エルフさんが通ります
闘技場とかがあればいってみたいです
「「飽きた」
「速すぎやしませんか?」
「だって、ただの小型の船じゃないですか」
朝になりウキウキとした気分で精霊邸に備え付けられているゴンドラに乗り込み宿を出たのですが、なんてことはありません。ゴンドラといっても言うならば小型の船であり、この水の街アックアにおいては荷物を運ぶのに使われたりするらしいんですが特に面白みのあるものではありませんでした。
「それにこの街の観光名所とやらは見るものばかりで楽しくありません」
「いや、観光なんですから大半は見て回るものだと思うんですが」
それにしったて見て回るものがよく判らない石像だったり口から水を出す天使の像だったりと見ていて変化のないようなものばかりでしたからね。そんなものを見ても楽しくもなんともないわけなんですよ。
くーちゃんにいたっては私の頭の上で寝てますからね。
「結論から言うとこの街は大して面白くないです」
「……ちなみにリリカさんがいう楽しいものと言うのはどんなものになるんでしょう?」
「そうですね、しいて言うならば刺激のあるものがいいですね。本で読んだだけですが闘技場とかがあればいってみたいです」
「物騒ですね。闘技場なんてあまり見たことはありませんが」
まぁ、そこでは期待していませんよ。
とりあえずはこの街ででは特にいるものがないと言うことがわかりました。しかたがないのでこのゴンドラ本来の用途として買い物に行くとしましょう。
ゴンドラを動かすのはゼィハに任せきり私はすることもないので景色を眺めています。本当に水しかありませんね。ここにいる大精霊は水の精霊と聞きましたがその影響なのかもしれませんね。精霊が世界に与える影響は大きいと言うことでしょう。
「あれは?」
ゴンドレが開けたところに出ると広場のようなところに人だかりとかなりの数の精霊たちが飛び回っているのがが眼に入ります。
どうやらその中心にいるのは鋼の大精霊メルルのようです。精霊たちは楽しそうに周りを飛び回っているだけのようです。
何をしてるんでしょう?
好奇心を抑えきれない私はゴンドラの上に立ち上がるとガタガタとゴンドラが揺れゼィハが慌てたようにバランスをとっていますがそんな事は無視して私は軽く体を魔力で覆うと一気に飛びはね広場のほうへと着地します。
後ろで「あぁぁぁぁ! なに床踏み抜いてるんですかぁぁぁぁ!」というゼィハの悲鳴のような叫び声と何かが沈んでいくような音が聞こえてきますが、私は過去は振り返らない女なんです。
『ゴンドラが……』
過去は振り返らない女なんです!
すぐに気を取り直して人だかりができているほうへと向かいます。中心にいるのはやはりメルルで周りにいるのはどうやら女の人、エプロンをしている人が多いので主婦の方々でしょうか?
何かをする様子が見て取れたので特に口を挟まずに眺めていることにする。
するとメルルが主婦から何かを受け取っているようでした。
渡されていたのは包丁。遠目から見てもかなり刃こぼれなどもしているようですし食材をきるのも一苦労しそうなものです。
メルルがその包丁を手に取り、刃こぼれしている刃の部分を指先でなぞっていきます。
よく見るとメルルの指先には少量ですが魔力が集められているようです。指先でなぞられた部分はメルルの魔力で覆われていきます。その魔力が溶け込むようにして包丁と混ざり合っていき、一際大きな輝きを放つとメルルの手元には刃こぼれした包丁の姿はなく鉄本来の輝くような色をした包丁の姿へと変わっていました。
明らかに切れ味の増した包丁を構え、メルルが何処からともなくリンゴを取り出し、宙に投げる。放物線を描きながら落ちてくるリンゴに向かいかなりの距離があるにもかかわらず包丁を一閃。すると包丁が紅く輝き、魔力の刃が放たれリンゴを一瞬にして細切れにしました。
その切れ味を見た周りの人々が大きな拍手をメルルに送っていますが私は唖然としていました。
「包丁が魔剣になってますね」
へたしたらこの街にいる主婦全員があんれと同じレベルの包丁を持っているかもしれないと思うとゾットします。へたな騎士団より明らかに強いですからね。幸いなことはこの町の人々があの包丁方魔剣の価値、威力を知らないことでしょうが恐ろしいことこの上ないですね。そんな考えを私がしていることを知らないメルルは請われるがままに金属製の生活用品を次々に直していきます。ただし魔剣もように生活用品としてはぶっ飛んだ性能に変わってますが。
直してもらった方々から口々にお詫びを言われているメルルが丁寧に返事を返しながら私に気づいたのかこちらに手をふってきましたのでこちらも手を振り替えします。
たったそれだけのことに感激したかのような笑顔を浮べるとニコニコとしながらこちらに向かって歩いてきます。
『昨日イタエルフの子だよね? えっと名前は』
「リリカですよ、こっちは相棒のくー『くーちゃんです!』
なんか名前を言おうとしたら遮られました。せっかくつけた名前なんですから言わないとダメでしょうに。
「いえ、この子の名前はですね」
『ちょっと待ってね』
私がくーちゃんの正式名を告げようとするのを軽く手で制してとめるとメルルは手を上に翳します。その表情は険しく、私のはるか後方を見ているようでした。
