浮遊図書館の魔王様
第二十八話 追い出されました
国王から誘いを受けたパーティまで後二日。
いつもと変わらず浮遊図書館、自室で本をいつも通り読んでいたわたしはレキに怒られた。
「一日中、部屋にこもって本を読んでばかり。見てくださいこの部屋の惨状を!」
レキに言われて改めて周りを見てみるとそこいら中に本が散らばっていたり、積み重ねられていたり、ページが開いたまま置かれたりと、なかなかに散々な状況だった。
「なかなかにひどい惨状だね」
「ひどい⁉︎ この惨状をその一言で終わらしますか!」
どうやらレキはこの部屋の状況が気に入らないようだ。
わたしとしては元部屋の方が惨状と言えるほど酷かったんだけどね。床も抜けたし。
たが、わたしも譲る気はない。この部屋の本の配置はわたしが読みたい通りに置いてあり、一定の場所に動けば読みたい本がすぐに読めるよう常人にはわからない(わたしもわからない)複雑な計算で配置されているのだから!
「仮にも浮遊図書館の魔王がなんたるざまです!」
「君だろ! 最近ファンガルムでその通り名を流行らそうとしてるのは!」
昨日、雑談(愚痴をもらし)をしにきたベアトリスに聞いた話では、以前にもベアトリスはここ数日で浮遊図書館には魔王が住んでいるという噂が流行っているらしいと言っていたが、また別の噂が流れているいというのだ。
浮遊図書館の魔王は本を集めている、膨大な魔力を持っている、ファンガルム皇国の騎士団を一人で吹き飛ばしたなどと真実も混ざっているが中には魔王に感想をもらった本はバカ売れする。ケモミミの子供にはお菓子をくれる、魔王に本をあげると黄金がもらえるなどといった都市伝説みたいなものまであるのだ。
ケモミミにならお菓子はあげてもいい。
「今のうちにこの国にレクレ様の存在をアピールしとくのです。そうすればこの国を手に入れた時に楽に統治できるようになります」
「いや、別にこの国欲しくないから」
最近わかったんだけどレキ、きみは人の話聞かないよね。
まだ世界征服諦めてないみたいだし。きみ一人でやったほうが効率がよさそうだよ。
「いえ、今は世界征服よりこの部屋です!」
まだ忘れてなかったか。
「今からこの部屋を掃除します!」
「わ、わたしはうごかないからね!」
わたしが作り出した読書快適空間から動く気はない。
徹底交戦だ。
「失礼します。レクレ様」
瞬きをした瞬間。レキがわたしの眼前から消える。
そして誰かに首元を持たれ浮遊感。
首を掴まれているから後ろを見ることもできないし。
相変わらずバカげた運動性能だなレキは。
これが敗戦か。
「言い方を変えましょう、レクレ様。いつも室内では体に悪いと思いますのでたまには太陽の下で運動でもされてはどうです?」
「……太陽の下になんかでたら死んでしまう」
「どこの吸血鬼ですか。まぁ、運動じゃなくてもいいので庭園で本でも読んでてください。一時間ほどで終わらしますから」
静かに有無を言わせない口調でレキが言ってくる。
一時間も太陽の下にいないといけないのか。太陽に当たりすぎると体調が悪くなりそうな気がするよ。でも、今は首を持たれてるから生殺与奪はレキに握られてるからな〜。
本で読んだシュチュエーションならこれは脅迫だと思うんだ。
「わかったよ。一時間だけだからね」
そう言い、レキから解放されたわたしは本を何冊か持つとレキに部屋から追い出された。
なんかアトラといい、レキといいご主人様に対して扱いひどくない? それとも世のメイドはあんな物なんだろうか?
仕方なしにとぼとぼ庭園に向かい歩く。
インドア派は歩くのもつらいのだ。
「まぶし!」
庭園に出ると太陽からの洗礼のような光の攻撃に思わず目を閉じる。
なぜみんなこんな攻撃を物ともせずに外出できるのか。
もはや違う生き物ではないのだろうか。
「光を防ぐ魔法、今度覚えよう」
そんなことをぼやきながら
庭園の色とりどりの花が咲いてる中、目当ての場所を目指し仕方なく歩く。
庭園はアルとビリアラが丁寧に育てているのか枯れてる物もなく花特有の甘い匂いが歩いててもわかる。
「ついた」
目的の場所についたわたしは視線を上に向ける。
それは大きな大樹だ。太い幹を持ち、枝を大きく広げ緑の葉を広々と広げている。
そのため適度に日影ができたりしているため、屋外で本を読むなら最適と以前から目をつけていたのだ。
わたしは木の幹に座りもたれかかると持ってきた本を広げ読書を開始する。
特にうるさい音もないのでしばらくするとわたしは本の世界に集中し始めた。
いつもと変わらず浮遊図書館、自室で本をいつも通り読んでいたわたしはレキに怒られた。
「一日中、部屋にこもって本を読んでばかり。見てくださいこの部屋の惨状を!」
レキに言われて改めて周りを見てみるとそこいら中に本が散らばっていたり、積み重ねられていたり、ページが開いたまま置かれたりと、なかなかに散々な状況だった。
「なかなかにひどい惨状だね」
「ひどい⁉︎ この惨状をその一言で終わらしますか!」
どうやらレキはこの部屋の状況が気に入らないようだ。
わたしとしては元部屋の方が惨状と言えるほど酷かったんだけどね。床も抜けたし。
たが、わたしも譲る気はない。この部屋の本の配置はわたしが読みたい通りに置いてあり、一定の場所に動けば読みたい本がすぐに読めるよう常人にはわからない(わたしもわからない)複雑な計算で配置されているのだから!
