全スキル保持者の自由気ままな生活
58話 関西弁の先生
 俺は2-Eの扉を開いた。
 すると、
 ボワッ!
 今の表現じゃ分かりづらいと思うが、火の玉が飛んできたのだった。
 俺はそれを首を横に動かすだけで回避する。
 (……これは問題児が集まるクラスって言ってたな……)
 まさか教室に入った瞬間に〈炎魔法〉ファイアボールを撃たれるとは思ってなかったぞ。
 そして火の玉は俺を通り越して、今入ってきた女性の顔面に直撃した。
 「……あ、やべ」
 流石に事の重大さに気づいたのか魔法を放った男は慌てていた。
 「……大丈夫ですか?」
 「……ええで。あんた、今日からウチのクラスに復学してきた子やんな?」
 「はい……そうですけど」
 「わざわざおおきにな。ちょっといつものことやるさかい、少し待っててくれんか?」
 「はぁ……」
 関西弁で話しかけてくる女性。
 一体何をするんだろう?
 
 「あんたら……いつまで遊んでるん!?」 
 この人の魔力が解き放たれ、この場(俺以外)の生徒を威圧した。
 「散々、魔法で遊んじゃダメって言ったよなぁ?」
 こっわっ!?
 後ろから何かが出てるぞ!?物理的に!
 「悪い子にはお仕置きやなぁ?」
 「すいませんごめんなさい!!だからアレはやめてください!」
 魔法を放った生徒が全力で誤っている。
 構造は……生徒と先生だな。
 ……いや、この魔力量を持つ者なら教師をやっていててもおかしくはないな。
 
 (……理事長ほどではないけど、相当な使い手だろうな)
 それはさっきの魔力解放による威圧を見れば分かる。
 「それは無理な話っちゅうもんやな。大人しくしとき!」
 「はい!」
 男子生徒はその場に正座させられた。
 「今日はそのまま動いたらあかんで」
 「そ、そんな~~!」
 うわっ、恐ろしい!
 あのまま何時間もいるなんて……。
 終わった事のことを想像したくもない!!
 背筋に寒気が!
 「じゃあ、自己紹介してもらうで」
 そう言って、彼女は俺に振ってきた。
 「あ、初めまして金山透です」
 そう言った瞬間にクラス中にざわめきが広がった。
 「あの勇者!?」
 「勇者が帰ってきていたのか!?」
 などなど、口々にしゃべっている。
 「それぐらいにしときいや。トオル君は前のクラス試験に受けられなかったからEクラスに来てるんやで」
 先生からこのクラスに来た経緯を離された後、俺は空いている席に通された。
 「じゃあ授業を始めるで」
 こうして一年ぶりの授業が始まった。
 結論。何を言っているのか理解が不能だった。
 何!?魔力消費を極限まで抑えるにはどうすればいいかなんで分かるわけないじゃん!
 魔法なんて威力重視でしょ!消費を気にするのは後の問題なの!(俺にとっては)
 「あ、透。お疲れ~~」
 「……お前ら呑気だな」
 「そりゃあ透と違って休み以外は毎日学校に行っていますので!」
 楓に腕を組み、ドヤ顔で決めてきた。
 (……腹立つ)
 そう思った俺は少し仕返しに気づかれないように風の魔法を使った。
 「きゃっ!?」
 慌てて楓はスカートの裾を抑押さえた。
 「もう!透のエッチ!!」
 「え?何のこと?」
 俺はあくまでも知らないふりをする。
 「知らない!!」
 そう言って楓はピューっと自分のクラスの方向に走っていった。
 (これでいいんだ……)
 ご飯については俺のアイテムボックスがあるから、それから何か取ればいいわけだし……。
 (ちょっとやり過ぎたか?でも、あのままなのはちょっと……)
 俺の精神衛生の都合上よろしくなかったからな。
 ……まあ、ゆっくり寝るか。
 叩き起こされて眠いし。
 俺は昼休みの大半を眠りに使った。
 俺が眠っている時、先生がやってきた。
 ガンッ!
 と、グーで殴ったのにまるで鈍器で殴ったような音を立てた。
 「起きいや。そろそろ昼の実技の時間やで」
 「……はい」
 これ、俺だから良かったものの他の生徒だったら脳天かち割れてるぞ!?
 ……みんなこんなのくらったことがあるんだな。
 南無三。
 そうして俺は訓練場に移動した。
 「おら!E組は黙ってすっこんでろ!」
 「くっ!」
 俺が訓練場に到着すると、さっきの俺にファイアボールを撃った男子生徒が見知らぬ奴に虐められていた。
 (胸糞悪いな……)
 もう、あいつボコっちゃっていいですかね?
 それで俺も退学になれば一石二鳥じゃね?
 それで行くか!
 「やめろ!」
 正義感を出しながら俺は虐めをしている奴らの元へ走った。
 「おいおい!まさかの勇者様だよ!」
 「よせって。コイツはカエデ様とは違うに決まっているだろ?」
 おうおう。ようそんなこと抜かしてくれよるな。
 俺が楓より弱いだと……?
 確かに数点を除けばそうかもしれないが、武力じゃ楓では話にならないな。
 「虐めるのやめてくれないか?その生徒、俺のクラスの奴だろ。虐めるなら俺を虐めろや」
 「抜かせッ!」
 虐めの主犯格と思われる男が、俺に殴りかかってきた。
 「炎よ!俺の拳に宿れ!フレイムエンチャント!」
 相手の拳に火が纏った。
 (これ前に見た技だな……)
 ベネッタさんのフレイムエンチャントの詠唱を改良したバージョンだな。
 みんなの成長具合はどうなったのか気になるなぁ。
 (……まあ、俺のこの学校で信頼できる人のうちの一人は嫌われちゃったけどな)
 「おらっ!」
 男は全力であろう右ストレートを放ってくる。
 「ぬるい」
 俺は奴の拳をやすやすと掴む。
 うん!全然熱くないな!
 
