天然少女のVRMMO

ム白の羽

9話 初戦闘(血魔法)

「それじゃあ、気を取り直して、次は魔法を使った戦闘ね」
「おー」
「魔法は、詠唱をすることで打つことが出来るわ。アーツは、後に硬直があるけど魔法は前ってことね」
「正確には硬直はしないけどな。完全に動かなくなるわけじゃないってことだ。最も動きながら詠唱なんてのは1部のプレイヤーしか出来ないが」
「集中が途切れると詠唱がリセットされるからね。魔法の種類によってrank付けがされてるんだけど、例えばボール系なら3秒でできるわ」
「3秒待って、魔法名を言えばいいの?」
「そういうことよ。とりあえずスライムは魔法攻撃に弱いから、やってみましょう」

 スライムを見つけた私は詠唱を開始する。すると、体の中を違和感がはしる。こうなんと言うか、何かが手に集まってくるかんじ。

「『ブラッドボール』」

 赤い血の玉が出てきて、スライムに当たる。
 パシャッ

「あ、あれ?全然効かない」
「まぁ、これが血魔法が使えないって言われてる理由だな。やたらと威力が低いんだ」
「うーん。魔法の威力をあげるにはどうすればいいの?」
「単純にレベルを上げる、装備で魔法の威力をあげる、とかかしら。ああ、あとは少しだけど環境に影響されるのよ」
「環境?」
「そう。例えば水属性なら、水辺の近くとか、雨の時に威力が上がるの。夜になると闇属性の威力が上がったりね」
「なるほど」
「今のうちに闇属性なり、なんなり取った方がいいと思うぞ」

 スライムを剣で倒したリョウが戻ってくる。

「うーん」

 私が考えていることは2つ。
 1つはさっき魔法を使った時の違和感。多分あれが魔力、MPとか言うやつなんじゃないかな。目をつぶって集中してみる。

「なぁ、ヒナのやつ何してるんだ?」
「さあ?多分また突拍子もないことをやらかすんじゃない?」

 エネルギーのようなものを身体中に、動かす感じ。そう言えばこの前リョウが読んでた小説だと、血液が魔力とか書いてたっけ。じゃあ、血液をたどって行くイメージを・・・・・・

「止めた方が良くないか?俺達の精神的に」
「そうね。そうしましょうか」

 うむむむむむむむむむ。

《魔力を完全に制御しました。スキル「魔力操作」を取得しました》

「おお、出来た!」
「「遅かった!」」
「え?」

 二人とも何言ってんだろう。まぁいいか、私が考えていた事、2つ目は、環境に左右されるなら私自身が血を用意すればいいんじゃないかってこと。新たに出てきたスライムを標的にする。
 まずは刀で自分の腕を切りつける。うっ、ちょっと痛い。

「お、おいっ!」
「ちょ、ちょっと、何してるのヒナ!」

 で、次は魔力を操作して、強そうな武器でもイメージすればいいのかな?槍でいいかな。
 すると、私から流れた血が槍の形を作っていく。

「「はっ!?」」

 その槍はスライムに突き刺さり、一撃で倒した。

「やった!」
「「・・・・・・・・・・・・」」
「これで、血魔法も、使えない、とかいわれないよね?」
「とりあえず、ヒナ、お前何した?」
「え?何って血魔法を打っただけだけど?」
「詠唱はどこに行ったのかしら?」
「えーっと、魔力を制御してイメージしたら、使えたから。そう言えば詠唱してないね」
「・・・・・・ま、魔力を制御?そんな話聞いたことないんだが?」
「私も知らないわ。ヒナさえ良ければ、詳しい話を聞かせてちょうだい」
「別にいいよ」

 私は魔法を使った時に感じた違和感からどうしたのかを話した。そしたらまた2人とも呆れてた。

「つまりヒナは、ノータイムで魔法を放てると」
「オマケに武器はアーツ無しの方がいいくらい、使いこなせていると」
「「やらかしてるなー」」
「あう」

 今回は少し自覚がある。

「と、とにかくリョウ、血魔法のこと、掲示板に上げといてくれる?」
「ああ、別に構わないけど」






398.リョウ
またうちの幼なじみがやらかしたから、報告に来たぞ

399.名無しの冒険者
またかよ。今度は何やらかしたんだ?

400.リョウ
βの時、全く使えなかった血魔法の、威力をあげる方法を、見つけた。

401.名無しの冒険者
なんでストーーーーーー。そ、その情報kwsk!

402.名無しの冒険者
その反応。もしかしてお前『伯爵』か?

403.名無しの冒険者
伯爵?

404.名無しの冒険者
βの時の、吸血鬼のトップだな。大会の時、時刻設定が昼間だったせいで何も出来ずに退場した。ちなみに重度のロリコンである。

405.名無しの冒険者
・・・・・・ロリコンか

406.名無しの冒険者
私の事などどうでもいいのだよ。それよりも、血魔法の方を

407.リョウ
魔法の威力は少しだが、環境に左右されるんだが、血魔法はそれが大きいんだ。つまり、自分で自分を切りつけて血を流し、その血を使って血魔法を打つと、威力が大幅に上がる。ちなみにこの時、血の量に応じてHPの減少量は少なくなる。まぁ、切りつけた時にHPは減ってるから、結局HPを消費することには変わらないけど。これが、ヒナが血魔法を2回目に使って分かったことだ。

408.名無しの冒険者
なるほど!さっそく試してくるとしよう。

409.名無しの冒険者
>>408まだ昼間だからあんたが行っても死ぬだけだろ
たった2回で発見か。マジで凄いな。

410.名無しの冒険者
てかあれ?血魔法使ったってことはヒナちゃん、吸血鬼なんじゃ?なんで昼間から戦闘出来るんだ?

411.リョウ
忘れたか?ヒナはランダムでレア種族当てたんだぞ?詳しいことは言えないが、まぁ、これまでの不死者の欠点はほとんどない状態ではある。

412.名無しの冒険者
マジかよ。これは今後も期待だな。ヒナちゃんなら不死者全体の境遇を改善してくれそうだな。それも簡単に

413.リョウ
・・・・・・本当にやりそうで怖い。

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