エルフさんが通ります
死ぬ気で戦ってきなさい
「はっはっはっは、見てください、人がゴミのようです」
『完璧に悪役のセリフだよね』
空を舞うオリハルドラゴンの上から私は血の香りがいたるとこから漂う戦場を見下ろします。
「でもモンスター以外も焼いてるけどいいのかしらぁ?」
非難するようなことを言ってくるフィー姉さんですが顔が笑っています。後ろに控えるヴァンとククはなんとも複雑な表情を浮かべています。
オリハルドラゴンが放つ炎弾がモンスターも人間も亜人もアリエルも関係なく焼き尽くして生きます。
「私、差別はしない主義なんです」
「さすがリリカちゃんだわ!」
「あの、胸を頭に押し付けながら抱きついてくるのやめてくれません?」
頭に上に乗る二つの乳袋が重い!
私にも同じのがあるというのにこの重量差は一体なんなんでしょう!
「リリカさん、準備できましたよ」
「すっげぇな! ドラゴンからの景色は格別だぜ!」
三つの棺を魔法のカバンから取り出したゼィハには頷き、お気楽な発言をしているカズヤを睨みつます。
「ならば手はず通りです。すでにシャチクは戦場に投下済みですし、残り三体もやりますよ。カズヤ」
「なんだよ」
「お気楽に戦場観察はもう終わりです。まずはあの上に浮かぶ城を叩き潰しますよ」
腰のぽちを引き抜き、魔力を流し魔ノ華へと変化さすと頭上へと大きく振り上げます。魔ノ華が黒々とした魔力を放出し紅い刃を黒く染めていきます。
「そうだな!」
カズヤも頷くと私と同じように聖剣を引き抜くと私同様な魔力を込め、聖剣を眩く輝かしながら構えます。
「リリカビーム!」
「勇者ビィィィィム!」
黒と白の魔力の奔流が魔剣、聖剣から放たれます。それは真っ直ぐに魔王城へと突き進むとパタパタと動く羽へと直撃します。
「む、潰れませんね」
魔力を放出しながら潰れない羽を見て私は一人呟きます。
オリハル山で必死に羽を庇っていましたから弱点かと思いましたがそうではないのか、もしくは弱点をなくしたのかどちらかでしょう。
「なんか魔法的なバリアが張られてますね。魔力を弾いてますし」
「そうですか」
ならその魔力のバリアとやらを上回るほどの魔力をぶつけてやればいいんですね。
「魔華解放」
一瞬にして私の白い肌が褐色の肌へと変わり体のうちに満ちる魔力が増えます。
そしてそれを吐き出すようにして魔ノ華にさらに魔力を注ぎ込み、それをリリカビームとして放ち続けます。
それが数秒続くと羽へと迫っていた魔力の奔流が少しづつ押し込んでいっているような感触が伝わってきます。
「うらぁぁぁぁぁ!」
私が雄叫びをあげると何かが砕けたような感触が伝わり、続いて魔王城の羽がボンっと軽い音を立てながら吹き飛びました。すると片翼を失った魔王城はとをでいることが不可能になったのか徐々にバランスを崩し、高度を落としていきます。
「あ、意外とちょろかったですね」
「ゼェゼェゼェ……」
私は簡単に感じましたがどうやらカズヤには辛かったようで肩で息をしています。さすが勇者(笑)惰弱です。
「まあ、これで魔王城への道も地上の軍勢にもひらけたわけですね」
「まだモンスターやアリエル軍団がいますけど?」
「投下です」
魔華解放を解除し自分の肌が元の白い肌に戻るのを確認しながら尋ねてきたゼィハの質問に答え、さらにフィー姉さんに視線を送ります。
それに気づいたフィー姉さんはにっこりと微笑むと頷きます。
「と、投下します」
ゼィハが取り出し、置いていた棺を蹴り、戦場へと投下。さらにはフィー姉さんが笑顔で膝をつき、肩で息をしているカズヤに近づくと彼の手にしている聖剣を無造作に奪い取り、さらに鞘も奪うと自分の腰に吊るし、聖剣を収めてしまいました。
「フィーなにを……」
「カズヤ」
フィー姉さんに問うような目を向けていたカズヤへと声をかけ、魔法のカバンから取り出した普通の剣を抜き身のまま彼へと放り投げます。
「ちょっ⁉︎ 剣をそのまま投げるなよ!」
あたふたとしながらも剣を受け取ったカズヤに向かい、さらにゼィハが何かを投げます。
「これは?」
「お守りみたいなものですね。持っていた方がいいと忠告だけしておきます」
飛んできたものを片手で受け止めたカズヤの質問をゼィハは目線をそらしながら答えます。まるでこれから起こることから眼を逸らすかのようにして。
「さて、カズヤ。魔王城を落とし、さらには魔力のなくなったあなたに価値など微塵もありません。ですので」
私はにっこりと、カズヤにあってから彼に初めて見せるであろう満面の笑みを浮かべます。
「死ぬ気で戦ってきなさい」
「へ? げびるぅ⁉︎」
間抜けな声を出しているカズヤでしたが私は容赦なく、今までの恨みやなにやらを全てを込めて蹴り上げます。体がくの字に曲がるほどの衝撃を受けたカズヤはいろいろと吐き出しながら結構な高さから地面に向かい落下していきます。
「今までのイラつきはこれでチャラにしてあげます」
「リリカちゃん素敵に外道だわぁ」
『ねえ、実は魔王とかじゃないよね?』
「さあ、魔王城に突撃ですよ! 三ヶ月前の借りを倍にして倍にして倍にして返してやるんですから!」
落ちていくカズヤを見送ることなく魔ノ華の切っ先を大地に堕ちゆく魔王城へと向けます。
さぁ、復讐です。
『完璧に悪役のセリフだよね』
空を舞うオリハルドラゴンの上から私は血の香りがいたるとこから漂う戦場を見下ろします。
「でもモンスター以外も焼いてるけどいいのかしらぁ?」
非難するようなことを言ってくるフィー姉さんですが顔が笑っています。後ろに控えるヴァンとククはなんとも複雑な表情を浮かべています。
オリハルドラゴンが放つ炎弾がモンスターも人間も亜人もアリエルも関係なく焼き尽くして生きます。
「私、差別はしない主義なんです」
「さすがリリカちゃんだわ!」
「あの、胸を頭に押し付けながら抱きついてくるのやめてくれません?」
頭に上に乗る二つの乳袋が重い!