 「な、なんだと!?」
 「いいか?本当の右ストレートはこうやって撃つんだよ!フレイムエンチャント!」
 俺の右手は煉獄の炎で燃え盛り、男の腹にめり込んだ。
 ドンッッ!!
 と強烈な打撃音と共に男は端っこの壁まで吹っ飛んで行った。
 男はなすすべもなくやられた。
 (ていうかこの程度でそこまで吹っ飛ぶなんて……弱くないか?一年前の俺でもこのくらいは簡単に止めれていただろうに)
 少なくともあそこまで盛大に吹っ飛ばないだろう。
 「ふぅ、お前もやるのか?」
 俺は殺気を込めて男の仲間に問いかけた。
 「いえ!大丈夫です!」
 そう言って男は吹っ飛ばされた奴を拾って猛ダッシュで帰っていった。
 『おお~!』
 事が終わると歓声が広がった。
 (……あれ?こんなつもりじゃなかったんだけどな?)
 俺のシナリオではここで怖がられて、その圧に耐えきれなくなったので学校を辞めます。
 という感じにしたかったのに!何故?
 「ありがとうな!俺の名前はミサタ=ランペルド。よろしくな!」
 さっき虐められていた男子生徒がおれに礼を言ってきた。
 「どうも。俺が自分でしたかった事だからいいよ」
 その場を離れたくて、早めに会話を切ろうとする。
 だがしかし。
 「お見事やね!」
 そこにまさかの先生乱入。
 「いやー!話は聞いていたけど、まさかこれほどとは……」
 「あのー、先生。僕ちょっと気分が悪いので帰ってもいいですか?」
 こうなったら手段は選ばない!
 速急に帰ってやる!
 「え?ダメに決まってるやないか」
 「え?」
 「私も教師。ここで帰られたらボーナスが下がるんや。というわけで逃がさんで!」
 俺は周りを見る。
 みんなうんうんと頷いている。
 (マジか~~~!!)
 まさかのみんなこのことを知っているらしい。
 自身のために生徒を帰らせないとか……教育委員会さん!ちょっとこの人どうにかしてください!
 「ダッシュ!」
 俺は脱兎のごとく逃走した。
 「〈転移〉」
 走っている時に転移で帰ろうとした。
 だが、
 「あ、あれ?発動しないんですけど!?」
 「それはウチのスキル〈マジックキャンセラー〉を発動したからやで!大人しくしときや!」
 そう言ってだんだん距離を詰めてくる先生。
 (ちょっと検索ツールさん!この状況どうしたらいいでしょうか!?)
 〈スキル検索開始……合致スキル1件。表示します〉
 すると、そこには〈マジックブレイク〉というスキルがある。
 (これなら!)
 マジックキャンセラーを無効化して転移が使用可能になるはず!
 「〈マジックブレイク〉!」
 すると、
 
