エルフさんが通ります
あ〜 後で聞くということで
「お客様がきましたよぉ! っと」
カジノの入り口付近にたむろしていモンスターたちをぽちで吹き飛ばし、カジノの扉に叩きつけます。モンスターたちがぶつかった扉は勢いよく開け放たれ可動域の限界を超えたのか音を立てて壊れました。
「お客様が来たというのにで出迎えがないとはなってない店ですね」
ぽちを肩に担ぐようにしてカラカラと笑います。すでにゼィハは苦笑を浮かべるだけでなにも言ってきません。..
『違う出迎えが来たよぉ⁉︎』
私の頭の上という定位置に戻ったくーちゃんが髪を引っ張りながら悲鳴をあげます。
開け放たれた、というかぶっ壊したカジノの入り口からは破砕音に惹かれるかのように綺麗な服を着たゾンビやらグールがぞろぞろと姿を現してきました。
おそらくはカジノのお客であるお金持ち連中の成れの果てなんでしょう。煌びやかな宝石などを身につけてはいますが口から意味不明なうめき声しか出しません。ふむ、あれは売ったらなかなかのお金が手に入るんではないんでしょうか?
「ゼィハ、この中にいるモンスター倒しますよ!」
「え、なんでです? ヴィツーさんを探すんでは?」
「ここにいるモンスターは元貴族様のようです。ですから着ている服や装飾品を片っ端から奪い取りますよ!」
『死人にも容赦しないね⁉︎』
襲い来るモンスターを粉砕しながら転がる装飾品、または身に付けている装飾品を剥いでは魔法のカバンに放り込んでいきます。高そうな服を着たモンスターは頭を吹き飛び服を剥ぎ取ります。
「多分、強盗や野盗でももう少しためらうと思うんですが……」
私が行動不能にしたモンスターから装飾品を失敬しながらゼィハがブツブツと何かを言っています。なんだか気味が悪いですね。あなたもやってるんですから共犯ですよ。
「ゼィハ」
「なんです」
「ほーむらぁぁぁぁん!」
ちょっとしたいたずら心が湧き、私に襲いかかってきたスケルトンを躱し、通り過ぎ、無防備になっているスケルトンの頭を微妙に手加減をしてぽちでぶっ叩きます。
叩かれたスケルトンの頭は砕けることなく凄まじい速度で飛翔し、カタカタと口を開け閉めしながらゼィハに向かい飛び立ちます。
「ギャァァァァァァ!」
『きゃぁぁぁ!』
飛んできたのでスケルトンの頭部を見てゼィハは絶境。釣られたようにして私の頭という安全地帯にいるはずのくーちゃんも甲高い声で悲鳴をあげます。
ゼィハが慌てながらも迷いのない手つきで魔法のカバンに手を差し込んだ瞬間、私の頭に最近よく聞くようになった警鐘が鳴り響きます。
「やばい!」
そう言葉に出すとともに私は直感に従いゼィハとスケルトンの頭部の線状から逃げるように体を投げ出します。
そしてゼィハの方を見ると彼女の手には黒々と光るナイフのような物が握られていました。
「か、かの敵を穿て!」
ナイフをゼィハが振るった瞬間、ナイフから黒い光が溢れ、それが膨らみ切っ先に集まり、矢のように放たれました。黒い光は迫っていたスケルトンの頭部を容易く打砕き、それでも勢いを殺すことなく、ぞろぞろとこちらに向かっていた亡者の列に突き刺さると強烈な爆発を引き起こし亡者の列をなかったかのように消し去りました。
「あれ、やばくないですか?」
『なにかわからないけど魔剣や聖剣くらいの力があるよ』
ゼィハがどれ程の魔法道具や古代魔導具を持っているかわかりませんが今まで彼女が使った物の中では一番凶悪な代物でしょう。
「こ、怖かった」
ナイフを持ったままへたり込んだゼィハですが、正直、そのナイフを持ったあなたの方が怖いんですよね。
「いや、ただ骨の顔が飛んで行っただけでしょう?」
「飛んできたのが動いてたら誰でも嫌がるに決まってるでしょ⁉︎ というか骨が飛んでくる時点で間違ってるんですけど!」
「骨もたまには飛びたかったんですよ」
「あきらかによくわからない掛け声出しながらこっちに向かって打ってたでしょう⁉︎」
以外と細いやつですね。
なんだかこのまま放っておくと説教されそうな気がしてきましたよ。お年寄りはお説教と噂話が大好きですからねぇ。
「…… 今何か失礼なことを考えませんでしたか?」
「いえ、全然?」
加えて勘もするどいんですよねぇ。
「じゃ、行きましょうか」
話を続けるのが若干面倒になってきたので話を切り上げ私はカジノの奥を指差しながら先に進みます。
「ちょっと! まだ話終わってないんですけど!」
「あ〜 後で聞くということで」
「聞く気ないですね⁉︎」
怒鳴るゼィハから逃げるようにして私は駆け出し、目の前のモンスターを蹂躙しつつヴィツーの部屋を目指すのでした。
カジノの入り口付近にたむろしていモンスターたちをぽちで吹き飛ばし、カジノの扉に叩きつけます。モンスターたちがぶつかった扉は勢いよく開け放たれ可動域の限界を超えたのか音を立てて壊れました。
「お客様が来たというのにで出迎えがないとはなってない店ですね」
ぽちを肩に担ぐようにしてカラカラと笑います。すでにゼィハは苦笑を浮かべるだけでなにも言ってきません。..
