浮遊図書館の魔王様
第80話 戦後処理と言う名の拷問うけました
魔力を初めて完全に使い切ったわたしは魔力切れによって意識を失ったらしい。
らしいとつけるのはあの戦いの後三日後にレキ達に聞いたからだ。というのもわたしは三日間眠り続けていたらしく周りの人を心させ続けたみたいだ。
タイヘンココログルシクオモイマス。
もう二度限界まで魔力は使うまい。そんな決心をわたしに決めさせる戦いだった。
「わたしはとてもおろかなことをしました」
浮遊図書館謁見の間にわたしの声が響いた。
その声の主であるわたしは今絶賛、東の国の誠意の姿勢SEIZA! を実践させられているところです。周りにはなんとも言えない顔をしたユール、かなり怒った顔をしたベアトリスさんがいらっしゃいます。
というこのSEIZA!誠意の現れとかいうんだけど絶対嘘だよね⁉︎ 足痛いんだもん!
「なによそ見してるんじゃ」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ゲシっとベアトリスが痛む足を容赦無く蹴りつけてきた。
痛い! 足動くと痺れて痛いのわかっててやってるでしょ!
「いいかの? 魔王様、おぬしが燃やし尽くした街道を作るのに一体いくらの金貨を使ったと思っとるんじゃ?」
経費関係の書類はベアトリスが処理するからわたしが知るわけないじゃん。
というかゴーレムくんが直してたでしょ? ……岩が山積みになって作業が増えただけかもしれないけど。
「えっと金貨五十枚位?」
適当に答えた。
瞬間、ベアトリスの額に青筋が浮かぶ。あ、やば。間違えたかな。
「金貨五十枚で道ができるわけないじゃろ!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ! 痛い!痛い!」
また蹴った! 鬼だ! やっぱり拷問だ!SEIZAは拷問としか考えられない! 東の国の連中は絶対頭がおかしいとしか思えない。
「あのベアトリス、その辺にして上げてはどうです」
ユールが助け舟をだしてくれた。
「……まぁ、暴走が発生して怪我人はいても死者がいなかったのが幸いと考えれば」
渋々といった感じにベアトリスは下がった。
つまりこのSEIZAを崩していいわけだよね。
わたしは立ち上がろうとし、
「あだぁ⁉︎」
転けた。なにこれ? 足が痺れてる⁉︎
まさか麻痺毒⁉︎
わたしはベアトリスを睨むが彼女はキョトンとしたような表情を浮かべていた。
「なにをしとるんじゃ? ああ、足が痺れたのかのぅ」
クックックとベアトリスは愉快そうに笑う。
彼女じゃない? というかSEIZAは麻痺を発生させる座り方だったのか!
「大丈夫ですか? 魔王様?」
「う、うん。なんとかね」
ユールに手を引っ張ってもらいながらわたしは立ち上がった。
「ありがとうユール」
「いえ、ところで魔王様、商人ギルドより金貨が一千枚ほど要求が書かれた請求書が来ているんですがどういうことなんでしょうか?」
ユールの顔は笑っているが目は笑っていなかった。
「そ、それはカハネルが爆裂弓を金貨八枚で購入したからであって……」
「カハネルさんは魔王様の許可を貰ったと言ってましたが?」
「カハネルぅぅぅぅぅぅ!」
ここにいないなと思ったら逃げたのか。
平然と嘘をつくとはあいつ本当に騎士かと疑いたくなる。
いつか仕返ししてやる。
「まぁ、使ってしまったものは仕方ありません。魔王様も別に金貨を集めておく趣味はないでしょう?」
「全くないね。むしろ本のお金以外なら国に使って貰って構わないし」
お金をため続ける趣味はわたしにはないしね。本があれば十分だし。
「それなら問題ありません。ベアトリスもそれでいいでしょう」
「まぁのう。人材に被害がない分街道も直すのにそう時間はかからんじゃろうしのう」
ちょっと待て、それならわたしは蹴られ損じゃないか?
