エルフさんが通ります
リンゴおいしぃ
「これはどういうことですかね?」
私を取り囲むようにして姿を増やしていくアリエルに警戒しながらシェリーに尋ねます。
どうやらフィー姉さん達の方にもまた大量のアリエルが姿を現したようでヴァンとククもフィー姉さんと背中を合わせるようにして周囲を警戒していました。
「ふふふ、驚きました? これらは全てアリエルなんですよ」
楽しそうに腹を抱えてシェリーは笑います。やたらと上機嫌なのは自分が優位に立っていることを理解しているからでしょうね。
そしてエルフの里でもそうでしたが総じてこういった輩は物事が自分の予想通りになるとお喋りになるものです。
「これが黒薔薇の誇る人造古代魔導具の結晶こそがアリエルなんですわ」
「アリエルが人造古代魔導具?」
「人工的に造られた強化魔族といったところですわ」
ただでさえ強い魔族が強化されてるとか、それって人間とかにとったらただの悪夢ですよね。
しかし、それならばあの異常なまでの魔力防御や速度なども納得できるというものです。だって自然に作られたものではないんですから。
「シャチク、ゼィハを探してきてください」
「ハイヨロコンデ」
今回は素直に言うことを聞きました。
さすがにこの場がやばいと言うのが本能でわかったのかもしれませんね。
「で、ここまで来たらシェリー、あなたの目的を聞かせてもらえるんですよね?」
「あらリリカさん、黒薔薇の目的は魔王復活の妨害ですわよ?」
「それは黒薔薇の目的でしょう? それも私が入ってから決めたものでしょ?」
黒薔薇の目的は魔王復活の妨害。
これは聞きました。
ですがこれはあくまで黒薔薇の目的であってシェリーの目的ではないんですよね。
「ふふ、気づいてましたか?」
悪戯がバレたかのようにお茶目な感じでシェリーは微笑みを浮かべこちらをみて来ます。
「だからこそ知りたいんですよ、あなたの目的をね」
私が欲しいのは刺激なんですからね。そのために森を出たわけなんですからね。
そしてシェリーとは共犯者。仲間ではありません。
ですから、
「あなたの夢を聞かせてください」
魔ノ華の切っ先をアリエルの壁の奥にいるシェリーへと向け宣言します。
「ふ、ふふふ、アハハハハハハハハハハハハ!」
急に壊れたみたいに笑い始めましたが大丈夫でしょうか?
『こ、壊れた?』
同じ感想をくーちゃんも思ったようですね。ですが私に言わせればこいつは前から壊れているように見えましたがね。
「ああ、本当に誘ったかいがあったというものですわ。アリエル!」
「はい、お嬢様」
シェリーの声に周りを取り囲むアリエルが一斉に返事をし、シェリーへと振り返ります。この光景はなかなかに気持ちの悪いものですね。
「あっちにいるリリカさんのお姉さまをこちらに近づけないようにしなさい」
「わかりました」
全員が一斉に返事をするとそれぞれが武器を手にしたまま跳躍。フィー姉さん達の方へと向かっていきます。
「えーこっちにくるのぉ?」
「姉御、やばい」
「あわわわわわ!」
ふざけたような声を上げながらもフィー姉さん達は即座に戦闘態勢をとり襲い来るアリエル軍団へ迎撃を開始していきます。
「さて、これでしばらくはあちらはこちらの話を聞く余裕はないでしょう」
シェリーが笑いながら私へと向かい歩いて来ます。
そう無邪気に笑うシェリー顔を見て私はゾッとします。
そこに一切の罪悪感や後悔といったものが浮かんでいなかったかです。
「なにかを壊すのが目的なんですか?」
「正解でもあり不正解でもありますわ」
私の周り歩き、微笑みながら否定して来ます。
「私が壊したいものはあります。ですがそれは者であって物ではありませわ」
「ふーん」
謎かけをかけるようにそんなことを言って来ますが生憎と私は謎かけには興味はありません。知りたいのはシェリーの目的なんですから。
そんな私の答える気がないのが伝わったのか退屈げに唇を尖らせてきます。
「ノリが悪いですわリリカさん。せっかく悪党が目的をバラそうとしているんですからそこはもっと食いついてくれないと」
「な、なんだってー」
「棒読みすぎますわ!」
どうやら望んだリアクションではなかったようです。
「私の目的はですね……」
「あ、もう言うんですか?」
「あなたが真面目に聞く気がないからですわ⁉︎」
なんとなく長くなりそうだったから魔法のカバンからお茶を取り出したのがなにか不味かったでしょうか? それとも小腹も空いたのでお菓子も出そうことのほうがダメでしたかね?
