エルフさんが通ります
出すのが面白くてつい
「どうしたこないのか?」
目の前のアーミラが挑発してくるように告げて来ます。
周りを見ると時間がちゃんと進んでいるのか風で木々が揺れる音などが聞こえてきます。どうやらアルを切り損ねたようです。
あの空間ではないためかそれとも一瞬だけ夢を見ていたせいなのか思い出したかのように身体中が痛みます。しかし、杖代わりにしていた魔ノ華を見て私は口元を歪めます。
私が杖代わりにしている紅い刀身を晒している魔ノ華を見て。
『リリカ大丈夫? それにその状態って制限時間があったんじゃなかった?』
「ええ、いい気分ですよ」
体の中に魔力が満ちるのを感じます。今までは感じ取るほどの力がなかったのと魔力自体が少なかったこともありましたが今は違います。
周囲に満ちる魔力の濃度、そして人の体の中にある魔力の量まで感じ取ることができるようになっている程です。
「魔力が多いとこんな感じなんですね」
以前使った時に感じた魔華解放の時のような制限時間というものが感じられません。それだけ魔力が増えたんでしょう。
軽く腕を薙ぐ。
それだけで周囲の魔力が揺らぎます。
面白い。今なら魔力を使えばどんなことでもできそうですね。
「ふふ」
杖として地面にさしていた魔ノ華を引き抜き、体に感じる痛みを無視して私は増えた魔力を注ぎ込んでいきます。
すると真紅の刃が熱を発するかのように更に赤く染まります。
「呪え、魔ノ華」
刃を返し振り上げた魔ノ華からあの空間でやったことと同じように黒い人影が宙に現れます。
「VAAAAAAAAA!」
空気を震わせるような叫びを上げると私の頭の上に待機しています。ですがその全身からは隠すことのできないほどの殺気らしきものが漏れています。
「ほい、ほい、ほい」
更に私が気軽に魔ノ華を振るうたびに奇声をあげながら怨霊たちが姿をあらわしていきます。
「な、あ……」
宙に浮かぶのが一体、二体の時には余裕のあった表情を浮かべていたアーミラでしたがそれが十体を超えた辺りで顔がひきつり始めていたました。
「おまえ、何体出してるんだ⁉︎」
「ああ、すいませんね。出すのが面白くてつい」
出すことに夢中になっていましたね。魔力が増えたものですからいまいち加減がわからないんですよね。
「いきなさい。呪っちゃっていいですよ」
紅い刃をアーミラへと向け命令します。
「Aaaaaaaa!」
途端、怨霊達が再び奇声を上げますがこれはおそらくは歓喜の声でしょう。こういった怨霊というのは生者を憎み、殺すことを喜ぶというのを本で読んだ気がします。
怨霊達が恐ろしい速さで空を飛びアーミラに我先にと飛びかかっていきます。
「なめるなよ!」
対してアーミラは全身に魔力をみなぎらせながら大剣を操り怨霊を切り捨てていきます。
あれだけの魔力がもとは全て脂肪だということを考えるとそれはそれで恐ろしいものです。
「ラァァァァァァォ!」
声を大にして自らを鼓舞するかのようにアーミラが吠えます。
大剣を繰り出し怨霊を叩き斬るアーミラですが完全には捌けてはいません。一撃で怨霊を切り、霧散さしてはいますが無傷とはいかず怨霊に攻撃されているのです。しかし、傷らしい傷は追ってはいません。ですがその代わりにアーミラの動きが徐々に鈍くなってきています。
そして怨霊の数はというとアーミラが斬っているにも関わらず全くといっていいほど減っていません。
「ふんふんふーん」
ま、私が鼻歌混じりに魔ノ華をポーズをつけながら振るいさらに呼び出しているからなんですがね。すでに怨霊は結界内の至る所を飛び回り生者への憎しみをばら撒いています。
「が、あ……」
やがてアーミラの動きが完全には止まり、大剣を支えになんとか立っているといった状態になっています。
その眼にはまた戦う意思が見られますがすでに体は憔悴仕切っているようです。
「きさ……何をし……」
「ん? 簡単ですよ。あなたの力を少しずつ削いでいっただけですよ?」
「なに?」
あ、理解できてないといった顔ですね。
「仕方ないですね。説明して上げますよ」
やれやれと言わんばかりに私は肩をすくめながら話をして上げます。
「この怨霊…… 怨霊というのはなんか嫌ですね。リリカゴーストと呼びましょうか、このリリカゴーストは肉体にダメージを与える力は一切ありません。これが攻撃するのはもっとわかりにくいもの、体力や魔力、そして精神です。だから今あなたはそのでかい剣がなければ立ち上がることもできないでしょう? それはリリカゴーストの攻撃で奪われたからですよ」
「なに……」
「本当なら呪い殺す予定だったんですけどね。無駄にあなたの生命力があるせいで呪えなかったみたいです。さて、そんな動けないアーミラさんに残念なお知らせです」
驚愕するアーミラなんて無視して話を進めます。だって私はまだ手に入れた力を半分しか試してないんですからね。
