エルフさんが通ります
死体は何もしませんよ
「なんかあたしひどい目にあってばかりな気がするんですが……」
「気のせいですよ」
丸二日ほど生気を失いガリガリだったゼィハにポーションをかけまくり、さらには風呂の中に治療用ポーションをぶち込んでそこに浸していたおかげで今のゼィハはやたらとツヤツヤした肌をしています。
ようやく回復したわけですがどうやら記憶を失っているようでしたのであえて記憶を思い出さす必要はないでしょう。
心の傷を抉らない私、優しい!
『作った張本人じゃなければいい話だよね』
最近くーちゃんが私の心を読んでいるかのような発言が目立つ気がしますが気のせいだと信じたいですね。
「さて、ゼィハ。あなたのせいで私の死ぬまでの時間が二日も短くなったわけなんですが?」
「え、いや、あの…… どう意味かあたしにはわからないんですが……」
「一刻も早くオリハル山に行って勇者の妨害しなくちゃいけないんですよ!」
「えぇぇ…… 全く意味がわからないんですが」
『えっとね……』
ゼィハの耳元にくーちゃんが飛んでいきどうやら説明をしてくれているようです。
しかし、なんて物分かりが悪いんですかね!
今回ばかりはバカみたいに遊んでいる暇はありません。勇者を消す、もしくは聖剣の覚醒を妨害しないことには私の命が危ないのですから。いつの間にかシェリーたちも姿を消してますしどういうことなんですかね?
「オリハル山がどんな場所かわかりませんがこうなったら山ごと吹き飛ばすくらいの勢いでやらないといけませんね」
「え、事情は聞きましたがそこまでやるんですか⁉︎」
「あいにくとまだ死ぬ気はありませんので」
私は自分のためなら大して親しくはない人間ならば容易く嵌めて裏切って生贄に捧げてやりますよ。
「お姉さんもいるんじゃないんですか?」
「それこそですよ」
フィー姉さんが普通の攻撃でどうこうなるわけないじゃないですか。
いや、それ以前に今の私の最大の攻撃を食らったとしても笑いながら粉砕してきそうで怖いんですけどね。
『リリカの中でフィーはどんな扱いなの……』
「エルフの皮を被った何かですかね」
『実の姉に大して思った以上にひどい評価だった!』
いや、あのフィー姉さんですからね。心配するだけ無駄というものです。だとしたらいかにして戦わないようにするかということを考えるしかありません。
「あのー」
私が勇者よりフィー姉さんをどうするかということに思考していると頼みごとをしていた数人ダークエルフの青年が姿を表します。
「頼まれていたの集め終わりましたけど」
「ああ、早かったですね。ありがとうございます」
『ねえリリカ、一体何を集めさしたの? ダークエルフの人達血塗れだよ?』
「いやな予感しかしない……」
顔をしかめるゼィハ、興味を示してきたくーちゃんに答えるようにして集めてきてもらった物を指さします。
「あれです」
赤黒い液体を垂れ流した体と風が吹いて転がり、こちらに向け苦悶の表情を浮かべているのがよくわかった元アーミラだった物の首を。
『「ひぃぃぃぃ!」』
アーミラの生首と目が合った二人の悲鳴が響きますが私はそんな中を腰の鞘から魔ノ華を引き抜きながらステップを踏みながらアーミラの死体に向かい歩みを進めます。
『ちょっとリリカ!』
「何する気ですか! 死体になにかしたら呪われますよ⁉︎」
「死体は何もしませんよ?」
いや、すでに魔ノ華自体が呪いの塊みたいなやつなんで問題ないんですよね。
そもそも死体です。生きてるわけじゃありませんし、死んだ今ではただの物です。
ですが、
「ちょうどいい実験台です」
軽く唇を舐めると紅く光る魔ノ華の刃をアーミラの死体に突き刺します。
「呪え」
魔ノ華を通してアーミラ(死体)へと魔力を流し込んでいきます。
「ゼィハ、でゅらはーんって知ってますか?」
「でゅ、でゅらはーん? デュラハンではなくてですか?」
「それです」
そうでしたデュラハンでした。
首なし騎士デュラハン。魔ノ華が新たな力を得たせいか私の頭にもよくわからない知識が増えているんですよね。その大半が理解できないものと使い物にならないものでしたがそんな中に「ゴブリンでもできるデュラハン作成講座!」などというわけのわからない知識があったんですよ。
ただ、ゴブリンがデュラハンを作ったら即座にぶっ殺されそうな気がしないでもないんですがそこは言ってはいけないような気がするのでスルーしますが、その作り方というのが今のアーミラ(死体)がちょうどよかったので試してみようとやってみるわけです。
「デュラハンって死ぬ前に凄い恨みがあったりした死体が魔力の溜まりやすいところにあると発生しやすいらしいんですよね」
だから私を恨んでいたであろうアーミラの死体に魔力の集まりやすい場所の代わりに魔ノ華から呪いの魔力を過剰なほど注ぎ込んでいるわけなんですが。
ふふ、こんなに胸がときめくなんて初めてですね。里で薬の実験をしていた時よりもドキドキしてしまいますよ。一体どんなものが出来上がるのか楽しみです。
『ねえリリカ……』
「なんです?」
『死体がビクンビクンってなってるけど……』
くーちゃんの言葉に思考の海から帰ってきた私がそちらに眼をやると私が突き刺した魔ノ華の刃が抜けたアーミラ(死体)が暴れるかのようにしてそこいら中を転がり回る姿が目に入って来るのでした。
「気のせいですよ」
丸二日ほど生気を失いガリガリだったゼィハにポーションをかけまくり、さらには風呂の中に治療用ポーションをぶち込んでそこに浸していたおかげで今のゼィハはやたらとツヤツヤした肌をしています。
ようやく回復したわけですがどうやら記憶を失っているようでしたのであえて記憶を思い出さす必要はないでしょう。
心の傷を抉らない私、優しい!
