エルフさんが通ります
卑怯とかいいませんよね
背後から魔力がひたすらに放出され続けているのがわかります。
私の背後ではすでに黒い魔力が羽根状に広がっていることでしょう。
魔ノ華
妖刀ポチの真名であり、解放名でもあります。
刀身は燃えるような紅から全てを飲み込むような漆黒へと変わっており異様な威圧感を周囲に誇示しています。
魔剣にはそれぞれ真名があるらしく主を気に入ると教えてくれるらしく、こいつはポチと名付けた時に抗議をしてくるように教えてきたので読んでやる気はなかったのですが……
「今は手を貸してもらうしかありませんからねぇ」
『なに、その素敵なエフェクト!』
くーちゃんが瞳をキラキラとさしながら私の周囲を飛び回ります。
興味津々ですね。 
「さてと」
いまだ、やる気が衰えないケルベロスへと私は向き直ると軽く魔ノ華を振るいます。
刃が振るわれるたびに空気が震え、黒い魔力の残滓がハラハラと周囲にばら撒かれています。
「この状態、かなりエグいんで気をつけてくださいね」
ケルベロスにではなく、周囲にいる観客へと注意を促します。誰しもが笑っているだけで気にもかけていないようですが、何人かの観客、そして、シェリー、アリエルだけがなにやら魔法を使ったような気配がありました。
私はそれにくすりと笑います。
魔ノ華は私ととても相性がいいんですよね。特に能力が。
「ケルベロス! 早くそいつを喰らえ!」
バカな主人に後押しをされるようにケルベロスが残る二つの頭の牙を剥き出しにし、三本の脚で器用に走りながら私を噛み砕かんと迫ります。
それに合わせるように私は魔ノ華を振るいます。するとさっきは身体強化魔法を使わなければ斬れなかった首が今回はなんの抵抗もなく紅い尾を引きながらケルベロスの体と永遠のサヨナラをしました。
宙を舞うケルベロスの瞳と目が合いますが何が起こったかわからないようですね。
「な、なんで…… さっきは斬るのにあれだけ苦労してたのに……」
みんなの疑問を代表するかのように道化師が言ってくれます。うーん、生徒としてなら百点ですが敵としてなら零点ですね。
しかし、私は優しい美少女エルフです。教えましょう!
「簡単ですよ。真名解放したんですよ? 能力上がるのは普通じゃないですか」
真名解放は能力の解放です。魔剣のいつもの力が二十%だとすると真名解放は自分の感覚でいうところの七十%といったところでしょう。ざっと三倍です。
その分燃費はすこぶる悪いわけですが……
その証拠に私の背中に展開されていた四対の黒い羽根状に広がっているのが徐々に小さくなってきていますし。
「は! 魔力切れじゃないか驚かせやがって!」
それに気づいたのか道化師は再び強気にでできます。
しかし、ケルベロスは完全に怖気付いたの私からジリジリと距離を取るように警戒しています。
そんなケルベロスを見て私はニタァと笑います。
「そんなに怖がらないでくださいよ。今から魔ノ華の能力を見せるんですから」
私は笑いながら観客にも見えるように魔ノ華を頭上に掲げます。別にこんなことする必要ないんですけど気分です。
「悪食」
次の瞬間、魔ノ華に少量の魔力が集まり、蜷局を巻きます。
私がように魔ノ華を振るうと刀身が一瞬にして霧散。
「死なないでくださいね?」
「あ、れ?」
私の言葉が聞こえたか聞こえなかったかわからないようなタイミングで観客が一人、また一人と倒れて行きます。
倒れる間際に黒靄がその観客に近づいていることに気づいたのは何人いますかねぇ。
悪食の効果は名前通り『喰らう』
しかも食べるのは黒靄が接触した対象の魔力。
食べた魔力は全て私に還元されるという素敵な効果付きです。
観客が一人倒れるたびに私の背中の羽根が確実に大きさを取り戻して行きます。
背中な四対の羽根は私の総魔力量を示します。
つまり、悪食を使い、魔力を奪うことができる対象が周囲にいる限り、
「私はいくらでも魔法を使えるわけですよぉ!」
