幻灯箱の紅い薔薇

きあき

緑の髪の少年

この大地が赤く染まり
君は愛するモノのため
大地を駆けて行く

ここは遥かなる地
緑の森と湖の国
不思議と神秘が住む国
人々は自然を愛し
心豊かに生きていた

一つの小さな誤解が
争いを呼び
この大地を赤く染めた

君は愛するモノのため
音楽を奏でるその手に
武器を持ち
その瞳に
人々の罪と悲しみを写して
その声で
人々に喜びと奇跡を呼ぶ

やがてこの大地に
自由の風が吹き
争いは終わりを告げる
君は人々に英雄と呼ばれ
人々は平和の訪れを喜び
君は嬉しげにそれを見つめていた

そして
愛するモノに何も告げず
この国を出ていく
決して落ちることのない
見えない赤で染められた手で
愛するモノを
抱きしめることはできないと

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