦しいんだけど、は、離れて……」

感極まって抱きついたけどまだ好感度が足りないようで………残念。

「す、すみません。あ!ルーナさん知ってました?抱きしめると癒し効果があるらしいですよ」

「そうなの?どう?こんな感じ?」

はぁうぁ〜癒される〜

「あ、癒されてる」

もしかして私、ルーナさんにもてあそばれてる?
でも、幸せだからいいや〜。

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