浮遊図書館の魔王様
第105話 知らないところで状況が動きました
「なにか問題が?」
しれっとした表情で話をしてくるウサギ仮面は女神達を眺めた。
「いや、どこがさっきの映像のどこが危険なのかと」
カナエがおずおずといった様子で指摘する。
「そうですね、危険なのはファンガルム王でした。今度消しておきます」
くだらない会話の中でファンガルム王の暗殺が決定される。
「しかし、この新たな魔王が脅威であることは確かです。暴走を個人の力で被害なく事を収める時点で」
「魔王なら普通じゃないの?」
魔王と呼ばれる者の持つ力は女神達も知る所である。魔王クラスの力なら街を一瞬で消し飛ばすことくらい容易い。
「ええ、彼女は魔王です。しかし、なりたての新米と言っていいでしょう」
「まぁ、確かに他の魔王に比べたらなんかオーラみたいなのがないわね」
ラヴリは過去に自分の勇者が挑んだ魔王を思い出す。魔王というのはなんというか独特のオーラがあるのだが新たな魔王には何も感じないのだ。映像のせいかもしれないが。
「そこで! 信仰数をあげるチャンスです!」
「ふふん! こんな弱そうな魔王なんてワタシのとこの勇者一人で十分よ!」
楽しげに話をしようとするウサギ仮面を腕を組み立ち上がったタルメアが遮り、声高々に宣言する。
「こんな奴が陣取ってる街だってワタシが叩き潰してやるわ!」
「口だけなら誰でも言えるよ」
ポンパドゥールが挑発するかのようにタルメアに視線を向け口元を歪め笑う。
いつもなら即座に噛み付くタルメアであったが今回はにたりと笑う。
「そうよね! ポンパドゥール。あなたの勇者負けたものね〜 負けたものね!」
「むぅ」
やたらと負けたを強調するタルメアにポンパドゥールは苦虫を潰したように顔を歪めた。
タルメアの言う通りポンパドゥールの勇者は一度負けているため言い返せないのだ。
「では、魔王レクレとの戦闘はタルメア様が……」
話を遮られ若干しょんぼり気味のウサギ仮面が魔王との戦闘にタルメアを指名しようとした瞬間、
「異議があるわ」
再度、ウサギ仮面の声を遮られラヴリが手を挙げる。
「ほぅ、ラヴリ様。あなたはこういうのに参加しない平和主義かと思いましたが」
流石に二度目だからしょんぼりすることもくウサギ仮面は楽しげにラヴリに尋ねた。
「あら、私だって余興は好きですよ?」
「・・・なら私も」
「私も参加するわよ」
タルメアだけが参加するかと思いきやその場の女神全員が(ポンパドゥール以外)がレクレと自分の勇者との戦闘を望んでいた。
「待ちなさいよ! ワタシがと先に魔王と遊ぶんだから!」
タルメアが怒りながらほかの女神に釘を刺す。
「ふむ、ではここで女神同士が戦いますか?」
そうウサギ仮面が声を発した瞬間、周囲にかなりの濃度の魔力が充満し始めた。普通の人間ならばこの場にいるだけで卒倒するようなレベルの密度だ。そんな密度の空間の中、女神達が隙あらば魔法を使おうとしているためかなんとも言えない重い空気である。
「冗談です」
流石にその空気に耐え切れ切ったのかウサギ仮面がすぐさま訂正する。
「しかし、なるほどなるほど」
腕を組み、芝居がかった動きでウサギ仮面はウロウロと動き回り、しばらくし立ち止まった
「かの浮遊図書館の魔王が脅威であることは明らかです。そこで!」
ウサギ仮面がバッと両腕を上げ魔法を発動。ウサギ仮面の頭上に幾つもの光が集まり文字を作る。
『チキチキ! 新米魔王レクレと戦闘大会! 出血もあるよ!』
「皆さんの要望に応えるためにこちらを開催したいと思います!」
「「「「「いえーい」」」」」
女神達はほぼ不死である。そのため凄まじく娯楽に飢えているのだ。魔族や魔王との国家間での戦闘などは彼女達からしてみては一時の娯楽に過ぎないのだ。
「前回の『イケイケ! 魔界侵略ボードゲーム! 血で贖わせろ編』も受けがよかったのですが今回は新イベントです」
「あれも楽しかったわ」
ラヴリが感慨深げに話す。
『イケイケ! 魔界侵略ボードゲーム』とは今から100年ほど前に魔界の入り口、地獄からこんにちは!と呼ばれる大穴から魔族が大量に現れた時に行われたゲームである。
内容は地獄からこんにちは!に勇者を先頭に突入し一定期間魔界で暴れまくるという人界からしたら狂気の沙汰に入るような内容だ。しかも魔界での進軍速度は女神が振るダイスの目で決められていた。
人界では女神達が遊び心で始めたこのゲームが『魔の1ヶ月』と呼ばれるかなりの被害を出した魔族との戦争として歴史に名を残している。
「ゲームか! なら仕方ないわね!」
「楽しみねぇ」
過去の人界での惨劇などは女神達には興味はなく彼女達は楽しそうに話を咲かす。
「ではゲームの内容を発表しましょうか」
今までの状況から恐らくは笑っているだろうウサギ仮面が話を切り出す。
