エルフさんが通ります
な・ん・て・こ・とを言いやがってるんですかこいつは!
「ええ、勇者の聖剣が覚醒するのをね」
「聖剣の覚醒?」
妨害というからにはなにかしらの問題があるかと思ったのですがシェリーの口元に楽しげな笑みを浮かべているだけです。
「ええ、勇者というのは存在だけで馬鹿げた兵器のような力を持つ者なんですが……」
「あれがですか……」
確かフィー姉さんと一緒にいたカズヤが勇者とだった気がします。帝国で半殺しにしてしまったんですが。
「勇者は聖剣を覚醒さして初めて全力を出せる殺戮兵器と化すわけです。もし覚醒していた場合は帝国でのようにリリカさんが圧倒することは不可能に近いでしょう」
不可能に近い。
つまり不可能ではないということなんですね。
「で、その聖剣の覚醒というのは?」
楽できるなら楽したいところですがカズヤとはなんとなくですがまた闘うことになりそうな気がしていたんですよね。多分ですが魔の欠片を手にしているせいなんでしょいが。
フィー姉さんとは…… どうかわかりませんがあんまり戦いたくありませんね。かなり強くなった今でもあの人とまともに戦えるというイメージが脳内にわかないんですよね。
「覚醒自体は聖剣にある鉱物を取り込ますことによって至ります」
「その鉱物は?」
「オリハルコンです」
「よし、放置しましょう!」
『はや⁉︎ やる気なくなるの早くない⁉︎』
シェリーが必要である鉱物、この世で一番硬いと言われるオリハルコンの名前を出した瞬間に私のやる気は無くなりました。いくらくーちゃんが蔑んだような眼を向けてきても嫌なものは嫌なのです。
シェリーはおそらく分かっていたかのように苦笑。しかし、納得していないような顔をしたくーちゃんを見て深々とため息をつきつつ説明することにします。
「いくら世間知らずと名高い私でも」
「あ、自覚はあられたんですね」
今までだんまりを決め込んでいたアリエルが驚いたような顔をしてぼそりと聞こえないようにつぶやいたようですが私にはしっかりと聞こえています。それを睨みつけるますがアリエルはそしらぬ顔です。
「……世間知らずの私でも知ってますよ。オリハルコンの入手の仕方の危険さは」
『そんなに危ないの?』
「そうですね。一万人位行ったら一人くらい帰ってくるんじゃないですかね? 腕だけになってとか」
『え……』
くーちゃんが絶句しています。
これはオリハルコンを取りに行く場所が危険というわけではありません。
オリハルコンがある場所というのが問題なんです。
「オリハルコンを手に入れるためにはオリハルドラゴンから奪う、または倒さないといけませんわ」
シェリーの言葉に私は頷き返します。
オリハルドラゴン。
それはドラゴンの中でも上位に位置し、さらにその防御力は現在存在するドラゴンの中では一番というとてつもなく厄介なドラゴンです。
ドラゴン自体が厄介な存在にも関わらずこのドラゴン、体全てが硬いオリハルコンでできていることからその凶悪さがわかるというものです。
オリハルコンは物理に強い! 魔法に強い! と言われる鉱物なので並みの魔法や武具では傷一つつかないものなのです。
そんなものが空を飛び、攻撃不可能な上空から攻撃してくるというのはすでに悪夢でしかありません。そしてオリハルコンを手に入れるということはその悪夢に正面から立ち向かわなければいけないわけです。
すなわち、
「この世界にはちょっと『オリハルコンを手に入れるてくる』という言葉がありますがこれは自殺をしてくるという意味ですからね」
『そ、そんなにヤバいの?』
ようやくくーちゃんもオリハルコンの入手の難しさを理解したようですね。
「攻撃自体は大したことがないと聞きますがこちらの攻撃が通らないことにはどうしようもありませんね」
と言ってもまたドラゴンと相対するのは御免ですがね。空を飛べるというのはそれだけで有利なんですから。
『でも今のリリカならいけるんじゃないの?』
「どうしてくーちゃんがそんなに私とオリハルドラゴンを戦わしたいのかわかりませんがなんとも言えませんね。以前戦ったドラゴンとは桁が違いますから強さが測りようがありませんよ」
「あらー、ならリリカさんは死ぬしかありませんわね」
「はぁ?」
なぜオリハルドラゴンと闘わないことで私が死ぬことになるんでしょう?
シェリーの方を見ると彼女は邪悪、としか表現できないほどの黒い笑みを浮かべこちらを眺めていました。
「リリカさん、あなた勇者カズヤを帝国でボコボコにしたそうですわね」
「ええ、ボコボコにしてやりましたが?」
「そのあとにわたくし、勇者カズヤにお会いしましたのよ」
なんでしょう。
この背中に走る嫌な感じは。
「あの方はリリカさんに負けたことがさぞかしショックだったんでしょうね。わたくしが見かけた時は体に傷はありませんでしたが心は傷だらけの様子でしたわ」
シェリーが口を開くたびにその嫌な感じは大きくなっていきます。
。
「ですからわたくしは耳元でソッと囁いてあげたのですよ」
そしてそれは次にシェリーが告げた言葉で確信へと変わります。
「リリカさんは魔王に取り憑かれています。解放するには殺して差し上げるしかありませんって」
な・ん・て・こ・とを言いやがってるんですかこいつは!
