異世界の親が過保護過ぎて最強
──第24話──
闘技場で戦闘訓練をした数日後。
俺は〈精霊の泉〉に来ていた。
今日はメリルしかいないみたいだ。
『あ、ルディ~……』
『メリル姉さん……大丈夫?』
メリルの顔は疲れきっていて、泉から上半身だけ出し、ぐったりとしていた。
『ボクの方は大丈夫。今回は前に比べて被害が少なかったからね!ロナはまだかかりそうだけど……』
『す、すまなかったのだ。許しておくれ。』
『いいよ、いいよ。済んだことだしね!前の被害に比べたら対した事じゃないしね!』
メリルは手をひらひらとさせて、にっこりと笑う。
今回の被害も相当だと思うんだけど……。
だって山が無くなってたんだよ?
それより酷い状況ってどうなの?
『前の被害ってそんなに酷かったの?』
『そうなんだよ、ルディ……そうだな~、ここの見える景色一面が砂漠状態になった感じかな!』
『め、メリル!!』
『だって本当の事じゃないかー。』
『そうじゃが!あの頃は妾も若かったのじゃ!』
『あれの後処理に百年くらいかかったんだからね!ま、今回はそこまで掛からないから全然よゆー!』
百年も後処理してたの!?
それって自然破壊じゃん!
一体どんな魔法を使ったらそうなるんだ……
『俺が後処理してたら死んでるだろうなー。』
『ルディが?あはははは!そうだね、死ぬ程大変だったよ!』
『いや、そうじゃなくって、百年だったら寿命で死んじゃうから後処理は最後まで出来そうにないなって。』
『…………。』
『…………。』
俺の発言に二人はポカンとした表情を浮かべる。
あれ?
俺、おかしな事言ったかな?
『ルディ死んじゃうの……?』
メリルが泣き出しそうな声で訴えかける。
いや、すぐに死ぬ訳じゃないからね!?
『え……と、百年生きたら人間だったら長生きな方じゃないかな……?』
八十や九十で寿命を迎える事もあるんだ。
百歳まで生きていたら長生きだと思うんだけど。
『ルディが死ぬ事は、妾は許さんぞ!』
『そうだよ!ボクだって許さないんだからね!』
いや、許さないって言われても。
寿命はしょうがなくない!?
『寿命だから……まだ先の話だよ?』
『百年はあっという間だよ!』
『百年はあっという間なのだ!』
二人が凄い勢いで言葉を放つ。
おぉう……
百年はそんなに直ぐに過ぎ去るモノか。
いや……百年は長いと思うよ。
『で、でも、直ぐに死ぬ訳じゃないからさ!』
『やだー!ルディが死んじゃうー!!』
『妾も嫌じゃ!!』
……聞いちゃいねぇ。
俺の言葉を聞いて、お願いだから。
『のお、メリル。何か良い方法はないかの?』
『そうだね……う~ん…………。あ!!』
『何かあるのかの!?』
『使えるのがあるかもしれない!ちょっと待ってて!交渉してくるっ!』
誰に!?
何の交渉!?
俺の話を聞かずに二人で話を進めたかと思うと、メリルは泉の中へ消えて行った。
『母さん、メリル姉さんはどこに行ったの?』
『さあな……?泉に入ったからどこか別の泉へ行ったのではないか?』
この泉にはワープ機能でも付いているんだろうか。
数分後にメリルは泉から顔を出し帰って来た。
右手に小瓶を持って。
『ライア!良いの貰ってきたよっ!』
『おお!それは何なのだ?』
『これはね、〈人魚の血〉だよっ!』
血ぃ!?
なんで!?
『それを飲めばルディは死なぬのか?』
『そうだね!不死では無いけど、不老になる……はず!』
確証は無いんかいっ!!
やだよ!?
そんな、人体実験!!
『飲まないっ!』
『駄目だよ!』
『駄目なのだ!』
あ~……
どっかであったな、こんな展開……
よし、逃げるが勝ち……
ガシッ
ライアに腕を掴まれ動けない。
洞察力良すぎない!?
止めるスピードがめっちゃ速かったよ!?