『作った張本人じゃなければいい話だよね』
最近くーちゃんが私の心を読んでいるかのような発言が目立つ気がしますが気のせいだと信じたいですね。
「さて、ゼィハ。あなたのせいで私の死ぬまでの時間が二日も短くなったわけなんですが?」
「え、いや、あの…… どう意味かあたしにはわからないんですが……」
「一刻も早くオリハル山に行って勇者の妨害しなくちゃいけないんですよ!」
「えぇぇ…… 全く意味がわからないんですが」
『えっとね……』
ゼィハの耳元にくーちゃんが飛んでいきどうやら説明をしてくれているようです。
しかし、なんて物分かりが悪いんですかね!
今回ばかりはバカみたいに遊んでいる暇はありません。勇者を消す、もしくは聖剣の覚醒を妨害しないことには私の命が危ないのですから。いつの間にかシェリーたちも姿を消してますしどういうことなんですかね?
「オリハル山がどんな場所かわかりませんがこうなったら山ごと吹き飛ばすくらいの勢いでやらないといけませんね」
「え、事情は聞きましたがそこまでやるんですか⁉︎」
「あいにくとまだ死ぬ気はありませんので」
私は自分のためなら大して親しくはない人間ならば容易く嵌めて裏切って生贄に捧げてやりますよ。
「お姉さんもいるんじゃないんですか?」
「それこそですよ」
フィー姉さんが普通の攻撃でどうこうなるわけないじゃないですか。
いや、それ以前に今の私の最大の攻撃を食らったとしても笑いながら粉砕してきそうで怖いんですけどね。
『リリカの中でフィーはどんな扱いなの……』
「エルフの皮を被った何かですかね」
『実の姉に大して思った以上にひどい評価だった!』
いや、あのフィー姉さんですからね。心配するだけ無駄というものです。だとしたらいかにして戦わないようにするかということを考えるしかありません。
「あのー」
私が勇者よりフィー姉さんをどうするかということに思考していると頼みごとをしていた数人ダークエルフの青年が姿を表します。
「頼まれていたの集め終わりましたけど」
「ああ、早かったですね。ありがとうございます」
『ねえリリカ、一体何を集めさしたの? ダークエルフの人達血塗れだよ?』
「いやな予感しかしない……」
顔をしかめるゼィハ、興味を示してきたくーちゃんに答えるようにして集めてきてもらった物を指さします。
「あれです」
赤黒い液体を垂れ流した体と風が吹いて転がり、こちらに向け苦悶の表情を浮かべているのがよくわかった元アーミラだった物の首を。
『「ひぃぃぃぃ!」』
アーミラの生首と目が合った二人の悲鳴が響きますが私はそんな中を腰の鞘から魔ノ華を引き抜きながらステップを踏みながらアーミラの死体に向かい歩みを進めます。
『ちょっとリリカ!』
「何する気ですか! 死体になにかしたら呪われますよ⁉︎」
「死体は何もしませんよ?」
いや、すでに魔ノ華自体が呪いの塊みたいなやつなんで問題ないんですよね。
そもそも死体です。生きてるわけじゃありませんし、死んだ今ではただの物です。
ですが、
「ちょうどいい実験台です」
軽く唇を舐めると紅く光る魔ノ華の刃をアーミラの死体に突き刺します。
「呪え」
魔ノ華を通してアーミラ(死体)へと魔力を流し込んでいきます。
「ゼィハ、でゅらはーんって知ってますか?」
「でゅ、でゅらはーん? デュラハンではなくてですか?」
「それです」
そうでしたデュラハンでした。
首なし騎士デュラハン。魔ノ華が新たな力を得たせいか私の頭にもよくわからない知識が増えているんですよね。その大半が理解できないものと使い物にならないものでしたがそんな中に「ゴブリンでもできるデュラハン作成講座!」などというわけのわからない知識があったんですよ。
ただ、ゴブリンがデュラハンを作ったら即座にぶっ殺されそうな気がしないでもないんですがそこは言ってはいけないような気がするのでスルーしますが、その作り方というのが今のアーミラ(死体)がちょうどよかったので試してみようとやってみるわけです。
「デュラハンって死ぬ前に凄い恨みがあったりした死体が魔力の溜まりやすいところにあると発生しやすいらしいんですよね」
だから私を恨んでいたであろうアーミラの死体に魔力の集まりやすい場所の代わりに魔ノ華から呪いの魔力を過剰なほど注ぎ込んでいるわけなんですが。
ふふ、こんなに胸がときめくなんて初めてですね。里で薬の実験をしていた時よりもドキドキしてしまいますよ。一体どんなものが出来上がるのか楽しみです。
『ねえリリカ……』
「なんです?」
『死体がビクンビクンってなってるけど……』
くーちゃんの言葉に思考の海から帰ってきた私がそちらに眼をやると私が突き刺した魔ノ華の刃が抜けたアーミラ(死体)が暴れるかのようにしてそこいら中を転がり回る姿が目に入って来るのでした。
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