 パリンッ。
 と結果が割れたような音がして、魔法が使えるようになった。
 「〈転移〉!」
 すると、今回は上手くいったのか、俺の地面が光った。
 「あ、待ちいや!」
 俺は聞く耳を持たずに、王城へと転移したのだった。
 すると、
 ボワッ!
 今の表現じゃ分かりづらいと思うが、火の玉が飛んできたのだった。
 俺はそれを首を横に動かすだけで回避する。
 (……これは問題児が集まるクラスって言ってたな……)
 まさか教室に入った瞬間に〈炎魔法〉ファイアボールを撃たれるとは思ってなかったぞ。
 そして火の玉は俺を通り越して、今入ってきた女性の顔面に直撃した。
 「……あ、やべ」
 流石に事の重大さに気づいたのか魔法を放った男は慌てていた。
 「……大丈夫ですか?」
 「……ええで。あんた、今日からウチのクラスに復学してきた子やんな?」
 「はい……そうですけど」
 「わざわざおおきにな。ちょっといつものことやるさかい、少し待っててくれんか?」
 「はぁ……」
 関西弁で話しかけてくる女性。
 一体何をするんだろう?
 
 「あんたら……いつまで遊んでるん!?」 
 この人の魔力が解き放たれ、この場(俺以外)の生徒を威圧した。
 「散々、魔法で遊んじゃダメって言ったよなぁ?」
 こっわっ!?
 後ろから何かが出てるぞ!?物理的に!
 「悪い子にはお仕置きやなぁ?」
 「すいませんごめんなさい!!だからアレはやめてください!」
 魔法を放った生徒が全力で誤っている。
 構造は……生徒と先生だな。
 ……いや、この魔力量を持つ者なら教師をやっていててもおかしくはないな。
 
 (……理事長ほどではないけど、相当な使い手だろうな)
 それはさっきの魔力解放による威圧を見れば分かる。
 「それは無理な話っちゅうもんやな。大人しくしとき!」
 「はい!」
 男子生徒はその場に正座させられた。
 「今日はそのまま動いたらあかんで」
 「そ、そんな~~!」
 うわっ、恐ろしい!
 あのまま何時間もいるなんて……。
 終わった事のことを想像したくもない!!
 背筋に寒気が!
 「じゃあ、自己紹介してもらうで」
 そう言って、彼女は俺に振ってきた。
 「あ、初めまして金山透です」
 そう言った瞬間にクラス中にざわめきが広がった。
 「あの勇者!?」
 「勇者が帰ってきていたのか!?」
 などなど、口々にしゃべっている。
 「それぐらいにしときいや。トオル君は前のクラス試験に受けられなかったからEクラスに来てるんやで」
 先生からこのクラスに来た経緯を離された後、俺は空いている席に通された。
 「じゃあ授業を始めるで」
 こうして一年ぶりの授業が始まった。
 結論。何を言っているのか理解が不能だった。
 何!?魔力消費を極限まで抑えるにはどうすればいいかなんで分かるわけないじゃん!
 魔法なんて威力重視でしょ!消費を気にするのは後の問題なの!(俺にとっては)
 「あ、透。お疲れ~~」
 「……お前ら呑気だな」
 「そりゃあ透と違って休み以外は毎日学校に行っていますので!」
 楓に腕を組み、ドヤ顔で決めてきた。
 (……腹立つ)
 そう思った俺は少し仕返しに気づかれないように風の魔法を使った。
 「きゃっ!?」
 慌てて楓はスカートの裾を抑押さえた。
 「もう!透のエッチ!!」
 「え?何のこと?」
 俺はあくまでも知らないふりをする。
 「知らない!!」
 そう言って楓はピューっと自分のクラスの方向に走っていった。
 (これでいいんだ……)
 ご飯については俺のアイテムボックスがあるから、それから何か取ればいいわけだし……。
 (ちょっとやり過ぎたか?でも、あのままなのはちょっと……)
 俺の精神衛生の都合上よろしくなかったからな。
 ……まあ、ゆっくり寝るか。
 叩き起こされて眠いし。
 俺は昼休みの大半を眠りに使った。
 俺が眠っている時、先生がやってきた。
 ガンッ!
 と、グーで殴ったのにまるで鈍器で殴ったような音を立てた。
 「起きいや。そろそろ昼の実技の時間やで」
 「……はい」
 これ、俺だから良かったものの他の生徒だったら脳天かち割れてるぞ!?
 ……みんなこんなのくらったことがあるんだな。
 南無三。
 そうして俺は訓練場に移動した。
 「おら!E組は黙ってすっこんでろ!」
 「くっ!」
 俺が訓練場に到着すると、さっきの俺にファイアボールを撃った男子生徒が見知らぬ奴に虐められていた。
 (胸糞悪いな……)
 もう、あいつボコっちゃっていいですかね?
 それで俺も退学になれば一石二鳥じゃね?
 それで行くか!
 「やめろ!」
 正義感を出しながら俺は虐めをしている奴らの元へ走った。
 「おいおい!まさかの勇者様だよ!」
 「よせって。コイツはカエデ様とは違うに決まっているだろ?」
 おうおう。ようそんなこと抜かしてくれよるな。
 俺が楓より弱いだと……?
 確かに数点を除けばそうかもしれないが、武力じゃ楓では話にならないな。
 「虐めるのやめてくれないか?その生徒、俺のクラスの奴だろ。虐めるなら俺を虐めろや」
 「抜かせッ!」
 虐めの主犯格と思われる男が、俺に殴りかかってきた。
 「炎よ!俺の拳に宿れ!フレイムエンチャント!」
 相手の拳に火が纏った。
 (これ前に見た技だな……)
 ベネッタさんのフレイムエンチャントの詠唱を改良したバージョンだな。
 みんなの成長具合はどうなったのか気になるなぁ。
 (……まあ、俺のこの学校で信頼できる人のうちの一人は嫌われちゃったけどな)
 「おらっ!」
 男は全力であろう右ストレートを放ってくる。
 「ぬるい」
 俺は奴の拳をやすやすと掴む。
 うん!全然熱くないな!
 
