クラス転移したのに俺だけ勇者じゃないのだが。

ヒイラギ

第4話 自由時間

朝食が終わったがどうやら、戦闘訓練までの時間は自由になったようだ。10時に集合。とだけ話していた。
その間クラスメイトの大勢はみな、館内の武器や防具を見て目を輝かせていた。


が、俺は違う。行きたい所があるのだ。


[大魔術師]。クレイン国王がその名を言っていたのを俺は忘れていなかった。

大魔術師と言うことは、この世界には魔術(魔法)があるのだろう。

今現在、俺は召喚者の中でもずば抜けてステータスが低い。

そうそう、王から聞いたことだが勇者の称号には初期ステータスを上げたり、常人よりも少ない経験値でレベルが上がるらしい。
俺も勇者の称号が欲しかったなぁ。

話を戻そう、すなわち俺は、皆の何倍もの修行や鍛錬がいるのだ。だから、図書室のような場所に行って、魔術の知識を付けておけば、少しは訓練の際、足を引っ張らなくて済むはずだ。


うーん…でも、俺、場所 わかんないんだよなぁ…。


取り敢えず俺は、自室に向かうことにした。




自室に着いた俺は物置暮しから脱出し、初めて入る部屋に胸を高鳴らせていた。

ドアを開けるとそこにメイドのような人が椅子に座っていた。

「お帰りなさいませ、ご主人様」

「た、ただいま?」

「ご主人様、今日から貴方様のメイドを務めさせていただきます、ライン・リルと申します、宜しくお願いいたします!」

「えっーと…篠崎 俊介です…宜しく…」

「篠崎様ですね!
早速ですが、何か、お手伝い出来ることはないでしょうか??」

「得には…ないと…思い…ます」

「そうですか…何かあったらなんなりとお申し付けください!」

いきなり声を掛けられたから驚いてしまった。
一人一部屋の時点で驚いていたがまさかメイドさんまでいるとは。

あ、そうだ丁度いいな。

「すいませんリルさん」

「 リル で大丈夫ですよ。後、敬語を使わなくて結構です」

「わかりま…わかった、リル。
早速だけど聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

「はい!なんでしょう?」

「図書室は何処かにあるのか?」

「はい!ありますよ!宜しければ案内しましょうか?」

「助かる」

まさかこんな上手く行くとはな…

俺は時計をチラリとみた。

(8時半か。確か訓練開始が10時からだから時間には余裕がありそうだ)

図書室にはこれから何度もお世話になるだろうからここから図書室までの部屋は覚えておこう。

(フムフム…廊下にでて向かい側の部屋のドアを開けて…ってあれ?入って行ったぞ?なにかもってつくるのかな?)

「図書室はここですよ〜」

「え!?ここ!?俺の部屋の向かいじゃん!」

あまりにびっくりしたので思わず叫んでしまった。

「まぁそうなんですけどね…」とリルが苦笑いしながら話す。

「取り敢えずありがとうリル助かったよ」

「はい!では私は戻っていますね」

「わかった」

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