魔王さまは自由がほしい
罠ぱーてぃ
「ちくしょう! もう、二十分たったのか!」
「ファンファンニール様はあそぶのが好きだからな。それを考慮しなかったお前が悪い」
「ちくしょおおお!」
ソロティス、六死天達がいる一つ下のフロアでは魔王城勤務のモンスター達が集まっていた。今日は魔王城の警護の仕事は全て休みにされているため本日の娯楽である六死天ファンファンニールと人間の正義の味方との戦いを眺めるという宴会が催されているのだ。
彼は酒を飲み、肉を食べ色々とかんだんしているのだが、そんな彼らが一喜一憂しているのは賭け事である。しかし、内容はどちらが勝つかではない。それでは賭けにならないのを誰もが理解している。
賭けの内容、それは『攻めてきた人間がどれだけ保つか』という時間である。
六死天が本気を出せば瞬きをする間に終わるであろう内容の賭けだがこれがファンファンニールを対象にした賭けとなると途端に予想の難易度が跳ね上がるのだ。
ファンファンニールがとてつもなく気分屋なためである。ある時は瞬殺で終わらし、またある時はダラダラと嬲るように殺す。
そのため賭けの対象として最高難易度と呼び声が高いのだ。
「やった! やったよマリア! 一人倒せたよ!」
そんな自分達の賭けた時間からオーバーし、賭けに負け項垂れたモンスター達を他所に巨大な異界モニターに映る明らかに倒せたというレベルを通り越し、ミンチのようなただの肉塊へと変えた罠を仕掛けた張本人であるソロティスは自身の仕掛けた罠が作動したことに喜んでいた。
「おめでとうございます魔王様」
そんなソロティスにマリアベルジュは笑いかける。
本来、ソロティスが仕掛けた罠は鉄球ではなく唯の木の球だったのだ。しかし、ワインからの報告で明らかに攻撃力が足りないと感じたマリアベルジュがきっちりと非殺傷罠を確実に殺せるであろう殺傷能力の極めて高い罠に交換しているのだ。
当然、ソロティスは知らないことであるし、本人はせいぜい動きを止めてる位だろうと考えているが実際は生命活動をきっちりと止めている。
「しかし、よく見えるわねぇ。どうやって撮影してるの?」
紅茶の入ったティーカップを傾けながらコルデリアは疑問を浮かべる。
先ほどから映る戦闘映像が一切のブレなく映されていることに疑問を感じたのだ。
「それは私の部隊、MKMがカメラを持ってあのフロアで撮影してるからです」
「……ああ、あのストーカー部隊ですか」
げんなりとしながらコルデリアはマリアベルジュの直属の部隊をおもいだす。
「あいつらまるで気配がないし姿が全く見えないから苦手だわ」
「元々情報収集をするための部隊です。見つかっては意味がありません」
あっさりと言ってのけるマリアベルジュを睨みつけるコルデリアであったがまぁ、いいかという寛容な心で許すことにした。
「それで魔王様、他にはどんな罠があるのか私様とても興味がありますわ」
マリアベルジュから視線を外したコルデリアは楽しげにソロティスに尋ねる。それは秘密にされていることを知りたがる子供のような笑みを浮かべといえるものだ。
「それはね! いろいろワインとしかけたんだよ!」
ガシャガシャ
ソロティスの楽しげな声に紅騎士ワインが鎧を揺らしながら頷く。
その様子からどうやらワインもかなり楽しんでいたことをマリアベルジュは推測する。
(相変わらずワインは甘い)
心でそう思いつつもマリアベルジュは特にワインを攻める気はなかった。大方ソロティスに効果があって死なないような罠を聞かれて答えたということがわかっていたからだ。
(甘いぼっちゃまもまた素敵!)
