エルフさんが通ります
よし! 狙い通りです
じっくりと三時間ほどかけて朝食をとった私達三人は爆音が轟くオリハル山を駆けます。
本来ならゆっくりと歩いて行こうかと思ったのですが勇者たちの位置を再び探るべく探知魔法を使ったところ生き物の反応が増えていたからです。
勇者たちのパーティはカズヤ、フィー姉さん、ヴァン、ククの四人でした。これは昨日も確認しましたから確実なんですが、どうもさっき使った探知魔法では十ほど反応が増えていました。
『野生の動物とか?』
「ありえなくはありませんが、こんな食べるものを探すのも苦労しそうな場所にいるとは思えません」
昨日確認した段階では勇者たち以外は虫くらいしか確認できませんでしたし、なによりがこんな鉱物だらけの場所に巣を作る魔物なんているんでしょうかね。
「となると盗掘団でしょうかね」
「とうくつだん?」
同じように私の横を苦もなく駆けているゼィハの出した言葉に私は疑問符を浮かべます。
「鉱山などから鉱石を奪う者のことです。このオリハル山は頂上に近いほど質のいい鉱石がとれ…… あぁ⁉︎ あれは珍しい鉱石!」
話している最中に突然しゃがみこんだゼィハはなにやら鉱物を採取したりしています。最近は被害者によくなっているので忘れがちでしたが彼女の本質は研究する側なんですよね。そのわりにはやたらと戦闘力があったりしますが。
「しかし、ゼィハの言うとうくつだんとやらがなんで勇者と争っているんです?」
『シャチクと勇者が戦っているところにばったり遭遇したとか?』
なるほど。と言いたいところですがそれは無理がありますね。普通の人間ならあんなわけのわからない魔力の塊が爆発する場所に行きたいと思えませんし。
「どちらにしろ行って見なければわからないのでは?」
「そうですね」
両手で抱えるほどの色とりどりに輝く鉱石を満面の笑みで持ったゼィハの言う通り見て見ないことにはわかりようのない状況ですしね。
「さらに速度をあげますよ」
『はーい』
くーちゃんから施される魔力と私自身の増えた魔力を混ぜ合わせた魔力を脚に集中さした私は脚を踏み出す瞬間にゼィハの服の首元を掴みます。
「ぐえっ」
首がしまったのか苦悶の声をゼィハがあげます。チラッと彼女の方を見ると苦しそうな顔をしながら手にしていた鉱物を自身の魔法のカバンへと放り込んでいるところでした。なかなかに逞しいです。それを確認した私は魔力の塊と化した脚で大地を蹴りつけます。
『うぴゃぁ!』
「げぶふぅっ!」
爆発的な加速を見せた私の体に引っ張られるかのようにして加速したくーちゃんとゼィハが声を漏らします。
『速い速い!』
「ゆゆゆゆゆれれれれれるぅぅぅぅぅぅ!」
興奮したような声を上げるくーちゃんでしたが大してゼィハはというと顔を真っ青にしながら何かをこらえているような表情です。
周囲の景色がすごい勢いで横へと流れて行きますか特に変わり映えはなく鉱石の塊がそこらにある程度です。しかし、途中から明らかに自然ではない削れ方をしている鉱石や地面が目につき始めます。
「近いですね」
耳に入る音も風の音だけではなく爆音も入るようになってきました。
それになんだが周囲に魔力が満ちてきているような気がしますがこれは一体なんなんでしょう?
