エルフさんが通ります
かなりのやり手
酒場兼冒険者ギルドへ向かうとさっそくカウンターへと向かい戦争への参加を告げます。
するとカウンターにいるお姉さんは少し悲しそうな顔をしながらも手続きをしてくれました。
カウンターを離れる際に「こんな小さな子供まで戦争にいくなんて」という声が聞こえてきます。子供が戦争にいくのは珍しくはないと思うんですかね。里では普通でしたし。
「ゼィハは何歳なんです?」
不意に自分が子供扱いされたことで疑問が頭に浮かびました。
「あたしですか? あたしは今年で三百三十になりますが?」
「……おばぁちゃん?」
口から言葉が出た瞬間、私の頭に今まで感じたことがない衝撃が走りました。
「なにするんですか?」
「おばぁちゃんとはいい度胸ですね」
あ、目が笑ってないですね。
エルフやダークエルフなどの長寿な種族はある一定の年月が経つと成長が完全に止まるらしいんですよね。
ほぼ不老。寿命という概念から切り離されているのがエルフやダークエルフといった長寿族なのです。たまに病気や事故で死んでしまうので不老不死ではないですが限りなくそれに近い生き物なんですよね。
「冗談ですよ。エルフやダークエルフは年齢わかりにくいじゃないですか」
「そういうことにしときましょう」
あっさりと引き下がってくれました。
さてとなるとあとは集合場所に向かうだけですね。
街の門から戦場行きの馬車を何台も出してるそうなのでたすかります。
「やたらと金払いがいいですねぇ」
門に向かい歩きながら先ほどの受付のお姉さんとの会話を思い出します。
冒険者証にはピリァメイスの兵を倒した際に数が登録されるらしくその数に応じて報酬が払われる仕組みらしいです。無駄に魔法技術を使ってる気がしますね。
「戦場といってもおそらくは前哨戦、小規模なものがしばらく続きますよ」
「そういうものなんですか?」
戦争の手順などわかりませんからね。
「大国と小国ならばすぐに決着がつくでしょうがドラクマもピリァメイスも同じくらいの国力。小競り合いが続きますよ」
「ふーん」
 あんまり興味がないので適当に聞き流します。
門の側の馬車には仰々しい装備をしたおそらくはご同業である冒険者達が荷物を載せているところでした。
「私たちも乗せていただいても?」
手近な、かつまだスペースがありそうな馬車に近づくと御者に声をかけます。
すると御者のおっちゃんは驚いたように目を見開きます。乾燥しますよ?
「戦場いきだけどいいのかい?」
「はい、目的地なので」
そう告げると馬車に乗り込ます。やたらと高いのですでに乗り込んでいた冒険者に引き上げられる形になったのが不本意ですが。
「女、子供が戦場にいくのか?」
私を乗り上げさした冒険者の男が笑いながら言ってきます。
「女で子供ですがランクは一応Dです。めんどうだからCに上がらないだけです」
先ほどの受付でもランクを上げれるということを教えてもらいましたがそのためにはギルド長判断、いわゆる面談とやらがあるそうなので辞退しました。
「ほうその年でDランクとはさすがエルフの娘さんだとなるとそちらのダークエルフさんも?」
視線が私からゼィハの方へと移ります。
ゼィハは特に会話が興味がなかったのかチラチラと降る雪に眼を奪われていましたが自分に視線が集まっていると気付きました。
「なにか?」
「いや、ゼィハって冒険者ランクはいくつなの?」
「今日は質問されてばかりですねぇ、確かAだったと思いますが?」
『「A⁉︎」』
かなりのやり手でした。おそるべし、ダークエルフ。
「それじゃ、出発するよ」
なんとも言えない興奮と緊張感に包まれながら私達を乗せた馬車は雪の降る中、戦場へとむかうのでした。
するとカウンターにいるお姉さんは少し悲しそうな顔をしながらも手続きをしてくれました。
カウンターを離れる際に「こんな小さな子供まで戦争にいくなんて」という声が聞こえてきます。子供が戦争にいくのは珍しくはないと思うんですかね。里では普通でしたし。
「ゼィハは何歳なんです?」
不意に自分が子供扱いされたことで疑問が頭に浮かびました。
「あたしですか? あたしは今年で三百三十になりますが?」
「……おばぁちゃん?」
口から言葉が出た瞬間、私の頭に今まで感じたことがない衝撃が走りました。
「なにするんですか?」
「おばぁちゃんとはいい度胸ですね」
あ、目が笑ってないですね。
エルフやダークエルフなどの長寿な種族はある一定の年月が経つと成長が完全に止まるらしいんですよね。
ほぼ不老。寿命という概念から切り離されているのがエルフやダークエルフといった長寿族なのです。たまに病気や事故で死んでしまうので不老不死ではないですが限りなくそれに近い生き物なんですよね。
「冗談ですよ。エルフやダークエルフは年齢わかりにくいじゃないですか」
「そういうことにしときましょう」
あっさりと引き下がってくれました。
さてとなるとあとは集合場所に向かうだけですね。
街の門から戦場行きの馬車を何台も出してるそうなのでたすかります。
「やたらと金払いがいいですねぇ」
門に向かい歩きながら先ほどの受付のお姉さんとの会話を思い出します。
冒険者証にはピリァメイスの兵を倒した際に数が登録されるらしくその数に応じて報酬が払われる仕組みらしいです。無駄に魔法技術を使ってる気がしますね。
「戦場といってもおそらくは前哨戦、小規模なものがしばらく続きますよ」
「そういうものなんですか?」
戦争の手順などわかりませんからね。
「大国と小国ならばすぐに決着がつくでしょうがドラクマもピリァメイスも同じくらいの国力。小競り合いが続きますよ」
「ふーん」
 あんまり興味がないので適当に聞き流します。
門の側の馬車には仰々しい装備をしたおそらくはご同業である冒険者達が荷物を載せているところでした。
「私たちも乗せていただいても?」
手近な、かつまだスペースがありそうな馬車に近づくと御者に声をかけます。
すると御者のおっちゃんは驚いたように目を見開きます。乾燥しますよ?
「戦場いきだけどいいのかい?」
「はい、目的地なので」
そう告げると馬車に乗り込ます。やたらと高いのですでに乗り込んでいた冒険者に引き上げられる形になったのが不本意ですが。
「女、子供が戦場にいくのか?」
私を乗り上げさした冒険者の男が笑いながら言ってきます。
「女で子供ですがランクは一応Dです。めんどうだからCに上がらないだけです」
先ほどの受付でもランクを上げれるということを教えてもらいましたがそのためにはギルド長判断、いわゆる面談とやらがあるそうなので辞退しました。
「ほうその年でDランクとはさすがエルフの娘さんだとなるとそちらのダークエルフさんも?」
視線が私からゼィハの方へと移ります。
ゼィハは特に会話が興味がなかったのかチラチラと降る雪に眼を奪われていましたが自分に視線が集まっていると気付きました。
「なにか?」
「いや、ゼィハって冒険者ランクはいくつなの?」
「今日は質問されてばかりですねぇ、確かAだったと思いますが?」
『「A⁉︎」』
かなりのやり手でした。おそるべし、ダークエルフ。
「それじゃ、出発するよ」
なんとも言えない興奮と緊張感に包まれながら私達を乗せた馬車は雪の降る中、戦場へとむかうのでした。
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