 「な、なんだと!?」
 「いいか?本当の右ストレートはこうやって撃つんだよ!フレイムエンチャント!」
 俺の右手は煉獄の炎で燃え盛り、男の腹にめり込んだ。
 ドンッッ!!
 と強烈な打撃音と共に男は端っこの壁まで吹っ飛んで行った。
 男はなすすべもなくやられた。
 (ていうかこの程度でそこまで吹っ飛ぶなんて……弱くないか?一年前の俺でもこのくらいは簡単に止めれていただろうに)
 少なくともあそこまで盛大に吹っ飛ばないだろう。
 「ふぅ、お前もやるのか?」
 俺は殺気を込めて男の仲間に問いかけた。
 「いえ!大丈夫です!」
 そう言って男は吹っ飛ばされた奴を拾って猛ダッシュで帰っていった。
 『おお~!』
 事が終わると歓声が広がった。
 (……あれ?こんなつもりじゃなかったんだけどな?)
 俺のシナリオではここで怖がられて、その圧に耐えきれなくなったので学校を辞めます。
 という感じにしたかったのに!何故?
 「ありがとうな!俺の名前はミサタ=ランペルド。よろしくな!」
 さっき虐められていた男子生徒がおれに礼を言ってきた。
 「どうも。俺が自分でしたかった事だからいいよ」
 その場を離れたくて、早めに会話を切ろうとする。
 だがしかし。
 「お見事やね!」
 そこにまさかの先生乱入。
 「いやー!話は聞いていたけど、まさかこれほどとは……」
 「あのー、先生。僕ちょっと気分が悪いので帰ってもいいですか?」
 こうなったら手段は選ばない!
 速急に帰ってやる!
 「え?ダメに決まってるやないか」
 「え?」
 「私も教師。ここで帰られたらボーナスが下がるんや。というわけで逃がさんで!」
 俺は周りを見る。
 みんなうんうんと頷いている。
 (マジか~~~!!)
 まさかのみんなこのことを知っているらしい。
 自身のために生徒を帰らせないとか……教育委員会さん!ちょっとこの人どうにかしてください!
 「ダッシュ!」
 俺は脱兎のごとく逃走した。
 「〈転移〉」
 走っている時に転移で帰ろうとした。
 だが、
 「あ、あれ?発動しないんですけど!?」
 「それはウチのスキル〈マジックキャンセラー〉を発動したからやで!大人しくしときや!」
 そう言ってだんだん距離を詰めてくる先生。
 (ちょっと検索ツールさん!この状況どうしたらいいでしょうか!?)
 〈スキル検索開始……合致スキル1件。表示します〉
 すると、そこには〈マジックブレイク〉というスキルがある。
 (これなら!)
 マジックキャンセラーを無効化して転移が使用可能になるはず!
 「〈マジックブレイク〉!」
 すると、
 
 パリンッ。
 と結果が割れたような音がして、魔法が使えるようになった。
 「〈転移〉!」
 すると、今回は上手くいったのか、俺の地面が光った。
 「あ、待ちいや!」
 俺は聞く耳を持たずに、王城へと転移したのだった。
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