エルフさんが通ります
ですよねー
「あらリリカさん、おひさしぶりね。というほどでもありませんか」
「そうですね」
血を頭から被ったかのように真っ赤なドレスを着たシェリーがにこやかに親しげな笑みを私に向けてきます。
「リリカさん、あなたはいいものをお持ちなんですわね」
「なんのことです?」
舌舐めずりをしながらなぜか羨ましそうにしながらそんな呟きをしてきますが何を言ってるかわかりません。
「あら、おとぼけになりますの? 魔の欠片のことですわ」
また表情を一転さし、今度は高揚したかのように顔が赤くなります。
「これほどの力があれば楽しいことが幾らできますわよね」
シェリーの体からは湯気のように魔力を体から立ち上がっています。魔力が爆発的に増えたんでしょうか?
「それはよかったですね。それで周りに転がっている四天王のみなさんは? 首がないようですが死んでるんですか?」
『え、あ! ほんとだ! 首がない!』
私がしたのはオリハルドラゴンを攻撃する余波で吹き飛ばしただけでしたからね。決して殺してはいないかったんですがね。今、私の目の前にあるのは首なしの死体が三つ転がっていますからね。
「勇者は殺さなかったんですね」
「ええ、リリカさんが自分の手で殺したいかと思ったので」
気が利きますね。しかし、本当のところは違うんでしょうね。だってフィー姉さんが闘気を纏って笑みを浮かべています。もう、存在自体が脅威の塊です。
ヴァンも見たことないナイフのようなものを構えてます。どんな効果があるかわかりません。故に脅威です。
その後ろにはククがマジックポーションをがぶ飲みしていますからね。どんな魔法が飛び出してくるかわかりません、これも脅威です。
そんな危険度の高い三人がもう死にかけと言わんばかりのカズヤの前にいるわけですからトドメをさせるわけありませんよね。
「遠慮は入りません。勇者をやっちゃっていいですよ」
「ちょ! リリカさん⁉︎ 後ろからグイグイと押さないでくださる⁉︎」
行きたがらないシェリーの背中を魔力で全身を強化して押しますがシェリーも魔力で強化しているのか全く進みません。
「あなたのお姉さまなんでしょう⁉︎ リリカさんが説得なされぼいいんじゃないんですの⁉︎」
「あいにく我が姉は話し合いよりも先に手が出るタイプゥゥゥ!」
言葉を発している最中、フィー姉さんが無造作にふるった拳から人の頭ほどの大きさの闘気らしきものが放たれ、こちらに迫ってきたため渾身の魔力を込め、シェリーを飛んでくる闘気の方へと突き飛ばします。
「えっ⁉︎」
瞬間的に魔力を全開にしたせいか容易く吹き飛ばされたシェリーが間抜けな声を上げ、
「お嬢様⁉︎」
突き飛ばされたシェリーを追うようにしてアリエルが手を伸ばしますが、その手がシェリーを掴む前にフィー姉さんの放った闘気が意外と容赦なくシェリーの顔面にぶち当たり、グシャリと潰れるような音が鳴り、笑える顔になりながら吹っ飛んで行きました。
「フィー姉さん、容赦ないですね」
「あら〜 今のは牽制用よ?」
『け、牽制でシェリーの顏変わってるの?』
牽制で放った魔力で人の顔を変えるほどの威力を出すなんて姉さんくらいです!
くーちゃんが言うように魔の欠片を手にし、強化したシェリーでしたが闘気を喰らった瞬間は明らかにダメージ入ってましたからね。
当のシェリーはというと一際大きな鉱石の塊に向け吹き飛ばされたのかその中に埋まっているようです。うめき声が聞こえてきますので生きてはいるのでしょう。
「きさまぁ!」
怒りで全身に魔力を滾らせながらアリエルがフィー姉さんを射殺さんと言わんばかりに睨みつけ、腰の白ノ華を引き抜き、構えると一気に疾走。瞬く間にフィー姉さんとの距離を詰めていきます。
「させない」
しかし、その疾走はアリエルとフィー姉さんの間に入ったヴァンが振るったナイフにより遮られます。影から現れたかのように気配なく姿を現したヴァンにアリエルが驚いたような表情を浮かべ、的確に急所を狙ってきた刺突を速度を緩め、白ノ華で軌道を逸らすことで回避します。
「ほーら、動きが止まったわよぉ〜」
間延びした声を出しながらもフィー姉さんが跳躍。先ほどシェリーにぶつけた闘気よりもまばゆい光を放つ闘気を拳に纏い、拳打をアリエルに向かい振るってます。フィー姉さんの拳が動くたびにアリエルも白ノ華を動かしていますが、その度に周りの地形が変わっていきます。
ヴァンはというと巻き込まれないようにするためかいち早く離脱しています。危機感知能力が高いものです。
「ヴァンも強いんですねぇ」
『のほほんと見てるけどリリカはどっちの味方なの?』
「そうですねぇ」
今目の前で行われている人外の戦いを見ながら腕を組み考えます。
「ここはどちらにも手出しせずに逃げるというのはどうでしょう?」
『無理じゃないかなぁ』
ですよねー
「そうですね」
血を頭から被ったかのように真っ赤なドレスを着たシェリーがにこやかに親しげな笑みを私に向けてきます。
「リリカさん、あなたはいいものをお持ちなんですわね」
「なんのことです?」
舌舐めずりをしながらなぜか羨ましそうにしながらそんな呟きをしてきますが何を言ってるかわかりません。
「あら、おとぼけになりますの? 魔の欠片のことですわ」
また表情を一転さし、今度は高揚したかのように顔が赤くなります。
「これほどの力があれば楽しいことが幾らできますわよね」
シェリーの体からは湯気のように魔力を体から立ち上がっています。魔力が爆発的に増えたんでしょうか?
