エルフさんが通ります
パーティを組もう
ティスタナの南門。
フランに言われた通り門の前の騎士に声をかけた。
「ゴブリン狩りにきました」
『きたきた』
「ん？ ああ、ギルドからか。嬢ちゃん一人かい？」
「はい」
笑みを浮かべた私をなんとも言えないような顔をしながらがら騎士が見てきます。なんなんですかね？
「嬢ちゃん、ゴブリンは確かに低ランクの冒険者でも狩れる楽な魔物ではあるが決して遊びで狩れるような魔物ではないんだぞ？」
「知ってますよ？」
私としては魔物より人間のほうが怖いと思うんだけどそこは口を出さないでおきましょう。
騎士は私に見えるようにため息を付きます。いや、せめてみえないようにしませんかね？
「君くらいの年齢ならパーティを組んだ方が安全だし効率も上がると思うんだが？」
「こっちには知り合いがいないもので。あとお金も必要なんですよ。早急に」
半分嘘で半分本当なこと言う。
『バレにくい嘘を付くコツは嘘の中に真実を混ぜることじゃ by長老』
実践してみたよ！ 長老！
知り合いがいないのは本当。ただし、お金に関しては嘘を付く。理由としては一番あり得そうだからです。
「……まぁ、死ぬなら俺達の目に入らないて無いところで頼むぜ？ 気分が悪いからな。ゴブリンなら森の浅いところにいるさ。深いとこには行くなよ？ オークや狼がでるからな」
「そうですね。騎士さん達も流れ矢に当たらないように気を付けてくださいね」
皮肉には皮肉で返す。
それが私のモットーです。
嫌そうな顔をする騎士の横を通り、私はティスタニアの外に出るのでした。
門の外に出ると周りには他にも幾人かの武装した人が人たちがグループを組んで好き勝手に話をしていました。
ふむ、歴戦の戦士ぽい人もいれば初心者なのか真新しい装備を身につけた人も目立ちます。
そんな中、一人でいる私はとても目立つようで一斉に視線を向けられました。
『一人が目立つみたいですね』
「みたいだね」
一人ですよ。クーちゃん。
まさか、冒険者が基本はパーティを組むのが基本だとは思ってもいませんでしたね。
エルフの里では狩りは一人でできるようになって一人前。そのためみんな個人行動でしたし。なにより周りのエルフも獲物を狙うライバルでしたからね。
「まぁ、私は一人で狩る予定だったし関係ないですけどね」
『わたしいるよ？』
「あぁ、そうでした」
そうでした。くーちゃんがいましたね。
「ではくーちゃん。行きましょうか」
『はーい』
「あ、あの！」
くーちゃんと共に森の方に向かおうとした私は後ろから声をかけられたため振り返える。
振り返った私の目に入ったのは大きなとんがり帽子だ。そこから下に瞳を向けると真っ黒なローブ、そして小柄な背丈よりも大きな杖を持った人物が立っていた。いわゆる魔女ですかね。
「なにか？」
警戒の眼差しを向けながらも一応訪ねた。無論、いつでも後ろに飛び、弓を構えれるようにしながらだけど。
「あの！ 冒険者ですよね？」
「違います」
「えぇ⁉︎」
『えぇ⁉︎』
しまった。咄嗟に嘘をついてしまった。おかけでくーちゃんと魔女っ子がすごい顔してる。
「冒険者じゃないんですか？」
「まだ冒険者じゃないです」
まだ登録証貰ってないしまだ、冒険者じゃない。うん、嘘言ってないね、私は。
「で、でもゴブリン狩りに行くんですよね？ 門の前で騎士に説明聞いてたの見ましたし！」
「あ、うん、そうだけど」
なんだろ、厄介ごとの予感しかしない。
「ぼ、ボクをパーティにいれてください！ どこのパーティにも入れなくて困ってるんです！」
魔女っ子が私に縋るように腕を掴んできた。
「え⁉︎ いや、あなた魔法使いでしょ？ それならどのパーティにも優遇されるんじゃ……」
魔法使いは希少である。
いや、確かに魔法使い自体は結構いる。だが、そこから戦闘もできるとう魔法使いと言うのはかなり希少なのだ。
「それが…… 僕が使える魔法は一つしかなくて」
そりゃだめでしょ。魔法使いは使える魔法の数で良し悪しがわかると聞いたことがあるし。
「ちなみになにが使えるの？」
「重力魔法です」
重力魔法？ 聞いたことないな。
普通は火魔法とか水魔法とかだと思うんだけど。
くーちゃんの方を見るが首を横に振っていた。精霊も知らない魔法か。
「誰かに習ったの？」
「いえ、小さい頃からこれしか使えないんです。他の魔法を使っても重力魔法になります」
なんて迷惑な。なに使っても重力魔法ってやつになるのはもはや才能ではないんだろうか。
「まぁ、いいけど。報酬は山分けよ？」
「は、はい！ ありがとうございます！」
晴れやかな笑顔を浮かべた魔女っ子がまぶしい。
あれ？
「そういえばあなた名前は？」
「ああ、すいません。自己紹介がまだでしたね」
魔女っ子が礼儀正しく礼をしてくる。
「ボクの名前はアレス。アレス・ディオンです」
「私の名前はリリカ・エトロンシア。こっちはさっき契約した精霊くーちゃんよ」
『よろしくー』
私が紹介するとくーちゃんはアレスに向かい小さな手をひらひらと降る。
「契約精霊までお持ちなんてすごいです！」
契約精霊くーちゃんを見たアレスはなぜか凄い尊敬の眼差しを私に向けてくる。たまたまなんだけどなー
こうして私とアレスの即席パーティが結成されたのであった。
