エルフさんが通ります
私もこれは楽しみなんですよね
「なんのつもりです? アル」
殺気を乗せた視線をアルガンテロア、あえて愛称で呼んで向けますがそんなものはまるで感じないかのようにアルガンテロアはクルクルとスカート翻しながら楽しげに回り続けます。
「ようやく親しげに呼んでくれたねリリカ。そう、これが自称魔王であったシェリー流にいうのであれば最後のイベントといったところかな?」
「リリカ、魔王は? 倒したのか?」
カズヤがボロボロの剣を杖代わりにしながら立ち上がり、周りを見渡しながら私に尋ねてきます。
「ええ、魔王(自称)シェリーは消しとばしましたよ」
「おお! ということはこれで俺のハーレム計画が動き出すわけだな!」
なんであなたが倒したわけでもないのにあなたのハーレム計画が動き出すんですか。というかそんな物のために魔王を倒そうとしていたことに驚きです。ま、倒れたというか消えたのは自称魔王なわけなんですがね。
「これで世界に平和が訪れます。主に感謝します」
どこかズレたような発言をしているのはクク。恐怖状態から抜け出したのか手を合わせ目尻に涙をうかべながら遠い目、というか神に祈りを捧げているのでしょう。外ではまた戦闘が継続しているんですがそれにはまだ気づいていないようですね。
「魔王が倒れたのであればこれで邪魔な障害はなくなったのよね〜 あとは教会をぶっ潰せばリリカちゃんとイチャイチャした新婚生活が……」
なにやらフィー姉さんは手を顎に当てながらの考え事のようです。なんだか背筋がぞくりとくるような悪寒を感じましたが気のせいと信じたいですね。
「うん、魔王を倒した英雄の一行ともなればよりよい研究施設に移れるかもしれませんね」
ゼィハのほうめたいつの間にか恐怖状態から抜け出しており、今後訪れる予定の栄光を妄想しているようです。
ヴァンは無言です。というかもとから無口ですからね。
『それでリリカはそこのやつとどんな契約をした? 今からしようとしてるのはなんなの?』
唯一、私とアルとの話を聞いていたくーちゃんだけが質問をしてきます。
その質問でこの場にいる私とアル以外の顏に「契約?」というような疑問の表情を浮かべ始めます。
「アルとの契約ではありますが私もこれは楽しみなんですよね」
『リリカ?』
「大丈夫、ちゃんと答えますよ」
咎めるようなくーちゃんの視線に私は肩をすくめながら答えます。
本当に変なところできっちりとしている契約精霊です。
「ちゃんと答えますよ。私が今からしようとしていることをね」
全員に私が見えるように移動し、私は口を開きます。
そして両手に収まっていた魔ノ華と白ノ華の刃を交差さし、魔力を流します。すると二振りの魔剣は刀身を歪めながら徐々に混ざり合い、やがて一振りの剣へと姿を変えます。ただし、その剣には刀身が存在せず、柄だけの剣ですが。
柄だけとなったまだ名前もない魔剣と呼んでいいのかわからない武器を軽く振るいながら私は具合を確かめます。
「リリカ?」
「リリカちゃん?」
質問に答えずに武器の感触を確かめていた私に疑問を持ったのかカズヤとフィー姉さんが声をかけてきます。
「私は今からアルとの契約を果たします。その契約内容は……」
手にしていた名もなき魔剣を頭上に掲げ、そこに私の魔力を流し込んでいきます。その魔力を受け、脈打つように魔剣が震えます。
その魔剣の反応に満足した私は笑みを浮かべて顔だけを皆に向けます。
「魔界に通じる穴を開けることです」
殺気を乗せた視線をアルガンテロア、あえて愛称で呼んで向けますがそんなものはまるで感じないかのようにアルガンテロアはクルクルとスカート翻しながら楽しげに回り続けます。
「ようやく親しげに呼んでくれたねリリカ。そう、これが自称魔王であったシェリー流にいうのであれば最後のイベントといったところかな?」
「リリカ、魔王は? 倒したのか?」
カズヤがボロボロの剣を杖代わりにしながら立ち上がり、周りを見渡しながら私に尋ねてきます。
「ええ、魔王(自称)シェリーは消しとばしましたよ」
「おお! ということはこれで俺のハーレム計画が動き出すわけだな!」
なんであなたが倒したわけでもないのにあなたのハーレム計画が動き出すんですか。というかそんな物のために魔王を倒そうとしていたことに驚きです。ま、倒れたというか消えたのは自称魔王なわけなんですがね。
「これで世界に平和が訪れます。主に感謝します」
どこかズレたような発言をしているのはクク。恐怖状態から抜け出したのか手を合わせ目尻に涙をうかべながら遠い目、というか神に祈りを捧げているのでしょう。外ではまた戦闘が継続しているんですがそれにはまだ気づいていないようですね。
「魔王が倒れたのであればこれで邪魔な障害はなくなったのよね〜 あとは教会をぶっ潰せばリリカちゃんとイチャイチャした新婚生活が……」
なにやらフィー姉さんは手を顎に当てながらの考え事のようです。なんだか背筋がぞくりとくるような悪寒を感じましたが気のせいと信じたいですね。
「うん、魔王を倒した英雄の一行ともなればよりよい研究施設に移れるかもしれませんね」
ゼィハのほうめたいつの間にか恐怖状態から抜け出しており、今後訪れる予定の栄光を妄想しているようです。
ヴァンは無言です。というかもとから無口ですからね。
『それでリリカはそこのやつとどんな契約をした? 今からしようとしてるのはなんなの?』
唯一、私とアルとの話を聞いていたくーちゃんだけが質問をしてきます。
その質問でこの場にいる私とアル以外の顏に「契約?」というような疑問の表情を浮かべ始めます。
「アルとの契約ではありますが私もこれは楽しみなんですよね」
『リリカ?』
「大丈夫、ちゃんと答えますよ」
咎めるようなくーちゃんの視線に私は肩をすくめながら答えます。
本当に変なところできっちりとしている契約精霊です。
「ちゃんと答えますよ。私が今からしようとしていることをね」
全員に私が見えるように移動し、私は口を開きます。
そして両手に収まっていた魔ノ華と白ノ華の刃を交差さし、魔力を流します。すると二振りの魔剣は刀身を歪めながら徐々に混ざり合い、やがて一振りの剣へと姿を変えます。ただし、その剣には刀身が存在せず、柄だけの剣ですが。
柄だけとなったまだ名前もない魔剣と呼んでいいのかわからない武器を軽く振るいながら私は具合を確かめます。
「リリカ?」
「リリカちゃん?」
質問に答えずに武器の感触を確かめていた私に疑問を持ったのかカズヤとフィー姉さんが声をかけてきます。
「私は今からアルとの契約を果たします。その契約内容は……」
手にしていた名もなき魔剣を頭上に掲げ、そこに私の魔力を流し込んでいきます。その魔力を受け、脈打つように魔剣が震えます。
その魔剣の反応に満足した私は笑みを浮かべて顔だけを皆に向けます。
「魔界に通じる穴を開けることです」
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