ブルりと想像するだけで顔を赤くするマリアベルジュだったが、ワインが自分を見ていることに気付き咳払いをする。
「魔王様、コルデリアも待たれてますし次の罠を発動されては?」
「それもそうだね!」
にこやかに笑ったソロティスは指先に小さく魔力を灯す。
その時には六死天一同は一瞬にしてサングラスを装着する。もちろん、ソロティスにかけるのも忘れない。
次の瞬間、異界モニターが白い光に埋め尽くされた。
『ギャァァァァァァァァァァ! 目がァァァァァァァァァァ!』
同時に宴会をしていたモンスター達が目を押さえ悲鳴を上げる。
恐ろしいまでの光量が異界モニターから放たれ、宴会をしていたモンスターに降りかかる。
「すごいでしょ? 光の目くらまし魔法、フラッシュを壁中で使って見たんだよ!」
「確かにすごいですわ。実際に眼が灼かれてるモンスターもいますし」
下のフロアで眼を押さえ悲鳴を上げながら転がりまわる大量のモンスターを見てゾッとする。さらには自分の肌を見ると軽い火傷状態になっいる。それを確認してコルデリアは寒気が走るのを自覚する。
間接的に当てられた光でこれだ。もし、あの場に自分がいたのであれば、吸血鬼の神祖である自分も無事ではすまないだろうと。
(それにあの魔法、フラッシュとか言ってましたが明らかに違いますわ)
フラッシュはあくまで目くらましの魔法であり、神祖であるコルデリアの肌を焼く光などは出すことができない。
「マリアベルジュ、あなた魔法変えてるでしょ?」
「当然です。魔王城に忍び込んできたんですよ?フラッシュなんていう非殺傷魔法なんて生温い」
そう言い放つとマリアベルジュは薄く笑う。彼女にとっては正義の味方を殺すことに微塵も良心の呵責を感じる事などないのだろう。
「しかし、死ぬことはないでしょう。フラッシュとすり替えた魔法は光魔法のレイです。光耐性があればね」
「正義の味方だから持っているという考え方は私様的に安直な考えだと思いますが……」
光の中位魔法レイは圧縮した光を線にして打ち出す魔法。
その効果は耐性のないものなら一瞬で消し炭に変えるほどの熱量を誇る。それをフロア全体に当たるようにはなったのだからその場は一瞬で地獄へと変わったことだろう。
「これで、<殲滅天使パリリン>を生け捕りにできるね!」
魔法をすりかえられたことを知らないソロティスは無邪気に笑う。そして、下のフロアにいる魔法を摩り替えたのがマリアベルジュであることを知らないモンスターたちは顔を引きつらせていた。
「時にフロア全体にあの魔法を放っているんであればあなたの部隊も食らってるんじゃないかと私様は考えるんですが?」
「あの程度の魔法をかわせないような輩にはMKMを名乗らせる資格はありません」
「そ、そう」
やがて異界モニターの画面が徐々に白さをなくしていき映像が映し出され始める。
ただし、横倒しになった映像だが。
『あづぅ⁉︎ というか痛!』
『おい! ホーリー消えたぞ! 私の目は何処だ!』
『ああ⁉︎ 溶けてるやついるぞ!』
『うでぇぇぇぇぇぇ! 私のうでぇぇぇぇぇぇ!』
MKMの悲痛な叫び声が備え付けられたスピーカーより宴会会場全体に響き渡った。恐らくは映っていないだけどMKMにも多大な被害がでたのであろう。悲鳴だけ聞こえ姿が映らないあたりがまた恐怖心を煽る。
「軟弱物が多かったみたいですね」
ふふん、と鼻で笑いながらコルデリアはカップに口を付ける。マリアベルジュはというと完全に無表情であった。
『どうかしましたかマリアベルジュ?』
マジックボードに書かれた文字をマリアベルジュに見えるように掲げたワインだったが、マリアベルジュと視線が会った瞬間、無意識に一歩うしろに下がった。
瞳になにも映さないマリアベルジュにワインは恐怖したのだ。
「顔文字はやめなさい」
ただ一言、そう告げると同時にあり得ないほどの唸り音をあげなから繰り出された裏拳がワインの紅い鎧の胴体に突き刺さった。
