浮遊図書館の魔王様
第102話 知らないところでチョロイン誕生してました
「いえ、タルメア様、あなたも人のことを言えませんよ?」
「なんでよ! 軍神や遊戯、それにラヴリやカナエに負けるのはわかるわ。でも、」
キッとした目でタルメアはポンパドゥールとハピナスを睨みつけ、指差す。
「この二人にワタシが負けてるとは思わないわ!」
「……それはこちらの台詞」
ポンパドゥールは無言で笑うだけだがハナスは機嫌が悪そうにタルメアを睨み返し、二人の間に火花が飛び散る
しかし、しばらくするとハピナスの視線にタルメアが少したじろぐ。
「仕方ありません。まずはタルメア様の信仰数ですが」
「さあ、みんな聞いて驚くがいいわ!」
「どこからその自信が出てくるんだ」
自信満々のタルメアを見ながらポンパドゥールが呆れた声を出す。他の女神達も同じようだがラヴリだけはウットリとした表情をしていた。
「ああ、タルメアかわいいわ。氷魔法で凍結さしていつでも眺めれるようにしたいくらい可愛いわ」
なかなかに猟奇的な発言がされているが誰もが無視をする。
「タルメア様の信仰数は8070です」
「聞いた!? 8070! これがワタシの実力……え?」
大きな声を上げていたタルメアだが途中で声が小さくなった。
「もう一回!」
「タルメア様の信仰数は8070です」
「もう一回!」
「タルメア様の信仰数は8070です」
「ワンモア! 」
「タルメア様の信仰数は8070です」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!」
「タルメア様の信仰数は8070です」
「もういいわよ!」
悲鳴を上げるタルメアだったがしつこく言ってくるウサギ仮面にキレた。ウサギ仮面を睨みつける瞳には涙が浮かんでいた。
「なんでワタシの信仰数がそんなに少ないのよ!」
「ああ、泣いてるタルメアも可愛いわ」
相変わらずラヴリの盲目的な視線には気付かずにタルメアは怒鳴る。
「いえ、集めてる信仰数自体はかなりの数なのですが……」
ウサギ仮面が言いにくそうに口ごもる。
その様子を見たタルメアは余計に怒りを募らせた。
「だったらなんでワタシが負けなの!」
「信仰の集め方がひどすぎるんです」
表情の見えないはずのウサギ仮面が起こっているような感じがした。
「だって手段はなんでもいいっていったじゃない!」
「確かにいいましたが……」
「一体タルメアはどんな方法で信仰を集めたの?」
カナエが疑問をウサギ仮面に尋ねる。それを聞きウサギ仮面は大きくため息をついた。
「それはタルメア様に自分から言ってもらいましょう」
「ワタシ悪いことしてないわ!」
「まあまあ、タルメア。何も悪いことをしてなかったらいえるでしょう?」
「わかったわ!」
カナエに諭されタルメアは腕を組みながら話し始めた。
「まずは教会周りの掃除でしょ?」
「普通だな」
ポンパドゥールが肘をつきながら退屈そうに相槌を打つ。他の女神も同様のようだ。
「後はゴミの分別をしたり話し相手のいないおじいちゃんおばあちゃんと話をして上げたり」
「普通……なのかしら?」
カナエが複雑な表情をする。そこまでやると信仰集めというかボランティアのような気がしてしかたない。
「ボランティアをするタルメア……」
何故か興奮したように顔を赤くするラヴリ。
「後は恵まれない人達に……」
「……食料でも配布している?」
ハピナスは意外にもタルメアの行動に感心していた。しかし、同時に疑問に思った。何故この行為が信仰を集めるのに違反しているのかと。
「恵まれない人達にはパンツとブラジャーをあげたわ!」
「「「「はぁ?」」」」
声高らかに宣言したタルメアの言葉に他の女神達は頭に疑問符を浮かべる。何故今までの会話の流れで食料ではなく下着を与えることになったのだ? と。
「えっと、タルメア? なんで下着をあげたのかしら?」
困惑する女神達の代弁としてカナエは尋ねる。
「だって信者の人達が『女神様を身近に感じるにはどうしたらいいでしょう?』って聞いてきたら……」
「……バカ?」
先程までは感心していたハピナスも軽蔑するような目をタルメアに向ける。
「なんでよ! 信者達も貰ったのを身につけて喜んでかえっていったわよ⁉︎ ご褒美に踏んでくださいという人のリクエストまで答えたのに!」
「「「「……」」」」
真面目に答えてくるタルメアを見ながら女神達は絶句し思い出していた。
この子は超がつくほど純粋で人をほぼ疑わないバカな女神であったことに。
おそらくは信者達にリクエストされたことは喜んでもらえてると思い特に疑いなくやったのだろう。
それに気付いた女神達は生暖かい目をタルメアに向ける。
「そうだな、タルメア、お前は間違ってない。お菓子食べる?」
「そうよ、あなたは間違ってないわ。ジュース飲む?」
「そうよ! そうよ! タルメア可愛いわ! 結婚して!」
「……間違ってない」
口々にタルメアがさも間違ってないかのように言う女神達にタルメアは機嫌をよくする。
「そうよね? ワタシ間違ってないわ!」
再び間違えた自信を取り戻したタルメアは胸を張る。
その姿を見た女神達は全員が心の中で思った。
((((チョロイン))))
そう考えたタルメアを除く女神達は素早くアイコンタクトを交わす。
シバラクハコノママイテモラオウ
是×4
