自宅から追放されたけど、商人をしながら、冒険はSランクでした。

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前編 

 バン王国の中でも畑が並んでいたり草が生い茂っているような、場所にある小さな貴族が存在した。


「ジン。お前は今からこの家から出てけ!!さっさと出て行かないと命はないぞ!!」


 ジンは、首をかしげているけれども大体は予想できてはいた。
 この男爵家はジンの父親ジーク・パースは、ドラゴンをなんと夫婦で倒したという実績がある。たまたま、二人は冒険者として一生を過ごそうと思っており日々努力を欠かせなかった。それでランクはSに近いだった。とある日に王城からギルドへ通達があった。<近衛隊半数死す>とても、短い文章に思えるが、一大事だった。その時に


 「ジーク、地面がバラのように真っ赤だわ。」


 このローリーが言った一言は、名言として国立図書館に保存されている。その後に近くにドラゴンが二体存在し、ぶっ殺した。そして、謁見で爵位をお礼として貰ったようだ。


 この話は置いといて、ジンは、いまだ外に出たことが無かった。ましてや、魔法も使ったことが無くどんな才能があるかは未知数だった。そのための機会を与えたのだろう。 


「父上。もう帰ってきてはだめなのですか?」
「もちろんだ。しかし、状況によって変わる。」
「状況とは?」
「それは秘密だ……。」
「わかりました。」


 ここでジークの右手には路銀持っていて、を渡そうか迷っていた。やはり、強気の姿勢でジンに言っているだけであり、本当はここから去ってほしいとは思っていなかった。だから王都中心街に行くまでのお金は必要かなと思ってしまったのだ。


――どーしよう。渡した方がいいのかな?????


――「これは最後の資金だ!!!」とか言って?俺、めっちゃかっこいいな!!!


「父上。どうかしましたか?今日はいいことがあったような顔をしているので」


――逆、今から泣きそうだよ!!!


「いや。何もない」


「そうですか。それでは、今までありがとう。そしていつかお会いできるまで」


 すると、親の次言うことは無視をして、部屋から出た。自分の部屋へもどり荷物をまとめた。


 そのころあの部屋では、絨毯が濡れてしまうのではないかというほど、泣いている人がいた。


「ジーク様。かっこよいお姿でしたわ。」


「自負してる。ローリー」


「私もジンのこと心配しているわ。息子のことを心配しない両親は居ないわ。影でも雇おうかしら」


  影とは影が薄い人のことではなく、貴族の子供が魔物を狩りにいくときに親たちがこっそり雇うことが多い。


「何を言っている。それでは意味がない。うちらの息子だから一年後にはSランクになっているぞ。」


「まさかだわ。優秀だけれどもそれはないわ。女の子連れて帰ってくるわ。」


「え…………え…………え…………え――」


「そんなに慌てることでは有りませんわ」


「そ、そうだな。」
☆☆☆☆☆☆☆☆


 ジンは自宅を出た。見た目カバンは重そうだ。家は爵位を受けたばかりであるためか、大きいとは言えない。ここから、王都中心まで三週間だから長旅になるのは致し方ない。


「よし。まあ、歩くか。次の村までは一日かかるはず」


「鞄から剣を取り出すか……
   いや……
 弓の方がいいのか……
   いや……
 槍の方がいいのか……
   いや……
 魔法なら動かずに瞬殺できるか……」


 ジンは迷っているようで、剣なら接近しないと攻撃できない。王都では接近しなくてもよい剣を開発したとか言っていたが、長すぎてとても扱いづらいようだ。持ち運ぶときは身長の四倍程度の長さになる。勿論お店・家には入ることはできない。魔物に攻撃をしたくても長すぎて、重くて、振ることも出来ないようだ。だから買うやつはいない。


 弓なら遠くから狙えるためよいが、音を立てずに行動が重要になってくるようだ。
 槍は、使い道が……。屋台で吹き矢を使用するときに、槍を使ってきたやつがいた。
 魔法は、魔法が備わっていないと使えない。この世界では日常で使用する魔法はほとんど使える。攻撃魔法は、10人に一人の確立だ。そんななか


「よし。剣か魔法にしよう!これなら、交互に使えるしな」
「ひとまず、ちょうど近くにいたスライムにむかってぇえええ、どりゃああああ」


 すると、スライムは半分に切断された。倒すと魔物の核が取れるようになっている、もちろんスライムの核に銅貨10枚ぐらいにしかならない。半分に切断されてしまうと核も半分になってしまうと思ってしまいがちだが、斬るときに微妙にずれるようになっている。微妙に―。


