エルフさんが通ります
暴力教会
おじさんに言われた通り真っ直ぐ歩くと確かに古めかしい教会と呼ばれる建物の姿が見えてきました。
よく言えば歴史を感じる、悪く言えば倒壊寸前と言った感じの教会ですね。いえ、言い直しましょう。
『ボロ!』
「くーちゃん、それは私の台詞なんですけどね」
くーちゃんに台詞を取られたので気を取り直して教会の扉に手をかけます。
「こんにちはー」
挨拶をしながら古めかしい木の扉がギィィと不気味な音を上げながら開けます。
ところが耐久度に難があったのでしょう。扉はバキ! っと言う音を響かせながら扉が壊れました。
「……ぼろいですねぇ」
「イリス様を崇める教会の扉に対してなんて物言いだい! あぁぁ⁉︎」
声の方に視線を向けるとそこには、
「な、なんで魔物が街中に!」
魔物がいました。やたらと筋肉がいっぱいついています。
「誰が魔物だ! 俺様は人間だ!」
「嘘です! 人間がそんな凶悪そうな顔をしてるわけがありません!」
やたらと顔が怖いのです。そう、例えるならば
「あなた! ミノタウロスですね!」
「人の話を聞けよ⁉︎ 俺様はこの教会で神父をやってるブラウンだ! ちゃんと神父の服を着てるだろが!」
自称人間だと言い張るブラウンという魔物に私は疑いの眼差しを向けます。確かに街で見たような服を着ているようですね。
だけど、魔物が服を着ているだけで人間に化けようとは! そんな幼稚なことでは騙せませんよ!
「街のみんなは騙せてもエルフである私は騙せませんよ! ミノタウロス!」
『リリカ、あれ、人間だよ?』
くーちゃんまで! あの魔物は精霊すら騙すというのですか⁉︎ 恐ろしい敵です。
「なんて人の話を聞かないエルフなんだ⁉︎」
ミノタウロスが怒鳴りますが私は騙されませんよ!
「騒々しいですわね。どうしました? ブラザーブラウン」
「し、シスターロゼット⁉︎」
ミノタウロスに声をかけた人物の方に視線を向けると、まず目に入ったのはメロンです。いや、二つの大きな胸でした。
「む! なんですかこの果物の化け物は!」
「…… 誰ですか、この失礼なエルフは」
すごい嫌そうな顔をしながらシスターロゼットっと呼ばれた金髪の女性が後ろに同じ女性とは思えない屈強な 化け物…… 失礼。筋肉逞しい女性を引地れて現れました。
「ここは神聖なるイリス様を奉る教会ですよ? 神を信じぬエルフはすぐに去りなさい」
人を小馬鹿にしたような目で私を見て来ますね。まぁ、私はエルフであって人ではないので特になにも思わないんですけどね。
「魔物を飼ってる教会なんか信用できませんよ」
私はビシッとシスターロゼットの後ろの強面の女性を指差します。
この教会はどれだけ魔物を飼っているのでしょう。
「だれが魔物だこらぁぁぁ!」
「え、自覚のない魔物がいるんですね?」
「あなたたちやるなら外で……」
「おう! ロゼット、約束の物は揃ったか!」
一触即発といった空気を破ったのは扉を蹴破りながら入ってきたやたらと趣味の悪そうな色の服を着たこれまた強面の男の御一行でした。
「……ミスタウォン。今は取り込み中です。その話はあとでじっくりと……」
「んだとこぁらぁ! 俺との取引を反故にするきか!」
「そんな事は無いといってるでしょ」
シスターロゼットが辟易とした様子ですね。確かにこんな男にガミガミと言われたら温厚な私でもキレるよ。なんというか人の話を聞かない種類の人間ぽいですね。
「うるせぇぇぇぇぇぇぇっぇぇぇ! ロゼットさっさと物を用意しろぉぉぉぉぉ!」
そう男がわめいた瞬間、廃墟と化していた教会内に轟音と何かが焦げたようなにおいが充満していきます。
「ぎゃぁぁぁぁぁっぁぁぁ!!」
『ボスゥゥ!?』
