エルフさんが通ります
これから不眠不休で働かすという意味で
「なかなか立派なやつができましたね」
私の目の前に膝をついて頭を垂れる漆黒の騎士を見て私は満足げに告げます。
目の前の漆黒の騎士はデュラハンのはずですがしっかりと体に首が付いています。そこは首を手に持たれるとなんとなく違和感を感じたので魔力で無理やり首と体を繋げ合わせました。魔力が多いと色々できて大変便利なものです。ほら、手にしてた顔と目が合うとなんか嫌なのでね。
鎧はもともと着ていたので盾、剣は全て私が里から奪った呪いの武具へと変えたため今私の目の前にいるデュラハンは全身が呪いの装備であり、体も呪われたものという呪いの塊と化しています。
「完璧です」
『凄い呪いの量だよう…… 』
「禍々しすぎますよ」 
私がやりきった感を出している横で声色に恐怖や畏怖といったものをのせた声でぼやいている二人がいますが些細な問題でしょう。
「あとはこいつに名前をつければ私専用として使えます」
さて、どんな名前をつけましょう。
アーミラなんて名前は論外ですね。あれは豚の名前です。
せっかく作り直したわけですからきちんとしたものをつけて上げたいものです。
『どんな名前つけるんだろね』
「リリカさんのことです。どうせセンスのないよくわからない名前をつけるんでしょう」
後ろで声を潜めてヒソヒソと話しているようですが丸聞こえですよ。エルフの耳をバカにしてますよね? というさヒソヒソ話してるうちの一人はダークエルフなんですから私に声が聞こえていることくらいわかるはずです。わざと? わざとなんですか?
いや、深く考えるとろくなことはありません。ここは聞こえなかったかのようにするのが正解な気がしますね。
「くーちゃん、何かをいい名前はありませんか?」
『うーん、リンゴ?』
いや、それはあなたの好きなものでしょう?
「ゼィハはなにかありますか?」
「そうですね。ラブリーゼィハとかどうです?」
「死ねばいいのに」
「あたしへの当たりがすごくひどい⁉︎」
戯言ばかり言うからですよ。というか人にセンスがないとか言いながらゼィハのほうはセンスなんて欠片もないような名前ですからね?
となるとやはり私が名付けるしかないようですね。
「そうなるとどうしましょうかね」
私のセンスをばかにしている二人が唖然とする姿を見てやりたいところです。
「黒い鎧だからくーちゃん?」
『それわたしの名前だからね⁉︎』
「なに言ってるんですか? くーちゃんの名前はクーデルハイトナカトランバルティアでしょ?」
『まだその設定続いてるの⁉︎』
名前を設定だなんてなかなかに酷いことを言いますね。せっかく私が名前をつけたというのに。
「じゃあ、これから不眠不休で働かすという意味でシャチクで」
『なんとなく酷い意味にしか聞こえない!』
うん、いい名前ですね。さすがは古くから伝わる言葉です。
「いいですか、シャチク。おまえの返事はこれからは『ハイヨロコンデ』です。それ一択です」
『ハイヨロコンデ』
『黒い! なんかとんでもなく黒いよリリカ!』
頭を垂れながら私が教えた言葉を復唱するシャチクに満足げに笑みをうかべながら見やります。
「よし! シャチク! オリハル山まで雷纏う戦車を率いて勇者をぶっ殺しますよ!」
『ハイヨロコンデ!』
心なしか兜から見える赤い瞳が爛々と輝いているような気がします。やはりこいつも人を憎む亡霊の一体ですね。殺すのが楽しみなんでしょうね。
「わー、リリカさん本当でやる気ですよ」
『これは誰がかわいそうなのかわからなくなってきてるよね』
自分の命の危機ではありますがこれはこれで退屈はしないのかもしれません。
それにね。
「勇者を潰しとけばこれからはさらに楽になるでしょうし、ここは面倒でも殺ってやりますよ」
口元にニタァと歪めたままオリハル山の方を見上げます。
「そっちはオリハル山ではありませんがね」
『カッコつけたのにププ』
『ハイヨロコンデ』
……どっちか教えてください