「じゃが、問題はそこじゃないかのう」
「そうですね」
ベアトリスとユールが同時に難しい表情を作る。
それもそうだろう。今、浮遊図書館は浮遊せずに地面に着陸している状態なのだから。
「別に問題ないんじゃないの? 前にも一度あったし」
以前は浮遊図書館が動き始めたばかりで予備の魔力がない状態での本収集を使ったから落ちたわけだし。
今回は創造魔法の使用しすぎで浮遊図書館の予備魔力まで使ったみたいだ。
「国の運営事態には影響はないんじゃよ」
「あ、そうなんだ?」
もっと深刻かと思ったけどそうでもないみたいだし心配して損した。
「国内には問題ありませんが国外にはあるんですよ」
「なんで?」
「ライブラリというか我が国の象徴みたいになってますからね。その象徴である浮遊図書館が浮かんでおらずに大地にあるというのは見方によれば戦力の低下に見られます」
なんで上に立つ人というのは見栄えをきにするんだろうね。お金の無駄だと思うんだけど。
「まぁ、何日かあれば魔力は回復するし浮遊図書館が浮かぶ位はできるようになるよ。それに攻めてくるような国があるなら今度は容赦しなければいいだけだし」
ファンガルムはユールの国だったし自分がいた国だったから潰さなかっただけだしね。
「まぁ、下手に内政に手をだしてこんからお主はまだマシじゃからな」
「ええ、やたらと我が物顔で指図してくる王よりは断然に。まぁ、魔王様には本でも読んで魔力回復に専念していただきましょう」
だって政治なんて面倒じゃないか。頼まれてもやらない。むしろ本を読むのがわたしの仕事と言っていいだろう。
「そういえば聖女であるスペラは?」
不意に暴走時に見かけなかったのを思い出した。
街門上でも見なかったし、怯えて隠れてたのかな。
「そういえば街で治癒魔法を使っているのを見たがのう」
「わたしは見てないですね」
なんか本当に聖女ぽいことをしてたんだな。スペラ。
らしいとつけるのはあの戦いの後三日後にレキ達に聞いたからだ。というのもわたしは三日間眠り続けていたらしく周りの人を心させ続けたみたいだ。
タイヘンココログルシクオモイマス。
もう二度限界まで魔力は使うまい。そんな決心をわたしに決めさせる戦いだった。
「わたしはとてもおろかなことをしました」
浮遊図書館謁見の間にわたしの声が響いた。
その声の主であるわたしは今絶賛、東の国の誠意の姿勢SEIZA! を実践させられているところです。周りにはなんとも言えない顔をしたユール、かなり怒った顔をしたベアトリスさんがいらっしゃいます。
というこのSEIZA!誠意の現れとかいうんだけど絶対嘘だよね⁉︎ 足痛いんだもん!
「なによそ見してるんじゃ」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ゲシっとベアトリスが痛む足を容赦無く蹴りつけてきた。
痛い! 足動くと痺れて痛いのわかっててやってるでしょ!
「いいかの? 魔王様、おぬしが燃やし尽くした街道を作るのに一体いくらの金貨を使ったと思っとるんじゃ?」
経費関係の書類はベアトリスが処理するからわたしが知るわけないじゃん。
というかゴーレムくんが直してたでしょ? ……岩が山積みになって作業が増えただけかもしれないけど。
「えっと金貨五十枚位?」
適当に答えた。
瞬間、ベアトリスの額に青筋が浮かぶ。あ、やば。間違えたかな。
「金貨五十枚で道ができるわけないじゃろ!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ! 痛い!痛い!」
また蹴った! 鬼だ! やっぱり拷問だ!SEIZAは拷問としか考えられない! 東の国の連中は絶対頭がおかしいとしか思えない。
「あのベアトリス、その辺にして上げてはどうです」
ユールが助け舟をだしてくれた。
「……まぁ、暴走が発生して怪我人はいても死者がいなかったのが幸いと考えれば」
渋々といった感じにベアトリスは下がった。
つまりこのSEIZAを崩していいわけだよね。
わたしは立ち上がろうとし、
「あだぁ⁉︎」
転けた。なにこれ? 足が痺れてる⁉︎
まさか麻痺毒⁉︎
わたしはベアトリスを睨むが彼女はキョトンとしたような表情を浮かべていた。
「なにをしとるんじゃ? ああ、足が痺れたのかのぅ」
クックックとベアトリスは愉快そうに笑う。
彼女じゃない? というかSEIZAは麻痺を発生させる座り方だったのか!
