浮遊図書館の魔王様
第113話 内容が決まりました
「剣での戦いではないのですね」
レキがかなりションボリと肩を落とす。頭のイヌミミもぺちゃんとなり悲しんでるように見えた。やがてトボトボと歩きわたしね後ろに控えた。悪いことしちゃったかな。
「な、殴り合いとかじゃないならまだ、勝ち目があるかも」
マーテはというと勝機の見える戦いで且つ怪我をしない戦いだから安心しているのだろう。うちのマーテちゃんには傷一つ付けさせやしないさ!
「というわけでマーテ、行ってくれる?」
「はい! 頑張ります!」
先程とは打って変わってマーテが元気良く返事をしリングに向かい歩き始めた。
「なんで早食いしょうぶなのよ! 普通バトルでしょ!」
大きな声が聞こえるリングのほうに視線を向けると女神タルメアがウサギに噛み付いていた。
「だって僕は戦闘とは言ったけど殴り合う戦闘なんて一言もいってないですよ?」
「なに言ってるの! 戦闘とは、相互に敵対する二つの勢力による暴力の相互作用のことよ! 暴力よ! 暴力!」
「……」
「なんで黙るの!」
「……はっ! 失礼しました。まさかタルメア様にそんな考える力があるとは思いもよらず……」
「バカにしてるの⁉︎」
他の女神を見ても唖然としていた。どうやらあねタルメアと呼ばれる女神様は馬鹿な子と認識されているようだね。
「ふむ、では暴力とはなんでしょう?」
「暴力とは他者の身体や財産などに対する物理的な破壊力を言うのよ!」
「なるほど」
わたしはなんとなくわかった。あのウサギは今笑っていると。
「では早食いは戦闘ではないと?」
「そうよ!」
「早食いは暴力ではないと?」
「そうよ!」
「敵に負けないように食べ続けお腹を圧迫させることが暴力ではないと?」
「そ、そうよ」
「勝利した瞬間に相手のお腹を圧迫さしていた物が無意味なものに成り果て、ただ無理やり食べさせられたような物が暴力じゃないと?」
「そ、そう……」
「挙げ句の果てにはしばらく身動きが取れなくなってしまうかもしれなくいじめられるかもしれませんね」
「暴力だわ! とっと上がってきたなさい! 早食いで勝負よ!」
なんだか良くわらかない説明で納得させられたタルメア。やはり頭が弱い女神なのかもしれない。
「ま、マーテが相手めす!」
噛んだマーテもかわいい!
「ふん! そんなちいさいのでワタシの勇者、武蔵丸に勝てるかしら!」
「うう……」
確かに武蔵丸の体の大きさは小柄なマーテのざっと三倍はあるだろう。そう、普通ならば、だ。
わたしは再びウサギを見るとわかっていると言わんばかりに頷いた。
『では各チーム補助をだしてください』
「補助?」
タルメア、マーテが頭に疑問符を浮かべながら首を傾げた。そりゃそうだろう。早食いに補助なんて普通いらないんだから。
「武蔵丸の補助、つまりパートナーはワタシよ!」
「じゃぁ、アルきて」
「あいよ」
何故か嬉しげにアルはマーテの待つリングに歩き始める。
『では早食いの方法と料理を説明するよ! 今回の料理は……二人羽織ワンコソバだぁぁぁぁぁ!』
『はぁ?』
会場にいる全員が疑問符を頭に浮かべたことだろう。なぜなら二人羽織も椀子そばも東の国の書物でわたしも知ったしね。ふふふ、伊達に浮遊図書館の魔王をやっているわけではないのだよ。
「に、ニニンバオリって、なんですの?」
「「「さあ?」」」
聞いたことのない言葉のためかタルメアがリングにいる他の三人に尋ねるが全員が首を振る。
『会場にいる方々にもわかりやすく説明しましょう』
そう言いとウサギがパンと手を叩くと赤と青の大きなコートみたいな物をどこからか取り出した。
『二人羽織とは一人が肩にはおったコートの背中にもう一人がもぐり込み、前が見えない状態で手探りで前の人に食べさせるものです』
「二人で一つの物を食べるってこと?」
『はい、食べさせる側、食べる側で一組になります』
「ならワタシ達のほうはワタシが食べさして貰うほうね! だって女神だし」
「どうする? アル」
「オレはさっきお菓子食べたからマーテ食べてよ」
「うい、わかった」
両チームがゴソゴソとコートを着込む。アルとマーテは体型が近いからか特に違和感はない。しかし、タルメアのほうはというと、
「ちょっと武蔵丸! 屈みなさい! あと手を広げないで! 十字架に貼り付けにされてるみたぃたぁぁぁぁぁぁい!」
「ご、ごめんピョン」
タルメアの着たコートに武蔵丸が手を通すものだからコートはパンパンまるで貼りつけにされてるように見える。別に一緒に手を通さなくてもいいんだけど面白そうだから放っておこう。
『ふむ、このままでは武蔵丸様には普通にタルメア様が見えてしまいますので魔法で目を隠さしてもらいます』
ウサギがパチンと指をならすと武蔵丸におそらくは見えなくなる効果のある魔法がかけられさらには布で顔が隠された。
『では両チーム、テーブルに座ってね』
ウサギに促されいつの間にかテーブルと椅子が用意されていた椅子にマーテ、アル、武蔵丸、そして武蔵丸にはりつけにされたような感じのタルメアが座る。
『お椀の中のソバは魔法で自動的に補充されますのでご心配なく、食べる際はオハシでもフォークでもお好きなものをお使いくださーい』
両チームは手探りでフォークを探り当てるとなぜか構えていた。戦うわけじゃないんだけど。
『制限時間は30分。では! 早食い対決始め!』
ウサギの宣言に両チームは器を掴もうとし落とした。
このゲーム大丈夫だろうか?