私の目の前に膝をついて頭を垂れる漆黒の騎士を見て私は満足げに告げます。
目の前の漆黒の騎士はデュラハンのはずですがしっかりと体に首が付いています。そこは首を手に持たれるとなんとなく違和感を感じたので魔力で無理やり首と体を繋げ合わせました。魔力が多いと色々できて大変便利なものです。ほら、手にしてた顔と目が合うとなんか嫌なのでね。
鎧はもともと着ていたので盾、剣は全て私が里から奪った呪いの武具へと変えたため今私の目の前にいるデュラハンは全身が呪いの装備であり、体も呪われたものという呪いの塊と化しています。
「完璧です」
『凄い呪いの量だよう…… 』
「禍々しすぎますよ」 
私がやりきった感を出している横で声色に恐怖や畏怖といったものをのせた声でぼやいている二人がいますが些細な問題でしょう。
「あとはこいつに名前をつければ私専用として使えます」
さて、どんな名前をつけましょう。
アーミラなんて名前は論外ですね。あれは豚の名前です。
せっかく作り直したわけですからきちんとしたものをつけて上げたいものです。
『どんな名前つけるんだろね』
「リリカさんのことです。どうせセンスのないよくわからない名前をつけるんでしょう」
後ろで声を潜めてヒソヒソと話しているようですが丸聞こえですよ。エルフの耳をバカにしてますよね? というさヒソヒソ話してるうちの一人はダークエルフなんですから私に声が聞こえていることくらいわかるはずです。わざと? わざとなんですか?
いや、深く考えるとろくなことはありません。ここは聞こえなかったかのようにするのが正解な気がしますね。
「くーちゃん、何かをいい名前はありませんか?」
『うーん、リンゴ?』
いや、それはあなたの好きなものでしょう?
「ゼィハはなにかありますか?」
「そうですね。ラブリーゼィハとかどうです?」
「死ねばいいのに」
「あたしへの当たりがすごくひどい⁉︎」
戯言ばかり言うからですよ。というか人にセンスがないとか言いながらゼィハのほうはセンスなんて欠片もないような名前ですからね?
となるとやはり私が名付けるしかないようですね。
「そうなるとどうしましょうかね」
私のセンスをばかにしている二人が唖然とする姿を見てやりたいところです。
「黒い鎧だからくーちゃん?」
『それわたしの名前だからね⁉︎』
「なに言ってるんですか? くーちゃんの名前はクーデルハイトナカトランバルティアでしょ?」
『まだその設定続いてるの⁉︎』
名前を設定だなんてなかなかに酷いことを言いますね。せっかく私が名前をつけたというのに。
「じゃあ、これから不眠不休で働かすという意味でシャチクで」
『なんとなく酷い意味にしか聞こえない!』
うん、いい名前ですね。さすがは古くから伝わる言葉です。
「いいですか、シャチク。おまえの返事はこれからは『ハイヨロコンデ』です。それ一択です」
『ハイヨロコンデ』
『黒い! なんかとんでもなく黒いよリリカ!』
頭を垂れながら私が教えた言葉を復唱するシャチクに満足げに笑みをうかべながら見やります。
「よし! シャチク! オリハル山まで雷纏う戦車を率いて勇者をぶっ殺しますよ!」
『ハイヨロコンデ!』
心なしか兜から見える赤い瞳が爛々と輝いているような気がします。やはりこいつも人を憎む亡霊の一体ですね。殺すのが楽しみなんでしょうね。
「わー、リリカさん本当でやる気ですよ」
『これは誰がかわいそうなのかわからなくなってきてるよね』
自分の命の危機ではありますがこれはこれで退屈はしないのかもしれません。
それにね。
「勇者を潰しとけばこれからはさらに楽になるでしょうし、ここは面倒でも殺ってやりますよ」
口元にニタァと歪めたままオリハル山の方を見上げます。
「そっちはオリハル山ではありませんがね」
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……どっちか教えてください
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