フランに言われた通り門の前の騎士に声をかけた。
「ゴブリン狩りにきました」
『きたきた』
「ん？ ああ、ギルドからか。嬢ちゃん一人かい？」
「はい」
笑みを浮かべた私をなんとも言えないような顔をしながらがら騎士が見てきます。なんなんですかね？
「嬢ちゃん、ゴブリンは確かに低ランクの冒険者でも狩れる楽な魔物ではあるが決して遊びで狩れるような魔物ではないんだぞ？」
「知ってますよ？」
私としては魔物より人間のほうが怖いと思うんだけどそこは口を出さないでおきましょう。
騎士は私に見えるようにため息を付きます。いや、せめてみえないようにしませんかね？
「君くらいの年齢ならパーティを組んだ方が安全だし効率も上がると思うんだが？」
「こっちには知り合いがいないもので。あとお金も必要なんですよ。早急に」
半分嘘で半分本当なこと言う。
『バレにくい嘘を付くコツは嘘の中に真実を混ぜることじゃ by長老』
実践してみたよ！ 長老！
知り合いがいないのは本当。ただし、お金に関しては嘘を付く。理由としては一番あり得そうだからです。
「……まぁ、死ぬなら俺達の目に入らないて無いところで頼むぜ？ 気分が悪いからな。ゴブリンなら森の浅いところにいるさ。深いとこには行くなよ？ オークや狼がでるからな」
「そうですね。騎士さん達も流れ矢に当たらないように気を付けてくださいね」
皮肉には皮肉で返す。
それが私のモットーです。
嫌そうな顔をする騎士の横を通り、私はティスタニアの外に出るのでした。
門の外に出ると周りには他にも幾人かの武装した人が人たちがグループを組んで好き勝手に話をしていました。
ふむ、歴戦の戦士ぽい人もいれば初心者なのか真新しい装備を身につけた人も目立ちます。
そんな中、一人でいる私はとても目立つようで一斉に視線を向けられました。
『一人が目立つみたいですね』
「みたいだね」
一人ですよ。クーちゃん。
まさか、冒険者が基本はパーティを組むのが基本だとは思ってもいませんでしたね。
エルフの里では狩りは一人でできるようになって一人前。そのためみんな個人行動でしたし。なにより周りのエルフも獲物を狙うライバルでしたからね。
「まぁ、私は一人で狩る予定だったし関係ないですけどね」
『わたしいるよ？』
「あぁ、そうでした」
そうでした。くーちゃんがいましたね。
「ではくーちゃん。行きましょうか」
『はーい』
「あ、あの！」
くーちゃんと共に森の方に向かおうとした私は後ろから声をかけられたため振り返える。
振り返った私の目に入ったのは大きなとんがり帽子だ。そこから下に瞳を向けると真っ黒なローブ、そして小柄な背丈よりも大きな杖を持った人物が立っていた。いわゆる魔女ですかね。
「なにか？」
警戒の眼差しを向けながらも一応訪ねた。無論、いつでも後ろに飛び、弓を構えれるようにしながらだけど。
「あの！ 冒険者ですよね？」
「違います」
「えぇ⁉︎」
『えぇ⁉︎』
しまった。咄嗟に嘘をついてしまった。おかけでくーちゃんと魔女っ子がすごい顔してる。
「冒険者じゃないんですか？」
「まだ冒険者じゃないです」
まだ登録証貰ってないしまだ、冒険者じゃない。うん、嘘言ってないね、私は。
「で、でもゴブリン狩りに行くんですよね？ 門の前で騎士に説明聞いてたの見ましたし！」
「あ、うん、そうだけど」
なんだろ、厄介ごとの予感しかしない。
「ぼ、ボクをパーティにいれてください！ どこのパーティにも入れなくて困ってるんです！」
魔女っ子が私に縋るように腕を掴んできた。
「え⁉︎ いや、あなた魔法使いでしょ？ それならどのパーティにも優遇されるんじゃ……」
魔法使いは希少である。
いや、確かに魔法使い自体は結構いる。だが、そこから戦闘もできるとう魔法使いと言うのはかなり希少なのだ。
「それが…… 僕が使える魔法は一つしかなくて」
そりゃだめでしょ。魔法使いは使える魔法の数で良し悪しがわかると聞いたことがあるし。
「ちなみになにが使えるの？」
「重力魔法です」
重力魔法？ 聞いたことないな。
普通は火魔法とか水魔法とかだと思うんだけど。
くーちゃんの方を見るが首を横に振っていた。精霊も知らない魔法か。
「誰かに習ったの？」
「いえ、小さい頃からこれしか使えないんです。他の魔法を使っても重力魔法になります」
なんて迷惑な。なに使っても重力魔法ってやつになるのはもはや才能ではないんだろうか。
「まぁ、いいけど。報酬は山分けよ？」
「は、はい！ ありがとうございます！」
晴れやかな笑顔を浮かべた魔女っ子がまぶしい。
あれ？
「そういえばあなた名前は？」
「ああ、すいません。自己紹介がまだでしたね」
魔女っ子が礼儀正しく礼をしてくる。
「ボクの名前はアレス。アレス・ディオンです」
「私の名前はリリカ・エトロンシア。こっちはさっき契約した精霊くーちゃんよ」
『よろしくー』
私が紹介するとくーちゃんはアレスに向かい小さな手をひらひらと降る。
「契約精霊までお持ちなんてすごいです！」
契約精霊くーちゃんを見たアレスはなぜか凄い尊敬の眼差しを私に向けてくる。たまたまなんだけどなー
こうして私とアレスの即席パーティが結成されたのであった。
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