レキがかなりションボリと肩を落とす。頭のイヌミミもぺちゃんとなり悲しんでるように見えた。やがてトボトボと歩きわたしね後ろに控えた。悪いことしちゃったかな。
「な、殴り合いとかじゃないならまだ、勝ち目があるかも」
マーテはというと勝機の見える戦いで且つ怪我をしない戦いだから安心しているのだろう。うちのマーテちゃんには傷一つ付けさせやしないさ!
「というわけでマーテ、行ってくれる?」
「はい! 頑張ります!」
先程とは打って変わってマーテが元気良く返事をしリングに向かい歩き始めた。
「なんで早食いしょうぶなのよ! 普通バトルでしょ!」
大きな声が聞こえるリングのほうに視線を向けると女神タルメアがウサギに噛み付いていた。
「だって僕は戦闘とは言ったけど殴り合う戦闘なんて一言もいってないですよ?」
「なに言ってるの! 戦闘とは、相互に敵対する二つの勢力による暴力の相互作用のことよ! 暴力よ! 暴力!」
「……」
「なんで黙るの!」
「……はっ! 失礼しました。まさかタルメア様にそんな考える力があるとは思いもよらず……」
「バカにしてるの⁉︎」
他の女神を見ても唖然としていた。どうやらあねタルメアと呼ばれる女神様は馬鹿な子と認識されているようだね。
「ふむ、では暴力とはなんでしょう?」
「暴力とは他者の身体や財産などに対する物理的な破壊力を言うのよ!」
「なるほど」
わたしはなんとなくわかった。あのウサギは今笑っていると。
「では早食いは戦闘ではないと?」
「そうよ!」
「早食いは暴力ではないと?」
「そうよ!」
「敵に負けないように食べ続けお腹を圧迫させることが暴力ではないと?」
「そ、そうよ」
「勝利した瞬間に相手のお腹を圧迫さしていた物が無意味なものに成り果て、ただ無理やり食べさせられたような物が暴力じゃないと?」
「そ、そう……」
「挙げ句の果てにはしばらく身動きが取れなくなってしまうかもしれなくいじめられるかもしれませんね」
「暴力だわ! とっと上がってきたなさい! 早食いで勝負よ!」
なんだか良くわらかない説明で納得させられたタルメア。やはり頭が弱い女神なのかもしれない。
「ま、マーテが相手めす!」
噛んだマーテもかわいい!
「ふん! そんなちいさいのでワタシの勇者、武蔵丸に勝てるかしら!」
「うう……」
確かに武蔵丸の体の大きさは小柄なマーテのざっと三倍はあるだろう。そう、普通ならば、だ。
わたしは再びウサギを見るとわかっていると言わんばかりに頷いた。
『では各チーム補助をだしてください』
「補助?」
タルメア、マーテが頭に疑問符を浮かべながら首を傾げた。そりゃそうだろう。早食いに補助なんて普通いらないんだから。
「武蔵丸の補助、つまりパートナーはワタシよ!」
「じゃぁ、アルきて」
「あいよ」
何故か嬉しげにアルはマーテの待つリングに歩き始める。
『では早食いの方法と料理を説明するよ! 今回の料理は……二人羽織ワンコソバだぁぁぁぁぁ!』
『はぁ?』
会場にいる全員が疑問符を頭に浮かべたことだろう。なぜなら二人羽織も椀子そばも東の国の書物でわたしも知ったしね。ふふふ、伊達に浮遊図書館の魔王をやっているわけではないのだよ。
「に、ニニンバオリって、なんですの?」
「「「さあ?」」」
聞いたことのない言葉のためかタルメアがリングにいる他の三人に尋ねるが全員が首を振る。
『会場にいる方々にもわかりやすく説明しましょう』
そう言いとウサギがパンと手を叩くと赤と青の大きなコートみたいな物をどこからか取り出した。
『二人羽織とは一人が肩にはおったコートの背中にもう一人がもぐり込み、前が見えない状態で手探りで前の人に食べさせるものです』
「二人で一つの物を食べるってこと?」
『はい、食べさせる側、食べる側で一組になります』
「ならワタシ達のほうはワタシが食べさして貰うほうね! だって女神だし」
「どうする? アル」
「オレはさっきお菓子食べたからマーテ食べてよ」
「うい、わかった」
両チームがゴソゴソとコートを着込む。アルとマーテは体型が近いからか特に違和感はない。しかし、タルメアのほうはというと、
「ちょっと武蔵丸! 屈みなさい! あと手を広げないで! 十字架に貼り付けにされてるみたぃたぁぁぁぁぁぁい!」
「ご、ごめんピョン」
タルメアの着たコートに武蔵丸が手を通すものだからコートはパンパンまるで貼りつけにされてるように見える。別に一緒に手を通さなくてもいいんだけど面白そうだから放っておこう。
『ふむ、このままでは武蔵丸様には普通にタルメア様が見えてしまいますので魔法で目を隠さしてもらいます』
ウサギがパチンと指をならすと武蔵丸におそらくは見えなくなる効果のある魔法がかけられさらには布で顔が隠された。
『では両チーム、テーブルに座ってね』
ウサギに促されいつの間にかテーブルと椅子が用意されていた椅子にマーテ、アル、武蔵丸、そして武蔵丸にはりつけにされたような感じのタルメアが座る。
『お椀の中のソバは魔法で自動的に補充されますのでご心配なく、食べる際はオハシでもフォークでもお好きなものをお使いくださーい』
両チームは手探りでフォークを探り当てるとなぜか構えていた。戦うわけじゃないんだけど。
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