鎧が破壊音を立て、マリアベルジュの裏拳の衝撃が背中まで突き抜け背中にも大きな穴を開ける。拳を叩きつけらた衝撃でさらに数歩後ろに下がり、ワインは膝をついた。
『か、顔文字使ってないのだが』
震えなかまらも無事な手でマジックボードに書いたワインに同意するように轟音があがった所から見ていたモンスター達がうんうんと頷く。どう見ても八つ当たりである。ワインが首なし騎士ではなくまともな肉体を持ったモンスターならば致命傷だっただろう。
「う、うるさいです!」
マリアベルジュが顔を赤らめてはいるがやったことは六死天メンバーでなければ即死するような攻撃である。
断じて照れ隠しで行うような攻撃力ではなかったが。
「なんでワインは吹っ飛んで、異界モニターの画面は横向いてるの?」
首を傾げながら疑問に思ったソロティスの表情を見た瞬間、何人かのモンスターがバタバタとフロアから飛び出して行った。
「ワインは転んだだけ見たいですね。画面もおそらく撮影班が転けたのでしょう」
有無を言わせない笑顔を見せつけられソロティスは黙り込むしかなかった。
やがて異界モニター側が騒がしくなり「これか?」「多分そうだろ?」といった声がスピーカーから響き始める。
そうこうしていると横をむいていた異界モニターが元に戻り普通の映像を映し始めた。
「さあ、魔王様。罠を発動さして魔王の威厳を見せつけるのです!」
「うん! わかったよ!」
マリアベルジュの言葉に促され次々と罠を発動さしていくべく、ソロティスは異界モニターを凝視し始めた。
そんなソロティスとマリアベルジュを紅茶のカップを傾けながら見ていたコルデリアは退屈そうに見ていた。
「これで終わりですかしらね。正義の味方も」
テーブルに備え付けられた時計で経過した時間は三十分。
コルデリアとしてはあと二十分はがんばって欲しい所である。
「私様は五十分持つと賭けたんですからがんばっていただきたい所ですわね」
優雅に紅茶を飲みながらコルデリアは心の中でのみ正義の味方に声援を送るのだった。
「ファンファンニール様はあそぶのが好きだからな。それを考慮しなかったお前が悪い」
「ちくしょおおお!」
ソロティス、六死天達がいる一つ下のフロアでは魔王城勤務のモンスター達が集まっていた。今日は魔王城の警護の仕事は全て休みにされているため本日の娯楽である六死天ファンファンニールと人間の正義の味方との戦いを眺めるという宴会が催されているのだ。
彼は酒を飲み、肉を食べ色々とかんだんしているのだが、そんな彼らが一喜一憂しているのは賭け事である。しかし、内容はどちらが勝つかではない。それでは賭けにならないのを誰もが理解している。
賭けの内容、それは『攻めてきた人間がどれだけ保つか』という時間である。
六死天が本気を出せば瞬きをする間に終わるであろう内容の賭けだがこれがファンファンニールを対象にした賭けとなると途端に予想の難易度が跳ね上がるのだ。
ファンファンニールがとてつもなく気分屋なためである。ある時は瞬殺で終わらし、またある時はダラダラと嬲るように殺す。
そのため賭けの対象として最高難易度と呼び声が高いのだ。
「やった! やったよマリア! 一人倒せたよ!」
そんな自分達の賭けた時間からオーバーし、賭けに負け項垂れたモンスター達を他所に巨大な異界モニターに映る明らかに倒せたというレベルを通り越し、ミンチのようなただの肉塊へと変えた罠を仕掛けた張本人であるソロティスは自身の仕掛けた罠が作動したことに喜んでいた。
「おめでとうございます魔王様」
そんなソロティスにマリアベルジュは笑いかける。
本来、ソロティスが仕掛けた罠は鉄球ではなく唯の木の球だったのだ。しかし、ワインからの報告で明らかに攻撃力が足りないと感じたマリアベルジュがきっちりと非殺傷罠を確実に殺せるであろう殺傷能力の極めて高い罠に交換しているのだ。