「ほほーん。これが核と言うものですか―。はいはいめっちゃちいさいな!!こんなのお金になるの??
次の村に着くまでに次の魔物を倒さないと……」


 ゴブリンぐらいになれば、銀貨一枚程度の核が取れる。しかしゴブリンは仲間を呼ぶ習性があるため呼ぶ前に瞬殺する必要がある。ひん死の状態でも何か電波を発しているのか超音波を発しているのか分からないが仲間が集まってくる。勿論暴れ坊将軍状態のため、通常の二倍は強いと言われている。ただし、核は――。


次の村までは、あと20分で着きそうなところまできていた。魔物は沢山取れているだろうか。






☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「アハハ。たまたまさ、ドラゴン居たんだけど、めっちゃ弱かった!!」


これは、おかしいことだ。ドラゴンはAランクの冒険者が10人ほどいると言われている。


「だってさ、魔法でドッカーンしてさ、剣でズバーンとね、首をチョパーーンとしたら核が出てきたよ」


ドラゴンの核はとてもでかい。南瓜よりももう少しでかいほどだ。


「よし。これなら、一ヶ月分ぐらいはあるな。ついでに鱗も落ちていたからどうにかするか」


「あ、村に着いた。」


 グン村に着いたようだ。村だから小さいように思えるが村にしては大きい所だ。街ではあるが、王都の囲いの中に入っていない街や村は、すべて村となっている。なので5000人ぐらいが住んでいる町となっている。ここは冒険者ギルドの支部が存在する。他のギルドは存在していない。依頼の報告や報酬の受け取りはできるが依頼を受けることはできない。


「すいません。ギルドカードを作りたいのです。」


「かしこまりました。こちらに名前などを書いてください。書けなければ代筆しますよ。勿論無料で」


小さな村からやって来る者は、字が書けないというか、習っていないというがたまにいる。


「大丈夫です。はい、書きました。」


「ありがとうございます。じゃあ、ここにどの指でもいいので置いてください。」


 その人の唯一のものになるように、血を貰いカードに登録しておく。すると、その人以外が使おうものなら、電気が走るようになる。からのギルドカードが飛ぶようになると噂されている。


――――――――自分の所へ戻ってくる。とか…………
――――――――妖怪ギルドカード とか…………


「はい。」
「ありがとうございます。…………こちらがギルドカードとなります。」
「あ、これ買い取っていただけます????」
「いいですよ!どれですかぁ」
「クスクス。こんな小さい核お金になると思っているのですか??」
「お、思っていませんよ。本題はこれです!!」
「で……でかぁあああああああいですね。これほど、でかい物は初めて見ました。」


ドラゴンの核は、ギルドの本に記載されているものの、見たことがある人は中々いない。


「奥で確認してきますので少々お待ちください。」


本には、核の大きさと形のいびつさなど方細かく記載してあり、


 ―――伝説のギルドメガネぇ。


これを使えば、どの魔物の核か瞬時に分かるようだ。ということは、本は必要はないと言うことだ。


「お待たせしました。こ……これ……は、ドラゴン核ですね。いやー……初めて見ました。とてもでかいし、新鮮ですね。」


すると、近くにいた、おっさん冒険者が口出しをしてきた。


「ギルドのお姉さん、それはおかしいんじゃねぇーか?少年がドラゴンが撮ってくるなどしかもまだギルドに入ってくる前にだと?うそつけ!!!!」


「嘘ではありませんわ。この機械は嘘をつきません。証拠はギルドマスターが取っています。お呼びいたしますよ。」


「結構だ。あ……あいつとはしゃべりたくねぇええ!」


ギルドから出て行った模様だ。


「ドラゴンの核と言うことで、金貨300枚とさせていただきます。」


「き……金貨300枚ですか?」


「はい。ドラゴンは、村人を脅かす魔物でして、支部ギルドで唯一緊急招集を掛けれるほどお強いのですよ。また、ギルドマスターも納得していましたので、ギルドカードの中に入れておきますか?」


