全スキル保持者の自由気ままな生活

ノベルバユーザー255253

134話 スライム

 「で、結果はどうなんだ?」

 「……問題なく合格だけど……そこまでこっちに来て学ぶことなんてあるの?」
 
「俺に聞かれてもそんなの知らん」

 別に強制じゃないから来なくてもいいのに……俺には理解できない感情だ!

 「私達は学園生活を楽しみたいんだよ!」

 「あ、なるほどね」

 何っ!?理事長には二人の感情が理解できた……だと?!
 
 「じゃあ明日ぐらいにまたここに来てね。制服の採寸とかしたいから」

 「「分かりました」」

 「……え?これって俺も来ないといけないパターン?」
 
 「もちろん。だって私達学園までの道のり分からないし」

 「いや、自分で聞いて歩けよ!?」

 さらっと転移係として呼ばれそうになったが、面倒くさいということなので丁重に断った。

 「じゃあそうゆうわけで頑張れ」

 俺はそう言った後、自分だけ城に転移するのだった。
 城から歩くよりも、学園から歩いた方が分かりやすいだろ?俺は気遣いができる男だからな。一々人に聞かなくてもいいようにしたわけだ。

 それにしても暇だなぁ……。
 することは基本終わらせたから暇なんだよなぁ……。レベリングしようと思っても自分のレベルを上げてももう意味が無いように感じてきたしなぁ。
 俺以外のレベリングの対象がいればそれ手伝うのに……いや、ちょっと待てよ?確かアレがあった気が……。

 「〈召喚〉か……」

 そう言えばそんなのがあった気がする……。
 召喚でスライムを呼び出して最強にしてみたい!それが昔の俺の野望だ。スライムを頂点に立たせたかったんだろうな。昔の俺は。

 「〈召喚〉」

 そしてスキルを使うと、辺りに光が溢れた。

 「プルプル……」

 俺の前に現れたのは一匹のスライムだった。
 スライムきたぁぁぁぁぁぁぁぁあああっ!!

 「鑑定」

 俺は早速スライムのステータスを図るのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<名前>無し          <種族名>スライム
<性別>無性
<年齢>0歳
<レベル>1
<体力>H
<物攻>H
<物防>H
<魔力>H
<魔攻>H
<魔防>H
<敏捷>H
<運>S

<スキル>
 「分裂」、「分解」、「物理吸収」

 <称号>
 「トオルの使い魔」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ここで一つ思ったことを言わせてもらおう。
 弱っ!?そして運強すぎ!
 運以外オールH。オールHなんて初めて聞いたわ!

 「プルル?」
 
 スライムが不思議そうにこちらを見つめる。
 
 「俺がお前のご主人様だぞ〜。えっと名前は……考えるの面倒くさいからプルルでいいか?」

 「プル!」

 見た感じ喜んでいた。
 こうしてプルルのレベリングの幕が上がるのだった。

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