当然、ソロティスは知らないことであるし、本人はせいぜい動きを止めてる位だろうと考えているが実際は生命活動をきっちりと止めている。
「しかし、よく見えるわねぇ。どうやって撮影してるの?」
紅茶の入ったティーカップを傾けながらコルデリアは疑問を浮かべる。
先ほどから映る戦闘映像が一切のブレなく映されていることに疑問を感じたのだ。
「それは私の部隊、MKMがカメラを持ってあのフロアで撮影してるからです」
「……ああ、あのストーカー部隊ですか」
げんなりとしながらコルデリアはマリアベルジュの直属の部隊をおもいだす。
「あいつらまるで気配がないし姿が全く見えないから苦手だわ」
「元々情報収集をするための部隊です。見つかっては意味がありません」
あっさりと言ってのけるマリアベルジュを睨みつけるコルデリアであったがまぁ、いいかという寛容な心で許すことにした。
「それで魔王様、他にはどんな罠があるのか私様とても興味がありますわ」
マリアベルジュから視線を外したコルデリアは楽しげにソロティスに尋ねる。それは秘密にされていることを知りたがる子供のような笑みを浮かべといえるものだ。
「それはね! いろいろワインとしかけたんだよ!」
ガシャガシャ
ソロティスの楽しげな声に紅騎士ワインが鎧を揺らしながら頷く。
その様子からどうやらワインもかなり楽しんでいたことをマリアベルジュは推測する。
(相変わらずワインは甘い)
心でそう思いつつもマリアベルジュは特にワインを攻める気はなかった。大方ソロティスに効果があって死なないような罠を聞かれて答えたということがわかっていたからだ。
(甘いぼっちゃまもまた素敵!)
ブルりと想像するだけで顔を赤くするマリアベルジュだったが、ワインが自分を見ていることに気付き咳払いをする。
「魔王様、コルデリアも待たれてますし次の罠を発動されては?」
「それもそうだね!」
にこやかに笑ったソロティスは指先に小さく魔力を灯す。
その時には六死天一同は一瞬にしてサングラスを装着する。もちろん、ソロティスにかけるのも忘れない。
次の瞬間、異界モニターが白い光に埋め尽くされた。
『ギャァァァァァァァァァァ! 目がァァァァァァァァァァ!』
同時に宴会をしていたモンスター達が目を押さえ悲鳴を上げる。
恐ろしいまでの光量が異界モニターから放たれ、宴会をしていたモンスターに降りかかる。
「すごいでしょ? 光の目くらまし魔法、フラッシュを壁中で使って見たんだよ!」
「確かにすごいですわ。実際に眼が灼かれてるモンスターもいますし」
下のフロアで眼を押さえ悲鳴を上げながら転がりまわる大量のモンスターを見てゾッとする。さらには自分の肌を見ると軽い火傷状態になっいる。それを確認してコルデリアは寒気が走るのを自覚する。
間接的に当てられた光でこれだ。もし、あの場に自分がいたのであれば、吸血鬼の神祖である自分も無事ではすまないだろうと。
(それにあの魔法、フラッシュとか言ってましたが明らかに違いますわ)
フラッシュはあくまで目くらましの魔法であり、神祖であるコルデリアの肌を焼く光などは出すことができない。
「マリアベルジュ、あなた魔法変えてるでしょ?」
「当然です。魔王城に忍び込んできたんですよ?フラッシュなんていう非殺傷魔法なんて生温い」
そう言い放つとマリアベルジュは薄く笑う。彼女にとっては正義の味方を殺すことに微塵も良心の呵責を感じる事などないのだろう。
「しかし、死ぬことはないでしょう。フラッシュとすり替えた魔法は光魔法のレイです。光耐性があればね」
「正義の味方だから持っているという考え方は私様的に安直な考えだと思いますが……」
光の中位魔法レイは圧縮した光を線にして打ち出す魔法。
その効果は耐性のないものなら一瞬で消し炭に変えるほどの熱量を誇る。それをフロア全体に当たるようにはなったのだからその場は一瞬で地獄へと変わったことだろう。