私にも同じのがあるというのにこの重量差は一体なんなんでしょう!
「リリカさん、準備できましたよ」
「すっげぇな! ドラゴンからの景色は格別だぜ!」
三つの棺を魔法のカバンから取り出したゼィハには頷き、お気楽な発言をしているカズヤを睨みつます。
「ならば手はず通りです。すでにシャチクは戦場に投下済みですし、残り三体もやりますよ。カズヤ」
「なんだよ」
「お気楽に戦場観察はもう終わりです。まずはあの上に浮かぶ城を叩き潰しますよ」
腰のぽちを引き抜き、魔力を流し魔ノ華へと変化さすと頭上へと大きく振り上げます。魔ノ華が黒々とした魔力を放出し紅い刃を黒く染めていきます。
「そうだな!」
カズヤも頷くと私と同じように聖剣を引き抜くと私同様な魔力を込め、聖剣を眩く輝かしながら構えます。
「リリカビーム!」
「勇者ビィィィィム!」
黒と白の魔力の奔流が魔剣、聖剣から放たれます。それは真っ直ぐに魔王城へと突き進むとパタパタと動く羽へと直撃します。
「む、潰れませんね」
魔力を放出しながら潰れない羽を見て私は一人呟きます。
オリハル山で必死に羽を庇っていましたから弱点かと思いましたがそうではないのか、もしくは弱点をなくしたのかどちらかでしょう。
「なんか魔法的なバリアが張られてますね。魔力を弾いてますし」
「そうですか」
ならその魔力のバリアとやらを上回るほどの魔力をぶつけてやればいいんですね。
「魔華解放」
一瞬にして私の白い肌が褐色の肌へと変わり体のうちに満ちる魔力が増えます。
そしてそれを吐き出すようにして魔ノ華にさらに魔力を注ぎ込み、それをリリカビームとして放ち続けます。
それが数秒続くと羽へと迫っていた魔力の奔流が少しづつ押し込んでいっているような感触が伝わってきます。
「うらぁぁぁぁぁ!」
私が雄叫びをあげると何かが砕けたような感触が伝わり、続いて魔王城の羽がボンっと軽い音を立てながら吹き飛びました。すると片翼を失った魔王城はとをでいることが不可能になったのか徐々にバランスを崩し、高度を落としていきます。
「あ、意外とちょろかったですね」
「ゼェゼェゼェ……」
私は簡単に感じましたがどうやらカズヤには辛かったようで肩で息をしています。さすが勇者(笑)惰弱です。
「まあ、これで魔王城への道も地上の軍勢にもひらけたわけですね」
「まだモンスターやアリエル軍団がいますけど?」
「投下です」
魔華解放を解除し自分の肌が元の白い肌に戻るのを確認しながら尋ねてきたゼィハの質問に答え、さらにフィー姉さんに視線を送ります。
それに気づいたフィー姉さんはにっこりと微笑むと頷きます。
「と、投下します」
ゼィハが取り出し、置いていた棺を蹴り、戦場へと投下。さらにはフィー姉さんが笑顔で膝をつき、肩で息をしているカズヤに近づくと彼の手にしている聖剣を無造作に奪い取り、さらに鞘も奪うと自分の腰に吊るし、聖剣を収めてしまいました。
「フィーなにを……」
「カズヤ」
フィー姉さんに問うような目を向けていたカズヤへと声をかけ、魔法のカバンから取り出した普通の剣を抜き身のまま彼へと放り投げます。
「ちょっ⁉︎ 剣をそのまま投げるなよ!」
あたふたとしながらも剣を受け取ったカズヤに向かい、さらにゼィハが何かを投げます。
「これは?」
「お守りみたいなものですね。持っていた方がいいと忠告だけしておきます」
飛んできたものを片手で受け止めたカズヤの質問をゼィハは目線をそらしながら答えます。まるでこれから起こることから眼を逸らすかのようにして。
「さて、カズヤ。魔王城を落とし、さらには魔力のなくなったあなたに価値など微塵もありません。ですので」
私はにっこりと、カズヤにあってから彼に初めて見せるであろう満面の笑みを浮かべます。
「死ぬ気で戦ってきなさい」
「へ? げびるぅ⁉︎」
間抜けな声を出しているカズヤでしたが私は容赦なく、今までの恨みやなにやらを全てを込めて蹴り上げます。体がくの字に曲がるほどの衝撃を受けたカズヤはいろいろと吐き出しながら結構な高さから地面に向かい落下していきます。
「今までのイラつきはこれでチャラにしてあげます」
「リリカちゃん素敵に外道だわぁ」
『ねえ、実は魔王とかじゃないよね?』
「さあ、魔王城に突撃ですよ! 三ヶ月前の借りを倍にして倍にして倍にして返してやるんですから!」
落ちていくカズヤを見送ることなく魔ノ華の切っ先を大地に堕ちゆく魔王城へと向けます。
さぁ、復讐です。
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