「やかましい連中ですね」
悲鳴と同時に服のセンスのかけらもなかった男が胸を押さえて倒れます。
やかましくわめいている連中よりも私の興味は轟音が轟かしたシスターロゼットの手の中に納まり煙を立ち上らせている物≪・≫に向いていました。
「あれなんでしょうね」
『みたことないね~』
くーちゃんが見たこと無いのなら人間が作りだしたものでしょうか? 人間は想像力が豊かですねぇ~
「うるさい男は嫌いなんですよ」
「なんだと貴様! よくもボスを!ぎゃ!」
おそらくはさっき撃たれた男の部下なんでしょう。先程の男同様に無様な悲鳴を上げながら倒れています。
「それがなにかしらないけどそれで横の魔物を撃ってくれるととても助かるんですけど?」
「こんな不男でも使い道があるんですよ」
「姉御まで!?」
「ええ、あなたがたのようなブサイクでも恐喝くらいは顔のおかげでできますしね」
きょうかつと言うのが何かはわかりませんが悪い行為のようですね。
今度また調べることが増えましたね。
「もう見られてしまっては仕方がありませんね。旅人なら金目の物を出してもらえるのであれば助けてあげてもよろしいですわよ?」
「教会とは人、もといエルフからお金を奪う場所なんでしょうか?」
愉快そうに笑うロゼットと凄んでくる男に向かい私は首を傾げます。
「穏便に追い返そうとしてやったのに帰らないお前が悪いんだよ。さっさと姉御の魔法道具の餌食になるか身包み……エルフ?」
男たちが疑問符を浮かべ、シスターロゼットが見たことのない魔法道具を私に向けてきます。
あれが何か非常に気になりますね。
「お前たち多少痛めつけていいですよ! ただしエルフなら高く売れます。顔には傷つけるんじゃないですよ!」
『へい姉御!』
シスターロゼットの声に強面お男や女、ミノタウロスまで私に向かい殺到してきます。
「暴力は嫌いなんですけどね〜」
『……リリカ、説得力が全くないよ』
私の言葉にため息交じりにくーちゃんが答え、私は向かってくる悪党に対して拳を構えるのでした。
よく言えば歴史を感じる、悪く言えば倒壊寸前と言った感じの教会ですね。いえ、言い直しましょう。
『ボロ!』
「くーちゃん、それは私の台詞なんですけどね」
くーちゃんに台詞を取られたので気を取り直して教会の扉に手をかけます。
「こんにちはー」
挨拶をしながら古めかしい木の扉がギィィと不気味な音を上げながら開けます。
ところが耐久度に難があったのでしょう。扉はバキ! っと言う音を響かせながら扉が壊れました。
「……ぼろいですねぇ」
「イリス様を崇める教会の扉に対してなんて物言いだい! あぁぁ⁉︎」
声の方に視線を向けるとそこには、
「な、なんで魔物が街中に!」
魔物がいました。やたらと筋肉がいっぱいついています。
「誰が魔物だ! 俺様は人間だ!」
「嘘です! 人間がそんな凶悪そうな顔をしてるわけがありません!」
やたらと顔が怖いのです。そう、例えるならば
「あなた! ミノタウロスですね!」
「人の話を聞けよ⁉︎ 俺様はこの教会で神父をやってるブラウンだ! ちゃんと神父の服を着てるだろが!」
自称人間だと言い張るブラウンという魔物に私は疑いの眼差しを向けます。確かに街で見たような服を着ているようですね。
だけど、魔物が服を着ているだけで人間に化けようとは! そんな幼稚なことでは騙せませんよ!
「街のみんなは騙せてもエルフである私は騙せませんよ! ミノタウロス!」
『リリカ、あれ、人間だよ?』
くーちゃんまで! あの魔物は精霊すら騙すというのですか⁉︎ 恐ろしい敵です。
「なんて人の話を聞かないエルフなんだ⁉︎」
ミノタウロスが怒鳴りますが私は騙されませんよ!
