コミュ障陰キャは2度笑う

ケッキング祖父

第7話

僕の緊張など露知らず、瞳持ちの男は淡々と僕の祝福の確認作業を始める。

確認が始まって数秒もせず、男の顔に今までにない困惑の色が浮かんだ。まずい。

しかし、男はすぐに表情をもとの仏頂面に戻し無感情な声でこう言った。

「私には君の祝福のを見ることができない。」

周りに控えていた兵士も、僕の後ろに並ぶ生徒たちにも、どよめきが走る。僕という異端の存在についての情報は一列に並んでいる生徒たちに瞬く間に伝わった。控えていた兵士たちのうちの数人が部屋の出口へと駆け出す。この建物にいる人間全てに僕のことが知れ渡るのは時間の問題だろう。

僕は各々の方法で情報を伝達せんとする人たちを横目に、心の中で居るかもわからない神や世界とやらに呪詛を吐くしかなかった。

コメント

  • 梅雨姫

    祝福のを見ることができない

    →祝福を見ることができない

    なのではないかと思います

    0
  • オナ禁マッスル

    わざわざいろんな人に伝達する意味あんの?

    0
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