エルフさんが通ります
ドラゴンさんはやばい
ドラゴンとは史上最強の生物である。
一説によるとドラゴンを仲間にしないと勇者は魔王を倒せないと言う話があるほどドラゴンさんは強いのである。
我が里の長老も言っていた。
『ドラゴンに目をつけられたら死ぬ。マジで! わしの師匠はドラゴンに食われたからのぅ by長老』
どうせ死ぬなら長老が死ねばよかったのにとこの話を聞くたびに思ってました。
そして今、私はその話をほぼ冗談として受け止めていたことを非常に後悔しています。
「グワァァァァァァァァァァ!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
後ろから聞こえるのは光で眼を焼かれたドラゴンの声、それに対して私の口からでるのは恐怖の混じった悲鳴を上げます。
しかし、足を止める気はありません。とめたら死にます。
風の加護のおかげで雪は削り取られるわけで疾走を阻むものはありませんが残念なことに私を追ってくるドラゴンさんとは歩幅が違います
前進の筋肉がきしむほどの私にとっては珍しい全力の運動。
眼が見えないはずなのに私が何度方向を変えても確実にこちらの位置を追ってきます。
「なんで私の位置がわかるんですかね!?」
『多分だけど精霊と一緒で眼じゃなくて魔力感知に切り替えてるんだよ!』
なんですか! 魔力感知って! ズルですか!
つまり眼をつぶしたところで意味がないと言うことですか。なんて面倒な最強生物ですか。
後ろを振り返りドラゴンさんを見ると完全に両目は閉じています。こちらの光の魔石を警戒してるんでしょうか?
「だったら!」
再び一気に方向転換。
目指すはまだ少しだけの緑が残る森林に向かい駆け込みます。
『こんな森に逃げ込んでもすぐにバレるよ!?』
「逃げる?」
おびえたよな瞳をこちらに向けてきたくーちゃんに眼をやり、私は薄く笑います。
逃げてもあのドラゴンさんは必ず追ってくるでしょう。
ですから、
「ここで狩るか、もしくは身動きが取れないくらいのダメージを与えて逃げ切って見せます!」
魔法のカバンから弓を取り出し跳躍。
木の上に着地するとすばやく反転、ドラゴンさんが正面に見据え再度跳躍。
バサバサと白いコートがはためくのを見ながら弓を構え、鉄矢を一息の間に三射放ちます。
くーちゃが祈るようにドラゴンさんへと向かう鉄矢を見つめています。
鉄矢は空を切りながらドラゴンさんへと向かいますが黒い鱗に当たるとひしゃげて落ちました。
……鉄の矢なんですけど
『もうだめだぁぁぁぁ!』
この世の終わりとも思えるような声を上げたくーちゃんを即座に掴んで私のほう引き寄せ、気に着地すると木を蹴り再び空を舞います。
ドラゴンさんの鱗の硬さは予想外ですね。
しかし、さっきはなったのはただの鉄矢、次はそうはいきません。
「くーちゃん、私にかけているかごは切っていいです。その代わり矢に付与してください!」
チマチマやってても意味がありません。
だったら最大火力で息に押し切ることにこそ活路があります。
『わ、わかった』
くーちゃんの返事と共に再び魔法のカバンに手を突っ込みつかめるだけ鉄矢を掴み取り出します。そこにすかさずくーちゃんが風の属性を付与。
「風よ、回り捻れよ」
くーちゃんの付与した風魔法の上に更に自身の魔力をさらに上乗せを行い、鉄矢が悲鳴を挙げているのがわかりました。
確実に現在の私の最強の一撃となるでしょう。
すでにこの一撃は風矢を超えた一撃、名づけて!
「暴風矢!」
『珍しくかっこいい!?』
私の叫び、そしてくーちゃんが何故か動揺したような声を上げると共に暴風矢が私の手元から放たれます。
風矢は鉄の鎧を貫いた。だったらこの進みながら風をかき集めているような暴風矢なら!
暴風矢がドラゴンさんの首元の黒鱗に当たった瞬間、金属が接触したような音が響き渡ります。先ほどの矢のように当たったらひしゃげるわけではなく拮抗しているように見えた。
ドラゴンさんもそれに気付いたのか瞳を開き、鱗に接触する暴風矢に目をやっています。
『あれでも貫けないの⁉︎』
「いえ、これなら!」
先ほど放ったのは一射。だったら全部を同じ場所に叩き込みまでです。
構え、番え、放つ。
これをひたすらに連続で行い続けます。
放たれた矢はほぼ同じ所に当たり、一射目の矢同様に黒鱗に接触し、爆発を引き起こしました。
「グワァァァァァァァ!」
「爆発した⁉︎」
ドラゴンの絶叫、私は驚愕します。
私、火魔法は使えないんですけど。
こちらまで吹き飛ばされそうになる爆風から顔を庇いながら考えます。
私が使ったのは風魔法、くーちゃんに使ってもらったのも同様です。火がつく要素はないはずなんですが…… 小さな火花が生じたくらいなんですが。
『あれだよ、空気がいっぱいあったから小さな火でも爆発したんだよ』
「……風が集まった場所に鱗に当たった時に生じた火花が膨れ上がったんですかね」
考えているといいことを思いつきました。
これはいけるかもしれません。
「これはうまく行けば逃げれますね」
『ほんとぅ⁉︎』
縋るような目を向けてくるくーちゃんに笑みを浮かべながら私は憎悪に満ちた瞳をこちらに向けてくるドラゴンさんと向かい合うのでした。
「やりますよ、ドラゴンさん撃退戦です」
一説によるとドラゴンを仲間にしないと勇者は魔王を倒せないと言う話があるほどドラゴンさんは強いのである。
我が里の長老も言っていた。
『ドラゴンに目をつけられたら死ぬ。マジで! わしの師匠はドラゴンに食われたからのぅ by長老』
どうせ死ぬなら長老が死ねばよかったのにとこの話を聞くたびに思ってました。
そして今、私はその話をほぼ冗談として受け止めていたことを非常に後悔しています。
「グワァァァァァァァァァァ!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
後ろから聞こえるのは光で眼を焼かれたドラゴンの声、それに対して私の口からでるのは恐怖の混じった悲鳴を上げます。
しかし、足を止める気はありません。とめたら死にます。
風の加護のおかげで雪は削り取られるわけで疾走を阻むものはありませんが残念なことに私を追ってくるドラゴンさんとは歩幅が違います
前進の筋肉がきしむほどの私にとっては珍しい全力の運動。
眼が見えないはずなのに私が何度方向を変えても確実にこちらの位置を追ってきます。
「なんで私の位置がわかるんですかね!?」
『多分だけど精霊と一緒で眼じゃなくて魔力感知に切り替えてるんだよ!』
なんですか! 魔力感知って! ズルですか!