「それはよかったですね。それで周りに転がっている四天王のみなさんは? 首がないようですが死んでるんですか?」
『え、あ! ほんとだ! 首がない!』
私がしたのはオリハルドラゴンを攻撃する余波で吹き飛ばしただけでしたからね。決して殺してはいないかったんですがね。今、私の目の前にあるのは首なしの死体が三つ転がっていますからね。
「勇者は殺さなかったんですね」
「ええ、リリカさんが自分の手で殺したいかと思ったので」
気が利きますね。しかし、本当のところは違うんでしょうね。だってフィー姉さんが闘気を纏って笑みを浮かべています。もう、存在自体が脅威の塊です。
ヴァンも見たことないナイフのようなものを構えてます。どんな効果があるかわかりません。故に脅威です。
その後ろにはククがマジックポーションをがぶ飲みしていますからね。どんな魔法が飛び出してくるかわかりません、これも脅威です。
そんな危険度の高い三人がもう死にかけと言わんばかりのカズヤの前にいるわけですからトドメをさせるわけありませんよね。
「遠慮は入りません。勇者をやっちゃっていいですよ」
「ちょ! リリカさん⁉︎ 後ろからグイグイと押さないでくださる⁉︎」
行きたがらないシェリーの背中を魔力で全身を強化して押しますがシェリーも魔力で強化しているのか全く進みません。
「あなたのお姉さまなんでしょう⁉︎ リリカさんが説得なされぼいいんじゃないんですの⁉︎」
「あいにく我が姉は話し合いよりも先に手が出るタイプゥゥゥ!」
言葉を発している最中、フィー姉さんが無造作にふるった拳から人の頭ほどの大きさの闘気らしきものが放たれ、こちらに迫ってきたため渾身の魔力を込め、シェリーを飛んでくる闘気の方へと突き飛ばします。
「えっ⁉︎」
瞬間的に魔力を全開にしたせいか容易く吹き飛ばされたシェリーが間抜けな声を上げ、
「お嬢様⁉︎」
突き飛ばされたシェリーを追うようにしてアリエルが手を伸ばしますが、その手がシェリーを掴む前にフィー姉さんの放った闘気が意外と容赦なくシェリーの顔面にぶち当たり、グシャリと潰れるような音が鳴り、笑える顔になりながら吹っ飛んで行きました。
「フィー姉さん、容赦ないですね」
「あら〜 今のは牽制用よ?」
『け、牽制でシェリーの顏変わってるの?』
牽制で放った魔力で人の顔を変えるほどの威力を出すなんて姉さんくらいです!
くーちゃんが言うように魔の欠片を手にし、強化したシェリーでしたが闘気を喰らった瞬間は明らかにダメージ入ってましたからね。
当のシェリーはというと一際大きな鉱石の塊に向け吹き飛ばされたのかその中に埋まっているようです。うめき声が聞こえてきますので生きてはいるのでしょう。
「きさまぁ!」
怒りで全身に魔力を滾らせながらアリエルがフィー姉さんを射殺さんと言わんばかりに睨みつけ、腰の白ノ華を引き抜き、構えると一気に疾走。瞬く間にフィー姉さんとの距離を詰めていきます。
「させない」
しかし、その疾走はアリエルとフィー姉さんの間に入ったヴァンが振るったナイフにより遮られます。影から現れたかのように気配なく姿を現したヴァンにアリエルが驚いたような表情を浮かべ、的確に急所を狙ってきた刺突を速度を緩め、白ノ華で軌道を逸らすことで回避します。
「ほーら、動きが止まったわよぉ〜」
間延びした声を出しながらもフィー姉さんが跳躍。先ほどシェリーにぶつけた闘気よりもまばゆい光を放つ闘気を拳に纏い、拳打をアリエルに向かい振るってます。フィー姉さんの拳が動くたびにアリエルも白ノ華を動かしていますが、その度に周りの地形が変わっていきます。
ヴァンはというと巻き込まれないようにするためかいち早く離脱しています。危機感知能力が高いものです。
「ヴァンも強いんですねぇ」
『のほほんと見てるけどリリカはどっちの味方なの?』
「そうですねぇ」
今目の前で行われている人外の戦いを見ながら腕を組み考えます。
「ここはどちらにも手出しせずに逃げるというのはどうでしょう?」
『無理じゃないかなぁ』
ですよねー
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