「え?カードの中に?とはどういうことですか?」


ギルドカードの中にお金を保存しておくことが出来る。そうするとたくさんのお店でギルドカードを提示するだけでお支払いができることになる。


「―そういうことです。ぜひ入れましょう」


「わかりました。あれ?スライムの核は……」


「……。わかりますよね。捨てました……」


「そ、そうですか」


スライムの核は、ドラゴンの核があるために形も無くなってしまった。


「最後に、このクーポンを渡していますので、次回ご使用ください」


「はい。ありがとうございます。ではまた来ます。


―――――便利だろう


「次回使えるクーポンを発行しています。どうぞご利用ください」


 核の買い取りアップクーポン
    10%UP
 有効期限 ギルドの職員の機嫌次第




☆☆☆


そのあと、ジンは宿屋にとまり、一夜を過ごした。


☆☆☆


 次の日は、3つ先の村までいくことにしたらしい。馬車に乗っていくつもりらしい。村の先ほど入ってきたところとは反対側の近くに馬車乗り場がある。馬車は、護衛する冒険者なら銀貨1枚でいい。しかし、乗るだけなら銀貨20枚必要だ。金貨一枚払うと護衛もついてしまう。ジンには居るとは思えないが。


「馬車さん、ガン村までお願いします。」
「おいよ。銀貨60枚だぞ。」
「はい。ギルドカードでも払えますか?」
「おう。いいぞ。」
「金貨一枚取って行ってください。超特急でおねがいします。」
「了解。3時間で着くぞ。かなり揺れるからな気を付けろよ。」
「ありがとうございます。」


言い忘れたが、一つの村へ渡るのに銀貨20枚であり、3つなので60枚となる。


☆☆☆


3時間後


「おい。着いたぞ。」


「ありがとうございます。」


ガン村は、宿屋がたくさんあるため、旅に出るものがたくさん集まる。だから、屋台などを見るとよくわからない物がたくさん置いてある。


「すごいな。沢山の者が置いてあるけれども、必要がない物が多いな」


――草むらに捨ててあったビン
    銅貨3枚。
――村で必要がなくなった樽
    銅貨10枚
――商人が落としていった砂糖
    金貨一枚
――誰かの剣
    銀貨1枚
――汗だくの防具
    無料
―――伝説の剣(草むらに落ちていた木棒)
   銅貨77枚


 置物や不用品がおおく、気に入って買う人は珍しいことだ。しかし、気に入る人は爆買いをするため以外にも商品は無くなるそうだ。


「よし。少し狩りにでも行こう。今回は何がいるかな。」


 この村に少し離れた場所には村があり、動物や魔物が良く出るという噂がある。


「おっ。これは、オオカミか、殺すのはもったいないん。」


「ワン。ワオーーーン。わん。わ、ワン――人間強そうだな。俺の主になってもよいぞ――」


「ん?なんか言っているようだが、なんかスリスリしてくるな。」


オオカミをテイムするには、意外と難しいと言われている。なぜなら、攻撃的なところがあるからだ。自分より、弱いことが分かると容赦なく攻撃を仕掛けてくる。また、あまりにいも弱いと無視というか相手にもしてくれないようだ。


「そうだ。さっき動物翻訳機をガラクタの中から買ってきたんだった。」


「どれどれ。


     ―――――「餌くれ。餌くれ。お店で売っていて缶詰の肉のやつ銀貨30枚のやつだ。」


 いやいやいや、オオカミこんなこと言わないだろ!」


「魔法で、解決するか。
          ―――――光魔法……動物翻訳……
 おーわかったぞ。テイムしてほしいのか。」


「じゃあいくぞ。テイム 名前は、ポチだ。」
「ワン。ワン。ワオ――ン。」
「できたぽい。人間に変身とかしないかな?」
「ワン。ワン。――少し待て」
「おー。女の子だぁ。しかも、背も高いし、すべてがいい。いえーい」
ジンは、よても喜んでいる。


「主様。よろしくお願いします。でも、ポチは無かったですよ。」


人化した場合、人に対してもポチと呼ぶ必要がある。


「ごめん。ごめん。よろしくね。もう少し冒険するよ。」
「了解しました。ついてゆきます。」
「そうそう。改まった言い方じゃなくてもいいぞ。ともだちだな。」
「わかったよ。じゃあ行こう。」


 二人は、森の中を歩いて行った。途中に果物が落ちていたため拾ったようだ。もう少し歩くと洞窟が見えていた。ささっと探検してもどってきた。 


「大きいの居たな。楽勝だったけど」
「いやいや。ジン様ヒドラを一人で倒す人見たことないよー。しかも瞬殺で」
「あれが、ヒドラか。頭が3つあって攻撃するの難しかったな。火を噴いてくるし」
「ん?難しそうには見えなかったよ。」
「そうかな。村に戻るか。」


