浮遊図書館の魔王様
第61話 教会が動きました③
今だ二人に脇を抱えられたまま僕は大神殿の奥へと歩かされます
いや、これは連行ですね。
関節決められてるし動こうとしたらなかなかに痛いです。
「いや、もう逃げませんから腕離して欲しいんですけど」
「神にいや、女神ポンパドゥールに誓えるかね?」
「はい、誓えま……」
「同志よ、あの女神に誓っても私は信用できない!」
「それもそうだな!」
どんだけ教会内部に信仰がない女神様なんでしょう。
ボク的にはこの人達を見ているだけでガンガン信仰心が下がっていっているんですが。
「そういうわけだ。まぁ、我慢してくれたまえ」
「わかりましたよ。でも教会内で信仰がない女神様ってどうなんでしょう?」
「大人になれば見たくなかったものも見なくてはいけなくなるんだよ」
遠い目をしながら話す神官。
これが大人ならばなりたくないわ。
待遇改善それないまま再びボ達は歩き出す。
途中、何人かの神官に合うが全員が揃って通路の端によりこちらに対して一礼をしています。この三人組はボクの思っている以上に高位の神官なのかもしれない。
やがてやたらとこの神殿には不釣り合いと言えるほどの装飾が施された大きな扉が見える。その前には鎧を着込んだ騎士が二人槍を持ち立っていた。
「そちらの少女は?」
ちらりとボクを見ながら騎士がそう尋ねてきた。無遠慮な視線がボクの身体を舐め回すように見てくるのがわかる。凄く不愉快な視線です。
「こちらは第七聖女候補だ。女神ポンパドゥールの信託によりお連れした」
「女神ポンパドゥール様の! わかりました!」
驚いたような声を挙げた騎士二人はすぐさま扉に手をかけギィィィィっという音を立てながら扉を開いた。
「ありがとう。では行こうか」
再び連行されるボク。
後ろの扉が閉じてしまったことで完全に逃げ道がなくなりました。
薄暗い通路をズルズルと引きずられていく。めちゃくちゃ靴が削れてる気がします。
やがて大きな広間? のような場所にくるとボク達の他にも数人の神官がいるのが確認できます。
「第七聖女候補スペランツァ・タンペットをお連れしました」
「うむ、ご苦労であった」
そう労いの言葉をかけたのはこの中で一番歳をとってらっしゃる神官です。なんか見たことある気がするけど。
高齢神官はボクの顔をじっと見た後はぁ〜とため息をついた。凄く失礼だね。
「女神ポンパドゥール、あなたの信託により聖女見習いが参りました」
「着たわね!」
女性の声が響くとともに肌でわかるほどに凝縮された魔力が目の前に集まり始めているのがわかった。
それと同時に周りにいる神官達が一斉に膝をつく。
「なにこれ?」
ボクも周りと同じように跪いたが視線は前から離せない。
体が震えてうるかと思ったが違う。大神殿自体がこのあまりにも濃い魔力に振動しているのだ。
普通の建物ならこの段階で消し飛ぶほどの密度だ。
その大災害を起こしかねない密度を保った球体が神官達が跪いた前に浮遊しているのだ。
嫌な汗が流れる。
「パンパカパーン! ポンパドゥールさまだぁぁぁよぉぉぉぉ!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
球体をぶち破り満面の笑みを浮かべた褐色の美女が現れたがその姿が視界に入った瞬間、ボクは絶叫した。
「ちょっ! 仮にも女神の姿を見て絶叫するとかどうなのよ⁉︎」
「いえ、女神ポンパドゥール。これが普通の反応です」
なんで他の神官のみなさんはまったく驚いてないんですか⁉︎ おかしいですよ!
