異世界の親が過保護過ぎて最強
──第25話──
息も絶え絶えな俺をレオナルドが優しく抱き上げてくれる。
『……ちっ!これは、危ねぇな。』
『そうだねぇ。イーサンを呼んでくるよぉ。レオナルドぉ、少しお願いねぇ。』
『ああ。』
ライアとメリルは後ろで泣いているが、レオナルドに怒られる為に声を出さずに見守っている。
『おい!メリル!氷を出せっ!』
『う、うん!分かった!!』
ひんやりと冷たいものが額に当たる。
『ルディごめんねぇ……ごめんねぇ……』
『おまっ!氷出しすぎだっ!もう下がってろ!!』
ドカッ!
泣きながら謝るメリルを蹴り飛ばし、レオナルドが俺を二人から庇う様に介抱をしてくれる。
『ただいまぁ。帰ったよぉ。』
『────────。』
ゆったりとした喋り方だが、そこには焦りの色が感じられた。
『おう、イーサン。これ何とかなるか?』
『────────。』
《【時の大精霊の加護】を取得しました。》
頭に流れる大音量。
このしんどい時に勘弁してくれ!!
その直後、優しい温もりが全身を包み込む。
次第に辛さも無くなってきた。
『一先ず、これで大丈夫なはずだよ?』
目を開けると、俺を抱き抱えているレオナルドに心配そうに除き混むサンルーク、そして知らない男性。
少し遠くにはライアとメリルが泣いている。
『初めまして、ルディ。僕は時の大精霊。イーサン=イシュメルだよ、よろしくね。』
『う、うん。よろしく、イーサン……兄さん?』
『……『兄さん』?』
あれ?
呼んじゃ駄目だった?
もう、皆の事そんな感じで呼んでるから流れ的にそうかなって。
『『兄さん』って呼んじゃいけなかった……?』
ふわっとイーサンが笑い、俺の頭に手を乗せる。
『いや、大丈夫だよ。』
『そ、そっか。』
なんか照れる。
『それでぇ?ライアとメリルはぁ何でこんな事をしたのか教えてもらっても良いかなぁ?』
サンルークが二人に向かい黒い笑顔で問い詰める。
『それはの!ルディが死んでしまうと思ったからじゃ!』
『そうだよ!ルディが死んじゃうのが嫌だったからだよ!』
『今まさにお前らが殺そうとしてたんじゃねぇかっ!!』
レオナルドは俺を抱えながら二人を怒鳴り付けた。
二人はビクッと身体を硬直させ、さらに涙を流している。
『だって、ルディが百年も生きられないって言うから…………』
『そうなのだ……ルディとはもっと長く一緒にいたかったのだ……』
『たくっ!それでルディを殺そうとしてたら元も子も無いだろ!!』
『レオナルドのぉ言う通りだよぉ。二人にはぁ、反省してもらわないとねぇ?イーサン、お願いしても良いかなぁ?』
『イーサンの罰は嫌じゃあぁぁああ!!』
『お願いっ!それだけはやめて!!!』
二人は悲痛な声を上げながら懇願していた。
そんなに怖い罰なのか……。
イーサンはにっこりと笑うと手を前に出す。
すると先程まで泣いていた二人は全く動かなくなった。
え?
何したの!?
石みたいに動かないんだけど!?
『イーサン兄さん、何したの……?』
『ん?これはね、二人の意識を切り離して別の空間に送ったんだよ。向こうはこっちと時の流れが違うから、とりあえず、三百年くらいは反省して貰おうかな。』
穏やかな笑顔で言う事じゃないよ!?
とりあえずで三百年!?
怖っ!!
『どんな内容か聞きたい?』
『う、ううん。聞きたく無い、かな~……ハハハハハ……』
知りたいけど、怖すぎて聞けないよ!!
分かってて言ってるだろ!!
『イーサン、ルディはこれで問題ねぇのか?』
『ん~問題はあるね。』
え!?
問題あるの!?
