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雑食無双ヨルムン

るーるー

ヨルムン、囲まれる

『未知の味覚を取得しました。経験値を5入手しました』


 ん? 表記が元に戻っておるのぅ。
 バグが直ったのか?
 サリハルの奴が作ったシステムのはずじゃろうにいい加減な奴じゃのぅ。
 もう少し自分の作った物には責任を持ってもらいたい物じゃな。
 というか経験値がすくないのぅ。あと次のれべるまでの経験値の数もわからんし、困ったもんじゃ。
 口の中に入った鉄の塊を咀嚼しつつそんなことを考えていると再び複数の鋼の塊が我へと向けられていた。


「貴様!」
「なんじゃ?」


 声をかけられたわけじゃから口の中なの物を飲み込み、そちらの方へと向いてやる。すると確か銃とか言うものじゃったかのぅ。それが結構な数の人間が構えて我の方へと向けてきとるようじゃな。


「質問しているのはこちらだ」
「じゃ、なんなんじゃよ」


 さっさと質問をしてこいと言うんじゃよ。
 人間というのは変なとこで気を使う生き物じゃからのぅ。
 といってもこの光景は完全に子供を脅しているようにしか見えないんじゃよな。


「何者だ!」
「ヨルムンじゃが?」
「そういうことを聞いているんじゃない!」


 何者と問われてもなぁ。
 正直に答えたとしてこやつらは信じたりせんじゃろうし。


「こいつ、最近噂でよく聞く全裸ロリじゃないのか?」
「最近暴れて回ってるという噂のか!?」


 なんじゃか酷いことを言われているような気がするんじゃがな……
 そんなに暴れた記憶はないんじゃが…… いや、よく考えたら結構暴れておるよな。城壁をちょっとばかしぶっ壊したり、聖剣を投げ飛ばしたりと確かに暴れておるわ。


「その全裸ロリがなんで城の宝物庫にいるんだ!」
「いや、よく見よ!? どう見ても全裸ではないじゃろうが!」


 服を着ているににもかかわらず全裸認定をうけるとはどういうことなんじゃ…… まぁ、服とは言えんような粗末な黒い布でしかないんじゃがな。
 いや、その前にこの何にもない空間が宝物庫とは……
 我の知っている宝物庫というのはもっときらきらしたイメージじゃったんじゃがなぁ。こんなにもナニもないとこの国の未来があんまり関係がない我でも心配になる位じゃぞ?


「答えろ!」
「うっさいのぅ」


 我に銃を突きつけてきている連中はどうやらこの城の騎士らしいのぅ。なんか偉そうな態度だから非常にイラっとくる。
 じゃが我は生きた年数で言えばはるかにこやつらよりも長い。すなわち人生の先輩なわけじゃ。そんな人生の先輩たる我がこんな生まれたてのような輩に腹をたてるというのも格好悪いというものじゃろう。
 ここは素直に答えてやるとしよう。


「ドラゴンを狩っていたら空に吊り上げられて落とされたんじゃ」


 ちょっと違うように答えてやる。
 尻尾で突き刺してさらにはレイアの翼を叩き斬って墜落したなどという本当の話をしたところで信じられんじゃろうからな。


「バカな、ドラゴンの飛ぶ高さから落ちて無事なわけないだろうが!」


 あれ? 本当の事を言ったはずなのにより一層警戒されたんじゃが……
 確かに普通の奴らならばあの高さから落ちたら死からは間逃れんじゃろう。
 でも我は世界蛇のヨルムンじゃしなぁ。普通とはかけ離れた存在じゃし。


「それに貴様が身に纏っているものだ!」
「ただの布じゃろう?」


 一番偉そうな奴が我の体を包み込んでいる黒い布を指さし喚く。たがだか布一枚でそんなに喚かんでもいいと思うんじゃがな。


「それはただの布ではない! この国、ワルツェルテ王国の管理する宝具だ!」
「え、こんな布切れが?」


 確かに肌触りはどことなく良い物のようじゃがこれで宝具扱いなのか? というか宝具ならもう少し日の当たる場所で管理をしてやったほうがいいと思うんじゃが。


「さっさと脱げ!」
「これ脱ぐと我は裸になるんじゃが……」


 なにせレイアの奴に全て燃やされてしまったわけじゃからのう。


「なら貴様を殺して……」
「短絡すぎやせんかのう⁉︎」


 思わずツッコミを入れるや否や騎士共は躊躇いなく引き金を引きよった。地下であるからか轟音がやたらと響き、室内に反響しよる。それを咄嗟に体を動かして避けようとしたわけじゃがなにせ階段は狭い。避ける場所などはなかったために何発かは我の顔と脚へと当たる。


「あだぁ⁉︎」


 痛みと衝撃で体を仰け反らしながら叫ぶ。
 血などは流れてはおらぬが痛い。衝撃が痛い。


「くそ! 本当に攻撃が効かないのか!」
「こいつに攻撃しても全裸になるだけだ! 応援を呼べ! 魔法使いの応援を呼ぶんだ!」


 そんな声が聞こえてきている間にも銃弾の乱射が止まらぬ。
 至る所に銃弾が当たり痛みが襲ってくるのでたまらず後ろへと下り、先ほど瓦礫で埋めたレイアの近くまで後退する。


「くそぅ、あの銃とかいうのはダメージはないのにめちゃくちゃ痛いのう」


 瓦礫に隠れ、僅かに顔を出して階段の方を見ると銃を構えたまま騎士共がワラワラと降りてきては隊列を組み始めるところであった。


「ここで暴れたら生き埋めになりそうじゃのう」


 それなりの広さがある地下とはいえヨルムンテイルで暴れれば容易く崩壊しそうじゃし。死ぬことはないじゃろうが動けなくなりそうじゃな。


「さて、どうしたもんかのう」

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