「大丈夫ですか? 魔王様?」
「う、うん。なんとかね」
ユールに手を引っ張ってもらいながらわたしは立ち上がった。
「ありがとうユール」
「いえ、ところで魔王様、商人ギルドより金貨が一千枚ほど要求が書かれた請求書が来ているんですがどういうことなんでしょうか?」
ユールの顔は笑っているが目は笑っていなかった。
「そ、それはカハネルが爆裂弓を金貨八枚で購入したからであって……」
「カハネルさんは魔王様の許可を貰ったと言ってましたが?」
「カハネルぅぅぅぅぅぅ!」
ここにいないなと思ったら逃げたのか。
平然と嘘をつくとはあいつ本当に騎士かと疑いたくなる。
いつか仕返ししてやる。
「まぁ、使ってしまったものは仕方ありません。魔王様も別に金貨を集めておく趣味はないでしょう?」
「全くないね。むしろ本のお金以外なら国に使って貰って構わないし」
お金をため続ける趣味はわたしにはないしね。本があれば十分だし。
「それなら問題ありません。ベアトリスもそれでいいでしょう」
「まぁのう。人材に被害がない分街道も直すのにそう時間はかからんじゃろうしのう」
ちょっと待て、それならわたしは蹴られ損じゃないか?
「じゃが、問題はそこじゃないかのう」
「そうですね」
ベアトリスとユールが同時に難しい表情を作る。
それもそうだろう。今、浮遊図書館は浮遊せずに地面に着陸している状態なのだから。
「別に問題ないんじゃないの? 前にも一度あったし」
以前は浮遊図書館が動き始めたばかりで予備の魔力がない状態での本収集を使ったから落ちたわけだし。
今回は創造魔法の使用しすぎで浮遊図書館の予備魔力まで使ったみたいだ。
「国の運営事態には影響はないんじゃよ」
「あ、そうなんだ?」
もっと深刻かと思ったけどそうでもないみたいだし心配して損した。
「国内には問題ありませんが国外にはあるんですよ」
「なんで?」
「ライブラリというか我が国の象徴みたいになってますからね。その象徴である浮遊図書館が浮かんでおらずに大地にあるというのは見方によれば戦力の低下に見られます」
なんで上に立つ人というのは見栄えをきにするんだろうね。お金の無駄だと思うんだけど。
「まぁ、何日かあれば魔力は回復するし浮遊図書館が浮かぶ位はできるようになるよ。それに攻めてくるような国があるなら今度は容赦しなければいいだけだし」
ファンガルムはユールの国だったし自分がいた国だったから潰さなかっただけだしね。
「まぁ、下手に内政に手をだしてこんからお主はまだマシじゃからな」
「ええ、やたらと我が物顔で指図してくる王よりは断然に。まぁ、魔王様には本でも読んで魔力回復に専念していただきましょう」
だって政治なんて面倒じゃないか。頼まれてもやらない。むしろ本を読むのがわたしの仕事と言っていいだろう。
「そういえば聖女であるスペラは?」
不意に暴走時に見かけなかったのを思い出した。
街門上でも見なかったし、怯えて隠れてたのかな。
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