ヤンデレでブラコンの妹に俺の生活が脅かさるのでした
初体験の告白をされた俺は妹に邪魔されるのでした
俺こと金神藤麻は義理の妹……金神マリーがいる。マリーを簡単に説明すると「整った顔と綺麗に伸ばした金髪が、風でなびく姿は正しく一輪の花のよう」といった感じだ。
高校生一年生になったマリーはその外見から数々の友達ができていき、一部からは苗字の「金」や、その「金髪」と名前を合わせて「マリーゴールド」みたいなどと呼ばれていたりした。それが気に入ったのか、家ではマリーゴールドを愛情を込めて育てている。
ここでマリーゴールドの補足を少し入れておこう。キク科コウオウソウ属のうち、草花として栽培される植物の総称のことだ。花言葉は色によって変わってくるが、健康だったり、愛情だったりとマリーに似合う言葉ばかりだ。
そんなマリーの兄である俺は高校生二年生になって、屋上にて人生初の「プロポーズ」を受けていた。
「金神藤麻君、あなたの事が好きです、付き合ってください!」
「……」
初めての事で身体が硬直してしまい、上手く口が動かない。相手の女の子は上目遣いで俺を見て、返事を待っていた。その姿を眼球が映し、脳が読み込むと俺の顔が一気に暑くなる。四月の暖かな風が肌に触れて、太陽も俺らを見下ろしていて、少し暑かったりするが、おそらく俺の体温は今この屋上で一番高いであろう。
告白されるのが恥ずかしく、そしてこんなに嬉しい事だなんて知りもしなかった。俺は人生で最高の経験をさせて下さった神に感謝の祈りを捧げたいが……今は目の前の女の子に返事を返すのが先だと思い、目を向けた。
見た感じ、身体は少し小柄でナチュラルボブのその子は誰が見ても可愛い方の部類に入るルックスだ。今回の告白も、彼女自ら俺の元に来て「放課後屋上でお話があります!」と直接伝えに来てくれた。
このスマホが普及している時代にメールや電話で話を終わらせようとする輩の中に、こんなに可愛く積極的な女子が存在していたなんて知らなかった。
そんな子の告白に対する俺の返事はYESだ。あまり話した事がない為に、中身がどんな子なのかまでは分からないが、俺のことを好きになってくれた子だ。その期待に応えるべく人生初の告白の返事をしようとするタイミングで、屋上の入り口にあるドアが開いた。
「お兄ちゃん、そいつ……誰?」
いきなり登場した声の主が俺に問う。その瞬間、世界の色が消え、場の温度が一気に下がるように感じた……実際俺の体温が急激に下がり、平熱を下回った。
「ま、マリー……」
「もう一度聞くよ、そいつ……誰?」
「えぇ……と」
「わ、私は隣のクラスの者でマリーちゃんのお兄さん……藤麻君に告白しました!」
マリーに圧倒されてビビり散らかした目の前の子は慌てて自分の説明をした……が、
「貴方には聞いてない」
ただ一言、そういって俺に接近し始めた。
そして目の前に到着した後に俺のネクタイを握って女の子に告げる。
「お兄ちゃんには私が居るから貴方は必要ないの、わかったら今すぐこの場から消えて」
「え、えと」
「十、九……」
「は……はい、すみませんでした!」
そういって俺に好意を寄せてくれた女の子は、目の前の美少女によって呆気なく退場させられた。
「お、俺の初体験が……」
「どうしたの、お兄ちゃん?」
「マリー、何でこんな残酷な事が簡単にできるんだよ……」
「だってお兄ちゃんの寵愛を受けるのはこのマリーだけで十分だもん、他の雌なんて必要ないでしょ?」
「め、雌って……」
マリーは俺が関わると酷く人格が変わる。それは俺を他の女子と親密な関係にならぬ様芽を潰し、俺に好意を持ったと思われる人間にはあらゆる手段を持って妨害するほどの恐ろしい変化だ。
そんな事があった中で、今回の告白はどうやらマリーの監視下をくぐり抜けた様だったが、最後には本人が直接乗り込み失敗に終わったのだった。
「じゃあ用事も終わった事だし、私たちの愛の巣に帰ろ?」
「親が海外出張で、偶々二人で住んでるだけだけどな」
「それでも今は二人っきりだよ、お兄ちゃんだってこんな美少女と一緒に夜を共にするなんて光栄でしょ?」
「まあ、悪い気はしないけどさ……」
そんな事より先ほどから俺の腕に抱きつくのは良いんだが、力が入り過ぎてるのか血液が上手く循環していないのがわかる。恐らく先ほどの告白時の俺の反応を見て激怒しているのだろう。なんでこんなに可愛い顔して力が俺より強いのか不思議でならないが、そろそろ本気でやめさせないと腕が壊死してしまうのでマリーに離れる様伝える。
「マリー、お兄ちゃんの腕がこのままだと使い物にならなくなって、右腕断ち切らないといけなくなるから離してくれないか?」
「そうなった時は私が面倒見てあげるよ!」
「いや……」
「大丈夫、どんな事があってもマリーが一緒だよ!」
「……」
俺はこれ以上の事が起きない様にと神に祈る。するとそれが届いたのか、マリーの締め付けが緩み、右腕に温かさが戻った。
そして二人で屋上からお互いの教室に戻り、バッグを手にして自宅に帰るのだった。
因みにマリーゴールドの花言葉はまだある
