浮遊図書館の魔王様
第78話 ライブラリ防衛……?いや殲滅戦に移行しました③
「到着!」
マーテを抱えかなりの数の次元魔法を連続使用し、ゴブリン達の前に着陸する。
「きゅぅぅ……」
抱えていたマーテを見ると目を回し気絶していた。
相変わらず次元魔法ですぐに酔う子だなぁ。これに慣れないとわたしと一緒にはいけないよ。
とりあえず横にして防御魔法を掛けといたら大丈夫だろ。
「kisyaaaaaaaa!」
獲物を見つけたゴブリン共がこちらに向かい走って来るのが目に入った。
ふっふっふ、獲物になるのは貴様らのほうだというのに。
すぐさまわたしは次元弾を乱射する。周りには味方はいないから撃ちたいほうだいだ。
しかし、盾持ちゴブリンは普通のゴブリンと違い少しだけ機敏な動きを見せた。次元弾を喰らう奴もいるのだがたまによける奴もいるのだ。
中には盾で防ぐのもいるのだが、盾に穴が空き驚愕してるのもいた。ただ次元魔法は当たった面に穴を開けるだけなので貫通はしない。盾で防がれると盾しか穴が空かないのだ。
「効率悪いな〜」
当たった面しか転移させれないから乱射してるけどなんか死体を盾にし始めてるからあんまりダメージを出してないんだよね。
なにより近づかれるとあんまり体力のないわたしとしては結界があるとはいえ望ましい物じゃないし。強化魔法で戦うにしても気持ち悪いからやりたくない。
「よし、また覚えた魔法を使おう!」
今回はスペシャルなやつにしよう。
「創造魔法ゴーレム」
両手を地面に付け魔力を流しながら魔法を唱える。
魔導書で覚えた新魔法を使うとスーと今までに感じたことがない位に魔力が減って行くのがよくわかった。ここまで一気に減ったのは初めてじゃないかな。
魔力を流し込まれた地面は蠢き、やがて十メートルほどの土で作られたゴーレムを作り上げた。
うーむ、迫力はあるけど凄まじく見た目が悪い。土だからかな。今度は違う物で作るかな。
しかし、ゴブリン共は突然現れた巨体に動揺したかのように動きを止めていた。
「いけ! ゴーレムくん! ゴブリンをブッ飛ばせ!」
そんなことは関係ないからゴブリン共を指差しゴーレムくんに命令を出した。
ゴーレムくんは創造魔法で作ったからわたしの命令には従順なのだ。ゴーレムくんは両腕を上げ、何故かバンザイのポーズを取りながら走り出した。なに、生まれて嬉しかったのだろうか? ゴーレムくんが足を一歩踏み出すごとに大地が揺れる。
ゴブリン共も動揺しながらも武器を繰り出し攻撃をしかけるがそんな物ではゴーレムくんは止まらないのさ。
ただ走る。それだけで群れるゴブリンは蹂躙されて行く。
蹴飛ばされた奴は山の向こうに飛び星になってるし、踏みつけらたのは地面に埋まる。
圧倒的だね。
「よし、ゴーレムくん! 殲滅だ!」
わたしのこと振り返ると親指を立て了解の意思?を示してきた。ゴーレムなのに器用な奴だね。
声を上げることもなくゴーレムくんは腕を握り振り上げ拳を握りしめ、振り下ろす。
瞬間、大地が再び揺れた。しかもさっきよりも大きく。
「とと!」
あまりの衝撃に立っていることができずに尻もちを付いた。その間もゴーレムくんはひたすら無言で拳を振り下ろし続けていた。口がないから当たり前なんだけどね。
拳が上がるたびに紫の血やゴブリンの体の一部が飛び散りまくってるし、しかもゴーレムくんの体の一部も飛び散ってわたしの横に飛んできた。
「やっぱり土で作ると飛び散るな〜」
形を作るのは簡単だけど維持が難しいみたいだ。いまいち上手くいかない。
ドォォォォン!
大きな音が響きゴーレムくんが膝を付く。いや、よく見ると右足を壊されてるのかな?
盾持ちのゴブリンでは倒せないと思っていたんだけどね。
さらに大きな音が響きゴーレムくんの頭まで吹っ飛んだ。なんだなんだ?