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「速すぎやしませんか?」
「だって、ただの小型の船じゃないですか」
朝になりウキウキとした気分で精霊邸に備え付けられているゴンドラに乗り込み宿を出たのですが、なんてことはありません。ゴンドラといっても言うならば小型の船であり、この水の街アックアにおいては荷物を運ぶのに使われたりするらしいんですが特に面白みのあるものではありませんでした。
「それにこの街の観光名所とやらは見るものばかりで楽しくありません」
「いや、観光なんですから大半は見て回るものだと思うんですが」
それにしったて見て回るものがよく判らない石像だったり口から水を出す天使の像だったりと見ていて変化のないようなものばかりでしたからね。そんなものを見ても楽しくもなんともないわけなんですよ。
くーちゃんにいたっては私の頭の上で寝てますからね。
「結論から言うとこの街は大して面白くないです」
「……ちなみにリリカさんがいう楽しいものと言うのはどんなものになるんでしょう?」
「そうですね、しいて言うならば刺激のあるものがいいですね。本で読んだだけですが闘技場とかがあればいってみたいです」
「物騒ですね。闘技場なんてあまり見たことはありませんが」
まぁ、そこでは期待していませんよ。
とりあえずはこの街ででは特にいるものがないと言うことがわかりました。しかたがないのでこのゴンドラ本来の用途として買い物に行くとしましょう。
ゴンドラを動かすのはゼィハに任せきり私はすることもないので景色を眺めています。本当に水しかありませんね。ここにいる大精霊は水の精霊と聞きましたがその影響なのかもしれませんね。精霊が世界に与える影響は大きいと言うことでしょう。
「あれは?」
ゴンドレが開けたところに出ると広場のようなところに人だかりとかなりの数の精霊たちが飛び回っているのがが眼に入ります。
どうやらその中心にいるのは鋼の大精霊メルルのようです。精霊たちは楽しそうに周りを飛び回っているだけのようです。
何をしてるんでしょう?
好奇心を抑えきれない私はゴンドラの上に立ち上がるとガタガタとゴンドラが揺れゼィハが慌てたようにバランスをとっていますがそんな事は無視して私は軽く体を魔力で覆うと一気に飛びはね広場のほうへと着地します。
後ろで「あぁぁぁぁ! なに床踏み抜いてるんですかぁぁぁぁ!」というゼィハの悲鳴のような叫び声と何かが沈んでいくような音が聞こえてきますが、私は過去は振り返らない女なんです。
『ゴンドラが……』
過去は振り返らない女なんです!
すぐに気を取り直して人だかりができているほうへと向かいます。中心にいるのはやはりメルルで周りにいるのはどうやら女の人、エプロンをしている人が多いので主婦の方々でしょうか?
何かをする様子が見て取れたので特に口を挟まずに眺めていることにする。
するとメルルが主婦から何かを受け取っているようでした。
渡されていたのは包丁。遠目から見てもかなり刃こぼれなどもしているようですし食材をきるのも一苦労しそうなものです。
メルルがその包丁を手に取り、刃こぼれしている刃の部分を指先でなぞっていきます。
よく見るとメルルの指先には少量ですが魔力が集められているようです。指先でなぞられた部分はメルルの魔力で覆われていきます。その魔力が溶け込むようにして包丁と混ざり合っていき、一際大きな輝きを放つとメルルの手元には刃こぼれした包丁の姿はなく鉄本来の輝くような色をした包丁の姿へと変わっていました。
明らかに切れ味の増した包丁を構え、メルルが何処からともなくリンゴを取り出し、宙に投げる。放物線を描きながら落ちてくるリンゴに向かいかなりの距離があるにもかかわらず包丁を一閃。すると包丁が紅く輝き、魔力の刃が放たれリンゴを一瞬にして細切れにしました。
その切れ味を見た周りの人々が大きな拍手をメルルに送っていますが私は唖然としていました。
「包丁が魔剣になってますね」
へたしたらこの街にいる主婦全員があんれと同じレベルの包丁を持っているかもしれないと思うとゾットします。へたな騎士団より明らかに強いですからね。幸いなことはこの町の人々があの包丁方魔剣の価値、威力を知らないことでしょうが恐ろしいことこの上ないですね。そんな考えを私がしていることを知らないメルルは請われるがままに金属製の生活用品を次々に直していきます。ただし魔剣もように生活用品としてはぶっ飛んだ性能に変わってますが。
直してもらった方々から口々にお詫びを言われているメルルが丁寧に返事を返しながら私に気づいたのかこちらに手をふってきましたのでこちらも手を振り替えします。
たったそれだけのことに感激したかのような笑顔を浮べるとニコニコとしながらこちらに向かって歩いてきます。
『昨日イタエルフの子だよね? えっと名前は』
「リリカですよ、こっちは相棒のくー『くーちゃんです!』
なんか名前を言おうとしたら遮られました。せっかくつけた名前なんですから言わないとダメでしょうに。
「いえ、この子の名前はですね」
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