『母さん!離してっ!!』
『駄目なのだ!ルディが死なぬ為に必要な事なのじゃ!』
『そうだよ、ルディ!』
一生懸命腕を解こうとするが、びくともしない。
ライア強すぎるだろ!
そして、そのままライアに後ろに回られ羽交い締めにされる。
ライアの両手が俺の頬を掴み、無理矢理上を向かされた。
『かぁひゃん!ひゃふぇて!』
俺の意見はいつもの如く無視される。
たまには俺の意見も聞いてくれ。
メリルが小瓶を傾け、口の中に鉄の味が広がる。
不味いっ!
吐き出したいっ!
メリルに上顎も固定されている為、下手に息をすると溺れそうになるので、涙目になりながらも飲むしかなかった。
無事(?)飲み終わると
ドクンッ!
身体全体が心臓になったかの様に脈を打つ。
次第に身体が熱くなり、自力で立つことさえ難しくなる。
『ど、どうしたのだ?ルディ!』
『な、なんで!?ルディ!大丈夫!?』
全然大丈夫じゃない!
熱い!
痛い!
苦しい!
毒を飲んだ以上の苦痛が全身を襲う。
『ど、どうしたらいいのだ!?』
『どどどどどどどうしよう!?』
『どうしたのぉ?そんなに慌ててぇ。』
『んだぁ?何かあったのか?』
慌てる二人の声の後に、やる気の無い声とぶっきらぼうな声が聞こえてきた。
『サンルーク!レオナルド!ルディが!ルディが!』
『急にぐったりとし始めたのだ!』
『…………一体何をしたのぉ?』
『ボクがルディに〈人魚の血〉を飲ませたら……』
バコンッ! 
『痛いっ!レオナルド!頭を殴る事ないだろ!?』
『あぁ?お前バカだろ!この歳のガキに飲ませるもんじゃねぇだろうが!蒸発させるぞ!』
『うぇぇぇ……』
『なるほどねぇ…………ライア、メリル……反省してよねぇ?』
どす黒い声でサンルークは怒り、レオナルドはメリルを叱りつける。
俺は意識を保つのがやっとで、四人の成り行きを聞いている事しか出来無かった。
俺は〈精霊の泉〉に来ていた。
今日はメリルしかいないみたいだ。
『あ、ルディ~……』
『メリル姉さん……大丈夫?』
メリルの顔は疲れきっていて、泉から上半身だけ出し、ぐったりとしていた。
『ボクの方は大丈夫。今回は前に比べて被害が少なかったからね!ロナはまだかかりそうだけど……』
『す、すまなかったのだ。許しておくれ。』
『いいよ、いいよ。済んだことだしね!前の被害に比べたら対した事じゃないしね!』
メリルは手をひらひらとさせて、にっこりと笑う。
今回の被害も相当だと思うんだけど……。
だって山が無くなってたんだよ?
それより酷い状況ってどうなの?
『前の被害ってそんなに酷かったの?』
『そうなんだよ、ルディ……そうだな~、ここの見える景色一面が砂漠状態になった感じかな!』
『め、メリル!!』
『だって本当の事じゃないかー。』
『そうじゃが!あの頃は妾も若かったのじゃ!』
『あれの後処理に百年くらいかかったんだからね!ま、今回はそこまで掛からないから全然よゆー!』
百年も後処理してたの!?
それって自然破壊じゃん!
一体どんな魔法を使ったらそうなるんだ……
『俺が後処理してたら死んでるだろうなー。』
『ルディが?あはははは!そうだね、死ぬ程大変だったよ!』
『いや、そうじゃなくって、百年だったら寿命で死んじゃうから後処理は最後まで出来そうにないなって。』
『…………。』
『…………。』
俺の発言に二人はポカンとした表情を浮かべる。
あれ?
俺、おかしな事言ったかな?
『ルディ死んじゃうの……?』
メリルが泣き出しそうな声で訴えかける。
いや、すぐに死ぬ訳じゃないからね!?
『え……と、百年生きたら人間だったら長生きな方じゃないかな……?』
八十や九十で寿命を迎える事もあるんだ。
百歳まで生きていたら長生きだと思うんだけど。
『ルディが死ぬ事は、妾は許さんぞ!』
『そうだよ!ボクだって許さないんだからね!』
いや、許さないって言われても。
寿命はしょうがなくない!?