『リリカ! 前! 前ミテェ!』
思案していたところにくーちゃんの言葉が耳に入ります。ハッとした私が前を見るといくつもの眩しいばかりの魔力の光弾がいくつもこちらに飛来してきていました。
「よっ!」
迫る光弾は三つ。
その一つは飛んで躱し、さらに空中で体を捻ることで二つ目を回避します。
『三つ目がくるよ!』
言われるまでもなく時間差でこちらに飛んできていることがわかっていますがこれ以上は体を捻ることはできません。ですから私は手にしていた物を勢いよく光弾に向かいふるいます。
「とりゃぁぁぁぁぁ!」
振り抜いたものは寸分狂わずに光弾へと直撃し霧散さします。
「よし! 狙い通りです!」
空中で姿勢をなんとか保ちながら落下し、落下の衝撃を抑えるべく体を回転さし砂埃を上げながら私は着地します。
『……なに振ったの?』
「ん? これです」
強張った声で聞いてきたくーちゃんに見えるように私は光弾にぶつけたたものを見えるようにします。
私が掲げたのは光弾が直撃した部分に穴が空きヘソが見え、口から血の混じった泡を吹き、白目を剥いたゼィハでした。
「が、あふ……」
気絶しているゼィハが言葉にならない声をあげた瞬間。
『ゼィハァァァァァァァァ⁉︎』
くーちゃんの口から飛び出した絶叫がオリハル山中に響きました。
本来ならゆっくりと歩いて行こうかと思ったのですが勇者たちの位置を再び探るべく探知魔法を使ったところ生き物の反応が増えていたからです。
勇者たちのパーティはカズヤ、フィー姉さん、ヴァン、ククの四人でした。これは昨日も確認しましたから確実なんですが、どうもさっき使った探知魔法では十ほど反応が増えていました。
『野生の動物とか?』
「ありえなくはありませんが、こんな食べるものを探すのも苦労しそうな場所にいるとは思えません」
昨日確認した段階では勇者たち以外は虫くらいしか確認できませんでしたし、なによりがこんな鉱物だらけの場所に巣を作る魔物なんているんでしょうかね。
「となると盗掘団でしょうかね」
「とうくつだん?」
同じように私の横を苦もなく駆けているゼィハの出した言葉に私は疑問符を浮かべます。
「鉱山などから鉱石を奪う者のことです。このオリハル山は頂上に近いほど質のいい鉱石がとれ…… あぁ⁉︎ あれは珍しい鉱石!」
話している最中に突然しゃがみこんだゼィハはなにやら鉱物を採取したりしています。最近は被害者によくなっているので忘れがちでしたが彼女の本質は研究する側なんですよね。そのわりにはやたらと戦闘力があったりしますが。
「しかし、ゼィハの言うとうくつだんとやらがなんで勇者と争っているんです?」
『シャチクと勇者が戦っているところにばったり遭遇したとか?』
なるほど。と言いたいところですがそれは無理がありますね。普通の人間ならあんなわけのわからない魔力の塊が爆発する場所に行きたいと思えませんし。
「どちらにしろ行って見なければわからないのでは?」
「そうですね」
両手で抱えるほどの色とりどりに輝く鉱石を満面の笑みで持ったゼィハの言う通り見て見ないことにはわかりようのない状況ですしね。
「さらに速度をあげますよ」
『はーい』
くーちゃんから施される魔力と私自身の増えた魔力を混ぜ合わせた魔力を脚に集中さした私は脚を踏み出す瞬間にゼィハの服の首元を掴みます。
「ぐえっ」
首がしまったのか苦悶の声をゼィハがあげます。チラッと彼女の方を見ると苦しそうな顔をしながら手にしていた鉱物を自身の魔法のカバンへと放り込んでいるところでした。なかなかに逞しいです。それを確認した私は魔力の塊と化した脚で大地を蹴りつけます。
『うぴゃぁ!』
「げぶふぅっ!」
爆発的な加速を見せた私の体に引っ張られるかのようにして加速したくーちゃんとゼィハが声を漏らします。
『速い速い!』
「ゆゆゆゆゆれれれれれるぅぅぅぅぅぅ!」
興奮したような声を上げるくーちゃんでしたが大してゼィハはというと顔を真っ青にしながら何かをこらえているような表情です。
周囲の景色がすごい勢いで横へと流れて行きますか特に変わり映えはなく鉱石の塊がそこらにある程度です。しかし、途中から明らかに自然ではない削れ方をしている鉱石や地面が目につき始めます。
「近いですね」
耳に入る音も風の音だけではなく爆音も入るようになってきました。
それになんだが周囲に魔力が満ちてきているような気がしますがこれは一体なんなんでしょう?
『リリカ! 前! 前ミテェ!』
思案していたところにくーちゃんの言葉が耳に入ります。ハッとした私が前を見るといくつもの眩しいばかりの魔力の光弾がいくつもこちらに飛来してきていました。
「よっ!」
迫る光弾は三つ。
その一つは飛んで躱し、さらに空中で体を捻ることで二つ目を回避します。
『三つ目がくるよ!』
言われるまでもなく時間差でこちらに飛んできていることがわかっていますがこれ以上は体を捻ることはできません。ですから私は手にしていた物を勢いよく光弾に向かいふるいます。
「とりゃぁぁぁぁぁ!」
振り抜いたものは寸分狂わずに光弾へと直撃し霧散さします。
「よし! 狙い通りです!」
空中で姿勢をなんとか保ちながら落下し、落下の衝撃を抑えるべく体を回転さし砂埃を上げながら私は着地します。
『……なに振ったの?』
「ん? これです」
強張った声で聞いてきたくーちゃんに見えるように私は光弾にぶつけたたものを見えるようにします。
私が掲げたのは光弾が直撃した部分に穴が空きヘソが見え、口から血の混じった泡を吹き、白目を剥いたゼィハでした。
「が、あふ……」
気絶しているゼィハが言葉にならない声をあげた瞬間。
『ゼィハァァァァァァァァ⁉︎』
くーちゃんの口から飛び出した絶叫がオリハル山中に響きました。
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