「聖剣の覚醒?」
妨害というからにはなにかしらの問題があるかと思ったのですがシェリーの口元に楽しげな笑みを浮かべているだけです。
「ええ、勇者というのは存在だけで馬鹿げた兵器のような力を持つ者なんですが……」
「あれがですか……」
確かフィー姉さんと一緒にいたカズヤが勇者とだった気がします。帝国で半殺しにしてしまったんですが。
「勇者は聖剣を覚醒さして初めて全力を出せる殺戮兵器と化すわけです。もし覚醒していた場合は帝国でのようにリリカさんが圧倒することは不可能に近いでしょう」
不可能に近い。
つまり不可能ではないということなんですね。
「で、その聖剣の覚醒というのは?」
楽できるなら楽したいところですがカズヤとはなんとなくですがまた闘うことになりそうな気がしていたんですよね。多分ですが魔の欠片を手にしているせいなんでしょいが。
フィー姉さんとは…… どうかわかりませんがあんまり戦いたくありませんね。かなり強くなった今でもあの人とまともに戦えるというイメージが脳内にわかないんですよね。
「覚醒自体は聖剣にある鉱物を取り込ますことによって至ります」
「その鉱物は?」
「オリハルコンです」
「よし、放置しましょう!」
『はや⁉︎ やる気なくなるの早くない⁉︎』
シェリーが必要である鉱物、この世で一番硬いと言われるオリハルコンの名前を出した瞬間に私のやる気は無くなりました。いくらくーちゃんが蔑んだような眼を向けてきても嫌なものは嫌なのです。
シェリーはおそらく分かっていたかのように苦笑。しかし、納得していないような顔をしたくーちゃんを見て深々とため息をつきつつ説明することにします。
「いくら世間知らずと名高い私でも」
「あ、自覚はあられたんですね」
今までだんまりを決め込んでいたアリエルが驚いたような顔をしてぼそりと聞こえないようにつぶやいたようですが私にはしっかりと聞こえています。それを睨みつけるますがアリエルはそしらぬ顔です。
「……世間知らずの私でも知ってますよ。オリハルコンの入手の仕方の危険さは」
『そんなに危ないの?』
「そうですね。一万人位行ったら一人くらい帰ってくるんじゃないですかね? 腕だけになってとか」
『え……』
くーちゃんが絶句しています。
これはオリハルコンを取りに行く場所が危険というわけではありません。
オリハルコンがある場所というのが問題なんです。
「オリハルコンを手に入れるためにはオリハルドラゴンから奪う、または倒さないといけませんわ」
シェリーの言葉に私は頷き返します。
オリハルドラゴン。
それはドラゴンの中でも上位に位置し、さらにその防御力は現在存在するドラゴンの中では一番というとてつもなく厄介なドラゴンです。
ドラゴン自体が厄介な存在にも関わらずこのドラゴン、体全てが硬いオリハルコンでできていることからその凶悪さがわかるというものです。
オリハルコンは物理に強い! 魔法に強い! と言われる鉱物なので並みの魔法や武具では傷一つつかないものなのです。
そんなものが空を飛び、攻撃不可能な上空から攻撃してくるというのはすでに悪夢でしかありません。そしてオリハルコンを手に入れるということはその悪夢に正面から立ち向かわなければいけないわけです。
すなわち、
「この世界にはちょっと『オリハルコンを手に入れるてくる』という言葉がありますがこれは自殺をしてくるという意味ですからね」
『そ、そんなにヤバいの?』
ようやくくーちゃんもオリハルコンの入手の難しさを理解したようですね。
「攻撃自体は大したことがないと聞きますがこちらの攻撃が通らないことにはどうしようもありませんね」
と言ってもまたドラゴンと相対するのは御免ですがね。空を飛べるというのはそれだけで有利なんですから。
『でも今のリリカならいけるんじゃないの?』
「どうしてくーちゃんがそんなに私とオリハルドラゴンを戦わしたいのかわかりませんがなんとも言えませんね。以前戦ったドラゴンとは桁が違いますから強さが測りようがありませんよ」
「あらー、ならリリカさんは死ぬしかありませんわね」
「はぁ?」
なぜオリハルドラゴンと闘わないことで私が死ぬことになるんでしょう?
シェリーの方を見ると彼女は邪悪、としか表現できないほどの黒い笑みを浮かべこちらを眺めていました。
「リリカさん、あなた勇者カズヤを帝国でボコボコにしたそうですわね」
「ええ、ボコボコにしてやりましたが?」
「そのあとにわたくし、勇者カズヤにお会いしましたのよ」
なんでしょう。
この背中に走る嫌な感じは。
「あの方はリリカさんに負けたことがさぞかしショックだったんでしょうね。わたくしが見かけた時は体に傷はありませんでしたが心は傷だらけの様子でしたわ」
シェリーが口を開くたびにその嫌な感じは大きくなっていきます。
。
「ですからわたくしは耳元でソッと囁いてあげたのですよ」
そしてそれは次にシェリーが告げた言葉で確信へと変わります。
「リリカさんは魔王に取り憑かれています。解放するには殺して差し上げるしかありませんって」
な・ん・て・こ・とを言いやがってるんですかこいつは!
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