浮遊図書館の魔王様
第七話 変化しました
目を開けると暗い天井が目に入った。
「部屋? 夢?」
さっきまでいた白い空間ではなく、いつも過ごしている自分の部屋だ。
ベッドに寝ていたわたしはむくりと起き上がる。
「ご主人、目が覚めましたか?」
「アトラ」
赤い魔導書であるアトラがふわふわと浮かびながらわたしに近づいてきた。
「体はなんともないですか? ご主人はその白い魔導書を読み始めたら急に寝始めたんですよ?」
アトラに言われ枕元に転がっている本を手に取り開く。
さっき読んだ時には確かに文字が浮かび上がってきたが浮かび上がる様子も見られない。
「魔力が感じられない。ただの本になってる?」
「そうなんですか?」
アトラの声を無視し、外を見る。さっきまでは確かに明るかったはずなのに暗い。
「アトラ、わたしどれくらい寝てた?」
「大体10時間くらいですかね」
「そんなに?」
かなり寝ていたんだろうとは思っていたけどかなり寝てたみたいだ。
あの白い空間は夢なのか、それとも現実にいたのか曖昧だ。
まぁ、とりあえず、
「本読もうか」
そう言い近くにあった本を取りページをめくり始めると白紙の魔導書については完全に忘れたのであった。
魔導書が白紙になって二日たった。特にわたしの周りに変化がなかったかといえばそうでもない。
変化を上げるなら一つにお腹が減らなくなった。
本を読んでいると空腹感が全くないのだ。以前までなら本を読み終わった後に思い出したようにお腹がなっていたのがなくなった。
二つ目は魔力がバカみたいに増えたことだ。
本を読んでいたら真っ暗になったため明かりをつける魔法を使うと以前までぼんやりと光る程度だった物が昼間の太陽のごとく輝き危うく失明するとこだった。
そして三つ目は時折空から凄まじい音が聞こえてくるようになった。
これはわたしだけでなくどうも街全体に響いているらしい。しかも時折、木材やら鉄の塊が落ちて来るらしい。(奇跡的に被害はゼロ)空にはなにもないのに落ちて来るという不可思議な現象が多発している。
「冷静に考えるとシロとの会話が夢じゃなかったってことなんだけどねー」
さすがにずっと部屋に篭っとくのもよくない(アトラにいい加減部屋を探しましょうとガミガミ言われてうっとおしかった)ので街に出てカフェでお茶をしながらわたしは考える。
「体質が変わったことと魔力が増えたことですか?」
アトラの問いにわたしは頷くとテーブルに置いてあるジュースを飲む。酸味がほどよい。
「体質が変わったことともあるけどこれ、かなりおかしいからね」
自分の体ゆえによくわかる。お腹が減らないのではなく、食べ物を必要としていないということが。
「本を読んでいると空腹がなくなるというか本を読むということが食事になってる」
「加えて読んだ本によって魔力の貯蔵量が増えてますよね?」
「そうなんだよね〜」
どうも本を読むと魔力の貯蔵量が増えている感じがするし、そのせいでこの前は失明しかけたしね。
「まぁ、どれも便利といえば便利なんだけど」
「でもご主人、正直それってにんげんじゃないですよね?」
「まあね。でも吸血鬼とかじゃない分まだましだと思うよ?」
「それはそうですけど」
アトラは納得がいかないといった感じだ。
聞いた話では吸血鬼は昼間は太陽がキツすぎて外にでられないと聞くしね。
「あと叶ってない願いは図書館かな」
「何を願ったんですか?」
「床の抜けない図書館だよ」
そこが大事。
そういうとわたしは残っていたジュースを全部飲む。
「まあ、さすがにそれはないと思うけどね」
ジュース代である銅貨をテーブルに置きわたしは笑う。
「さて、新刊買に行かなくちゃね」
「ご主人、これ以上どこに本を置くんですか! あと部屋を探さないと」
アトラがため息混じりの声を漏らす。
図書館といのはなかなかに高価なものなのだ。あくまで一般人にも貸し出すと言うならば、本の維持、修繕、常に新しいものを取り入れたり、古いものを保管したりするのはかなりの金額を用いるのだ。
「でも、体質とか変えちゃう存在がいるなら図書館くらい作るのは楽勝なんだろうね」
「確かに」
「それに今の魔力量ならアトラを完全な形で召喚できるんじゃないかな」
「ここでやるのはやめてくださいね? 聖騎士に囲まれるのは嫌ですよ?」
「しないしない」
わたしはアトラに笑いなが言う。アトラの完全召喚なんてしたら本当に魔王扱いされかねない。なにせやったらこの街半壊しそうだし。
そう考えているとヒュンという音が聞こえると同時に目の前に大きな何かが突き刺さった。
「ご主人!」
アトラが慌てたような声を出す。わたしは手をひらひらとさし自分が無事であることを伝えると目の前に突き刺さったものを見る。
「これ、鉄鋼だよね?」
目の前に物体は触った感じでは鉄鋼だ。こんなもの頭にでも直撃したらシャレならないことが起こるだろう。
「これが最近街で噂の空からの落し物かな?」
空を見上げでみるが特になにかあるわけでもない。