ゴーレムくんがゆっくりと倒れた影から現れたのは赤黒い盾持ちゴブリンではなくゴブリンの倍は三体の大きい青いゴブリンだ。無駄に筋肉が付いてるし巨大な斧槍を構えてるし、ボスの側近かな? どうやらあの三体がゴーレムくんを倒したみたいだ。
「GYAAAAA!」
バカみたいにでかい声を上げる青ゴブリン。その声に呼応するように盾持ちゴブリンが一気にこちらに迫ってきた。
「創造魔法ゴーレム×二!」
再び創造魔法を使用し土からゴーレムくんを作り出す。ただし、今回は二体だ。魔力の減りがひどい。ここまで減ったのは初めてだ。だが今回は口を作るのをわすれなかったよ。
再び創造されたゴーレムくん達が迫り来る盾持ちゴブリンを迎え撃つ。
先ほどと同じようにゴーレムくん達がゴブリン達を蹴散らし始めたその間に新たなゴーレムを作るとしよう。
残りの魔力が感覚的にゴーレム二体分くらいしかないかな。実験的に一体作れば充分かな。
「khyaaaa!」
ゴブリン達の雄叫びとも悲鳴とも取れる声を聞きながらゴーレム作りを開始する。
土から作ったら壊れたんだし今度は魔法を本体にしてみるか。
「GOOOOOOONNNN!」
ゴーレムくんたちのなぜか雄々しい声が聞こえる。少しして地面が揺れる。また殴ってるんだろう。
「よし、新しいゴーレムは炎で作ろう」
土で作ったゴーレムは物理攻撃しかできないけど炎が本体ならば体で触るだけで攻撃になるし、消えかけたらこちらが火魔法を放てば回復すると思うんだ。
よし、作るぞ〜
まずは元となる炎なわけだけどこれは火魔法を幾つも作り一箇所に集めることで代用しよう。
……どれくらいいるかわからないからとりあえず五十個くらいでいいかな?
五十個の火魔法を一箇所に集めると凄まじいまでの熱量を内包しているため周りの水気が消えていってる気がするなぁ。
「GYAAAAA!」
こちらをみた青ゴブリンがなんかもともとすごい形相だけど更にひどい顔をして叫びこちらに向かってくる。しかし、ゴーレムくんに回り込まれた!
「GOOOOOOONNNN!」
回り込んだゴーレムくんと青ゴブリンの一体が戦うたびに地形が少しずつ変わってる気がするが無視しよう。
だがナイスプレイだゴーレムくん。
今のうちに作りあげてしまおう。
「創造魔法ゴーレム」
再びの魔力が抜ける脱力感。立ってるのすら面倒に感じる倦怠感だ。思わず座り込んだわたしだが頭上がやたらと熱い。
視線を前に向けるとわたしの目の前に恐ろしい熱量を維持した炎の塊が片膝をついて頭を下げていた。
「おお! 成功だ!」
炎の塊であるゴーレムを目の前にわたしは脱力感を感じながらも同時に満足感を得ていた。
「GOOOOOOONNNN……」
むぅ、満足感に浸っていたらゴーレムくん二体がやられたみたいだ。青ゴブリンの一体が倒れているとこを見ると相討ちになったみたいだ。
「よし、ファイヤーゴーレムくん! 殺っておしまい!」
わたしの掛け声にゆっくりと立ち上がるファイヤーゴーレムくん。
「BOOOOOO!!」
咆哮!
そして右腕をただ薙ぎ払った。ただそれだけで周りに熱風が吹き荒れ、
前方に炎の壁が発生した。
「GYA……」
「khy……」
ゴブリン達の悲鳴が一瞬で消える。おそらく悲鳴をあげようと口を開けた瞬間中も燃やされたか上げる間もなく一瞬で燃やされたのか。
周りには先ほどまでは血の匂いしかしなかったのに今は肉が焼ける匂いが漂い始めていた。
どちらにせよ恐ろしい光景が目の前で展開されている。
恐るべしファイヤーゴーレムくん! ゴーレムくんが苦戦した青ゴブリンまで一瞬とは! 
強いぞ! ファイヤーゴーレムくん!