「仮にも浮遊図書館の魔王がなんたるざまです!」
「君だろ! 最近ファンガルムでその通り名を流行らそうとしてるのは!」
昨日、雑談(愚痴をもらし)をしにきたベアトリスに聞いた話では、以前にもベアトリスはここ数日で浮遊図書館には魔王が住んでいるという噂が流行っているらしいと言っていたが、また別の噂が流れているいというのだ。
浮遊図書館の魔王は本を集めている、膨大な魔力を持っている、ファンガルム皇国の騎士団を一人で吹き飛ばしたなどと真実も混ざっているが中には魔王に感想をもらった本はバカ売れする。ケモミミの子供にはお菓子をくれる、魔王に本をあげると黄金がもらえるなどといった都市伝説みたいなものまであるのだ。
ケモミミにならお菓子はあげてもいい。
「今のうちにこの国にレクレ様の存在をアピールしとくのです。そうすればこの国を手に入れた時に楽に統治できるようになります」
「いや、別にこの国欲しくないから」
最近わかったんだけどレキ、きみは人の話聞かないよね。
まだ世界征服諦めてないみたいだし。きみ一人でやったほうが効率がよさそうだよ。
「いえ、今は世界征服よりこの部屋です!」
まだ忘れてなかったか。
「今からこの部屋を掃除します!」
「わ、わたしはうごかないからね!」
わたしが作り出した読書快適空間から動く気はない。
徹底交戦だ。
「失礼します。レクレ様」
瞬きをした瞬間。レキがわたしの眼前から消える。
そして誰かに首元を持たれ浮遊感。
首を掴まれているから後ろを見ることもできないし。
相変わらずバカげた運動性能だなレキは。
これが敗戦か。
「言い方を変えましょう、レクレ様。いつも室内では体に悪いと思いますのでたまには太陽の下で運動でもされてはどうです?」
「……太陽の下になんかでたら死んでしまう」
「どこの吸血鬼ですか。まぁ、運動じゃなくてもいいので庭園で本でも読んでてください。一時間ほどで終わらしますから」
静かに有無を言わせない口調でレキが言ってくる。
一時間も太陽の下にいないといけないのか。太陽に当たりすぎると体調が悪くなりそうな気がするよ。でも、今は首を持たれてるから生殺与奪はレキに握られてるからな〜。
本で読んだシュチュエーションならこれは脅迫だと思うんだ。
「わかったよ。一時間だけだからね」
そう言い、レキから解放されたわたしは本を何冊か持つとレキに部屋から追い出された。
なんかアトラといい、レキといいご主人様に対して扱いひどくない? それとも世のメイドはあんな物なんだろうか?
仕方なしにとぼとぼ庭園に向かい歩く。
インドア派は歩くのもつらいのだ。
「まぶし!」
庭園に出ると太陽からの洗礼のような光の攻撃に思わず目を閉じる。
なぜみんなこんな攻撃を物ともせずに外出できるのか。
もはや違う生き物ではないのだろうか。
「光を防ぐ魔法、今度覚えよう」
そんなことをぼやきながら
庭園の色とりどりの花が咲いてる中、目当ての場所を目指し仕方なく歩く。
庭園はアルとビリアラが丁寧に育てているのか枯れてる物もなく花特有の甘い匂いが歩いててもわかる。
「ついた」
目的の場所についたわたしは視線を上に向ける。
それは大きな大樹だ。太い幹を持ち、枝を大きく広げ緑の葉を広々と広げている。
そのため適度に日影ができたりしているため、屋外で本を読むなら最適と以前から目をつけていたのだ。
わたしは木の幹に座りもたれかかると持ってきた本を広げ読書を開始する。
特にうるさい音もないのでしばらくするとわたしは本の世界に集中し始めた。
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