エルフさんが通ります
頭に虫が湧いてるとしか思えない発言ですね
「これで私の勝ちですね」
『前から思ってたけどリリカ、魔ノ華酷使しすぎだよね』
「くーちゃん、道具とは使ってこそなんですよ? 壁に飾られて錆びる武器と血に汚れて錆びる武器。どっちが幸せだと思いますか?」
『果物を切って分ける方が平和だよ』
「……確かにそうですね」
幸せと平和はまた違うと思いますがくーちゃんには通じない気がしますので一応納得しておきます。
いつもならここで魔ノ華を鞘へと戻すわけなんですが。
「まだやるんですか? 疲れるんですけど?」
武器を手に立ち上がろうとする二人組へと視線をやりながら私は面倒そうに言い放ちます。
銀矢も逸れたとはいえかなりの数の破壊さした岩を食らったと思いましたがさすがはエルフ。しつこいまでの生命力です。いや、エルフの服のおかげかもしれませんね。
「まだ負けてない」
「最愛の人の悲しみに比べればこんなもの」
ああ、めんどくさい。非常に目をどうです。いっそ一思いにやってしまった方がいいかもしれませんね。主に私の精神衛生上の理由で、
 
「よし、死『ねぇねぇ、最愛の人って誰?』
やっぱり首を跳ね飛ばしてしまおうと考えた私の言葉を遮るようにくーちゃんが言葉を口にします。そういえば『最愛の人』とやらが誰かわからないままでしたね。
「……ベシュ様よ」
「はっ?」
絞り出したような声が告げた人物名に私は間抜けな声をあげます。
なんでここでベシュが出てくるのでしょうか?
「リリカさん、ベシュというのはダンジョンでやたらと暴れ回っていたエルフの三人組の一人ですか?」
ゼィハが私に近づいてくると耳元で囁くように確認してきます。
「そうです。馬鹿でかい剣を持っていた奴ですよ」
「あの、あの方は男なんでしょうか? あたしが見ている限りではお供のお二人は男でしたが大剣を持っていたのは女だった気がするんですが……」
「……」
まごうことなく女でしょう。あいつ、胸ありましたし。いや、でも突然変異して男になったとか? ありえそうで怖いですね。ベシュですし。
「ベシュってもしかして男だったんですか?」
「貴様、お姉様をバカにしてるのか!」
一応の可能性を考慮して尋ねてみると犬歯をむき出しにしながら怒る様子からよっぽど好きなんですね。そしてベシュはやはり女のようです。
「なら、なおさらおかしいでしょう? ベシュは女で私も女ですよ?」
「愛に性別なんて関係ありませんわ!」
ちょっと待ってください。シェリーさん、なんであなたが割り込んでくるんですか? あとアリエルもなんでそんな瞳を輝かしているんです!
「そっちの奴らは話がわかるようだな。そう、愛には性別なんて関係ない!」
「いやいやいやいや」
なんだか愛って言えば解決するとか思ってませんかね。
どれだけ頭の中にお花畑が広がっているんですか。
「だって子供とか作れないんですよ?」
「愛があれば大丈夫!」
「……大丈夫じゃないでしょ」
頭に虫が湧いてるとしか思えないような発言ですね。
やれやれと頭を振りながらも私は悩みます。
とりあえずシェリーとの今後の付き合い方はまた考えないといけませんね。
しかし、こいつら殺っちゃうとシェリーが追ってくる可能性がありますからね。手っ取り早く追ってこれないようにする方法はないもんですかね。
「あ、いいことを思いつきました」
確実に足止めをし、さらにはシェリーが追ってこれないようにする方法に天才的な私の頭脳が閃いたのです。
「ゼィハ、縄持ってます?」
「ありますが?」
私の魔法のカバンにも入っていたのですが色々使いなくなりましたからね。
ゼィハが自分の魔法のカバンを漁りかなり丈夫そうな縄を取り出してくれ、私に渡してきます。それを受け取ると倒れているエルフへと近づき縛りはじめます。
「貴様、なにを!」
「あ、動かないでくださいね? 動くと見えますか?」
エルフ二人組が立ち上がり、こちらに飛びかかろうとしてくるのは目に見えてわかっていたので魔ノ華の大きさをナイフ程度に変え、鼻から血を流し気絶しているエルフの首元へと突きつけます。
ちょっと切れ味良すぎたせいで首元筋へ軽く当たっただけでエルフの首元の皮膚が切られ僅かに血が滲んできます。今の状態のこのエルフを殺すことなど赤子の手を捻るように簡単ですよ。
「くっ」
「卑怯者が!」
私なら切り裂きかねないと思ったのかエルフ達の動きが止まります。
ふふふ、予想通りですね。
大丈夫ですよ。やっちゃうことはありませんよ。死んだら運びにくい、というか人質の意味がなくなりますからね。
「外道……」
「外道ですわ……」
「外道ですね」
『外道じゃない?』
仲間のはずの人たちが一番罵倒が酷かったです。
