全スキル保持者の自由気ままな生活

ノベルバユーザー255253

124話 エルフ!

 「ちょっとこっち来い!」

 「ぐっ……!」

 俺はオジルの首を思いっきり掴み、廊下へ連れ出した。

 「がはっ……!何をするのだ!」
 
 「それはこっちのセリフだっつーの!なんでお前がここにいるんだよ!」

 いつからここの学園は人外を入学させることを許可したんだ!?

 「むっ……我はしっかり許可というものを取ったのだぞ?」
 
 「そういう問題じゃなくてだな……それで許可したのはやっぱり理事長か?」

 「うむ。あの少女が許したのでトオルと同じクラスにしてもらったのだ」

 「チッ……!よし行くぞ今すぐに!」

 俺は再びオジルの首を掴み理事長室へと連行した。
 
 そしてやって来ました理事長。
 ……ここに来るのってすごい久しぶりなはずなのにそこまで感じない=扉が似ているからだろうな。
 教室のとそっくりだもん。

 「失礼します!」

 俺は許可も無しに遠慮なくドアを開け、中へ突りに入った。

 「おお!トオル君か……焦るじゃないか」

 「それはコッチのセリフだっつーの!!何で許可しちゃうかな!?」

 「えぇ?いいじゃん別に」

 「簡単に入れすぎだろ……」

 もうちょっと早ければ魔導演武祭も熱い戦いになっていただろうに……。
 そうなったらF vs俺になるけどな。
 楓にオジルは厳しいかなぁ……。

 「だってトオル君の知り合いって聞いたからいいかなぁって思って。テヘッ」
 
 「はぁ……」

 呆れて物も言えない。
 しかもあんまり可愛くないし!こういうのは若い人がするものなの!それがお約束というものなんです!
 理事長という重役の人が出しゃばるんじゃありません!

 「むっ……今私にはこんな可愛いポーズは似合わないって思った?」
 
 「よく分かりましたね。その通りですけど?」

 「ブーッ!私だってまだ126歳なんだぞ!」
 
 「大丈夫。それは人間で言えばもうおばさんの域を超えに超えまくってるから」

 理事長は長命種族だ。異世界の長命種族代表らしい。
 普段は変身しているから本当の姿は誰も見たことがないということだ。学園七不思議の一つに認定されるほど、見たことがない人が沢山いる。
 正直に言って俺は〈マジックキャンセラー〉のスキルが使えるから変身もバラせるはずなんだけどな。
 ……ちょっとやってみるか。

 「〈マジックキャンセラー〉!」

 「ふふっ!私にはそのスキルは効かないんですよ!」

 理事長は無い胸を張り、ドヤ顔で俺を見る。
 ウゼェェェェェ!
 そのドヤ顔が絶望に変わる瞬間を俺は見たいです!

 (検索ツール先輩!お願いします!)

 忘れ去られそうになっていた検索ツールさんを俺は使用する。

 〈スキル検索開始……合致スキル2件。表示します〉

 そして出て来たのは〈消去〉と〈絶対解除〉というスキルだった。
 消去は対象の身体以外全てを消失させるもので、絶対解除は対象に付与されている魔法やスキルを完全に解除するものだ。
 ……消去はあかん。全て=服も脱げることになる。俺は126歳の裸など見たくもないわ!

 「〈絶対解除〉!」

 無難な選択をした俺のスキルが理事長の魔法を溶かした。

 「キャッ!?」

 126歳の可愛らしい悲鳴を俺は聞いた。
 これは完全に行けた感じですね。
 すると、俺の目の前に現れた126歳は身長170cmぐらいのドストライク美女だった。

 「うぅ……。私この姿嫌いなんですけど……」
 
 そしてエルフだった。その証拠に耳がとんがっている。

 「……絶対その姿の方がいいって」

 「そんなことないもん!絶対変身した方が可愛いもん!」

 今の理事長を簡単に表すとしたらいきなり現世に出て来た二次元美女だ。
 アニオタである者なら理解できるだろう。
 存在レベルパネェ!
 そして俺の興奮度もパネェ!

 「〈固定〉……」

 そして俺は元に戻して欲しくないという俺の都合一心で変身できないように肉体を動かせないようにした。

 「あぁ!?何てことしてくるんだ!!」

 「俺はその方が似合ってるぜ!その姿のままでいてくれるんだったらオジルの件は許すなら!よし行くぞオジル!」

 「あ!ちょっと待ってよ!?外してよ~!!」

 理事長が俺を呼びとようとするが俺はオジルの手を掴み、脱兎の如く脱走した。
 ふっ!これで学校に来る楽しみが増えたぜ!

コメント

  • ノベルバユーザー251443

    最後飽きちゃったの?( ・᷄ὢ・᷅ )

    0
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