 村に戻るに30分程度かかってしまったようだ。


「もう、夕方か。この核だけ買い取ってもらいに行くか。」
「そうだねぇ。大騒ぎになると思うけど」
「ん?イコカ!」


 この村にある冒険者ギルドは、依頼を受けることも出来るため大きなギルド支部となっている。


「どうされましたか?隣の彼女ちゃんを同伴者登録しに来たの??」


「同伴者登録とはなんですか?」
「あ、知らなかったの?それね――」


 同伴者登録を登録すると、同伴者は、ギルドカードが不要になり、王都中心の門兵にも確認されることはない、しかし、同伴者が犯罪などを起こすと責任は本人が一倍の罪で同伴者の登録をしている者が2倍の罪になる。だから、付き添っていないと大変な目にあうかもしれない。


「それで、大丈夫です。」
「じゃあ。登録しとくわね。他に様はあるかね?」
「魔物の核を買い取ってほしい」
「ここにおだし。こんな小さいやつお金になると――こ、これはとてもでかいわね。調べてくる!」


――伝説のギルドメガネぇ。


「ヒドラですね。一人で倒されたのですか??それより、ギルドマスターが読んでるんで、奥の部屋に行ってください。」
「めんどくさい。」
「そんなこと言わずに、買い取り価格銀貨10枚増やしておきますよ??」
「はい。行きます。」


 ギルドマスターは、もともとSランクもしくはAランクだった人が、なることが多い。ほとんどが辞めるときに推薦(強制)で決めることになっている。エルフとかを選ぶとまあ、150年近くはギルドマスターという職につける。
「おう。いらっしゃらい。まあまあ、座りな。ヒドラを倒したらしいじゃないか。」
「そうですよ。証拠が足りないとでも言いたそうですね??」
「分かっているじゃないか。ヒドラを倒すと、頭が一緒にドロップするはずなんだ。頭をここに……間違い……向こうへ見ます。。」
「わかりました。」


 ヒドラの頭は意外とでかく、部屋収まるか収まらないかぐらいであるために、机に置いてしまったら、机がバギッと半分に折れてしまうことに。




――弁償は、ジンだ。




二人は、少し移動して、ジンがヒドラの頭を出した。


「お……おお。すごい。私も初めて見ました。頭があたしよりでかいと言うことは本体は計り知れないほどでかいのかもしれない。」
「いやいやいや。余裕でしたよ。スパーンと首を刎ねるだけでしたから」


「そんなことはない!!!!!!!荒げてしまって申し訳ない。ヒドラなら、ギルド本部に連絡しSラン クを全員徴集するひつようがあるのだぞ。そ、それを一人でやってしまうとは……。
 よし。お前をAランクに昇格とする。
 しかし、ヒドラの核を払うお金はここにはない。証明などを発行するからギルド本部に行ってくれ。ギ ルド本部でも、払えないなら国王様から払って貰うしかないな」


「なんか、大事になってはいません??」
「自覚なさすぎだろ……。ギルドカー預かるよ。更新してくるから、これで君もAランク冒険者だ。」




☆☆


ギルドから出て、宿屋へ向かった。


「私、ジン様と同じ部屋でも大丈夫だよぉ」
「な……何を言っている。女の子と同じ部屋など……」
「ちょっと、変なこと考えないでよ。一緒に寝るだけだよ。押し倒したりしないでよ??」
「するわけないじゃん。そうだな……一緒になるだけやな……」
何も起こることはなかった。残念。押し倒したり―。













 次の日は、王都中心街まで行くようだ。中心街は門があり囲まれている。門兵がいるため、ギルドカードなどを持っていない場合は、銀貨30枚を徴収をするそうだ。ガン村から中心街までは4時間ぐらいかかるそうだ。


「よし。馬車に乗るか。中心街急行便があるはずだ。」
「そうなの?急行便というだけなんかは早そうだね。」
「でも、10分早く着くようになるだけ。」
「全然変わらないね。」
「でもね。なんと金貨一枚もするんだ。」
「ゼン様、それは詐欺じゃない??」
「そんなことはない……多分。


 結局二人は、急行便ではなく普通の馬車に乗って王都中心街へ向かうことになる。
 2時間ぐらいのところで乗り換えというか馬車の行き先を替える必要がある。ブン村と言う所は、王都中心街に近いこともあり、大規模な村である。ここから王都中心街行きの馬車がある。


「じゃあ、少し狩りに行こう」
「分かりました。」


予想は付くが、Sランクの登場の幕開けだった。



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