『前から思ってたけどリリカ、魔ノ華酷使しすぎだよね』
「くーちゃん、道具とは使ってこそなんですよ? 壁に飾られて錆びる武器と血に汚れて錆びる武器。どっちが幸せだと思いますか?」
『果物を切って分ける方が平和だよ』
「……確かにそうですね」
幸せと平和はまた違うと思いますがくーちゃんには通じない気がしますので一応納得しておきます。
いつもならここで魔ノ華を鞘へと戻すわけなんですが。
「まだやるんですか? 疲れるんですけど?」
武器を手に立ち上がろうとする二人組へと視線をやりながら私は面倒そうに言い放ちます。
銀矢も逸れたとはいえかなりの数の破壊さした岩を食らったと思いましたがさすがはエルフ。しつこいまでの生命力です。いや、エルフの服のおかげかもしれませんね。
「まだ負けてない」
「最愛の人の悲しみに比べればこんなもの」
ああ、めんどくさい。非常に目をどうです。いっそ一思いにやってしまった方がいいかもしれませんね。主に私の精神衛生上の理由で、
 
「よし、死『ねぇねぇ、最愛の人って誰?』
やっぱり首を跳ね飛ばしてしまおうと考えた私の言葉を遮るようにくーちゃんが言葉を口にします。そういえば『最愛の人』とやらが誰かわからないままでしたね。
「……ベシュ様よ」
「はっ?」
絞り出したような声が告げた人物名に私は間抜けな声をあげます。
なんでここでベシュが出てくるのでしょうか?
「リリカさん、ベシュというのはダンジョンでやたらと暴れ回っていたエルフの三人組の一人ですか?」
ゼィハが私に近づいてくると耳元で囁くように確認してきます。
「そうです。馬鹿でかい剣を持っていた奴ですよ」
「あの、あの方は男なんでしょうか? あたしが見ている限りではお供のお二人は男でしたが大剣を持っていたのは女だった気がするんですが……」
「……」
まごうことなく女でしょう。あいつ、胸ありましたし。いや、でも突然変異して男になったとか? ありえそうで怖いですね。ベシュですし。
「ベシュってもしかして男だったんですか?」
「貴様、お姉様をバカにしてるのか!」
一応の可能性を考慮して尋ねてみると犬歯をむき出しにしながら怒る様子からよっぽど好きなんですね。そしてベシュはやはり女のようです。
「なら、なおさらおかしいでしょう? ベシュは女で私も女ですよ?」
「愛に性別なんて関係ありませんわ!」
ちょっと待ってください。シェリーさん、なんであなたが割り込んでくるんですか? あとアリエルもなんでそんな瞳を輝かしているんです!
「そっちの奴らは話がわかるようだな。そう、愛には性別なんて関係ない!」
「いやいやいやいや」
なんだか愛って言えば解決するとか思ってませんかね。
どれだけ頭の中にお花畑が広がっているんですか。
「だって子供とか作れないんですよ?」
「愛があれば大丈夫!」
「……大丈夫じゃないでしょ」
頭に虫が湧いてるとしか思えないような発言ですね。
やれやれと頭を振りながらも私は悩みます。
とりあえずシェリーとの今後の付き合い方はまた考えないといけませんね。
しかし、こいつら殺っちゃうとシェリーが追ってくる可能性がありますからね。手っ取り早く追ってこれないようにする方法はないもんですかね。
「あ、いいことを思いつきました」
確実に足止めをし、さらにはシェリーが追ってこれないようにする方法に天才的な私の頭脳が閃いたのです。
「ゼィハ、縄持ってます?」
「ありますが?」
私の魔法のカバンにも入っていたのですが色々使いなくなりましたからね。
ゼィハが自分の魔法のカバンを漁りかなり丈夫そうな縄を取り出してくれ、私に渡してきます。それを受け取ると倒れているエルフへと近づき縛りはじめます。
「貴様、なにを!」
「あ、動かないでくださいね? 動くと見えますか?」
エルフ二人組が立ち上がり、こちらに飛びかかろうとしてくるのは目に見えてわかっていたので魔ノ華の大きさをナイフ程度に変え、鼻から血を流し気絶しているエルフの首元へと突きつけます。
ちょっと切れ味良すぎたせいで首元筋へ軽く当たっただけでエルフの首元の皮膚が切られ僅かに血が滲んできます。今の状態のこのエルフを殺すことなど赤子の手を捻るように簡単ですよ。
「くっ」
「卑怯者が!」
私なら切り裂きかねないと思ったのかエルフ達の動きが止まります。
ふふふ、予想通りですね。
大丈夫ですよ。やっちゃうことはありませんよ。死んだら運びにくい、というか人質の意味がなくなりますからね。
「外道……」
「外道ですわ……」
「外道ですね」
『外道じゃない?』
仲間のはずの人たちが一番罵倒が酷かったです。
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