目の前のアーミラが挑発してくるように告げて来ます。
周りを見ると時間がちゃんと進んでいるのか風で木々が揺れる音などが聞こえてきます。どうやらアルを切り損ねたようです。
あの空間ではないためかそれとも一瞬だけ夢を見ていたせいなのか思い出したかのように身体中が痛みます。しかし、杖代わりにしていた魔ノ華を見て私は口元を歪めます。
私が杖代わりにしている紅い刀身を晒している魔ノ華を見て。
『リリカ大丈夫? それにその状態って制限時間があったんじゃなかった?』
「ええ、いい気分ですよ」
体の中に魔力が満ちるのを感じます。今までは感じ取るほどの力がなかったのと魔力自体が少なかったこともありましたが今は違います。
周囲に満ちる魔力の濃度、そして人の体の中にある魔力の量まで感じ取ることができるようになっている程です。
「魔力が多いとこんな感じなんですね」
以前使った時に感じた魔華解放の時のような制限時間というものが感じられません。それだけ魔力が増えたんでしょう。
軽く腕を薙ぐ。
それだけで周囲の魔力が揺らぎます。
面白い。今なら魔力を使えばどんなことでもできそうですね。
「ふふ」
杖として地面にさしていた魔ノ華を引き抜き、体に感じる痛みを無視して私は増えた魔力を注ぎ込んでいきます。
すると真紅の刃が熱を発するかのように更に赤く染まります。
「呪え、魔ノ華」
刃を返し振り上げた魔ノ華からあの空間でやったことと同じように黒い人影が宙に現れます。
「VAAAAAAAAA!」
空気を震わせるような叫びを上げると私の頭の上に待機しています。ですがその全身からは隠すことのできないほどの殺気らしきものが漏れています。
「ほい、ほい、ほい」
更に私が気軽に魔ノ華を振るうたびに奇声をあげながら怨霊たちが姿をあらわしていきます。
「な、あ……」
宙に浮かぶのが一体、二体の時には余裕のあった表情を浮かべていたアーミラでしたがそれが十体を超えた辺りで顔がひきつり始めていたました。
「おまえ、何体出してるんだ⁉︎」
「ああ、すいませんね。出すのが面白くてつい」
出すことに夢中になっていましたね。魔力が増えたものですからいまいち加減がわからないんですよね。
「いきなさい。呪っちゃっていいですよ」
紅い刃をアーミラへと向け命令します。
「Aaaaaaaa!」
途端、怨霊達が再び奇声を上げますがこれはおそらくは歓喜の声でしょう。こういった怨霊というのは生者を憎み、殺すことを喜ぶというのを本で読んだ気がします。
怨霊達が恐ろしい速さで空を飛びアーミラに我先にと飛びかかっていきます。
「なめるなよ!」
対してアーミラは全身に魔力をみなぎらせながら大剣を操り怨霊を切り捨てていきます。
あれだけの魔力がもとは全て脂肪だということを考えるとそれはそれで恐ろしいものです。
「ラァァァァァァォ!」
声を大にして自らを鼓舞するかのようにアーミラが吠えます。
大剣を繰り出し怨霊を叩き斬るアーミラですが完全には捌けてはいません。一撃で怨霊を切り、霧散さしてはいますが無傷とはいかず怨霊に攻撃されているのです。しかし、傷らしい傷は追ってはいません。ですがその代わりにアーミラの動きが徐々に鈍くなってきています。
そして怨霊の数はというとアーミラが斬っているにも関わらず全くといっていいほど減っていません。
「ふんふんふーん」
ま、私が鼻歌混じりに魔ノ華をポーズをつけながら振るいさらに呼び出しているからなんですがね。すでに怨霊は結界内の至る所を飛び回り生者への憎しみをばら撒いています。
「が、あ……」
やがてアーミラの動きが完全には止まり、大剣を支えになんとか立っているといった状態になっています。
その眼にはまた戦う意思が見られますがすでに体は憔悴仕切っているようです。
「きさ……何をし……」
「ん? 簡単ですよ。あなたの力を少しずつ削いでいっただけですよ?」
「なに?」
あ、理解できてないといった顔ですね。
「仕方ないですね。説明して上げますよ」
やれやれと言わんばかりに私は肩をすくめながら話をして上げます。
「この怨霊…… 怨霊というのはなんか嫌ですね。リリカゴーストと呼びましょうか、このリリカゴーストは肉体にダメージを与える力は一切ありません。これが攻撃するのはもっとわかりにくいもの、体力や魔力、そして精神です。だから今あなたはそのでかい剣がなければ立ち上がることもできないでしょう? それはリリカゴーストの攻撃で奪われたからですよ」
「なに……」
「本当なら呪い殺す予定だったんですけどね。無駄にあなたの生命力があるせいで呪えなかったみたいです。さて、そんな動けないアーミラさんに残念なお知らせです」
驚愕するアーミラなんて無視して話を進めます。だって私はまだ手に入れた力を半分しか試してないんですからね。
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