ブラコンな妹の将来の為に家を出たい。ついでに姉も。

西東 北南(さいとう ぼくなん)

1.

俺は家を出たい。何故かって?妹のためだよ。妹2人が俺に異性としての好意を持っているみたいだからだ。2人には俺なんかよりいい男を見つけて幸せになって欲しい。だから距離をとる必要があると思った。今思い返せばおかしかった。

一緒にお風呂に入ったり、1つのベットで寝たり、あーんしたりされたり。小4の妹ならまだしも中2の妹となると話は別だ。年頃の女の子が兄妹であったとしても男である俺とこんな新婚夫婦のような生活をするのはよくないのだ。






そんなことを親友(中条陸   イケメンで高身長運動も勉強もできる俺と同じ帰宅部 小学生の頃からの付き合いだ。)の部屋の敷布団の中で考えていると。

「なぁ、いつまでいじけてんだよ。ごめんって。」

「うるせぇ。」

何故こうなったかと言うと、話が長くなるのだが聞いてくれ。俺は今日陸の家に泊まりに来ている。今ハマってるゲームを土日の2日間テストでできなかった分やりまくるためだ。

そして、事件が起きた。事件と言っても人が死んだり、とっておいたプリンを陸に食べらりたりといったような大きな事じゃない。 

陸には俺の1つ下の妹と同じ学年の妹がいるのだが。陸はその妹と一緒にお風呂に入ったのは小5で、以来一緒に入っていないとい言う。俺にとって衝撃的すぎる発言だった。

俺は妹との関係が親密すぎたのではないかと思い、陸に一般的兄妹の親密度を聞いたのだが。こいつは、俺が妹との関係を話た途端、こっちは真剣に聞いたのにバカ笑いしやがった。そして、今に至る。

「まぁ、良いじゃないか!兄妹仲良くて。うちの兄妹とは真逆だな。反抗期だから話も聞いてくれないし、同じソファーに座ったら邪魔だからどっか行けとか言われるからな。」

「それが普通なのか。冬華はいつも一緒にいたがるし、ソファーに座ってると隣に座って寄りかかってくるぞ。」

「いいじゃねぇか。可愛げがあって。」

「悪かったわね。可愛げがなくて。」

噂をすればなんとやら。部屋のドアを半分あけ水美ちゃんが入って来た。髪が少し湿って頬が少し火照っていることからお風呂から出たばかりだということがうかがえる。

「透兄お風呂空いたよ。」

「うん、ありがとう。陸が先に入るか?」

「いいのか?なら...「ダメ!」」

「何でだよ!」

「そ、それは...ほら。兄貴は私の入った後の残り湯を飲もかもだし!私の残り湯に兄貴が入るとかキモいし!」

「飲まねぇよ!てか、透志はいいのかよ!」

「透兄は全然いいし!逆にウェルカムだし!飲んで欲しいくらいだし!」

「いやいや!水美ちゃん!? 飲まないからね?」

「えっ!? 飲んでくれないんですか?」

「なんでガッカリしてるの!? そんなに俺を変態にしたいの!?」


「えっ、あっ、いや、そんなつもりはなくて。透兄は特別だから。」

「お前透志のこと好きだもんな。」

「ちょっ!今関係ないでしょ!クソ兄貴!マジキモい!」

そう、今陸が言ったように、水美ちゃんも俺に好意を抱いてくれていて。去年の冬に告白された。気持ちは嬉しかった。だけど、俺は水美ちゃんをまだ赤ちゃんの時から見ていた、だから妹のように接してきたからそういう目で見ることをできなかったため告白は断った。

あれから半年たったが未だに気持ちは変わらないようだ。

「じゃ、じゃあ。俺からお風呂に入らせて貰うよ。」

「う、うん。」

「わかった。風呂入り終わったらゲームの続きしようぜ。」

「はぁ?何言ってんの!透兄は私とゲームするんたし!」

「お前こそ何言ってんだよ!透志は俺とゲームする為に泊まりに来てんだよ!」

俺は2人の喧騒を後ろに浴室に向かう。

体をあらって深いため息を吐きながら湯船に浸かり白い天井を仰ぐ。

「どうしたもんか...。」







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