瞬時に高度な? やりとりが行われタルメアをこのまま面白い方向で放置するかとが決定されたのであった。
「なんでよ! 軍神や遊戯、それにラヴリやカナエに負けるのはわかるわ。でも、」
キッとした目でタルメアはポンパドゥールとハピナスを睨みつけ、指差す。
「この二人にワタシが負けてるとは思わないわ!」
「……それはこちらの台詞」
ポンパドゥールは無言で笑うだけだがハナスは機嫌が悪そうにタルメアを睨み返し、二人の間に火花が飛び散る
しかし、しばらくするとハピナスの視線にタルメアが少したじろぐ。
「仕方ありません。まずはタルメア様の信仰数ですが」
「さあ、みんな聞いて驚くがいいわ!」
「どこからその自信が出てくるんだ」
自信満々のタルメアを見ながらポンパドゥールが呆れた声を出す。他の女神達も同じようだがラヴリだけはウットリとした表情をしていた。
「ああ、タルメアかわいいわ。氷魔法で凍結さしていつでも眺めれるようにしたいくらい可愛いわ」
なかなかに猟奇的な発言がされているが誰もが無視をする。
「タルメア様の信仰数は8070です」
「聞いた!? 8070! これがワタシの実力……え?」
大きな声を上げていたタルメアだが途中で声が小さくなった。
「もう一回!」
「タルメア様の信仰数は8070です」
「もう一回!」
「タルメア様の信仰数は8070です」
「ワンモア! 」
「タルメア様の信仰数は8070です」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!」
「タルメア様の信仰数は8070です」
「もういいわよ!」
悲鳴を上げるタルメアだったがしつこく言ってくるウサギ仮面にキレた。ウサギ仮面を睨みつける瞳には涙が浮かんでいた。
「なんでワタシの信仰数がそんなに少ないのよ!」
「ああ、泣いてるタルメアも可愛いわ」
相変わらずラヴリの盲目的な視線には気付かずにタルメアは怒鳴る。
「いえ、集めてる信仰数自体はかなりの数なのですが……」
ウサギ仮面が言いにくそうに口ごもる。
その様子を見たタルメアは余計に怒りを募らせた。
「だったらなんでワタシが負けなの!」
「信仰の集め方がひどすぎるんです」
表情の見えないはずのウサギ仮面が起こっているような感じがした。
「だって手段はなんでもいいっていったじゃない!」
「確かにいいましたが……」
「一体タルメアはどんな方法で信仰を集めたの?」
カナエが疑問をウサギ仮面に尋ねる。それを聞きウサギ仮面は大きくため息をついた。
「それはタルメア様に自分から言ってもらいましょう」
「ワタシ悪いことしてないわ!」
「まあまあ、タルメア。何も悪いことをしてなかったらいえるでしょう?」
「わかったわ!」
カナエに諭されタルメアは腕を組みながら話し始めた。
「まずは教会周りの掃除でしょ?」
「普通だな」
ポンパドゥールが肘をつきながら退屈そうに相槌を打つ。他の女神も同様のようだ。
「後はゴミの分別をしたり話し相手のいないおじいちゃんおばあちゃんと話をして上げたり」
「普通……なのかしら?」
カナエが複雑な表情をする。そこまでやると信仰集めというかボランティアのような気がしてしかたない。
「ボランティアをするタルメア……」
何故か興奮したように顔を赤くするラヴリ。
「後は恵まれない人達に……」
「……食料でも配布している?」
ハピナスは意外にもタルメアの行動に感心していた。しかし、同時に疑問に思った。何故この行為が信仰を集めるのに違反しているのかと。
「恵まれない人達にはパンツとブラジャーをあげたわ!」
「「「「はぁ?」」」」
声高らかに宣言したタルメアの言葉に他の女神達は頭に疑問符を浮かべる。何故今までの会話の流れで食料ではなく下着を与えることになったのだ? と。
「えっと、タルメア? なんで下着をあげたのかしら?」
困惑する女神達の代弁としてカナエは尋ねる。
「だって信者の人達が『女神様を身近に感じるにはどうしたらいいでしょう?』って聞いてきたら……」
「……バカ?」
先程までは感心していたハピナスも軽蔑するような目をタルメアに向ける。
「なんでよ! 信者達も貰ったのを身につけて喜んでかえっていったわよ⁉︎ ご褒美に踏んでくださいという人のリクエストまで答えたのに!」
「「「「……」」」」
真面目に答えてくるタルメアを見ながら女神達は絶句し思い出していた。
この子は超がつくほど純粋で人をほぼ疑わないバカな女神であったことに。
おそらくは信者達にリクエストされたことは喜んでもらえてると思い特に疑いなくやったのだろう。
それに気付いた女神達は生暖かい目をタルメアに向ける。
「そうだな、タルメア、お前は間違ってない。お菓子食べる?」
「そうよ、あなたは間違ってないわ。ジュース飲む?」
「そうよ! そうよ! タルメア可愛いわ! 結婚して!」
「……間違ってない」
口々にタルメアがさも間違ってないかのように言う女神達にタルメアは機嫌をよくする。
「そうよね? ワタシ間違ってないわ!」
再び間違えた自信を取り戻したタルメアは胸を張る。
その姿を見た女神達は全員が心の中で思った。
((((チョロイン))))
そう考えたタルメアを除く女神達は素早くアイコンタクトを交わす。
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