『違う出迎えが来たよぉ⁉︎』
私の頭の上という定位置に戻ったくーちゃんが髪を引っ張りながら悲鳴をあげます。
開け放たれた、というかぶっ壊したカジノの入り口からは破砕音に惹かれるかのように綺麗な服を着たゾンビやらグールがぞろぞろと姿を現してきました。
おそらくはカジノのお客であるお金持ち連中の成れの果てなんでしょう。煌びやかな宝石などを身につけてはいますが口から意味不明なうめき声しか出しません。ふむ、あれは売ったらなかなかのお金が手に入るんではないんでしょうか?
「ゼィハ、この中にいるモンスター倒しますよ!」
「え、なんでです? ヴィツーさんを探すんでは?」
「ここにいるモンスターは元貴族様のようです。ですから着ている服や装飾品を片っ端から奪い取りますよ!」
『死人にも容赦しないね⁉︎』
襲い来るモンスターを粉砕しながら転がる装飾品、または身に付けている装飾品を剥いでは魔法のカバンに放り込んでいきます。高そうな服を着たモンスターは頭を吹き飛び服を剥ぎ取ります。
「多分、強盗や野盗でももう少しためらうと思うんですが……」
私が行動不能にしたモンスターから装飾品を失敬しながらゼィハがブツブツと何かを言っています。なんだか気味が悪いですね。あなたもやってるんですから共犯ですよ。
「ゼィハ」
「なんです」
「ほーむらぁぁぁぁん!」
ちょっとしたいたずら心が湧き、私に襲いかかってきたスケルトンを躱し、通り過ぎ、無防備になっているスケルトンの頭を微妙に手加減をしてぽちでぶっ叩きます。
叩かれたスケルトンの頭は砕けることなく凄まじい速度で飛翔し、カタカタと口を開け閉めしながらゼィハに向かい飛び立ちます。
「ギャァァァァァァ!」
『きゃぁぁぁ!』
飛んできたのでスケルトンの頭部を見てゼィハは絶境。釣られたようにして私の頭という安全地帯にいるはずのくーちゃんも甲高い声で悲鳴をあげます。
ゼィハが慌てながらも迷いのない手つきで魔法のカバンに手を差し込んだ瞬間、私の頭に最近よく聞くようになった警鐘が鳴り響きます。
「やばい!」
そう言葉に出すとともに私は直感に従いゼィハとスケルトンの頭部の線状から逃げるように体を投げ出します。
そしてゼィハの方を見ると彼女の手には黒々と光るナイフのような物が握られていました。
「か、かの敵を穿て!」
ナイフをゼィハが振るった瞬間、ナイフから黒い光が溢れ、それが膨らみ切っ先に集まり、矢のように放たれました。黒い光は迫っていたスケルトンの頭部を容易く打砕き、それでも勢いを殺すことなく、ぞろぞろとこちらに向かっていた亡者の列に突き刺さると強烈な爆発を引き起こし亡者の列をなかったかのように消し去りました。
「あれ、やばくないですか?」
『なにかわからないけど魔剣や聖剣くらいの力があるよ』
ゼィハがどれ程の魔法道具や古代魔導具を持っているかわかりませんが今まで彼女が使った物の中では一番凶悪な代物でしょう。
「こ、怖かった」
ナイフを持ったままへたり込んだゼィハですが、正直、そのナイフを持ったあなたの方が怖いんですよね。
「いや、ただ骨の顔が飛んで行っただけでしょう?」
「飛んできたのが動いてたら誰でも嫌がるに決まってるでしょ⁉︎ というか骨が飛んでくる時点で間違ってるんですけど!」
「骨もたまには飛びたかったんですよ」
「あきらかによくわからない掛け声出しながらこっちに向かって打ってたでしょう⁉︎」
以外と細いやつですね。
なんだかこのまま放っておくと説教されそうな気がしてきましたよ。お年寄りはお説教と噂話が大好きですからねぇ。
「…… 今何か失礼なことを考えませんでしたか?」
「いえ、全然?」
加えて勘もするどいんですよねぇ。
「じゃ、行きましょうか」
話を続けるのが若干面倒になってきたので話を切り上げ私はカジノの奥を指差しながら先に進みます。
「ちょっと! まだ話終わってないんですけど!」
「あ〜 後で聞くということで」
「聞く気ないですね⁉︎」
怒鳴るゼィハから逃げるようにして私は駆け出し、目の前のモンスターを蹂躙しつつヴィツーの部屋を目指すのでした。
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