また人界を巻き込んだ女神達のはた迷惑なゲームが始まろうとしていた。
しれっとした表情で話をしてくるウサギ仮面は女神達を眺めた。
「いや、どこがさっきの映像のどこが危険なのかと」
カナエがおずおずといった様子で指摘する。
「そうですね、危険なのはファンガルム王でした。今度消しておきます」
くだらない会話の中でファンガルム王の暗殺が決定される。
「しかし、この新たな魔王が脅威であることは確かです。暴走を個人の力で被害なく事を収める時点で」
「魔王なら普通じゃないの?」
魔王と呼ばれる者の持つ力は女神達も知る所である。魔王クラスの力なら街を一瞬で消し飛ばすことくらい容易い。
「ええ、彼女は魔王です。しかし、なりたての新米と言っていいでしょう」
「まぁ、確かに他の魔王に比べたらなんかオーラみたいなのがないわね」
ラヴリは過去に自分の勇者が挑んだ魔王を思い出す。魔王というのはなんというか独特のオーラがあるのだが新たな魔王には何も感じないのだ。映像のせいかもしれないが。
「そこで! 信仰数をあげるチャンスです!」
「ふふん! こんな弱そうな魔王なんてワタシのとこの勇者一人で十分よ!」
楽しげに話をしようとするウサギ仮面を腕を組み立ち上がったタルメアが遮り、声高々に宣言する。
「こんな奴が陣取ってる街だってワタシが叩き潰してやるわ!」
「口だけなら誰でも言えるよ」
ポンパドゥールが挑発するかのようにタルメアに視線を向け口元を歪め笑う。
いつもなら即座に噛み付くタルメアであったが今回はにたりと笑う。
「そうよね! ポンパドゥール。あなたの勇者負けたものね〜 負けたものね!」
「むぅ」
やたらと負けたを強調するタルメアにポンパドゥールは苦虫を潰したように顔を歪めた。
タルメアの言う通りポンパドゥールの勇者は一度負けているため言い返せないのだ。
「では、魔王レクレとの戦闘はタルメア様が……」
話を遮られ若干しょんぼり気味のウサギ仮面が魔王との戦闘にタルメアを指名しようとした瞬間、
「異議があるわ」
再度、ウサギ仮面の声を遮られラヴリが手を挙げる。
「ほぅ、ラヴリ様。あなたはこういうのに参加しない平和主義かと思いましたが」
流石に二度目だからしょんぼりすることもくウサギ仮面は楽しげにラヴリに尋ねた。
「あら、私だって余興は好きですよ?」
「・・・なら私も」
「私も参加するわよ」
タルメアだけが参加するかと思いきやその場の女神全員が(ポンパドゥール以外)がレクレと自分の勇者との戦闘を望んでいた。
「待ちなさいよ! ワタシがと先に魔王と遊ぶんだから!」
タルメアが怒りながらほかの女神に釘を刺す。
「ふむ、ではここで女神同士が戦いますか?」
そうウサギ仮面が声を発した瞬間、周囲にかなりの濃度の魔力が充満し始めた。普通の人間ならばこの場にいるだけで卒倒するようなレベルの密度だ。そんな密度の空間の中、女神達が隙あらば魔法を使おうとしているためかなんとも言えない重い空気である。
「冗談です」
流石にその空気に耐え切れ切ったのかウサギ仮面がすぐさま訂正する。
「しかし、なるほどなるほど」
腕を組み、芝居がかった動きでウサギ仮面はウロウロと動き回り、しばらくし立ち止まった
「かの浮遊図書館の魔王が脅威であることは明らかです。そこで!」
ウサギ仮面がバッと両腕を上げ魔法を発動。ウサギ仮面の頭上に幾つもの光が集まり文字を作る。
『チキチキ! 新米魔王レクレと戦闘大会! 出血もあるよ!』
「皆さんの要望に応えるためにこちらを開催したいと思います!」
「「「「「いえーい」」」」」
女神達はほぼ不死である。そのため凄まじく娯楽に飢えているのだ。魔族や魔王との国家間での戦闘などは彼女達からしてみては一時の娯楽に過ぎないのだ。
「前回の『イケイケ! 魔界侵略ボードゲーム! 血で贖わせろ編』も受けがよかったのですが今回は新イベントです」
「あれも楽しかったわ」
ラヴリが感慨深げに話す。
『イケイケ! 魔界侵略ボードゲーム』とは今から100年ほど前に魔界の入り口、地獄からこんにちは!と呼ばれる大穴から魔族が大量に現れた時に行われたゲームである。
内容は地獄からこんにちは!に勇者を先頭に突入し一定期間魔界で暴れまくるという人界からしたら狂気の沙汰に入るような内容だ。しかも魔界での進軍速度は女神が振るダイスの目で決められていた。
人界では女神達が遊び心で始めたこのゲームが『魔の1ヶ月』と呼ばれるかなりの被害を出した魔族との戦争として歴史に名を残している。
「ゲームか! なら仕方ないわね!」
「楽しみねぇ」
過去の人界での惨劇などは女神達には興味はなく彼女達は楽しそうに話を咲かす。
「ではゲームの内容を発表しましょうか」
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