「これで、<殲滅天使パリリン>を生け捕りにできるね!」
魔法をすりかえられたことを知らないソロティスは無邪気に笑う。そして、下のフロアにいる魔法を摩り替えたのがマリアベルジュであることを知らないモンスターたちは顔を引きつらせていた。
「時にフロア全体にあの魔法を放っているんであればあなたの部隊も食らってるんじゃないかと私様は考えるんですが?」
「あの程度の魔法をかわせないような輩にはMKMを名乗らせる資格はありません」
「そ、そう」
やがて異界モニターの画面が徐々に白さをなくしていき映像が映し出され始める。
ただし、横倒しになった映像だが。
『あづぅ⁉︎ というか痛!』
『おい! ホーリー消えたぞ! 私の目は何処だ!』
『ああ⁉︎ 溶けてるやついるぞ!』
『うでぇぇぇぇぇぇ! 私のうでぇぇぇぇぇぇ!』
MKMの悲痛な叫び声が備え付けられたスピーカーより宴会会場全体に響き渡った。恐らくは映っていないだけどMKMにも多大な被害がでたのであろう。悲鳴だけ聞こえ姿が映らないあたりがまた恐怖心を煽る。
「軟弱物が多かったみたいですね」
ふふん、と鼻で笑いながらコルデリアはカップに口を付ける。マリアベルジュはというと完全に無表情であった。
『どうかしましたかマリアベルジュ?』
マジックボードに書かれた文字をマリアベルジュに見えるように掲げたワインだったが、マリアベルジュと視線が会った瞬間、無意識に一歩うしろに下がった。
瞳になにも映さないマリアベルジュにワインは恐怖したのだ。
「顔文字はやめなさい」
ただ一言、そう告げると同時にあり得ないほどの唸り音をあげなから繰り出された裏拳がワインの紅い鎧の胴体に突き刺さった。
鎧が破壊音を立て、マリアベルジュの裏拳の衝撃が背中まで突き抜け背中にも大きな穴を開ける。拳を叩きつけらた衝撃でさらに数歩後ろに下がり、ワインは膝をついた。
『か、顔文字使ってないのだが』
震えなかまらも無事な手でマジックボードに書いたワインに同意するように轟音があがった所から見ていたモンスター達がうんうんと頷く。どう見ても八つ当たりである。ワインが首なし騎士ではなくまともな肉体を持ったモンスターならば致命傷だっただろう。
「う、うるさいです!」
マリアベルジュが顔を赤らめてはいるがやったことは六死天メンバーでなければ即死するような攻撃である。
断じて照れ隠しで行うような攻撃力ではなかったが。
「なんでワインは吹っ飛んで、異界モニターの画面は横向いてるの?」
首を傾げながら疑問に思ったソロティスの表情を見た瞬間、何人かのモンスターがバタバタとフロアから飛び出して行った。
「ワインは転んだだけ見たいですね。画面もおそらく撮影班が転けたのでしょう」
有無を言わせない笑顔を見せつけられソロティスは黙り込むしかなかった。
やがて異界モニター側が騒がしくなり「これか?」「多分そうだろ?」といった声がスピーカーから響き始める。
そうこうしていると横をむいていた異界モニターが元に戻り普通の映像を映し始めた。
「さあ、魔王様。罠を発動さして魔王の威厳を見せつけるのです!」
「うん! わかったよ!」
マリアベルジュの言葉に促され次々と罠を発動さしていくべく、ソロティスは異界モニターを凝視し始めた。
そんなソロティスとマリアベルジュを紅茶のカップを傾けながら見ていたコルデリアは退屈そうに見ていた。
「これで終わりですかしらね。正義の味方も」
テーブルに備え付けられた時計で経過した時間は三十分。
コルデリアとしてはあと二十分はがんばって欲しい所である。
「私様は五十分持つと賭けたんですからがんばっていただきたい所ですわね」
優雅に紅茶を飲みながらコルデリアは心の中でのみ正義の味方に声援を送るのだった。
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