『マイペースすぎる!』
「くーちゃん、人は飢えには勝てないのです」
『だからって人の話はちゃんと聞かないとだめなんだよ!』
「リンゴ食べます?」
『たべるぅぅ!』
「だから! 私の目的の話です!」
「そんなに怒らないでシェリーもリンゴ食べます?」
「話を聞きなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」
リンゴおいしぃ。
私を取り囲むようにして姿を増やしていくアリエルに警戒しながらシェリーに尋ねます。
どうやらフィー姉さん達の方にもまた大量のアリエルが姿を現したようでヴァンとククもフィー姉さんと背中を合わせるようにして周囲を警戒していました。
「ふふふ、驚きました? これらは全てアリエルなんですよ」
楽しそうに腹を抱えてシェリーは笑います。やたらと上機嫌なのは自分が優位に立っていることを理解しているからでしょうね。
そしてエルフの里でもそうでしたが総じてこういった輩は物事が自分の予想通りになるとお喋りになるものです。
「これが黒薔薇の誇る人造古代魔導具の結晶こそがアリエルなんですわ」
「アリエルが人造古代魔導具?」
「人工的に造られた強化魔族といったところですわ」
ただでさえ強い魔族が強化されてるとか、それって人間とかにとったらただの悪夢ですよね。
しかし、それならばあの異常なまでの魔力防御や速度なども納得できるというものです。だって自然に作られたものではないんですから。
「シャチク、ゼィハを探してきてください」
「ハイヨロコンデ」
今回は素直に言うことを聞きました。
さすがにこの場がやばいと言うのが本能でわかったのかもしれませんね。
「で、ここまで来たらシェリー、あなたの目的を聞かせてもらえるんですよね?」
「あらリリカさん、黒薔薇の目的は魔王復活の妨害ですわよ?」
「それは黒薔薇の目的でしょう? それも私が入ってから決めたものでしょ?」
黒薔薇の目的は魔王復活の妨害。
これは聞きました。
ですがこれはあくまで黒薔薇の目的であってシェリーの目的ではないんですよね。
「ふふ、気づいてましたか?」
悪戯がバレたかのようにお茶目な感じでシェリーは微笑みを浮かべこちらをみて来ます。
「だからこそ知りたいんですよ、あなたの目的をね」
私が欲しいのは刺激なんですからね。そのために森を出たわけなんですからね。
そしてシェリーとは共犯者。仲間ではありません。
ですから、
「あなたの夢を聞かせてください」
魔ノ華の切っ先をアリエルの壁の奥にいるシェリーへと向け宣言します。
「ふ、ふふふ、アハハハハハハハハハハハハ!」
急に壊れたみたいに笑い始めましたが大丈夫でしょうか?
『こ、壊れた?』
同じ感想をくーちゃんも思ったようですね。ですが私に言わせればこいつは前から壊れているように見えましたがね。
「ああ、本当に誘ったかいがあったというものですわ。アリエル!」
「はい、お嬢様」
シェリーの声に周りを取り囲むアリエルが一斉に返事をし、シェリーへと振り返ります。この光景はなかなかに気持ちの悪いものですね。
「あっちにいるリリカさんのお姉さまをこちらに近づけないようにしなさい」
「わかりました」
全員が一斉に返事をするとそれぞれが武器を手にしたまま跳躍。フィー姉さん達の方へと向かっていきます。
「えーこっちにくるのぉ?」
「姉御、やばい」
「あわわわわわ!」
ふざけたような声を上げながらもフィー姉さん達は即座に戦闘態勢をとり襲い来るアリエル軍団へ迎撃を開始していきます。
「さて、これでしばらくはあちらはこちらの話を聞く余裕はないでしょう」
シェリーが笑いながら私へと向かい歩いて来ます。
そう無邪気に笑うシェリー顔を見て私はゾッとします。
そこに一切の罪悪感や後悔といったものが浮かんでいなかったかです。
「なにかを壊すのが目的なんですか?」
「正解でもあり不正解でもありますわ」
私の周り歩き、微笑みながら否定して来ます。
「私が壊したいものはあります。ですがそれは者であって物ではありませわ」
「ふーん」
謎かけをかけるようにそんなことを言って来ますが生憎と私は謎かけには興味はありません。知りたいのはシェリーの目的なんですから。
そんな私の答える気がないのが伝わったのか退屈げに唇を尖らせてきます。
「ノリが悪いですわリリカさん。せっかく悪党が目的をバラそうとしているんですからそこはもっと食いついてくれないと」
「な、なんだってー」
「棒読みすぎますわ!」
どうやら望んだリアクションではなかったようです。
「私の目的はですね……」
「あ、もう言うんですか?」
「あなたが真面目に聞く気がないからですわ⁉︎」
なんとなく長くなりそうだったから魔法のカバンからお茶を取り出したのがなにか不味かったでしょうか? それとも小腹も空いたのでお菓子も出そうことのほうがダメでしたかね?
『マイペースすぎる!』
「くーちゃん、人は飢えには勝てないのです」
『だからって人の話はちゃんと聞かないとだめなんだよ!』
「リンゴ食べます?」
『たべるぅぅ!』
「だから! 私の目的の話です!」
「そんなに怒らないでシェリーもリンゴ食べます?」
「話を聞きなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」
リンゴおいしぃ。
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