女神の使徒

ミホト

2話 転移先の世界

目が覚め、周囲を見渡すとそこには何もない真っ白な空間だけがあった。

「何処だ?ここ」

「私の作った空間です」

「っ!」

独り言を言ったはずなのに返答が返ってきて、驚きつつも声のする方を向く。

「っ!」

そしてそこにいた人(?)を見て更に驚く。そこにいたのは絶世の美女と言っていいであろう容姿をしている女性だった。背中には白い大きな翼が生え銀髪の確かショートボブとか言ったか?そんな感じの髪型で体型はまぁボンキュッボンって感じだ。

「あなたがここに連れてこられた理由と何故先ほどのことが起こったのか説明します。」

そういうとその女性は椅子を2つ出し座るように促す。突然のことに驚きつつもとりあえず落ち着いて指示に従う。

「まず、私の自己紹介をします。私はこれから転移する先の世界の女神アルテナです。」

「あのっこれから転移する先の世界とはどういうことですか?」

この前にいる女性が女神であるということはラノベを読んでいたので大体分かっていた。さらに別の世界転移するというのは理解できていた。なら、何故聞いたのかというと、何となくだ。気にすんな。

「あなたたちは転移先の世界『リベルタ』の人間に世界を救う『勇者』として召喚されます。先ほどの光はあなたたちを召喚するときの魔法陣の光です。」

なるほど、あの目がつぶれそうになるほどの光はその光か。それより魔法陣かー。いいね、魔法。

「そしてあなたがここにきた理由はあなたはこの女神アルテナの使徒として選ばれたからです。」

ん?どういうことだ?『勇者』じゃなくて『使徒』?意味分からん。

「使徒とは私に変わって世界を救う役割の者です。私は地上に降りることは出来ますが、女神としての能力は全て失われただの一般人となってしまうので、代わりとして使徒を地上に送るのです。」

あぁー、なるほどね。つまりは雑用というわけだ。めんどくさ。

「その代わり、使徒には自由な能力を自由なだけ与えることができます。今までで一番強かった勇者でも固有能力は20程度です。」

「そんなことして使徒が地上で暴れてしまったらどうするんですか。」

「その場合はこちらから能力剥奪が出来ますので問題ありません。それにそうならないための人選なので。」

そういいこちらを見ながら微笑みかける女神アルテナ。そういうことか、こちらの性格などは全て分かってるってか?プライバシーの侵害だ!警察に通報するぞ!神様には通用しないだろうけど。めんどくさ。

「他に質問はありますか?」

「何で世界を救わなければいけない状況になっているんですか?」

「私とは別にリベルタには神がいるんですが、その神が人間とは対をなす魔人を作り出しました。そこまではよかったのですがその後魔物を作り出し人間を襲うようにし、さらに魔物を操れる能力を魔人に与え人間を襲い始めました。人間はもちろん抵抗しますが元々能力の高い魔人と数の多い魔物には敵わず押され始めました。」

なるほどな。女神アルテナ以外にも神がいて魔人や魔物を作ったと。その神のあだ名は魔神だな。え?普通だって?いいだろ、分かりやすくて。文句いうな。

「そのときに私が他の世界から能力の高い人間を召喚する魔法を地上の人間たちに教えました。そして別の世界から人間を召喚し勇者として共に戦いました。これが、魔人と人間の戦争の始まりです。」

相手は魔物と魔人か、何かテンプレっぽいな。

「今回で8回目の戦争となるのですが、今まで使徒を地上に送ったことは、ありません。」

「何でですか?」

「今までの魔人側の侵攻の兆候があったのは約100年おきぐらいで早くてもその後2年位で侵攻が始まってました。しかし、今回は200年の間侵攻の兆候がなく、最近その兆候がありました。ここから予想されるものとして相手側はかなり戦力を増強してきたのではと予想しています。故に今回はこちら側の戦力の増強のため私の代わりとなる使徒を送ろうと思いました。」

「もし、その戦争が終わった場合もとの世界に戻れるんですか?」

「戻すための魔法はありませんが、もう一柱の神の力と私の力があれば、可能かと」

それは不可能じゃないのか?んじゃ戻れる可能性はゼロに近いと。メモしなきゃな。

「他に何かありますか?」

「いえ、特にありません。」

「では、どんな能力にするか決めてください。」

よっしゃ、待ちに待った能力決めだ!難しいことは後で考えよう。



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コメント

  • 形の無い悪魔

    大まかな内容は既にきめていらっしやいますか?

    0
  • 形の無い悪魔

    「魔人」と「魔物」との入力ミス

    0
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