幻灯箱の紅い薔薇

きあき

棺桶の中で愛を語ろう

月明かりの下
寝静まる教会の庭
墓守よ
君がぼくらの神父だ

さあ、墓守よ
彼女の墓を掘り
棺桶の蓋を開けて
花に囲まれ眠る
彼女の隣でぼくも眠ろう
君はぼくらの結婚を祝ってくれ

ぼくは彼女に
永遠の愛を誓おう
この体が朽ちて白い骨になっても
ぼくは彼女のそばにいる

墓守よ
ぼくらの旅立ちを見送る
ただ一人のものよ
さあ
ぼくらの上に土をかけて
十字架を掲げて
真夜中の教会の鐘を鳴らして
ぼくらの旅立ちを祝ってくれ

ぼくらは棺桶の中で
永遠に
愛を語ろう

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