異世界の親が過保護過ぎて最強
──第19話──
それから、加護を貰った属性の基本練習をし、基本練習が終わった後はどんな魔法が使えるのかを担当属性の精霊に教わり二年の歳月がたった。
聖属性と治癒はサンルークから教わっている。
その合間で、体術や短剣、弓等の武器の使い方をカインやジョセフ、他の里の人達が一緒になり教えて貰っていた。
ラルフの体力の多さには未だに負けてしまっているが、ネロとの喧嘩はネロが7、俺が3で少しだけ勝てる様にもなってきた。
たまに勝つと凄くうるさいけど。
ネロは負けた事が悔しいらしく、隠れて鍛練している事を知っている。
そして、六歳になった俺は〈精霊の泉〉で魔法ではなく植物について学んでいる。
何かあった時に知識を持っているのと持っていないのとでは全然違うと、闇の大精霊ノアと土の大精霊ロナに説得されてしまったからだ。
今、目の前にはたくさんの草や花が並んでいる。
ノアがお店屋さんのごとく綺麗に並べて一つ一つ指を指して説明してくれている。
『…………これが、毒。…………これも、毒。…………こっちも、毒。』
……毒しかなくない!?
何でそんなに毒を持ってくるの!?
『こっちは毒消しなの!これは体力回復なの!これは切り傷に効くの!』
その隣でロナはノアに対抗するように説明してくれる。
『……むぅ。……ルディ、これ……食べて。』
なんでぇ!?
それ、さっき毒だって言ってたよね!?
『え、いやだよ!』
『……ルディ、好き嫌い……駄目。』
好き嫌いの問題じゃないよね!?
毒が好きな人っているの!?
『毒食べたら死んじゃうよ!!』
『……大丈夫。』
なにが!?
ロナ止め……
あああ、何かさっき説明受けた毒消しの調合始めちゃってるよ!!
『…………なら、液体に……する。』
その、粉薬苦手な子供を相手にする様な感じ止めてくれないかな!!
それ、薬じゃなくて毒だからね!?
『毒は飲みたくない!』
『…………好き嫌い……めっ!』
わぁお、ノアにいつになく強気で怒られた。
なぜだ……。
解せん。
『……リアム、メリル……お願い。』
さっきまでロナの所で調合の手伝いをしていた二人にロナが声をかける。
『分かりましたわ。こちらで宜しいんですの?』
『…………ん。』
リアムが毒草を風で浮かせ、粉々に切り刻む。
『メリル、よろしくお願いしますわ。』
『はいはーいっ!まっかせてー!』
粉々にされた毒草を残さず水で包み中で回転させる。
『器が出来たの!』
『ありがとっ!』
ロナが石で作ったお椀をメリルに渡すと、毒々しい色になった水をお椀に入れ、絞りカスは先程薬を作った時に出た所にリアムが風で移動させる。
なんというコンビネーション。
俺が毒を飲むカウントダウン。
毒を飲む3秒前?
嫌だ!
飲みたくないっ!
『の、飲まないよ!?』
『…………。』
『…………。』
『…………。』
『…………。』
四人が顔を見合せると悪戯な笑みを浮かべている。
嫌な予感しかしない!!
脱兎の如く逃げようと試みる。
『逃がしませんわよ!』
『そうなの!毒を飲んでも大丈夫なの!』
『毒の耐性をつける為だから!』
『…………毒、美味しい……よ?』
リアムが風で俺を浮かし、そこにロナが花のツルを伸ばして足に絡ませる。
リアムが水で胴と腕を拘束させ、俺は身動き出来ない状態になった。
こんな所でそんなに息を合わせなくても良いから!!
それにノアさん!?
毒は美味しく頂くモノじゃないからね!?
キラキラした顔でノアが毒の入ったお椀を近付けてくる。
『やだ!やだ!やだ!』
駄々を捏ねる子供の如く顔を左右に揺らし拒否する。
すると、リアムの両手で顔を固定されてしまった。
『大丈夫ですわ。毒の耐性をつける為ですもの。心配要りませんわ。』
笑顔が怖いです!
そうだとしても飲みたくない!
『毒を持つ魔物もいるの!耐性をつけなきゃルディが死ぬの!』
『ルディが死んだらボク達悲しいからねっ!ほらほら!』
心配は嬉しいけど、今まさに命の危機なんですが!?
貴女達、今俺に毒を飲まそうとしてんだよ!?
『…………毒、美味しい……大丈夫。』
ゆっくりとノアに持たれたお椀が近付いてくる。
だから、毒は美味しく頂くものじゃないって!!
格闘すること数分……四人がかりで毒を飲まされてしまった。
最初は大丈夫だったが、徐々に身体が動きにくくなり息が荒くなっていく。
目眩がし、その場に倒れ込む。
血の気が失せ、意識が朦朧としてきた。
『ロナ、そろそろ薬を飲ませた方が良いのでは?』
『そうだねっ!これ以上は危ないと思うなっ!』
『分かったの!』
『…………ん。』
意識が朦朧としている中で乾いた口の中が潤っていくのが分かる。
『──はっ!……はぁ、はぁ、はぁ。』
止まりかけていた息を吸い込み呼吸する。
死ぬかと思った!
死ぬかと思った!!
死ぬかと思った!!!
……生きてるって素晴らしい。
『では、次は何にします?』
『麻痺なんてどうかなっ!』
『幻覚も良いと思うのっ!』
『…………毒。』
『……全部毒ですわよ?』
『…………ん。』
笑顔で不吉な会話をしないでくれるかな!?
