白色乞焦歌

永坂ちよ

各種設定について

白色乞焦歌しろいろこいこがれうたをご拝読いただき、ありがとうございます。
本編に先立ち、当作品における各種設定や専門用語についてご案内申し上げます。

※当作品は遊郭を舞台とした作品でございます。
過激なシーン等はございませんが、苦手な方はご注意くださいませ。




下記登場人物・設定等につきましては、
ネタバレ防止の為簡易的な紹介のみとしております。



≪作品背景・作中専門用語≫
葭原特区よしはらとっく
時は現代。(平成~)
売春禁止法が緩和され、数多の風俗店統治の為に設立された【葭原特区】
文明開化著しい中、一歩大門をくぐればそこは時代錯誤を感じさせる色街。
古くは江戸時代に栄えたといわれる吉原遊郭を基に、
政府を筆頭に御大仁達の財力によって作り上げられた特殊な区域である。
某所1区画の四方を大きな壁で仕切り、
「大門」と呼ばれる門以外からの出入りは不可能。
大門にはたくさんの警備員が配置され、
遊女達の出入りは厳しく監視された。
遊女達が大門をくぐれるのは、年季明け・身請けの時だけ。

アスファルトではなく土のまま舗装された特区は、広さにして0.3k㎡程。
妓楼だけでなく、陰間茶屋・小間物屋・甘味処等々の
江戸情緒を思わせる店が軒を連ねる。
客たちは洋装であったり、スーツであったりと自由な格好をしているが、
特区内で働く者達は一様に和装である。


白色楼はくじきろう
紅香達が在籍する妓楼。
葭原特区の中で最上位の妓楼であり、一般人には手の届かない大見世。
特区内の奥に見世を構えており、
冷やかしにも来辛い雰囲気を醸し出している。
傾城は張り見世には出ず、姿を見るだけでも貴重な存在となっている。

白色楼では
禿…~15歳
新造…16~19歳
年季明け…27歳
としており、20歳になるまで客は取らない。
27歳となると年季明けとなり、晴れて自由の身となる。
ただし、河岸見世など低俗な見世になると未成年者でも客を取ったり、
27歳を過ぎても見世への借金が終わらないと下位の見世へ送られる。




≪登場人物≫( )内は年齢
紅香こうか(25)
虹香亡き後、その名の読みだけを継いだ傾城。
元々は売り上げが伸びずパッとしない妓であったが、
とある事件をきっかけにお職を張るまでの傾城となった。

桃香とうか(16)
将来有望な引っ込み禿として廓に売られてきた少女。
紅香に面倒を見てもらっており、最近新造になったばかりの遊女見習い。

藍香あいか(25)
白色楼の遊女。紅香と同期で仲が良い。
面倒見の良い姉御肌として、皆から慕われている。

黄香おうか(18)
藍香付きの新造。
藍香を強く慕っている。

虹香こうか(故26)
以前白色楼でお職を張っていた傾城。
特区内で一番と言われた傾城だが、一時期行方不明となっていた。
その後復帰し、年季明け間近であったがとある事件によって亡くなった。

茜香せんか(19)
名を継ぐ前までの紅香の源氏名。

黒曜こくよう(?)
白色楼の妓楼主。
年齢・本名共に不詳。

和泉いずみ(37)
白色楼の遣り手。
妓達の統率、見世の経営、外交に至るまで、見世のあらゆる面を取り仕切っている。
責任の大きさから厳しい一面もあるが、妓達の事を一番に考えている。
ちなみに和泉は名であり、氏は不詳。

杏村こむら(45)
特区内にある「#杏村写真館__こむらしゃしんかん__#」の主人。
どんな妓に対しても気さくな人柄で、写真家としての腕も一流。
杏村に写真を撮ってもらうのが、遊女たちの一種のステータスとなっている。

鶯生おうしょう(76・73)
特区内にある甘味処「#うぐいす庵__うぐいすあん__#」を営んでいる老夫婦。
昔ながらの老舗であり、古くは吉原遊郭の頃からあったと言われている。
広くはない店内だが、半個室となっており、遊女達も気軽に利用できるお店。
白色楼の妓達のお気に入り。





当ページは随時更新していきます。
次ページでは、遊郭における専門用語のご案内をさせていただきます。





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