「この程度で驚いているようではこの女神にはついていけんのだよ」
「ああ、心臓の弱い神官は二日でやめてるしな」
「ノミの心臓には辛い職場」
いやな職場だ。働きたくなくなる。
いや、ちょっとまって高齢の神官が泡吹いてるんだけど。
「いかん! 神官長が! 雷魔法を」
「担架だ! 担架持ってこい! あと棺桶!」
「葬儀屋も準備しておけ!」
「これで上の席が空いたな」
もう心配してるところから心の黒い声がだだ漏れだった。
神官長が棺桶に入れられ蓋を閉めると釘を打ち混んでいる。
どんだけ憎まれてんだよ。
「愉快な職場でしょ?」
ケラケラと笑いながら近寄ってくる女神ポンパドゥールから距離を取りつつ、
「いや、こんな職場は絶対にないと思います」
こんな上司が死んで席を奪い合うような職場はごめんです。
いや、これは連行ですね。
関節決められてるし動こうとしたらなかなかに痛いです。
「いや、もう逃げませんから腕離して欲しいんですけど」
「神にいや、女神ポンパドゥールに誓えるかね?」
「はい、誓えま……」
「同志よ、あの女神に誓っても私は信用できない!」
「それもそうだな!」
どんだけ教会内部に信仰がない女神様なんでしょう。
ボク的にはこの人達を見ているだけでガンガン信仰心が下がっていっているんですが。
「そういうわけだ。まぁ、我慢してくれたまえ」
「わかりましたよ。でも教会内で信仰がない女神様ってどうなんでしょう?」
「大人になれば見たくなかったものも見なくてはいけなくなるんだよ」
遠い目をしながら話す神官。
これが大人ならばなりたくないわ。
待遇改善それないまま再びボ達は歩き出す。
途中、何人かの神官に合うが全員が揃って通路の端によりこちらに対して一礼をしています。この三人組はボクの思っている以上に高位の神官なのかもしれない。
やがてやたらとこの神殿には不釣り合いと言えるほどの装飾が施された大きな扉が見える。その前には鎧を着込んだ騎士が二人槍を持ち立っていた。
「そちらの少女は?」
ちらりとボクを見ながら騎士がそう尋ねてきた。無遠慮な視線がボクの身体を舐め回すように見てくるのがわかる。凄く不愉快な視線です。
「こちらは第七聖女候補だ。女神ポンパドゥールの信託によりお連れした」
「女神ポンパドゥール様の! わかりました!」
驚いたような声を挙げた騎士二人はすぐさま扉に手をかけギィィィィっという音を立てながら扉を開いた。
「ありがとう。では行こうか」
再び連行されるボク。
後ろの扉が閉じてしまったことで完全に逃げ道がなくなりました。
薄暗い通路をズルズルと引きずられていく。めちゃくちゃ靴が削れてる気がします。
やがて大きな広間? のような場所にくるとボク達の他にも数人の神官がいるのが確認できます。
「第七聖女候補スペランツァ・タンペットをお連れしました」
「うむ、ご苦労であった」
そう労いの言葉をかけたのはこの中で一番歳をとってらっしゃる神官です。なんか見たことある気がするけど。
高齢神官はボクの顔をじっと見た後はぁ〜とため息をついた。凄く失礼だね。
「女神ポンパドゥール、あなたの信託により聖女見習いが参りました」
「着たわね!」
女性の声が響くとともに肌でわかるほどに凝縮された魔力が目の前に集まり始めているのがわかった。
それと同時に周りにいる神官達が一斉に膝をつく。
「なにこれ?」
ボクも周りと同じように跪いたが視線は前から離せない。
体が震えてうるかと思ったが違う。大神殿自体がこのあまりにも濃い魔力に振動しているのだ。
普通の建物ならこの段階で消し飛ぶほどの密度だ。
その大災害を起こしかねない密度を保った球体が神官達が跪いた前に浮遊しているのだ。
嫌な汗が流れる。
「パンパカパーン! ポンパドゥールさまだぁぁぁよぉぉぉぉ!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
球体をぶち破り満面の笑みを浮かべた褐色の美女が現れたがその姿が視界に入った瞬間、ボクは絶叫した。
「ちょっ! 仮にも女神の姿を見て絶叫するとかどうなのよ⁉︎」
「いえ、女神ポンパドゥール。これが普通の反応です」
なんで他の神官のみなさんはまったく驚いてないんですか⁉︎ おかしいですよ!
「この程度で驚いているようではこの女神にはついていけんのだよ」
「ああ、心臓の弱い神官は二日でやめてるしな」
「ノミの心臓には辛い職場」
いやな職場だ。働きたくなくなる。
いや、ちょっとまって高齢の神官が泡吹いてるんだけど。
「いかん! 神官長が! 雷魔法を」
「担架だ! 担架持ってこい! あと棺桶!」
「葬儀屋も準備しておけ!」
「これで上の席が空いたな」
もう心配してるところから心の黒い声がだだ漏れだった。
神官長が棺桶に入れられ蓋を閉めると釘を打ち混んでいる。
どんだけ憎まれてんだよ。
「愉快な職場でしょ?」
ケラケラと笑いながら近寄ってくる女神ポンパドゥールから距離を取りつつ、
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