わたしはなぜかかっこ良くポーズを決めるファイヤーゴーレムくんを口には出さず心の中で褒め続けたのだった。
マーテを抱えかなりの数の次元魔法を連続使用し、ゴブリン達の前に着陸する。
「きゅぅぅ……」
抱えていたマーテを見ると目を回し気絶していた。
相変わらず次元魔法ですぐに酔う子だなぁ。これに慣れないとわたしと一緒にはいけないよ。
とりあえず横にして防御魔法を掛けといたら大丈夫だろ。
「kisyaaaaaaaa!」
獲物を見つけたゴブリン共がこちらに向かい走って来るのが目に入った。
ふっふっふ、獲物になるのは貴様らのほうだというのに。
すぐさまわたしは次元弾を乱射する。周りには味方はいないから撃ちたいほうだいだ。
しかし、盾持ちゴブリンは普通のゴブリンと違い少しだけ機敏な動きを見せた。次元弾を喰らう奴もいるのだがたまによける奴もいるのだ。
中には盾で防ぐのもいるのだが、盾に穴が空き驚愕してるのもいた。ただ次元魔法は当たった面に穴を開けるだけなので貫通はしない。盾で防がれると盾しか穴が空かないのだ。
「効率悪いな〜」
当たった面しか転移させれないから乱射してるけどなんか死体を盾にし始めてるからあんまりダメージを出してないんだよね。
なにより近づかれるとあんまり体力のないわたしとしては結界があるとはいえ望ましい物じゃないし。強化魔法で戦うにしても気持ち悪いからやりたくない。
「よし、また覚えた魔法を使おう!」
今回はスペシャルなやつにしよう。
「創造魔法ゴーレム」
両手を地面に付け魔力を流しながら魔法を唱える。
魔導書で覚えた新魔法を使うとスーと今までに感じたことがない位に魔力が減って行くのがよくわかった。ここまで一気に減ったのは初めてじゃないかな。
魔力を流し込まれた地面は蠢き、やがて十メートルほどの土で作られたゴーレムを作り上げた。
うーむ、迫力はあるけど凄まじく見た目が悪い。土だからかな。今度は違う物で作るかな。
しかし、ゴブリン共は突然現れた巨体に動揺したかのように動きを止めていた。
「いけ! ゴーレムくん! ゴブリンをブッ飛ばせ!」
そんなことは関係ないからゴブリン共を指差しゴーレムくんに命令を出した。
ゴーレムくんは創造魔法で作ったからわたしの命令には従順なのだ。ゴーレムくんは両腕を上げ、何故かバンザイのポーズを取りながら走り出した。なに、生まれて嬉しかったのだろうか? ゴーレムくんが足を一歩踏み出すごとに大地が揺れる。
ゴブリン共も動揺しながらも武器を繰り出し攻撃をしかけるがそんな物ではゴーレムくんは止まらないのさ。
ただ走る。それだけで群れるゴブリンは蹂躙されて行く。
蹴飛ばされた奴は山の向こうに飛び星になってるし、踏みつけらたのは地面に埋まる。
圧倒的だね。
「よし、ゴーレムくん! 殲滅だ!」
わたしのこと振り返ると親指を立て了解の意思?を示してきた。ゴーレムなのに器用な奴だね。
声を上げることもなくゴーレムくんは腕を握り振り上げ拳を握りしめ、振り下ろす。
瞬間、大地が再び揺れた。しかもさっきよりも大きく。
「とと!」
あまりの衝撃に立っていることができずに尻もちを付いた。その間もゴーレムくんはひたすら無言で拳を振り下ろし続けていた。口がないから当たり前なんだけどね。
拳が上がるたびに紫の血やゴブリンの体の一部が飛び散りまくってるし、しかもゴーレムくんの体の一部も飛び散ってわたしの横に飛んできた。
「やっぱり土で作ると飛び散るな〜」
形を作るのは簡単だけど維持が難しいみたいだ。いまいち上手くいかない。
ドォォォォン!
大きな音が響きゴーレムくんが膝を付く。いや、よく見ると右足を壊されてるのかな?
