幻灯箱の紅い薔薇

きあき

お天気雨

キラキラと光を反射して
雨粒が舞う

遠くの山を漂い行く
あれは鬼火か?
お狐様の嫁入りか?

進むよ進むよお輿入れ
歩む道は獣道
行きつく先は
鬼の寝床か?
蛇の住処か?
暗中模索の渦の中
行先不明は
人世も同じ

過ぎゆく雨に連れられて
お狐様も消えてゆく
春の夢か幻か?
ただ
少し強くなった春の日差しに
打ち抜かれた
桜の花びらが舞っているだけ

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