瞬時に魔ノ華の刃を戻し、しかし、黒靄を周囲に漂わせた状態でデタラメに魔力を食らい巨大化した魔ノ華振り回します。背後の羽根が一瞬で一対消え失せましたが、観客が倒れることで瞬時に元の羽根へと戻ります。
巨大化した刃は容赦無くケルベロスを、そして観客を守るための結界を軽々と切り崩し硝子が割れるような音を響かせます。
 使う増える使う増える使う増える使う増える使う増える使う増える使う増える使う増える使う増える使う増える使う。
ひたすらに繰り返されるサイクルでケルベロスはすでに治癒がどうこう言うレベルではなく逃げ惑います。
「ちょこまかと!」
さらに魔力を注ぎ込み魔ノ華の刀身を伸ばしますが躱されます。代わりに会場の一部が魔ノ華によって突き崩され瓦礫とかします。
「あんまり壊されると困りますわ」
「そうですね。お嬢様の言う通りですわ」
後ろの二人は私の破壊攻撃など全く関係ないと言わんばかりにマイペースにお茶飲んでますね。
私も若干面倒になってきましたし。
「逃げられるのも面倒ですし、潰しましょう」
今ある魔力を全て魔ノ華に注ぎます。まぁ、すぐに黒靄が回収するんですが。
注ぎこまれた魔ノ華は巨大化ではなく壁のように平な形へと変わり天井を削ります。ええ、逃げ場所を潰すために。
『それ! 他の人も巻き込むよ⁉︎』
「見物料は命ってやつですね」
『笑えないよ!』
くーちゃんと喋ってますがすでに魔ノ華は私が支えれるだけの重量を超えてます。
「あ、むり」
あっさりと支える努力を放棄した私の手元を離れた魔ノ華は運良くケルベロスの方へと唸りを上げながら倒れて行きます。
ケルベロスは悲鳴を上げながら駆け出しますが魔ノ華の方が大きいです。
結果、プチっという何かが潰れる音と床を破砕する音、さらには土煙を巻き上げながら私の本日二回目の決闘は幕を下ろしたのでした。
私の背後ではすでに黒い魔力が羽根状に広がっていることでしょう。
魔ノ華
妖刀ポチの真名であり、解放名でもあります。
刀身は燃えるような紅から全てを飲み込むような漆黒へと変わっており異様な威圧感を周囲に誇示しています。
魔剣にはそれぞれ真名があるらしく主を気に入ると教えてくれるらしく、こいつはポチと名付けた時に抗議をしてくるように教えてきたので読んでやる気はなかったのですが……
「今は手を貸してもらうしかありませんからねぇ」
『なに、その素敵なエフェクト!』
くーちゃんが瞳をキラキラとさしながら私の周囲を飛び回ります。
興味津々ですね。 
「さてと」
いまだ、やる気が衰えないケルベロスへと私は向き直ると軽く魔ノ華を振るいます。
刃が振るわれるたびに空気が震え、黒い魔力の残滓がハラハラと周囲にばら撒かれています。
「この状態、かなりエグいんで気をつけてくださいね」
ケルベロスにではなく、周囲にいる観客へと注意を促します。誰しもが笑っているだけで気にもかけていないようですが、何人かの観客、そして、シェリー、アリエルだけがなにやら魔法を使ったような気配がありました。
私はそれにくすりと笑います。
魔ノ華は私ととても相性がいいんですよね。特に能力が。
「ケルベロス! 早くそいつを喰らえ!」
バカな主人に後押しをされるようにケルベロスが残る二つの頭の牙を剥き出しにし、三本の脚で器用に走りながら私を噛み砕かんと迫ります。
それに合わせるように私は魔ノ華を振るいます。するとさっきは身体強化魔法を使わなければ斬れなかった首が今回はなんの抵抗もなく紅い尾を引きながらケルベロスの体と永遠のサヨナラをしました。
宙を舞うケルベロスの瞳と目が合いますが何が起こったかわからないようですね。
「な、なんで…… さっきは斬るのにあれだけ苦労してたのに……」
みんなの疑問を代表するかのように道化師が言ってくれます。うーん、生徒としてなら百点ですが敵としてなら零点ですね。
しかし、私は優しい美少女エルフです。教えましょう!