「嫉妬」「絶望」「憎しみ」
どれもマリーによく似合っている言葉だった。
高校生一年生になったマリーはその外見から数々の友達ができていき、一部からは苗字の「金」や、その「金髪」と名前を合わせて「マリーゴールド」みたいなどと呼ばれていたりした。それが気に入ったのか、家ではマリーゴールドを愛情を込めて育てている。
ここでマリーゴールドの補足を少し入れておこう。キク科コウオウソウ属のうち、草花として栽培される植物の総称のことだ。花言葉は色によって変わってくるが、健康だったり、愛情だったりとマリーに似合う言葉ばかりだ。
そんなマリーの兄である俺は高校生二年生になって、屋上にて人生初の「プロポーズ」を受けていた。
「金神藤麻君、あなたの事が好きです、付き合ってください!」
「……」
初めての事で身体が硬直してしまい、上手く口が動かない。相手の女の子は上目遣いで俺を見て、返事を待っていた。その姿を眼球が映し、脳が読み込むと俺の顔が一気に暑くなる。四月の暖かな風が肌に触れて、太陽も俺らを見下ろしていて、少し暑かったりするが、おそらく俺の体温は今この屋上で一番高いであろう。
告白されるのが恥ずかしく、そしてこんなに嬉しい事だなんて知りもしなかった。俺は人生で最高の経験をさせて下さった神に感謝の祈りを捧げたいが……今は目の前の女の子に返事を返すのが先だと思い、目を向けた。
見た感じ、身体は少し小柄でナチュラルボブのその子は誰が見ても可愛い方の部類に入るルックスだ。今回の告白も、彼女自ら俺の元に来て「放課後屋上でお話があります!」と直接伝えに来てくれた。
このスマホが普及している時代にメールや電話で話を終わらせようとする輩の中に、こんなに可愛く積極的な女子が存在していたなんて知らなかった。
そんな子の告白に対する俺の返事はYESだ。あまり話した事がない為に、中身がどんな子なのかまでは分からないが、俺のことを好きになってくれた子だ。その期待に応えるべく人生初の告白の返事をしようとするタイミングで、屋上の入り口にあるドアが開いた。
「お兄ちゃん、そいつ……誰?」
いきなり登場した声の主が俺に問う。その瞬間、世界の色が消え、場の温度が一気に下がるように感じた……実際俺の体温が急激に下がり、平熱を下回った。
「ま、マリー……」
「もう一度聞くよ、そいつ……誰?」
「えぇ……と」
「わ、私は隣のクラスの者でマリーちゃんのお兄さん……藤麻君に告白しました!」
マリーに圧倒されてビビり散らかした目の前の子は慌てて自分の説明をした……が、
「貴方には聞いてない」
ただ一言、そういって俺に接近し始めた。
そして目の前に到着した後に俺のネクタイを握って女の子に告げる。
「お兄ちゃんには私が居るから貴方は必要ないの、わかったら今すぐこの場から消えて」
「え、えと」
「十、九……」
「は……はい、すみませんでした!」
そういって俺に好意を寄せてくれた女の子は、目の前の美少女によって呆気なく退場させられた。
「お、俺の初体験が……」
「どうしたの、お兄ちゃん?」
「マリー、何でこんな残酷な事が簡単にできるんだよ……」
「だってお兄ちゃんの寵愛を受けるのはこのマリーだけで十分だもん、他の雌なんて必要ないでしょ?」
「め、雌って……」
マリーは俺が関わると酷く人格が変わる。それは俺を他の女子と親密な関係にならぬ様芽を潰し、俺に好意を持ったと思われる人間にはあらゆる手段を持って妨害するほどの恐ろしい変化だ。
そんな事があった中で、今回の告白はどうやらマリーの監視下をくぐり抜けた様だったが、最後には本人が直接乗り込み失敗に終わったのだった。
「じゃあ用事も終わった事だし、私たちの愛の巣に帰ろ?」
「親が海外出張で、偶々二人で住んでるだけだけどな」
「それでも今は二人っきりだよ、お兄ちゃんだってこんな美少女と一緒に夜を共にするなんて光栄でしょ?」
「まあ、悪い気はしないけどさ……」
そんな事より先ほどから俺の腕に抱きつくのは良いんだが、力が入り過ぎてるのか血液が上手く循環していないのがわかる。恐らく先ほどの告白時の俺の反応を見て激怒しているのだろう。なんでこんなに可愛い顔して力が俺より強いのか不思議でならないが、そろそろ本気でやめさせないと腕が壊死してしまうのでマリーに離れる様伝える。
「マリー、お兄ちゃんの腕がこのままだと使い物にならなくなって、右腕断ち切らないといけなくなるから離してくれないか?」
「そうなった時は私が面倒見てあげるよ!」
「いや……」
「大丈夫、どんな事があってもマリーが一緒だよ!」
「……」
俺はこれ以上の事が起きない様にと神に祈る。するとそれが届いたのか、マリーの締め付けが緩み、右腕に温かさが戻った。
そして二人で屋上からお互いの教室に戻り、バッグを手にして自宅に帰るのだった。
因みにマリーゴールドの花言葉はまだある
「嫉妬」「絶望」「憎しみ」
どれもマリーによく似合っている言葉だった。
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