兎の寝言

渚周

十分

十分だ

人がそういう時
それ満足しているのか
感謝しているのか
認めたのか

それとも
諦めたのか

この言葉を使う時
もうこれ以上のことはない
そう思っているとこが殆どだろう

それはいいことばかりではない
これ以上ないということは
そこから何かが変わることたない
変わることも期待していないということ

今がいい状況ならば
変わる必要はない

でもそうではない時は?

変わらない
変わるわけない

そう思って発した十分という言葉ならば

どうか

近くにいる人は気づいてあげてほしい

その言葉の本当の意味
言葉を発した人が意図するところ

そんなところで満足していていいの
諦めていいの
その先を見なくていいの

あまり直接的な言葉ではなくて
鍋の豆腐をとる時のように

そっと
質問を投げかけてあげて

その人が自分で答えにたどり着けるように
本当に納得できるように

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