そんなことを考えながらわたしはアトラを連れて本屋に向かって歩き出した。当初の目的もわすれて。
「部屋? 夢?」
さっきまでいた白い空間ではなく、いつも過ごしている自分の部屋だ。
ベッドに寝ていたわたしはむくりと起き上がる。
「ご主人、目が覚めましたか?」
「アトラ」
赤い魔導書であるアトラがふわふわと浮かびながらわたしに近づいてきた。
「体はなんともないですか? ご主人はその白い魔導書を読み始めたら急に寝始めたんですよ?」
アトラに言われ枕元に転がっている本を手に取り開く。
さっき読んだ時には確かに文字が浮かび上がってきたが浮かび上がる様子も見られない。
「魔力が感じられない。ただの本になってる?」
「そうなんですか?」
アトラの声を無視し、外を見る。さっきまでは確かに明るかったはずなのに暗い。
「アトラ、わたしどれくらい寝てた?」
「大体10時間くらいですかね」
「そんなに?」
かなり寝ていたんだろうとは思っていたけどかなり寝てたみたいだ。
あの白い空間は夢なのか、それとも現実にいたのか曖昧だ。
まぁ、とりあえず、
「本読もうか」
そう言い近くにあった本を取りページをめくり始めると白紙の魔導書については完全に忘れたのであった。
魔導書が白紙になって二日たった。特にわたしの周りに変化がなかったかといえばそうでもない。
変化を上げるなら一つにお腹が減らなくなった。
本を読んでいると空腹感が全くないのだ。以前までなら本を読み終わった後に思い出したようにお腹がなっていたのがなくなった。
二つ目は魔力がバカみたいに増えたことだ。
本を読んでいたら真っ暗になったため明かりをつける魔法を使うと以前までぼんやりと光る程度だった物が昼間の太陽のごとく輝き危うく失明するとこだった。
そして三つ目は時折空から凄まじい音が聞こえてくるようになった。
これはわたしだけでなくどうも街全体に響いているらしい。しかも時折、木材やら鉄の塊が落ちて来るらしい。(奇跡的に被害はゼロ)空にはなにもないのに落ちて来るという不可思議な現象が多発している。
「冷静に考えるとシロとの会話が夢じゃなかったってことなんだけどねー」
さすがにずっと部屋に篭っとくのもよくない(アトラにいい加減部屋を探しましょうとガミガミ言われてうっとおしかった)ので街に出てカフェでお茶をしながらわたしは考える。
「体質が変わったことと魔力が増えたことですか?」
アトラの問いにわたしは頷くとテーブルに置いてあるジュースを飲む。酸味がほどよい。
「体質が変わったことともあるけどこれ、かなりおかしいからね」
自分の体ゆえによくわかる。お腹が減らないのではなく、食べ物を必要としていないということが。
「本を読んでいると空腹がなくなるというか本を読むということが食事になってる」
「加えて読んだ本によって魔力の貯蔵量が増えてますよね?」
「そうなんだよね〜」
どうも本を読むと魔力の貯蔵量が増えている感じがするし、そのせいでこの前は失明しかけたしね。
「まぁ、どれも便利といえば便利なんだけど」
「でもご主人、正直それってにんげんじゃないですよね?」
「まあね。でも吸血鬼とかじゃない分まだましだと思うよ?」
「それはそうですけど」
アトラは納得がいかないといった感じだ。
聞いた話では吸血鬼は昼間は太陽がキツすぎて外にでられないと聞くしね。
「あと叶ってない願いは図書館かな」
「何を願ったんですか?」
「床の抜けない図書館だよ」
そこが大事。
そういうとわたしは残っていたジュースを全部飲む。
「まあ、さすがにそれはないと思うけどね」
ジュース代である銅貨をテーブルに置きわたしは笑う。
「さて、新刊買に行かなくちゃね」
「ご主人、これ以上どこに本を置くんですか! あと部屋を探さないと」
アトラがため息混じりの声を漏らす。
図書館といのはなかなかに高価なものなのだ。あくまで一般人にも貸し出すと言うならば、本の維持、修繕、常に新しいものを取り入れたり、古いものを保管したりするのはかなりの金額を用いるのだ。
「でも、体質とか変えちゃう存在がいるなら図書館くらい作るのは楽勝なんだろうね」
「確かに」
「それに今の魔力量ならアトラを完全な形で召喚できるんじゃないかな」
「ここでやるのはやめてくださいね? 聖騎士に囲まれるのは嫌ですよ?」
「しないしない」
わたしはアトラに笑いなが言う。アトラの完全召喚なんてしたら本当に魔王扱いされかねない。なにせやったらこの街半壊しそうだし。
そう考えているとヒュンという音が聞こえると同時に目の前に大きな何かが突き刺さった。
「ご主人!」
アトラが慌てたような声を出す。わたしは手をひらひらとさし自分が無事であることを伝えると目の前に突き刺さったものを見る。
「これ、鉄鋼だよね?」
目の前に物体は触った感じでは鉄鋼だ。こんなもの頭にでも直撃したらシャレならないことが起こるだろう。
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