浮遊図書館の魔王様
第64話 まったりしてました
珍しくわたし、レクレは本を読まずに空中庭園でアトラを控えさせ紅茶を飲んでいた。
「ご主人が本を読んでないのは珍しいですね」
「たまにはね〜」
と言ってもさっきまで本を読んでいた本の余韻に浸っていただけなんだけどね。
建国してざっと三ヶ月半でライブラリはファンガルム皇国を完全に飲み込んでいた。
と言っても特にわたしが何かをしたわけではない。
大体のことをやってたのはユール、ベアトリス、カハネルの三人だけどね。
「本を読むだけの理想の生活だよ」
「司書も雇いましたからね」
「サーニュはよく働いてくれるからね」
新しく働くことになったサーニュ・マーフスは浮遊図書館全体の司書の任に着いてもらっている。なにより本人も本が好きらしいので目録を作ったりするのはかなり楽しいらしい。
給料は七日で金貨一枚。
雑務全般を混みで払っているとはいえかなり破格の給料らしく初めて支払った時はかなりいいリアクションをしてくれた。
彼女のリアクションは見ていて飽きないからね。
ふふふ、いい拾い物をした。あの子はリアクション大臣にでも任命しようか。
そんなわけで魔王たるわたしがやっているのは大体は本を読むこと。そしてたまにマーテやアルに誘われ変装をしての冒険者ギルドの依頼を受けたりしているくらいだ。
というのも内政の仕事を見学していると眠くなったりしたのでユールにやんわりと、
「魔王様に内政は向いてませんね」
とめちゃくちゃ笑顔で言われたのだ。
三日部屋に篭ったね。
それからは呼ばれてたって行ってやってないよ。
決定権はわたしの持ってる国印が必要だから一緒に篭ってやったんだ。ざまぁ!
話が逸れた。
「やることがない魔王ってのもどうなんだろうね」
「平和ってことじゃないですか」
平和を享受する魔王ってのもどうなんだか。
魔王として失格な気もするけど。
「街も発展してるし言うことなしだね」
「失礼いたします」
紅茶のお代わりを注いでもらったと同時にレキが姿を表した。相変わらず気配を立てずに現れるから心臓に悪いよ。彼女も紅茶がほしいんだろうか。
「魔王様に謁見の申し入れが来ております」
「謁見? またファンガルム王?」
ファンガルム皇国国王であるカドラト・ラ・ファンガルムは最近やたらと謁見にくるのだ。
内容としてはお金を融通してほしいという話なんだけど。わたしにそんな権限ないし。というか結構お金あったとおもうんだけどなぁ。なにに使ったんだか。
まぁ、内政に口出ししてないわたしが見ていても人材がいないあの国には明るい未来が見えないんだけど。
「カドラト王が来てるならユールの対応でしょ?」
「いえ、それが……」
レキが珍しく言い淀む。
あまり会わしたくない相手なんだろうか。
「謁見を申し込んで来ているのはカドラト王ではございません」
「そうなの?」
それは意外だ。
他にわたしに謁見を求める人物に全く心当たりがない。
教会や騎士団、商会といった面々はユール達が担当してるしね。
「謁見を申し込んで来てるのは聖女様です」
わたしは持っていたカップを落としそうになった。
魔王の住む城にとんでもない大物がやってきたみたいです。
「ご主人が本を読んでないのは珍しいですね」
「たまにはね〜」
と言ってもさっきまで本を読んでいた本の余韻に浸っていただけなんだけどね。
建国してざっと三ヶ月半でライブラリはファンガルム皇国を完全に飲み込んでいた。
と言っても特にわたしが何かをしたわけではない。
大体のことをやってたのはユール、ベアトリス、カハネルの三人だけどね。
「本を読むだけの理想の生活だよ」
「司書も雇いましたからね」
「サーニュはよく働いてくれるからね」
新しく働くことになったサーニュ・マーフスは浮遊図書館全体の司書の任に着いてもらっている。なにより本人も本が好きらしいので目録を作ったりするのはかなり楽しいらしい。
給料は七日で金貨一枚。
雑務全般を混みで払っているとはいえかなり破格の給料らしく初めて支払った時はかなりいいリアクションをしてくれた。
彼女のリアクションは見ていて飽きないからね。
ふふふ、いい拾い物をした。あの子はリアクション大臣にでも任命しようか。
そんなわけで魔王たるわたしがやっているのは大体は本を読むこと。そしてたまにマーテやアルに誘われ変装をしての冒険者ギルドの依頼を受けたりしているくらいだ。
というのも内政の仕事を見学していると眠くなったりしたのでユールにやんわりと、
「魔王様に内政は向いてませんね」
とめちゃくちゃ笑顔で言われたのだ。
三日部屋に篭ったね。
それからは呼ばれてたって行ってやってないよ。
決定権はわたしの持ってる国印が必要だから一緒に篭ってやったんだ。ざまぁ!
話が逸れた。
「やることがない魔王ってのもどうなんだろうね」
「平和ってことじゃないですか」
平和を享受する魔王ってのもどうなんだか。
魔王として失格な気もするけど。
「街も発展してるし言うことなしだね」
「失礼いたします」
紅茶のお代わりを注いでもらったと同時にレキが姿を表した。相変わらず気配を立てずに現れるから心臓に悪いよ。彼女も紅茶がほしいんだろうか。
「魔王様に謁見の申し入れが来ております」
「謁見? またファンガルム王?」
ファンガルム皇国国王であるカドラト・ラ・ファンガルムは最近やたらと謁見にくるのだ。
内容としてはお金を融通してほしいという話なんだけど。わたしにそんな権限ないし。というか結構お金あったとおもうんだけどなぁ。なにに使ったんだか。
まぁ、内政に口出ししてないわたしが見ていても人材がいないあの国には明るい未来が見えないんだけど。
「カドラト王が来てるならユールの対応でしょ?」
「いえ、それが……」
レキが珍しく言い淀む。
あまり会わしたくない相手なんだろうか。
「謁見を申し込んで来ているのはカドラト王ではございません」
「そうなの?」
それは意外だ。
他にわたしに謁見を求める人物に全く心当たりがない。
教会や騎士団、商会といった面々はユール達が担当してるしね。
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