世界が終わりそうな恋

　「はぁ.....」ため息をつくのは何度目か。まぁ、世界が終わったんだし、当然だけど。私はたった今、フラれた。しかも1番記憶に残りやすいフリ方だった。

　私、七瀬岬は、ずっと好きだった。誰よりも優しくて誰よりも魅力的な佐伯望先輩のことが。もちろんライバルはいる。だからよくあるシチュエーションで告白した。
　中2の3学期のある日の放課後。先輩に話があると屋上に呼びだす。そして、告る。　　　密かにそんな計画を立てているとは誰も思わない、はずだった。
先輩に好意を寄せている人物ライバルであり、親友である塚本奏に気付かれるまでは。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　
　「あんた、佐伯先輩に気があるでしよ？もしかして告んの？」突然の言葉にフリーズしてしまう私。肯定という意味。奏はいたずらぽく笑った。
　「実はあたしもなんだ。告って付き合う気でいんの！なんてったってこの美しく完璧なあたしに落とせない男はいないもんね！」自信満々に奏は言う。そう、奏は絶対の自信家であり、絶世の美女だ。今まで奏に落とせなかった男なんているはずがない。そんな奏も参戦するとなるとかなりハードルが上がる。　　
　「そうだね」私は気持ちを読み解かれないようにそっけなく返すと、奏はいたずらぽく笑った。とても嫌な胸騒ぎがする。予感が的中するとは夢にも思っていなかった。いや、正確に言うと思いたくなかった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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