『そうなのぉ?安定してるしぃ、問題あるようにぃ見えないんだけどぉ?』
『説明するとね、今はルディの中にある血の効力を止めている状態なんだ。だけど、一度取り込んだモノは完全には無くならない。毒とかだったら解毒すれば済むんだけど、今回は〈人魚の血〉だからね。それを相殺出来る手段が無い訳。』
『ずっと時を止める訳にはいかねぇのか?』
『それが出来れば良いんだけど、残念ながらそれは出来ないね。ずっと時を止められない以上、一度取り込んだモノはちゃんとその人に取り込んで貰わないといけないからね。』
『じゃぁ、ずっと時を止めないとしてぇ、どうするのぉ?』
『そうだね、この子が十五歳になった時に時を動かそうか。その歳なら身体が耐えられると思うよ。まあ、一週間位は寝込む事になるだろうけどね。』
『事前に分かってりゃ、対処も出来んだろ。』
『じゃぁ、この子は十五歳からはぁ成長出来なくなるんだねぇ。』
『それはそうだけど、これから僕がルディに魔法を教えて行けば自分の身体の成長もしていけると思うよ。』
身体の成長が止まるのは嫌だけど、自分の意思で成長させていける訳か。
なら、問題無い……のかな?
『頑張って魔法を覚える!イーサン兄さんお願いします!』
『うん、こちらこそ。よろしくね。ただし、一度動かした時を巻き戻す事はお勧め出来ないからやらない様にしてね。』
『……?分かった。』
巻き戻すって若返らせるって事かな。
『さて、問題も片付いたし、魔法の練習でもすっかー?』
『僕はぁ、ハロルド=バージルにぃこの事を知らせに行くよぉ。』
『んぁ?あぁ、エルモアの里の長老か。』
『そうだよぉ。ルディ=ギルバートの寿命がぁ尽きなくなっちゃったからねぇ。それじゃぁねぇ。』
それだけ言うとサンルークは光を放ち消えて行った。
その後はイーサンのお仕置きが終わるまで、イーサンとレオナルドに魔法を教わった。
─────里に戻った時にライアが長老に怒られた事は言うまでもない。
『……ちっ!これは、危ねぇな。』
『そうだねぇ。イーサンを呼んでくるよぉ。レオナルドぉ、少しお願いねぇ。』
『ああ。』
ライアとメリルは後ろで泣いているが、レオナルドに怒られる為に声を出さずに見守っている。
『おい!メリル!氷を出せっ!』
『う、うん!分かった!!』
ひんやりと冷たいものが額に当たる。
『ルディごめんねぇ……ごめんねぇ……』
『おまっ!氷出しすぎだっ!もう下がってろ!!』
ドカッ!
泣きながら謝るメリルを蹴り飛ばし、レオナルドが俺を二人から庇う様に介抱をしてくれる。
『ただいまぁ。帰ったよぉ。』
『────────。』
ゆったりとした喋り方だが、そこには焦りの色が感じられた。
『おう、イーサン。これ何とかなるか?』
『────────。』
《【時の大精霊の加護】を取得しました。》
頭に流れる大音量。
このしんどい時に勘弁してくれ!!
その直後、優しい温もりが全身を包み込む。
次第に辛さも無くなってきた。
『一先ず、これで大丈夫なはずだよ?』
目を開けると、俺を抱き抱えているレオナルドに心配そうに除き混むサンルーク、そして知らない男性。
少し遠くにはライアとメリルが泣いている。
『初めまして、ルディ。僕は時の大精霊。イーサン=イシュメルだよ、よろしくね。』
『う、うん。よろしく、イーサン……兄さん?』
『……『兄さん』?』
あれ?
呼んじゃ駄目だった?