「簡単ですよ。真名解放したんですよ? 能力上がるのは普通じゃないですか」
真名解放は能力の解放です。魔剣のいつもの力が二十%だとすると真名解放は自分の感覚でいうところの七十%といったところでしょう。ざっと三倍です。
その分燃費はすこぶる悪いわけですが……
その証拠に私の背中に展開されていた四対の黒い羽根状に広がっているのが徐々に小さくなってきていますし。
「は! 魔力切れじゃないか驚かせやがって!」
それに気づいたのか道化師は再び強気にでできます。
しかし、ケルベロスは完全に怖気付いたの私からジリジリと距離を取るように警戒しています。
そんなケルベロスを見て私はニタァと笑います。
「そんなに怖がらないでくださいよ。今から魔ノ華の能力を見せるんですから」
私は笑いながら観客にも見えるように魔ノ華を頭上に掲げます。別にこんなことする必要ないんですけど気分です。
「悪食」
次の瞬間、魔ノ華に少量の魔力が集まり、蜷局を巻きます。
私がように魔ノ華を振るうと刀身が一瞬にして霧散。
「死なないでくださいね?」
「あ、れ?」
私の言葉が聞こえたか聞こえなかったかわからないようなタイミングで観客が一人、また一人と倒れて行きます。
倒れる間際に黒靄がその観客に近づいていることに気づいたのは何人いますかねぇ。
悪食の効果は名前通り『喰らう』
しかも食べるのは黒靄が接触した対象の魔力。
食べた魔力は全て私に還元されるという素敵な効果付きです。
観客が一人倒れるたびに私の背中の羽根が確実に大きさを取り戻して行きます。
背中な四対の羽根は私の総魔力量を示します。
つまり、悪食を使い、魔力を奪うことができる対象が周囲にいる限り、
「私はいくらでも魔法を使えるわけですよぉ!」
瞬時に魔ノ華の刃を戻し、しかし、黒靄を周囲に漂わせた状態でデタラメに魔力を食らい巨大化した魔ノ華振り回します。背後の羽根が一瞬で一対消え失せましたが、観客が倒れることで瞬時に元の羽根へと戻ります。
巨大化した刃は容赦無くケルベロスを、そして観客を守るための結界を軽々と切り崩し硝子が割れるような音を響かせます。
 使う増える使う増える使う増える使う増える使う増える使う増える使う増える使う増える使う増える使う増える使う。
ひたすらに繰り返されるサイクルでケルベロスはすでに治癒がどうこう言うレベルではなく逃げ惑います。
「ちょこまかと!」
さらに魔力を注ぎ込み魔ノ華の刀身を伸ばしますが躱されます。代わりに会場の一部が魔ノ華によって突き崩され瓦礫とかします。
「あんまり壊されると困りますわ」
「そうですね。お嬢様の言う通りですわ」
後ろの二人は私の破壊攻撃など全く関係ないと言わんばかりにマイペースにお茶飲んでますね。
私も若干面倒になってきましたし。
「逃げられるのも面倒ですし、潰しましょう」
今ある魔力を全て魔ノ華に注ぎます。まぁ、すぐに黒靄が回収するんですが。
注ぎこまれた魔ノ華は巨大化ではなく壁のように平な形へと変わり天井を削ります。ええ、逃げ場所を潰すために。
『それ! 他の人も巻き込むよ⁉︎』
「見物料は命ってやつですね」
『笑えないよ!』
くーちゃんと喋ってますがすでに魔ノ華は私が支えれるだけの重量を超えてます。
「あ、むり」
あっさりと支える努力を放棄した私の手元を離れた魔ノ華は運良くケルベロスの方へと唸りを上げながら倒れて行きます。
ケルベロスは悲鳴を上げながら駆け出しますが魔ノ華の方が大きいです。
結果、プチっという何かが潰れる音と床を破砕する音、さらには土煙を巻き上げながら私の本日二回目の決闘は幕を下ろしたのでした。
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