顔がひきつるのを感じながらそこから逃げ出した。
『嫌だーーーーーー!!』
だが、すぐに捕まり……それからはあまり覚えて無い。
聖属性と治癒はサンルークから教わっている。
その合間で、体術や短剣、弓等の武器の使い方をカインやジョセフ、他の里の人達が一緒になり教えて貰っていた。
ラルフの体力の多さには未だに負けてしまっているが、ネロとの喧嘩はネロが7、俺が3で少しだけ勝てる様にもなってきた。
たまに勝つと凄くうるさいけど。
ネロは負けた事が悔しいらしく、隠れて鍛練している事を知っている。
そして、六歳になった俺は〈精霊の泉〉で魔法ではなく植物について学んでいる。
何かあった時に知識を持っているのと持っていないのとでは全然違うと、闇の大精霊ノアと土の大精霊ロナに説得されてしまったからだ。
今、目の前にはたくさんの草や花が並んでいる。
ノアがお店屋さんのごとく綺麗に並べて一つ一つ指を指して説明してくれている。
『…………これが、毒。…………これも、毒。…………こっちも、毒。』
……毒しかなくない!?
何でそんなに毒を持ってくるの!?
『こっちは毒消しなの!これは体力回復なの!これは切り傷に効くの!』
その隣でロナはノアに対抗するように説明してくれる。
『……むぅ。……ルディ、これ……食べて。』
なんでぇ!?
それ、さっき毒だって言ってたよね!?
『え、いやだよ!』
『……ルディ、好き嫌い……駄目。』
好き嫌いの問題じゃないよね!?
毒が好きな人っているの!?
『毒食べたら死んじゃうよ!!』
『……大丈夫。』
なにが!?
ロナ止め……
あああ、何かさっき説明受けた毒消しの調合始めちゃってるよ!!
『…………なら、液体に……する。』
その、粉薬苦手な子供を相手にする様な感じ止めてくれないかな!!
それ、薬じゃなくて毒だからね!?
『毒は飲みたくない!』
『…………好き嫌い……めっ!』
わぁお、ノアにいつになく強気で怒られた。
なぜだ……。
解せん。
『……リアム、メリル……お願い。』
さっきまでロナの所で調合の手伝いをしていた二人にロナが声をかける。
『分かりましたわ。こちらで宜しいんですの?』
『…………ん。』
リアムが毒草を風で浮かせ、粉々に切り刻む。
『メリル、よろしくお願いしますわ。』
『はいはーいっ!まっかせてー!』
粉々にされた毒草を残さず水で包み中で回転させる。
『器が出来たの!』
『ありがとっ!』
ロナが石で作ったお椀をメリルに渡すと、毒々しい色になった水をお椀に入れ、絞りカスは先程薬を作った時に出た所にリアムが風で移動させる。
なんというコンビネーション。
俺が毒を飲むカウントダウン。
毒を飲む3秒前?
嫌だ!
飲みたくないっ!
『の、飲まないよ!?』
『…………。』
『…………。』
『…………。』
『…………。』
四人が顔を見合せると悪戯な笑みを浮かべている。
嫌な予感しかしない!!
脱兎の如く逃げようと試みる。
『逃がしませんわよ!』
『そうなの!毒を飲んでも大丈夫なの!』
『毒の耐性をつける為だから!』
『…………毒、美味しい……よ?』
リアムが風で俺を浮かし、そこにロナが花のツルを伸ばして足に絡ませる。
リアムが水で胴と腕を拘束させ、俺は身動き出来ない状態になった。
こんな所でそんなに息を合わせなくても良いから!!
それにノアさん!?
毒は美味しく頂くモノじゃないからね!?
キラキラした顔でノアが毒の入ったお椀を近付けてくる。
『やだ!やだ!やだ!』
駄々を捏ねる子供の如く顔を左右に揺らし拒否する。
すると、リアムの両手で顔を固定されてしまった。
『大丈夫ですわ。毒の耐性をつける為ですもの。心配要りませんわ。』
笑顔が怖いです!
そうだとしても飲みたくない!
『毒を持つ魔物もいるの!耐性をつけなきゃルディが死ぬの!』
『ルディが死んだらボク達悲しいからねっ!ほらほら!』
心配は嬉しいけど、今まさに命の危機なんですが!?
貴女達、今俺に毒を飲まそうとしてんだよ!?
『…………毒、美味しい……大丈夫。』
ゆっくりとノアに持たれたお椀が近付いてくる。
だから、毒は美味しく頂くものじゃないって!!
格闘すること数分……四人がかりで毒を飲まされてしまった。
最初は大丈夫だったが、徐々に身体が動きにくくなり息が荒くなっていく。
目眩がし、その場に倒れ込む。
血の気が失せ、意識が朦朧としてきた。
『ロナ、そろそろ薬を飲ませた方が良いのでは?』
『そうだねっ!これ以上は危ないと思うなっ!』
『分かったの!』
『…………ん。』
意識が朦朧としている中で乾いた口の中が潤っていくのが分かる。
『──はっ!……はぁ、はぁ、はぁ。』
止まりかけていた息を吸い込み呼吸する。
死ぬかと思った!
死ぬかと思った!!
死ぬかと思った!!!
……生きてるって素晴らしい。
『では、次は何にします?』
『麻痺なんてどうかなっ!』
『幻覚も良いと思うのっ!』
『…………毒。』
『……全部毒ですわよ?』
『…………ん。』
笑顔で不吉な会話をしないでくれるかな!?
顔がひきつるのを感じながらそこから逃げ出した。
『嫌だーーーーーー!!』
だが、すぐに捕まり……それからはあまり覚えて無い。
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