盾持ちのゴブリンでは倒せないと思っていたんだけどね。
さらに大きな音が響きゴーレムくんの頭まで吹っ飛んだ。なんだなんだ?
ゴーレムくんがゆっくりと倒れた影から現れたのは赤黒い盾持ちゴブリンではなくゴブリンの倍は三体の大きい青いゴブリンだ。無駄に筋肉が付いてるし巨大な斧槍を構えてるし、ボスの側近かな? どうやらあの三体がゴーレムくんを倒したみたいだ。
「GYAAAAA!」
バカみたいにでかい声を上げる青ゴブリン。その声に呼応するように盾持ちゴブリンが一気にこちらに迫ってきた。
「創造魔法ゴーレム×二!」
再び創造魔法を使用し土からゴーレムくんを作り出す。ただし、今回は二体だ。魔力の減りがひどい。ここまで減ったのは初めてだ。だが今回は口を作るのをわすれなかったよ。
再び創造されたゴーレムくん達が迫り来る盾持ちゴブリンを迎え撃つ。
先ほどと同じようにゴーレムくん達がゴブリン達を蹴散らし始めたその間に新たなゴーレムを作るとしよう。
残りの魔力が感覚的にゴーレム二体分くらいしかないかな。実験的に一体作れば充分かな。
「khyaaaa!」
ゴブリン達の雄叫びとも悲鳴とも取れる声を聞きながらゴーレム作りを開始する。
土から作ったら壊れたんだし今度は魔法を本体にしてみるか。
「GOOOOOOONNNN!」
ゴーレムくんたちのなぜか雄々しい声が聞こえる。少しして地面が揺れる。また殴ってるんだろう。
「よし、新しいゴーレムは炎で作ろう」
土で作ったゴーレムは物理攻撃しかできないけど炎が本体ならば体で触るだけで攻撃になるし、消えかけたらこちらが火魔法を放てば回復すると思うんだ。
よし、作るぞ〜
まずは元となる炎なわけだけどこれは火魔法を幾つも作り一箇所に集めることで代用しよう。
……どれくらいいるかわからないからとりあえず五十個くらいでいいかな?
五十個の火魔法を一箇所に集めると凄まじいまでの熱量を内包しているため周りの水気が消えていってる気がするなぁ。
「GYAAAAA!」
こちらをみた青ゴブリンがなんかもともとすごい形相だけど更にひどい顔をして叫びこちらに向かってくる。しかし、ゴーレムくんに回り込まれた!
「GOOOOOOONNNN!」
回り込んだゴーレムくんと青ゴブリンの一体が戦うたびに地形が少しずつ変わってる気がするが無視しよう。
だがナイスプレイだゴーレムくん。
今のうちに作りあげてしまおう。
「創造魔法ゴーレム」
再びの魔力が抜ける脱力感。立ってるのすら面倒に感じる倦怠感だ。思わず座り込んだわたしだが頭上がやたらと熱い。
視線を前に向けるとわたしの目の前に恐ろしい熱量を維持した炎の塊が片膝をついて頭を下げていた。
「おお! 成功だ!」
炎の塊であるゴーレムを目の前にわたしは脱力感を感じながらも同時に満足感を得ていた。
「GOOOOOOONNNN……」
むぅ、満足感に浸っていたらゴーレムくん二体がやられたみたいだ。青ゴブリンの一体が倒れているとこを見ると相討ちになったみたいだ。
「よし、ファイヤーゴーレムくん! 殺っておしまい!」
わたしの掛け声にゆっくりと立ち上がるファイヤーゴーレムくん。
「BOOOOOO!!」
咆哮!
そして右腕をただ薙ぎ払った。ただそれだけで周りに熱風が吹き荒れ、
前方に炎の壁が発生した。
「GYA……」
「khy……」
ゴブリン達の悲鳴が一瞬で消える。おそらく悲鳴をあげようと口を開けた瞬間中も燃やされたか上げる間もなく一瞬で燃やされたのか。
周りには先ほどまでは血の匂いしかしなかったのに今は肉が焼ける匂いが漂い始めていた。
どちらにせよ恐ろしい光景が目の前で展開されている。
恐るべしファイヤーゴーレムくん! ゴーレムくんが苦戦した青ゴブリンまで一瞬とは! 
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