もう、皆の事そんな感じで呼んでるから流れ的にそうかなって。
『『兄さん』って呼んじゃいけなかった……?』
ふわっとイーサンが笑い、俺の頭に手を乗せる。
『いや、大丈夫だよ。』
『そ、そっか。』
なんか照れる。
『それでぇ?ライアとメリルはぁ何でこんな事をしたのか教えてもらっても良いかなぁ?』
サンルークが二人に向かい黒い笑顔で問い詰める。
『それはの!ルディが死んでしまうと思ったからじゃ!』
『そうだよ!ルディが死んじゃうのが嫌だったからだよ!』
『今まさにお前らが殺そうとしてたんじゃねぇかっ!!』
レオナルドは俺を抱えながら二人を怒鳴り付けた。
二人はビクッと身体を硬直させ、さらに涙を流している。
『だって、ルディが百年も生きられないって言うから…………』
『そうなのだ……ルディとはもっと長く一緒にいたかったのだ……』
『たくっ!それでルディを殺そうとしてたら元も子も無いだろ!!』
『レオナルドのぉ言う通りだよぉ。二人にはぁ、反省してもらわないとねぇ?イーサン、お願いしても良いかなぁ?』
『イーサンの罰は嫌じゃあぁぁああ!!』
『お願いっ!それだけはやめて!!!』
二人は悲痛な声を上げながら懇願していた。
そんなに怖い罰なのか……。
イーサンはにっこりと笑うと手を前に出す。
すると先程まで泣いていた二人は全く動かなくなった。
え?
何したの!?
石みたいに動かないんだけど!?
『イーサン兄さん、何したの……?』
『ん?これはね、二人の意識を切り離して別の空間に送ったんだよ。向こうはこっちと時の流れが違うから、とりあえず、三百年くらいは反省して貰おうかな。』
穏やかな笑顔で言う事じゃないよ!?
とりあえずで三百年!?
怖っ!!
『どんな内容か聞きたい?』
『う、ううん。聞きたく無い、かな~……ハハハハハ……』
知りたいけど、怖すぎて聞けないよ!!
分かってて言ってるだろ!!
『イーサン、ルディはこれで問題ねぇのか?』
『ん~問題はあるね。』
え!?
問題あるの!?
『そうなのぉ?安定してるしぃ、問題あるようにぃ見えないんだけどぉ?』
『説明するとね、今はルディの中にある血の効力を止めている状態なんだ。だけど、一度取り込んだモノは完全には無くならない。毒とかだったら解毒すれば済むんだけど、今回は〈人魚の血〉だからね。それを相殺出来る手段が無い訳。』
『ずっと時を止める訳にはいかねぇのか?』
『それが出来れば良いんだけど、残念ながらそれは出来ないね。ずっと時を止められない以上、一度取り込んだモノはちゃんとその人に取り込んで貰わないといけないからね。』
『じゃぁ、ずっと時を止めないとしてぇ、どうするのぉ?』
『そうだね、この子が十五歳になった時に時を動かそうか。その歳なら身体が耐えられると思うよ。まあ、一週間位は寝込む事になるだろうけどね。』
『事前に分かってりゃ、対処も出来んだろ。』
『じゃぁ、この子は十五歳からはぁ成長出来なくなるんだねぇ。』
『それはそうだけど、これから僕がルディに魔法を教えて行けば自分の身体の成長もしていけると思うよ。』
身体の成長が止まるのは嫌だけど、自分の意思で成長させていける訳か。
なら、問題無い……のかな?
『頑張って魔法を覚える!イーサン兄さんお願いします!』
『うん、こちらこそ。よろしくね。ただし、一度動かした時を巻き戻す事はお勧め出来ないからやらない様にしてね。』
『……?分かった。』
巻き戻すって若返らせるって事かな。
『さて、問題も片付いたし、魔法の練習でもすっかー?』
『僕はぁ、ハロルド=バージルにぃこの事を知らせに行くよぉ。』
『んぁ?あぁ、エルモアの里の長老か。』
『そうだよぉ。ルディ=ギルバートの寿命がぁ尽きなくなっちゃったからねぇ。それじゃぁねぇ。』
それだけ言うとサンルークは光を放ち消えて行った。
その後はイーサンのお仕置きが終わるまで、イーサンとレオナルドに魔法を教わった。
─────里に戻った時にライアが長老に怒られた事は言うまでもない。
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