「騒々しいですわね。どうしました? ブラザーブラウン」
「し、シスターロゼット⁉︎」
ミノタウロスに声をかけた人物の方に視線を向けると、まず目に入ったのはメロンです。いや、二つの大きな胸でした。
「む! なんですかこの果物の化け物は!」
「…… 誰ですか、この失礼なエルフは」
すごい嫌そうな顔をしながらシスターロゼットっと呼ばれた金髪の女性が後ろに同じ女性とは思えない屈強な 化け物…… 失礼。筋肉逞しい女性を引地れて現れました。
「ここは神聖なるイリス様を奉る教会ですよ? 神を信じぬエルフはすぐに去りなさい」
人を小馬鹿にしたような目で私を見て来ますね。まぁ、私はエルフであって人ではないので特になにも思わないんですけどね。
「魔物を飼ってる教会なんか信用できませんよ」
私はビシッとシスターロゼットの後ろの強面の女性を指差します。
この教会はどれだけ魔物を飼っているのでしょう。
「だれが魔物だこらぁぁぁ!」
「え、自覚のない魔物がいるんですね?」
「あなたたちやるなら外で……」
「おう! ロゼット、約束の物は揃ったか!」
一触即発といった空気を破ったのは扉を蹴破りながら入ってきたやたらと趣味の悪そうな色の服を着たこれまた強面の男の御一行でした。
「……ミスタウォン。今は取り込み中です。その話はあとでじっくりと……」
「んだとこぁらぁ! 俺との取引を反故にするきか!」
「そんな事は無いといってるでしょ」
シスターロゼットが辟易とした様子ですね。確かにこんな男にガミガミと言われたら温厚な私でもキレるよ。なんというか人の話を聞かない種類の人間ぽいですね。
「うるせぇぇぇぇぇぇぇっぇぇぇ! ロゼットさっさと物を用意しろぉぉぉぉぉ!」
そう男がわめいた瞬間、廃墟と化していた教会内に轟音と何かが焦げたようなにおいが充満していきます。
「ぎゃぁぁぁぁぁっぁぁぁ!!」
『ボスゥゥ!?』
「やかましい連中ですね」
悲鳴と同時に服のセンスのかけらもなかった男が胸を押さえて倒れます。
やかましくわめいている連中よりも私の興味は轟音が轟かしたシスターロゼットの手の中に納まり煙を立ち上らせている物≪・≫に向いていました。
「あれなんでしょうね」
『みたことないね~』
くーちゃんが見たこと無いのなら人間が作りだしたものでしょうか? 人間は想像力が豊かですねぇ~
「うるさい男は嫌いなんですよ」
「なんだと貴様! よくもボスを!ぎゃ!」
おそらくはさっき撃たれた男の部下なんでしょう。先程の男同様に無様な悲鳴を上げながら倒れています。
「それがなにかしらないけどそれで横の魔物を撃ってくれるととても助かるんですけど?」
「こんな不男でも使い道があるんですよ」
「姉御まで!?」
「ええ、あなたがたのようなブサイクでも恐喝くらいは顔のおかげでできますしね」
きょうかつと言うのが何かはわかりませんが悪い行為のようですね。
今度また調べることが増えましたね。
「もう見られてしまっては仕方がありませんね。旅人なら金目の物を出してもらえるのであれば助けてあげてもよろしいですわよ?」
「教会とは人、もといエルフからお金を奪う場所なんでしょうか?」
愉快そうに笑うロゼットと凄んでくる男に向かい私は首を傾げます。
「穏便に追い返そうとしてやったのに帰らないお前が悪いんだよ。さっさと姉御の魔法道具の餌食になるか身包み……エルフ?」
男たちが疑問符を浮かべ、シスターロゼットが見たことのない魔法道具を私に向けてきます。
あれが何か非常に気になりますね。
「お前たち多少痛めつけていいですよ! ただしエルフなら高く売れます。顔には傷つけるんじゃないですよ!」
『へい姉御!』
シスターロゼットの声に強面お男や女、ミノタウロスまで私に向かい殺到してきます。
「暴力は嫌いなんですけどね〜」
『……リリカ、説得力が全くないよ』
私の言葉にため息交じりにくーちゃんが答え、私は向かってくる悪党に対して拳を構えるのでした。
コメント