『寿命だから……まだ先の話だよ?』
『百年はあっという間だよ!』
『百年はあっという間なのだ!』
二人が凄い勢いで言葉を放つ。
おぉう……
百年はそんなに直ぐに過ぎ去るモノか。
いや……百年は長いと思うよ。
『で、でも、直ぐに死ぬ訳じゃないからさ!』
『やだー!ルディが死んじゃうー!!』
『妾も嫌じゃ!!』
……聞いちゃいねぇ。
俺の言葉を聞いて、お願いだから。
『のお、メリル。何か良い方法はないかの?』
『そうだね……う~ん…………。あ!!』
『何かあるのかの!?』
『使えるのがあるかもしれない!ちょっと待ってて!交渉してくるっ!』
誰に!?
何の交渉!?
俺の話を聞かずに二人で話を進めたかと思うと、メリルは泉の中へ消えて行った。
『母さん、メリル姉さんはどこに行ったの?』
『さあな……?泉に入ったからどこか別の泉へ行ったのではないか?』
この泉にはワープ機能でも付いているんだろうか。
数分後にメリルは泉から顔を出し帰って来た。
右手に小瓶を持って。
『ライア!良いの貰ってきたよっ!』
『おお!それは何なのだ?』
『これはね、〈人魚の血〉だよっ!』
血ぃ!?
なんで!?
『それを飲めばルディは死なぬのか?』
『そうだね!不死では無いけど、不老になる……はず!』
確証は無いんかいっ!!
やだよ!?
そんな、人体実験!!
『飲まないっ!』
『駄目だよ!』
『駄目なのだ!』
あ~……
どっかであったな、こんな展開……
よし、逃げるが勝ち……
ガシッ
ライアに腕を掴まれ動けない。
洞察力良すぎない!?
止めるスピードがめっちゃ速かったよ!?
『母さん!離してっ!!』
『駄目なのだ!ルディが死なぬ為に必要な事なのじゃ!』
『そうだよ、ルディ!』
一生懸命腕を解こうとするが、びくともしない。
ライア強すぎるだろ!
そして、そのままライアに後ろに回られ羽交い締めにされる。
ライアの両手が俺の頬を掴み、無理矢理上を向かされた。
『かぁひゃん!ひゃふぇて!』
俺の意見はいつもの如く無視される。
たまには俺の意見も聞いてくれ。
メリルが小瓶を傾け、口の中に鉄の味が広がる。
不味いっ!
吐き出したいっ!
メリルに上顎も固定されている為、下手に息をすると溺れそうになるので、涙目になりながらも飲むしかなかった。
無事(?)飲み終わると
ドクンッ!
身体全体が心臓になったかの様に脈を打つ。
次第に身体が熱くなり、自力で立つことさえ難しくなる。
『ど、どうしたのだ?ルディ!』
『な、なんで!?ルディ!大丈夫!?』
全然大丈夫じゃない!
熱い!
痛い!
苦しい!
毒を飲んだ以上の苦痛が全身を襲う。
『ど、どうしたらいいのだ!?』
『どどどどどどどうしよう!?』
『どうしたのぉ?そんなに慌ててぇ。』
『んだぁ?何かあったのか?』
慌てる二人の声の後に、やる気の無い声とぶっきらぼうな声が聞こえてきた。
『サンルーク!レオナルド!ルディが!ルディが!』
『急にぐったりとし始めたのだ!』
『…………一体何をしたのぉ?』
『ボクがルディに〈人魚の血〉を飲ませたら……』
バコンッ! 
『痛いっ!レオナルド!頭を殴る事ないだろ!?』
『あぁ?お前バカだろ!この歳のガキに飲ませるもんじゃねぇだろうが!蒸発させるぞ!』
『うぇぇぇ……』
『なるほどねぇ…………ライア、メリル……反省してよねぇ?』
どす黒い声でサンルークは怒り、レオナルドはメリルを叱りつける。
俺は意識を保つのがやっとで、四人の成り行きを聞いている事しか出来無かった。
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