つまり眼をつぶしたところで意味がないと言うことですか。なんて面倒な最強生物ですか。
後ろを振り返りドラゴンさんを見ると完全に両目は閉じています。こちらの光の魔石を警戒してるんでしょうか?
「だったら!」
再び一気に方向転換。
目指すはまだ少しだけの緑が残る森林に向かい駆け込みます。
『こんな森に逃げ込んでもすぐにバレるよ!?』
「逃げる?」
おびえたよな瞳をこちらに向けてきたくーちゃんに眼をやり、私は薄く笑います。
逃げてもあのドラゴンさんは必ず追ってくるでしょう。
ですから、
「ここで狩るか、もしくは身動きが取れないくらいのダメージを与えて逃げ切って見せます!」
魔法のカバンから弓を取り出し跳躍。
木の上に着地するとすばやく反転、ドラゴンさんが正面に見据え再度跳躍。
バサバサと白いコートがはためくのを見ながら弓を構え、鉄矢を一息の間に三射放ちます。
くーちゃが祈るようにドラゴンさんへと向かう鉄矢を見つめています。
鉄矢は空を切りながらドラゴンさんへと向かいますが黒い鱗に当たるとひしゃげて落ちました。
……鉄の矢なんですけど
『もうだめだぁぁぁぁ!』
この世の終わりとも思えるような声を上げたくーちゃんを即座に掴んで私のほう引き寄せ、気に着地すると木を蹴り再び空を舞います。
ドラゴンさんの鱗の硬さは予想外ですね。
しかし、さっきはなったのはただの鉄矢、次はそうはいきません。
「くーちゃん、私にかけているかごは切っていいです。その代わり矢に付与してください!」
チマチマやってても意味がありません。
だったら最大火力で息に押し切ることにこそ活路があります。
『わ、わかった』
くーちゃんの返事と共に再び魔法のカバンに手を突っ込みつかめるだけ鉄矢を掴み取り出します。そこにすかさずくーちゃんが風の属性を付与。
「風よ、回り捻れよ」
くーちゃんの付与した風魔法の上に更に自身の魔力をさらに上乗せを行い、鉄矢が悲鳴を挙げているのがわかりました。
確実に現在の私の最強の一撃となるでしょう。
すでにこの一撃は風矢を超えた一撃、名づけて!
「暴風矢!」
『珍しくかっこいい!?』
私の叫び、そしてくーちゃんが何故か動揺したような声を上げると共に暴風矢が私の手元から放たれます。
風矢は鉄の鎧を貫いた。だったらこの進みながら風をかき集めているような暴風矢なら!
暴風矢がドラゴンさんの首元の黒鱗に当たった瞬間、金属が接触したような音が響き渡ります。先ほどの矢のように当たったらひしゃげるわけではなく拮抗しているように見えた。
ドラゴンさんもそれに気付いたのか瞳を開き、鱗に接触する暴風矢に目をやっています。
『あれでも貫けないの⁉︎』
「いえ、これなら!」
先ほど放ったのは一射。だったら全部を同じ場所に叩き込みまでです。
構え、番え、放つ。
これをひたすらに連続で行い続けます。
放たれた矢はほぼ同じ所に当たり、一射目の矢同様に黒鱗に接触し、爆発を引き起こしました。
「グワァァァァァァァ!」
「爆発した⁉︎」
ドラゴンの絶叫、私は驚愕します。
私、火魔法は使えないんですけど。
こちらまで吹き飛ばされそうになる爆風から顔を庇いながら考えます。
私が使ったのは風魔法、くーちゃんに使ってもらったのも同様です。火がつく要素はないはずなんですが…… 小さな火花が生じたくらいなんですが。
『あれだよ、空気がいっぱいあったから小さな火でも爆発したんだよ』
「……風が集まった場所に鱗に当たった時に生じた火花が膨れ上がったんですかね」
考えているといいことを思いつきました。
これはいけるかもしれません。
「これはうまく行けば逃げれますね」
『ほんとぅ⁉︎』
縋るような目を向けてくるくーちゃんに笑みを浮かべながら私は憎悪に満ちた瞳をこちらに向けてくるドラゴンさんと向かい合うのでした。
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